自動販売機の接触部分に貼付している「茶殻抗菌シール」が抗ウイルス性試験で効果を確認

株式会社伊藤園(社長:本庄大介 本社:東京都渋谷区)は、株式会社ワンウィル(社長:山本倍章 本社:神奈川県横浜市)、サンロック工業株式会社(社長:竹中洋二 本社:大阪府大阪市)と共同開発した、カテキンなど緑茶成分由来の抗菌効果(※1)がある製品「茶殻抗菌シール」において、インフルエンザウイルスを用いて抗ウイルス性試験を行ったところ、ウイルスの減少率が99%以上であること(※2)を確認しました。

この「茶殻抗菌シール」は、当社の自動販売機において、消費者の「安心」「安全」の思いに寄り添い、購入ボタンや取り出し口などに貼付しています。今後は、ウイルスの減少を確認した「茶殻抗菌シール」として、展開台数を60,000台まで広げ、より安心される自動販売機の展開を進めてまいります。

今後も、「茶殻リサイクルシステム」のコンセプトである「お茶をお客様の身近な製品へ活用する」という考えのもと、身近な茶配合製品の研究開発に積極的に取り組んでまいります。

(※1)大腸菌、MRSA、サルモネラ菌、白癬菌を用いて抗菌力評価試験を行ったところ、抗菌効果が認められました。
(※2)インフルエンザウイルスInfluenza A virus(H3N2):ATCC VR-1679を用いて抗ウイルス性試験を行ったところ、ウイルス減少率が99%以上であることを確認しました。

 

◆抗菌力評価の試験方法:
茶殻抗菌シールを「JIS L 1902:2002 菌液吸収法」に従い、菌液(大腸菌、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、サルモネラ菌、白癬菌)を接種し、37℃・18時間保存後、生菌数を測定。

◆抗ウイルス性の試験方法:
5cm角の試験片(試験サンプルとコントロール)に0.4mLのウイルス液を滴下し、4cm角のフィルムで被覆。この試験片を25℃×24時間静置し、試験片上のウイルスを洗い出して回収した後、ウイルス感染価(細胞感染性を持つウイルス粒子の数)を測定。

試料名 感染価(PFU/ml)
24時間後
コントロール

(ポリエチレンフィルム)

2.14×105
茶殻抗菌シール 4.68×10

試験ウイルス液濃度:1.7×107PFU/ml

茶殻抗菌シールは、コントロール(ポリエチレンフィルム)と比べてインフルエンザウイルス感染価が99%以上少ないことを確認。

■茶殻リサイクルシステム
茶殻は多量の水を含んでいるため腐敗しやすく、代替原料化するには乾燥工程が必要となります。しかし、乾燥することで燃料消費や二酸化炭素の発生が課題となり、これまで茶殻を保存・輸送する技術を確立できていませんでした。そこで当社は、お茶のリーディングカンパニーとして、含水のまま常温保存して輸送・工業製品に配合できる技術「茶殻リサイクルシステム」を2001年に確立しました。