ニュースリリース

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平成25年

2013年7月3日

第二十四回伊藤園お~いお茶新俳句大賞

受賞作品発表

愛知県岡崎市の新谷 英二(しんたに えいじ)さん(12歳)が全国1,650,211句の頂点に!

株式会社伊藤園(社長:本庄大介 本社:東京都渋谷区)は、昨年11月3日から今年2月末日まで募集しておりました「第二十四回伊藤園お~いお茶新俳句大賞」の入賞作品2,000句を決定いたしました。今回は1,650,211句のご応募をいただき、最終審査は俳人の金子兜太さん、倉橋羊村さん、黒田杏子さん、星野恒彦さん、女優の吉行和子さん、写真家の浅井愼平さん、作家の阿川佐和子さん、書道家の武田双雲さん、明治大学教授のフィリップD.ジトウィッツさんの、各分野の第一人者9人で行われ、最高位賞である文部科学大臣賞に愛知県岡崎市在住の新谷英二(しんたに えいじ)さんの句が選ばれました。

この作品は、新谷さんが修学旅行で乗った新幹線で、きれいな紅葉がスピードにのって真横に流れていく光景に感動して詠んだ句です。新谷さんには賞金50万円と副賞が贈られ、受賞作品は本年8月中旬頃から順次、日本茶飲料「お~いお茶」シリーズのパッケージに掲載されます。

また、この他6つの部門の大賞6句、優秀賞44句と、審査員賞9句、後援団体賞11句、都道府県賞240句、佳作特別賞1,689句を含む、計2,000句が順次パッケージに掲載されます。

「伊藤園お~いお茶新俳句大賞」は、1989(平成元)年にスタートした日本最大規模の俳句創作の公募コンテストです。入賞作品を製品パッケージに掲載すること、季語や五・七・五の定型等にとらわれず自由な感性で俳句を詠むというコンセプトのユニークさが特徴で、今回で累計応募総数が24,505,453句となりました。今後も「伊藤園お~いお茶新俳句大賞」を通じてより多くの方々に「お~いお茶」をご愛飲いただけるよう努めてまいります。

※賞金50万円の半分は、応募時に所属していた小学校へ提供いたします。

【文部科学大臣賞】

新幹線秋を真横に走ってる

新谷 英二(しんたに えいじ)さん 12歳 愛知県岡崎市
※受賞者の年齢は応募時のもの

第二十四回伊藤園お~いお茶新俳句大賞

文部科学大臣賞

●賞金:50万円(賞金の半分は所属する学校に提供)
 賞品:賞状、受賞作品掲載「お~いお茶 緑茶」、受賞作品掲載額、入選作品集

新幹線秋を真横に走ってる

新谷 英二(しんたに えいじ)さん 12歳 愛知県岡崎市

(作者より)
修学旅行で乗った新幹線で、きれいな紅葉がスピードにのって真横に流れていく光景に感動して詠んだ句です。

(選評)
秋の爽やかな空間を、新幹線が走り抜けます。独特の流線形の車両の頭が、空間を切り裂くように突っ走る。「真横に」と捉えたことで、見ている画面の下三分の一あたりを、水平に切ってゆく感じになります。背景に雪をいただいた富士山の見える東海道。「秋を真横に」で、見事な秋の空間を横断する緊張感が生まれ、それを「走ってる」と、平易な言葉で表現し、スピード感と躍動感が感じられます。また、作者の「見て、見て」と叫んでいる様子も想像できます。

