事業等のリスク

伊藤園グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。また、必ずしも重要な影響を及ぼすリスク要因に該当しない事項についても投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しています。

※本文中における将来に関する事項は、2021年4月30日現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

1. 国内経済、消費動向

伊藤園グループの事業の大部分は、日本国内において展開しております。そのため、日本国内における景気や金融政策、自然災害や新型コロナウイルス感染症拡大などによる経済動向の変動や、これらに影響を受ける個人消費動向の変動は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

2. 市場での競争

伊藤園グループの主要事業である飲料製品の市場は、店頭での低価格化が続き、販売額の伸び悩みが顕著となっており、併せて、キャンペーン等による販売促進活動により、依然として飲料各社の激しい競争が続いております。また、カテゴリー間でのシェア争いや、消費者の嗜好の変化により、製品のライフサイクルが短い市場でもあります。

このような市場環境のなか、伊藤園グループは緑茶飲料を中心としたお客様のニーズに沿った製品の提供や、ルートセールスを中心とするお客様へのサービスに努めております。

今後も継続してこれらの施策を実施するとともに、市場動向を予測し、競争に打ち勝つ施策を展開してまいりますが、これらの施策が市場環境の変化に十分対応できなかった場合、伊藤園グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

3. 原材料調達

伊藤園グループの主要事業は、茶系飲料を中心とする飲料製品でありますが、就農人口の減少や、茶園面積の減少による茶生産量の減少に加え、飲料用茶葉の需要増大により、伊藤園グループが必要とする茶葉の確保が出来ない場合の需給関係の悪化や、輸入原料(穀物・野菜等)の高騰により調達コストが上昇し、原価高の要因となる可能性があります。

また、伊藤園グループの飲料製品の販売数量のうち、PET容器の占める割合はおよそ75%となっており、PET容器の原料である石油価格の高騰等により、原価高の要因となる可能性があります。加えて、ペットボトルをはじめとするプラスチック容器等の環境問題がクローズアップされています。当社はペットボトルの軽量化などに加え、2030年までにペットボトルに使用するリサイクル素材等(生物由来素材を含む)の割合を100%にする目標を掲げ、資源循環に取組んでいます。

伊藤園グループが今後これらの市場環境の変化に対応できなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

4. 生産体制

伊藤園グループでは、グループ内工場で茶葉製品の大部分と、飲料製品の原料製造を行っております。また、飲料製品の大部分と茶葉製品の一部は、グループ外の委託工場で製造しております。

グループ内工場におきましては、生産設備が突発的に停止することがないよう、定期的に設備点検等を実施しております。また委託工場につきましては、不測の事態が発生した場合に備えて、全国各地に複数の委託工場を確保しております。しかしながら、天災等による生産への影響を完全に排除できる保証はなく、不測の事態が発生した場合には、伊藤園グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

5. 気候変動・自然災害

地球温暖化に伴う気候変動は、集中豪雨などの異常気象による洪水・土砂災害や酷暑、水資源の変化など、様々な被害をもたらします。当社グループの主力製品の原材料は、茶、コーヒー、野菜、果実等の農産物であるため、生産地での気候変動の影響による不作が生じた場合、原材料調達価格の上昇及び必要量の不足に伴う販売機会損失などが想定されます。また、気候変動による悪影響及び地震などの自然災害が想定範囲を超えた場合、本社機能や生産、物流体制に支障をきたすことが想定され、伊藤園グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

伊藤園グループでは、環境負荷低減のため、温室効果ガス排出量の削減や持続可能な水資源の利用、廃棄物削減など様々な課題に取組んでいます。

気候変動問題につきましては、2030年度、2050年度のCO2排出量削減目標としてそれぞれ、Scope1、2で総量26%削減、50%削減、Scope3で原単位26%削減、50%削減(基準年はすべて2018年度)を掲げました。

持続可能な水資源の利用につきましては、2021年4月に「水資源に関する中長期環境目標」を策定し公表いたしました。また、当社の主力製品の原料である茶葉についてシナリオ分析を実施しました。

今後も継続的に気候変動が事業に及ぼす影響を把握し、適切に対応できる体制を整備してまいります。

6. 「お~いお茶」ブランドへの依存

伊藤園の飲料製品売上に占める「お~いお茶」ブランドの割合は約40%と、高い比率を占めております。国内の緑茶飲料市場規模は4,180億円(2020年1月~12月当社調べ)で、当社のシェアは約33%(当社調べ)となります。

伊藤園グループでは、今後も緑茶飲料市場の成長が期待され、市場の拡大とともに「お~いお茶」ブランドも伸長するものと予測しておりますが、緑茶飲料市場の激しい競争のなか、伊藤園グループのシェアが低下することや、緑茶飲料に代わる製品の登場により、緑茶飲料市場の成長が鈍化した場合、並びに伊藤園グループがこれらの市場環境の変化に対応できなかった場合、伊藤園グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

