労働慣行

基本的な考え方

伊藤園グループは、創業以来、実力主義の考え方のもと、社員が真の「和」の精神に基づき切磋琢磨することで個人の能力・スキルを高め、また社員一人ひとりの労働意欲を高める環境づくりを行ってきました。今後も職場環境の整備と社員の働く意欲、能力向上のための取り組みを推進し、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を目指します。

人事・福利厚生

伊藤園グループでは、社員の生活の充実は、会社における仕事の充実にもつながるものととらえています。ワーク・ライフ・バランス(社員の仕事と生活の調和)を推進し、誰もが働きやすい職場づくりに向けた環境整備や各種制度の拡充を図っています。

働きやすい職場環境への取り組み

伊藤園では、職場環境の総合的な問題および改善策を検討し、より良い職場環境をつくるため、職場環境改善推進委員会(原則年2回実施)を設置しており、ここでの検討事案は執行役員会へ提言しています。また、全社の実態を把握し、改善策へ反映させるため、委員会のもとには、各事業所の代表者による地区委員会(2017年度は26回実施)が設置され、さまざまな課題について意見交換をしています。2017年度は、労働時間管理の強化、職場の安全点検の実施など安全衛生管理体制の強化について議論されました。社員一人ひとりが日ごろから業務上の諸問題に対して改善意識を持ち、社内の協力体制を築きながら自主的に業務改善を進めています。
加えて、伊藤園では、毎年全社員を対象に各種制度や職場環境に関して意識調査を実施しています。調査結果は、担当部署にて分析・整理を行い、職場へのフィードバックを行うとともに、人事制度の見直しや職場環境の改善に役立てています。

ライフイベントに対応した支援制度

伊藤園で働く社員およびその家族の各ライフイベントに対し、「勤務制度」・「福利厚生制度」・「賃金制度」等の各種制度面から総合的に支援できるよう、「ファミリーサポート制度」を2017年度より開始しました。具体的には、育児や介護を理由に制約を受ける社員に向けた「在宅勤務制度」の導入や、育児や介護における不測の事態に備え、失効した有給休暇を積立有給休暇として利用できる「積立年次有給休暇制度」の導入、不妊治療を目的とした休職制度の導入など、安心して働き続けることができる環境の整備を図っています。

次世代育成支援

伊藤園では、社員の育児休業取得について、すべての社員が積極的な制度活用を図れるよう、行動計画を定め、着実に実施してきました。その結果、2010年に、次世代育成支援対策推進法に基づく基準適合一般事業主の認定を受けました。また、2019年は、第4回目となる行動計画を策定し、取り組みを継続しています。

次世代育成支援マーク「くるみん」

70歳まで働ける仕組みづくり(再雇用制度)

伊藤園は、これまでも定年後、最大5年間勤務できる再雇用制度を設けていましたが、さらなる会社全体の活性化と生産性向上を目的として、2017年度より、70歳までいきいきと働くことができる制度へと改正しました。満65歳以降、勤務の継続を希望する社員については、本人の希望を確認した上で、職場とのマッチングを行い継続して勤務ができるように調整します。これまでに培った経験や知識、ノウハウをさまざまな職場で発揮できる環境を整え、70歳まで健康でいきいきと働ける仕組みづくりを推進していきます。

働き方改革の実現

伊藤園では、多様な人材が柔軟な働き方を選択できる環境を整備し、社員全員が70歳までいきいきと働くことができるようにすることで、会社全体の活性化と社員の生産性の向上を目指します。また、職場環境改善推進委員会等の組織を通じて常に職場環境、業務の効率化など、社員の労働環境の改善を実施しており、労働時間の削減も進んでいます。また、有期雇用社員の社員転換制度やエリア採用などを継続して行っています。社員が働きやすく働きがいのある職場を整備することで、ワーク・ライフ・バランスのより一層の推進を図ります。

離職率

伊藤園の離職率は、2015年度4.9%、2016年度4.2%、2017年度4.2%となっています。入社2年目、5年目の社員を対象に年次別教育を実施し、若年層に対するキャリア支援教育を強化するなど、CDP支援と人材育成に対する取り組みをより一層強化しました。入社から退職まで社員が成長を実感できる仕組みを整備し、定着率のさらなる向上を目指します。

従業員の健康・安全

安全衛生

伊藤園は、労働安全の継続的な向上に取り組んでいます。2017年度の労災発生件数は133件でした。労災事故が生じた場合には労災事故報告書による原因分析を行い、再発防止に努めています。
また、労働者の健康障害防止の基本対策等を行うため、本社部門および50名以上の事業場に衛生委員会(原則月1回)、生産本部に安全衛生委員会(原則月1回)を設置し、職場の安全対策や熱中症・インフルエンザ対策などの労働衛生テーマについて産業医から講習を受けるなど、社員の健康にも配慮しています。
2015年には、安全衛生に対する管理体制を整備することを目的として、全社安全衛生委員会(原則年2回)を設置しました。今後、労働災害件数ゼロを目標として、さらなる強化を図っていきます。