【作者プロフィール】
新谷 英二(しんたに えいじ)さん 12歳 愛知県岡崎市

第二十四回伊藤園お~いお茶新俳句大賞の文部科学大臣賞を受賞されたのは、愛知県岡崎市の新谷英二さんです。岡崎市は徳川家康の生誕地として知られ、矢作川が南北、乙川が東西に流れる、歴史と伝統に育まれた街です。その街で新谷さんはお兄さんとご両親の4人家族でお住まいです。
学校の授業で習う以前から、テレビなどで俳句を知っていたという新谷さんですが、普段から俳句、短歌、イラストなどを書き残すためのメモ帳を持っていて、今回の作品もそれに書き残していたもの。仲良しのお兄さんが第二十二回の新俳句大賞で佳作特別賞に入賞したことがきっかけとなって、新俳句大賞を知り、挑戦してみたいと思ったそうです。お兄さんとはよく一緒に遊んでいることもあり、お兄さんのすることに興味を持つことも多いようです。
文部科学大臣賞の受賞作品について新谷さんは、「昨秋、一泊二日の修学旅行で京都・奈良に出かけた時、道中の新幹線の車窓から紅葉がスピードにのって真横に流れていくのが見えました。その様子を帰宅後、句として残し、それを他の句と一緒に新俳句大賞に応募しました」と説明してくれました。
現在は中学生の新谷さんですが、応募した時は小学校6年生。小学校の担任の先生によると、「明るく活発で、向上心があり、クラスではしっかり者」だったそうです。中学校では剣道部に入って頑張っている新谷さんです。

大賞

●賞金:20万円(「小学生の部(幼児含む)」、「中学生の部」の賞金の半分は所属する学校に提供)
 賞品:賞状、受賞作品掲載「お~いお茶」、受賞作品掲載額、入選作品集

【小学生の部(幼児含む)】応募総数 542,565句

満月の美しさに負け雲消える

牧浦 佑樹(まきうら ゆうき)さん 10歳 鹿児島県日置(ひおき)市

(選評)
夜空に満月が出ています。月の出はじめは雲がかかっていたのに、次第に雲は消えていき、満月だけが大きく輝いています。雲は満月の美しさに負けたのでしょう。満月の女神に恐れをなしたに違いありません。「美しさに負け」という言い方は、大人がいうと理屈めいて感じられますが、子供がいえば素直な感想のように聞こえてくるので不思議です。まるで「うわーすごい」という声が聞こえてくるようです。

【中学生の部】応募総数 406,843句

月光は薄きまぶたを通りけり

毛利 大騎(もうり だいき)さん 15歳 東京都東大和市

(選評)
月の光を浴びながら目を閉じていると、まぶたを通して月光が射し込んでくるのがわかります。まぶたは月光に照らし出されて、明るんでいるようです。瞳の奥にまで光が届くのを感じています。「薄きまぶた」が、月光の照射感を確かに捉えているからです。これは作者自身の体感ともいえますが、あるいは同じ年頃で女性の友達の様子とみてもおかしくないでしょう。

【高校生の部】応募総数 592,052句

君の声カゲロウ越えて響いてく

渡邊 澪(わたなべ みお)さん 17歳 神奈川県横浜市

(選評)
「君の声」の「君」とは、作者の大切な友人。「カゲロウ」は、「陽炎(かげろう)」でしょうから、揺らめくような情感の揺れは、異性に対するものとみてよいのではないでしょうか。意中の人の声は、陽炎の向こうまで響きわたるのでしょう。その甘やかな声の透明感は、作者自身の心にも染み透っていきます。カタカナ表記する必然性に戸惑いましたが、おそらく陽炎の異空間でさえ、「君の声」は乗り越えていくことを強調したかったのでしょう。

【一般の部A(40歳未満)】応募総数 33,603句

金魚にはなれない黒きスーツ着る

樺山 博詞(かばやま ひろし)さん 31歳 宮崎県西都(さいと)市

(選評)
「金魚にはなれない」と俯瞰して自分を見ている、この句の主人公は、黒いスーツを着る前は、金魚のようなのんびりとした人だったのでしょう。黒いスーツにはそれこそ金魚のような華やかさは無いけれど、決して悪いものではありません。急に大人びたように見え、また前向きな決意も感じられます。日々を堅実に生きる作者の姿がそこにはあります。そんな日々も決して悪いものではないのです。