7. 為替動向

海外のグループ会社の財務諸表は現地通貨にて作成されているため、連結財務諸表作成時に円換算されることになり、為替相場の変動による円換算時の為替レートの変動が伊藤園グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

8. 海外事業

伊藤園グループは、北米、中国、東南アジア、豪州を中心に海外の事業を展開しております。企業活動のグローバル化に伴い、海外活動の重要性がますます増大しており、海外における企業活動や取引はその対象国固有の政治的、経済的、法的要因によるため、重要な変化があった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

9. 法的規制等

伊藤園グループは、事業の遂行にあたって、食品衛生法、製造物責任法(PL法)、労働関連法規制、競争関連法規制、個人情報保護規制、環境関連法規制等、様々な法的規制の適用を受けております。

伊藤園グループがこれらの法令に違反した場合や、その他社会的要請に反した行動をとった場合には、法令による処罰、訴訟の提起、社会的制裁などを受け、お客様からの信用が失われる可能性があります。

また、今後、新法の制定、法改正、法令の解釈変更にて法的規制等を遵守することが著しく困難になった場合や、規制の強化によりコスト負担が増えた場合、伊藤園グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

10. 情報管理

伊藤園グループは、ルートセールスや通信販売等の営業取引や消費者キャンペーンを含む販売促進活動等を通じて、相当数のお客様情報を保有しているほか、伊藤園グループで実施している「伊藤園お~いお茶新俳句大賞」の募集により、潜在的なお客様の情報も保有しております。これらお客様の個人情報は、伊藤園グループで管理するほか、一部はグループ外の管理会社に管理を委託しております。

これら個人情報を含めた重要な情報の紛失、誤用、改ざん等を防止するため、システムを含め情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、今後これらの情報が停電、災害、ソフトウエアや機器の欠陥、ウイルスの感染、不正アクセス等の予期せぬ事態の発生により、情報の消失、外部へ漏洩する等の事態が起きた場合、伊藤園グループの信用低下を招き、伊藤園グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

11. 食品の安全性、衛生管理

伊藤園グループは、食品の安全性、衛生管理を経営上の最重要課題と認識し、「伊藤園グループ品質管理方針」を設定、これを遵守し食品の安全性と衛生管理を確実にするため、伊藤園に品質管理部を設置しております。品質管理部では自主基準を設け、製品の安全性について品質検査を行うとともに原材料に由来する異物混入および禁止添加物等の使用を防止するための確認、トレーサビリティシステム(原材料、加工、流通など製品履歴の遡及、追跡)の維持管理、外部委託工場への品質管理指導と監査を実施しております。また、定期的に開催する品質会議において、伊藤園グループの各製造担当者、外部委託工場担当者に監査結果とさまざまな品質情報をフィードバックしております。これらの活動によりサプライチェーン全体の食の安全性、衛生管理に対する意識向上と一層の体制強化、リスクの極小化を図っております。

国内の直営店で行っている事業につきましては、食品衛生法の規制対象となっているものがあります。これらの事業につきましては、法令の遵守に加え、出店先の衛生基準及び当社マニュアルに基づいた衛生管理を徹底しております。

しかしながら、上記の取組みにもかかわらず異物混入及びアレルゲン表示が不適切な製品の流通、原材料由来による禁止添加物の使用及び残留農薬問題(連鎖的風評被害を受ける場合を含む)、食中毒等の衛生問題が発生した場合、伊藤園グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また業界、社会全体に及ぶ品質問題等、伊藤園グループの取組みを超える事態が発生した場合も、伊藤園グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

12. 減損会計

伊藤園グループは、事業用の不動産やのれんをはじめとする様々な固定資産を所有しております。こうした資産は、時価の下落や、期待しているキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、その収益性の低下により減損会計の適用を受ける可能性があり、減損損失が発生した場合、伊藤園グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

13. 新型コロナウイルス感染症の影響について

全国各地に拡大を続けている新型コロナウイルス感染症に対して、当社グループではお客様(消費者、株主、販売先、仕入先、金融機関、地域社会の皆様)及び社員の安全を第一とし、当社ウイルス感染対策室の指示の下、更なる感染拡大を防ぐための行動を継続しております。具体的には、工場見学や販売促進企画等の多くのお客様にお集まりいただくイベントの自粛、Web会議等オンラインツールの活用、テレワーク(在宅勤務)や時差出勤の適用など、「3つの密(密閉、密集、密接)」を避ける対応を実施しております。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症の発生及び感染拡大による影響が、当社グループが想定している以上に長期化、深刻化した場合、個人消費の低迷、国内外サプライチェーンの停滞、当社グループの事業活動の停滞等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。