伊藤園×パイロット、茶殻染色剤を活用したアップサイクルレザーによる革小物シリーズ「茶の恵」を発売

株式会社伊藤園(社長:本庄 大介 本社:東京都渋谷区 以下、伊藤園)は、「お~いお茶」などの日本茶飲料の製造過程で排出される“茶殻”をアップサイクル(※1)して「茶殻染色剤」を開発しました。この「茶殻染色剤」を使用したアップサイクルレザーを用いて、株式会社パイロットコーポレーション(社長:藤﨑 文男 本社:東京都中央区 以下、パイロット)が革小物シリーズ『茶の恵(ちゃのめぐみ)』を展開、6月1日(日)より販売開始します。

「茶殻染色剤」は、緑茶飲料の製造時に排出される“茶殻”を原料とし、生地の加工工程において使用する染色剤です。「茶殻染色剤」は、緑茶成分に含まれるタンニン(カテキンなど)の働きにより、革製品の製造で不可欠な鞣(なめ)し工程において原料皮の防腐性を高め、変形を抑える鞣剤(じゅうざい)としても活用できます(※2)

この度、パイロットは「茶殻染色剤」によるアップサイクルレザー「レッザボタニカ®(※3)を使用した革小物シリーズ『茶の恵(ちゃのめぐみ)』を企画し、文具やアメニティも収納できる大きめの「茶の恵 マルチポーチ」、バッグの中で小物をまとめるのに便利なサイズの「茶の恵 ミニポーチ」、マチが大きく、多くの筆記具を収納できる「茶の恵 ペンケース」、内側のバイカラーがアクセントとなり約30枚収納できる「茶の恵 名刺入れ」の4種類を、6月1日(日)に販売開始します。

今回、「茶殻リサイクルシステム」のコンセプトである“お茶をお客様の身近な製品へ活用する”という想いのもと、両社の「環境に配慮した製品の開発」といった考え方が合致し、発売に至りました。伊藤園は今後も、“お茶をお客様の身近な製品へ活用する”という「茶殻リサイクルシステム」のコンセプトのもと、茶殻をアップサイクルした身近な茶配合製品の研究開発に積極的に取組み、本業を通じた環境保全・社会貢献活動の輪をより一層広げてまいります。

 

〇革小物シリーズ『茶の恵』について

革小物シリーズ『茶の恵』で使用する原皮は、上質な日本産の黒毛和種を使用し、「お~いお茶」の生産時に使用する国産茶葉から得られる副産物「茶殻」をアップサイクルした「茶殻染色剤」を革の鞣し工程で使用しています。この「茶殻染色剤」には緑茶成分に含まれるタンニンの働きによる抗菌・消臭効果や原皮の防腐性を高め、変形を抑える鞣剤(じゅうざい)の効果があります。鞣し加工は国内で行い、品質を徹底しています。

また、革の色や表情にもこだわり、深蒸し茶をイメージした深みどり色、色鮮やかな新茶をイメージした浅みどり色、落ち着いた色合いのほうじ茶色の3色を揃え、革の表面はシボを型押しで仕上げています。ポーチとペンケースのジップ部分にはお茶の葉をイメージした引手を採用し、各アイテムには、「茶」の漢字を象形文字風にデザインしたロゴマークを型押ししました。

アイテムは、文具やアメニティも収納できる大きめの「茶の恵 マルチポーチ」、バッグの中で小物をまとめるのに便利なサイズの「茶の恵 ミニポーチ」、マチが大きく、多くの筆記具を収納できる「茶の恵 ペンケース」、内側のバイカラーがアクセントとなり約30枚収納できる「茶の恵 名刺入れ」の4種類を展開します。

販売者:株式会社パイロットコーポレーション
製品詳細:https://www.pilot.co.jp/press_release/2025/05/13/post_2.html

 

〇「茶殻リサイクルシステム」について

伊藤園では、「お~いお茶」をはじめとする日本茶飲料の販売拡大に伴い、製造過程で排出される茶殻の量も年々増加しています(2023年度の排出量は約56,600トン)。そうした中、2000年から茶殻などの飲料残渣を工業製品などに有効利用する研究開発を推進しており、畳や建材、樹脂製品、「お~いお茶」のペットボトル用段ボールなど、約100種類の茶殻リサイクル製品を開発しています。

ご参考:茶殻リサイクルシステムHP https://www.itoen.co.jp/ochagara_recycle/

 

(※1)「アップサイクル」とは、サステナブル(持続可能)なものづくりの新たな方法論のひとつで、従来のリサイクル(再循環)と異なり、単なる素材の原料化やその再利用ではなく、元の製品よりも次元・価値の高いモノを生み出すことを、最終的な目的とするものです。
(※2)「鞣(なめ)し」とは、革を科学的かつ物理的に操作することにより、革に耐熱性と化学試薬や微生物に対する抵抗性を付加するとともに、表面に革らしさを生み出すために必要な工程です。鞣し工程の種類には、「タンニン鞣し」「クロム鞣し」「混合鞣し」があり、その工程では鞣剤を使用します。この「茶殻染色剤」を鞣剤として使用する鞣し工程は、緑茶成分のタンニンをいかした「タンニン鞣し」です。
「タンニン鞣し」は古くは紀元前600年頃の地中海沿岸で既に行われていたものです。現代でも「タンニン鞣し」は行われていますが、日本国内で使われる「植物タンニン」の鞣剤はほとんどが南アフリカや南アメリカからの輸入に頼っています。一方で今回開発した「茶殻染色剤」は、そのもととなる茶殻は国産茶葉を原料とした「お~いお茶」をはじめとする緑茶飲料であり、「茶殻染色剤」の生産も国内であるため、輸入コストや輸送にかかるCO2排出量の削減にも貢献します。
(※3)レッザボタニカ®は、富田興業株式会社の登録商標です。

画像ダウンロード