【一般の部B(40歳以上)】応募総数 59,028句

アマゾンに九十二才の初鏡

服部(はっとり) タネさん 92歳 ブラジル

(選評)
これはどうやら作者の自画像のようです。ブラジルはアマゾンの流域に住んで、九十二才の新年を迎えられた。遠く離れていても、祖国日本の生活習慣にのっとり、新年の身だしなみの初化粧をする。どうやら今年も新しい年を一つ加えることができました、お陰様でなんと、九十二才の年ですよと。それは、鏡に向かい少し華やいだ気分で、自分自身に言い聞かせているようです。ブラジル在住でも今もなお、祖国のことを忘れることはないのでしょう。

【英語俳句の部】応募総数 16,120句

Dragonfly
Let me see through your eyes
Thousands of autumns

(訳)トンボさん/その眼に映る/たくさんの秋を見せてよ

関山 碧(せきやま あおい)さん 15歳 茨城県守谷市

(選評)
トンボの頭の大半を占める複眼は、小さな個眼が多数集まっていて、物の形や色彩、運動を弁別します。山地、草原、水辺と広く飛びまわるので、さぞかし種々な秋景色を見せてくれます。トンボに親しむ少女の、旺盛な好奇心と着眼が素晴しいです。

※ 各受賞者の年齢は応募時のもの

【参考】 伊藤園お~いお茶新俳句大賞について

企画誕生の背景

伊藤園が世界で初めて緑茶の缶飲料化に成功し、発売5年目にあたる1989(平成元)年は、松尾芭蕉の「奥の細道」300周年ということもあり、俳句が静かなブームを呼んでいました。また前年には俵万智氏の「サラダ記念日」の販売部数が260万部になり、カルチャーセンターでもこの頃から俳句、短歌の人気が高まり、伝統的な短詩形文学の世界に新たな関心が寄せられました。しかし、多くの方々は初心者ということもあって作品発表の機会がほとんどなく、発表したいという想いが強まっていました。そこで日本文化が育んだ緑茶を扱っている伊藤園が、伝統的な日本文化である俳句の一般愛好者に貢献できないか…ということで企画の検討が始まりました。

企画のコンセプト1

俳句は、独自の細かい約束ごと(季語、定型など)が重んじられます。しかし、この約束ごとを満たさなくても素晴らしい句はたくさんあります。約束ごとにとらわれない表現は初心者が取り組みやすいと同時に、ベテランと同じ土俵で「表現力」を競い合うことが出来ます。こうして、創作上の制限をできるだけ省き、五・七・五のリズムで自由に表現する「伊藤園お~いお茶新俳句大賞」が誕生しました。従来の俳句の作風にとらわれず、広く新しい視点で審査を行うために、俳句の第一人者に加え、小説、写真、演劇、書道…といった様々な分野の方々に審査をお願いしております。

企画のコンセプト2

伊藤園の「お~いお茶」は、全国で多くの方々に愛飲されており、そのパッケージは、メディアとしても活用できます。1989(平成元)年に誕生した「お~いお茶」は、いつでもどこでもおいしい緑茶を飲んでいただこうと開発した、伊藤園の日本茶飲料ブランドであり、創作上の制限を設けない「新俳句」は「お~いお茶」にふさわしいものだと考えました。短文表現の発表の場として、自社製品のパッケージを開放することも現代にマッチした新しい文化活動であると考えております。

新俳句大賞の反響

第一回から今回までの累計応募総数は約2,450万句となっております。新俳句の大きな特徴の一つに、初めて俳句を創作した方からの応募が多いことが挙げられます。同時にベテラン俳人にとっても、新俳句大賞は、「流派の垣根や既成概念を取り払った腕試しの場」、あるいは「俳句の新しい楽しみ方ができる場」として定着してきたようです。
また、小、中、高校生からの応募が全体の約9割以上で、そのほとんどが学校からの団体応募です。このように多くの学校の授業や冬休みの課題で、新俳句が採用されていることは喜ばしい限りです。今まで「知識と鑑賞」が中心だった学校の俳句授業に「表現と発見の楽しみ」が加わってきたともいえます。

文部科学大臣賞 受賞作品が掲載された「お~いお茶 緑茶」

文部科学大臣賞 受賞作品が掲載された「お~いお茶 緑茶」

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