(株)サンエー産業との共同により茶殻を配合した健康サンダルを開発

~ 茶系飲料残渣(茶殻)を活用した身近な製品作りを推進 ~

株式会社伊藤園(社長:本庄大介 本社:東京都渋谷区)は、株式会社サンエー産業(社長:堀康治 本社:岐阜県岐阜市)と共同で、当社独自の『茶殻リサイクルシステム』を活用し、茶系飲料残渣(茶殻)を配合した抗菌・消臭性を有する「お茶殻入り健康サンダル」を開発いたしました。
「お茶殻入り健康サンダル」は、『葉(は)かなくっ茶(ちゃ)』というブランド名で、12月より(株)サンエー産業が全国百貨店、地方問屋を通して販売する予定です。

「お茶殻入り健康サンダル」は、足の裏があたるインソールの凹凸部分に緑茶飲料を製造する過程で排出される茶殻を配合した樹脂(茶配合樹脂)を用いることにより、茶の香りや抗菌・消臭性を付与した機能性健康サンダルです。サンダル1足あたり、緑茶飲料「お~いお茶」500mlPET約2本分に使用された茶葉(茶殻)が配合されています。

お茶殻入り健康サンダル『葉かなくっ茶』(フリーサイズ)

お茶殻入り健康サンダル『葉かなくっ茶』(フリーサイズ)

 

近年の茶系飲料の需要増に伴い、製造過程で排出される茶殻の量は増加しています。当社は、「新技術に挑戦する伊藤園」「みんなで環境を考える伊藤園」という経営方針の一環として、茶殻を地球環境配慮型の工業製品などに有効活用する研究を推進しており、茶配合製品(畳、せっこうボード、ベンチ、フィルム、封筒、紙ナプキンなど)を開発するなど独自の『茶殻リサイクルシステム』を確立しています。

一方で、スリッパ、サンダル、履物の専門会社として「使って頂いて満足の行く商品」「何気なく普段の生活に溶け込み愛用して頂ける商品」など、お客様に満足いただける製品作りを心掛けている(株)サンエー産業は、以前よりお客様から「環境と健康をキーワードにしたサンダル」「日本人に馴染み深い商品」などの要望が届いており、環境に配慮した新たな素材を模索していました。

今回、当社の茶殻リサイクルシステムの「お茶をお客様の身近な製品へ活用する」というコンセプトと両社の「地球環境に配慮した製品づくり」という考えが合致し、インソールの成型に際し、茶殻が焦げる、凹凸部分に茶殻が詰まるなどの問題がありましたが、両社の技術によりこれらを解消し、“日本人に馴染み深い緑茶(茶殻)”を活用した「お茶殻入り健康サンダル」の開発にいたりました。

 

【 参考 】
≪ お茶殻入り健康サンダルの抗菌効果 ≫

お茶殻入り健康サンダル

菌名

生菌数(CFU/枚)
0時間→ 24時間後
コントロール(プラスチック板) お茶殻入り健康サンダル
MRSA 1.1×105 4.2×105 1.3×102

測定方法: 抗菌製品技術協議会のフィルム密着法を用いて試験片(お茶殻入り健康サンダルに使用する樹脂を平板状に成型したもの)上の菌液(MRSA)の生菌数(CFU/枚)を測定

≪ お茶殻入り健康サンダルの消臭効果 ≫

時間 0時間→ 2時間後 6時間後 24時間後
ガス種 アンモニア 105 ppm 17 ppm 5 ppm 1 ppm
イソ吉草酸 25 ppm 2.2 ppm 1.5 ppm 1.2 ppm

測定方法: 29cmの足型にカットしたお茶殻入り健康サンダルをテドラーバッグにガス(3L)とともに封入し、2時間後、6時間後、24時間後のガス濃度を測定

茶殻は昔から一般家庭において、畳掃除や消臭剤などとして利用されてきた馴染み深いものです。しかし現代では、茶殻のもつ消臭性や抗菌性などを活用する意識が薄れ、茶殻は廃棄物であるという認識になりつつあります。
当社では、茶殻配合製品の研究開発に積極的に取り組み、普及させることにより、社会において「茶殻=廃棄物」ではなく、身近な有用資源であるという考えを定着させ、「茶殻=有用資源」という意識付けに役立てたいと考えております。