新たなマテリアリティ
の特定にあたり
2021年度に実施したステークホルダーダイアログ(有識者懇談会)
新・中長期経営計画の策定に合わせてマテリアリティ(サステナビリティ重要課題)を見直し、新たに取組むべきマテリアリティを特定するため、2022年4月に有識者とのステークホルダーダイアログを実施しました。
有識者一覧
-
皆川 芳嗣 氏
株式会社農林中金総合研究所 理事長
一般社団法人日本農福連携協会
会長理事 -
松原 稔 氏
りそなアセットマネジメント株式会社
執行役員 責任投資部担当 -
大石 美奈子 氏
公益社団法人日本消費生活アドバイザー・
コンサルタント・相談員協会
前代表理事・前副会長
※所属・役職名は、2022年7月時点のものです。
実施目的:
一.抽出したマテリアリティ(サステナビリティ重要課題)候補について、外部有識者にご評価いただく
一.外部有識者と当社取締役が直接意見交換をすることで課題や改善事項を再認識し、経営に活かす
社外有識者:
株式会社農林中金総合研究所 理事長、
一般社団法人日本農福連携協会 会長理事
皆川 芳嗣氏
りそなアセットマネジメント株式会社
執行役員 責任投資部担当 松原 稔氏
公益社団法人日本消費生活アドバイザー・
コンサルタント・相談員協会
前代表理事・前副会長
大石 美奈子氏
社内参加者:
代表取締役社長 執行役員 本庄 大介
代表取締役副社長 執行役員CDO(チーフ・デジタル・オフィサー) 本庄 周介
取締役 専務執行役員 生産本部長 中野 悦久
取締役 専務執行役員 管理本部長 平田 篤
※社内参加者の所属・役職名は2022年4月時点の名称です。
ステークホルダーダイアログでは以下のようなご意見をいただきました。
- 持続可能な国内農業について
- 皆川 氏
政府の「みどりの食料システム戦略」は、世界の環境との調和を図りながら国内農業をいかに持続可能なものにしていくか、という視点で作られたものだと考えています。伊藤園の「茶産地育成事業」は、単なる原料調達ではなく、茶畑の土づくりから生産者と協働し、国内農業と食品の持続可能性を高める取組みです。今後も、蒸気防除機や茶殻の堆肥化といった減農薬、減化学肥料、有機栽培の技術開発や、AIを活用したIT化などをさらに推進し、地域の課題解決に貢献することを期待します。
- 皆川 氏
- 従業員の働きがい、人材について
- 皆川 氏
人は、人と繋がると安心感が高まります。パーソナル面で交流の場を作るというのも、働きがいを高める一つの考え方です。また、「茶産地育成事業」のような社会課題解決に繋がる会社の取組みを、社員が実感し、仕事に誇りを持てた時に求心力に繋がると考えます。 - 大石 氏
この会社で頑張ろうと思ってもらうには、将来この会社で自分がこうありたいという姿を描けるかどうかが重要だと考えます。それには、手本となるような存在が社内にたくさんあることが理想的です。例えば、男女、年齢、国籍の違い、障がいのある方など、多様性は今後の会社の強みにもなると思っています。 - 松原 氏
企業を動かすのは社員の皆さんです。社員一人ひとりの強みを引き出し、「働きやすさ」「働き方」「働きがい」の3つを同時に実現して、社員をどのような形で育て、守り、企業の力に繋げていくことは未来への成長のカギになろうかと思います。また、投資家をはじめ、人的資本への関心が高まっている昨今、人材が企業にとって価値そのものであることを可視化して、資本市場へ伝えていくことも重要だと考えます。
- 皆川 氏
- Z世代をはじめとする次世代のニーズへの対応
- 大石 氏
特にZ世代をはじめとする若年層は、製品を選ぶ際に値段や品質だけでなく、製品の裏側にあるストーリーを大事にします。原料の調達から製造、流通、廃棄・リサイクルに至るまで、バリューチェーン全体を通じた製品ライフサイクルの観点から、社会・環境課題に向き合い、そのことが消費者にしっかり伝わるようコミュニケーションを行い、日本の食文化が後世に繋がるよう情報発信していくことを期待しています。 - 松原 氏
次の世代、未来の人たちの感性は、エシカルやSDGs、健康や品質へのこだわりなどの価値観の枠組みが、これまでの我々世代とは大きく異なります。今の若い人たちにとっての「いいもの」は、「良い物」から「善きもの」になってきていると感じています。「モノ」の原料から廃棄やその後に至るまでのストーリーを見て「善きもの」と考える。そのような価値観を持つ「未来のお客様」に対して、どのようなメッセージを伝えていけるかが大事なポイントであると思います。
- 大石 氏
- 中長期経営計画について
- 松原 氏
長期ビジョン「世界のティーカンパニー」が目指す「ありたい未来社会」を描いてほしいと思います。また、「気候変動」や「人権」といった重要テーマの次に「食と農業」の問題に注目しています。生態系が破壊されると、農業にも深刻な影響を及ぼします。また、世界では砂糖税の導入が検討されるなど砂糖が課題になっています。その中で、「無糖飲料市場」を創造し、グループミッションとして「健康創造企業」を掲げる伊藤園に対し、「21世紀の食と農業」という大きな課題を、ビジネスの機会に変換する力を見せてくれることを期待します。 - 皆川 氏
長期ビジョンの「世界のティーカンパニー」を目指す上で、世界の環境との調和を図り、国内で築いてきた品質やブランドをしっかり守りながら、海外展開していくこと、そして業界のトップランナーとして、取組みについて発信力を高めていくことを期待しています。
- 松原 氏
今回のステークホルダーダイアログを通じていただいたご意見をもとに、2022年4月の取締役会において新・中長期経営計画と併せて審議を行い、経営課題として取組む領域として7つのマテリアリティと取組みテーマを特定しました。