労働時間短縮への取り組み

伊藤園では、労使間の協定に基づいた労働時間などを踏まえ、従業員が過重な勤務とならないように管理をしています。具体的には、業務の効率化を目的として自販機オンラインシステムの導入、長時間労働の防止の一環として、全社一斉の「ノー残業デー」の実施、連続5日以上の長期休暇取得を促進しています。この結果、2017年度は総所定外労働時間の短縮(2016年度比 -7.9%)につながりました。今後も労働時間短縮、有給休暇取得促進に向けた取り組みを強化していきます。

健康管理の取り組み

伊藤園では、全社員対象の健康管理において、法定項目以上の検査を実施し、希望者に対しては婦人科検診や前立腺検診を一部会社負担で行っているほか、健康診断再検査補助金制度を設けるなど、社員の健康管理に取り組んでいます。また、配偶者への人間ドック補助金制度の導入やスポーツクラブと法人会員契約を結ぶことで、社員だけでなくその家族の健康づくりも支援しています。
また、産業医や保健師によるカウンセリングや「24時間健康・医療相談、メンタルヘルス相談窓口」を外部に設置し、社員やその家族の健康相談や心の悩みの解消に向けた支援体制を整備しています。
加えて、心とからだの健康維持増進の一環として、事業所規模にかかわらず、すべての事業所でストレスチェックを実施しています。結果については、社員のプライバシー保護の徹底を図るとともに、必要に応じて支援を活用できるよう、上記のような窓口を提示しています。
さまざまな労働衛生テーマについて、産業医から講習を受けるなど、社員の健康に配慮しています。
2017年度においては、この健康保持・増進の取り組みが認定され、平成30年2月経済産業省と日本健康会議が共同で実施する『経営優良法人2018(大規模法人部門)〜ホワイト500〜』を取得いたしました。今後も引き続き、日本文化を代表し、健康に寄与する『お茶』を扱う会社として、健康への取り組みを強化してまいります。

健康・安全に関する教育

伊藤園では、健康・安全に関する教育を、管理職向けの職位別教育に加え、各部署の代表者によって選出される衛生委員会や職場環境改善推進委員会の各委員を通して全社員に周知・徹底しています。

度数率

伊藤園の度数率は、2015年度1.25、2016年度1.98、2017年度1.97となっており、引き続き全社的な安全確保対策に取り組んでいきます。
具体的には安全週間・衛生週間の実施や各種発信文書による社内の啓発活動、また職場の代表者による委員会などを設置し、職場安全調査とその結果の共有化を行うことで、職場環境の改善とその実施に取り組んでいます。

※度数率=労働災害による死傷者数/延労働時間数×1,000,000

※労働災害による死亡者数は0名です。

交通安全の推進

伊藤園は、ルートセールスで車両を使用する営業社員が多いため、交通ルールの遵守や運転マナーの徹底を含めたコンプライアンス教育を実施しています。また、安全運転を推進するため、テレマティクスの設置や教育の徹底を図り、「事故ゼロ」を目指しています。

人材育成

伊藤園グループは、最も大切な財産は「人」であるという考え方に基づき、人材育成に力を入れています。その中でも、伊藤園独自の「自己啓発」を設け、社員のやる気を支援するさまざまな制度を整備しています。また、資格別、職位別、年次別、職種別などの教育制度と併せて人材育成に取り組んでいます。

教育等概要

  • ・職位別教育
    各職位(役職)で必要とされる役割、基本職務(要件)のレベルアップを図る教育。
  • ・資格別教育
    社員の能力レベルに応じた各資格に必要な役割、行動(要件)のレベルアップを図る教育。
  • ・年次別教育
    会社の理念・方針の再認識と自身の方向性を適宜再確認し、入社から退職までのキャリア形成を図る教育。
  • ・職種別教育
    各職種に求める実務遂行能力と専門知識の向上を目指す教育。
  • ・自己啓発制度
    有能な人材育成のために、会社は自己啓発の機会を提供し、必要に応じて費用の全額もしくは一部を援助する制度。

教育・研修時間等

能力開発部が主管する集合教育・研修実績

(年度)

2015年 2016年 2017年
年間受講人数(人) 2,604 1,906 2,833
総受講時間(時間) 523.5 456 565
総受講回数(回) 73 57 84

伊藤園大学・伊藤園大学院

1989年に創設した社内研修制度「伊藤園大学」では、営業、財務、マーケティング、組織などのカリキュラムから社員が学びたい内容を選び、知識の習得を目指して1年間、課題やグループ討議に取り組みます(2017年度卒業者数707名)。2009年には「伊藤園大学院」も開設し、さらなる自己啓発に取り組む社員が経営感覚を身に付ける場として活用されています(2017年度卒業者数11名)。
2017年度の集合形式における社員1人当たりの研修時間は、伊藤園大学が26時間30分(4日間)、伊藤園大学院が88時間(13日間)でした。このほか、カリキュラム別に設定されたe-ラーニングにも取り組み、理解を深めています。

グローバル人材の育成

伊藤園グループは、「世界のティーカンパニー」を目指し、国内外で活躍する社員の強化に努めています。
グループ企業と連携した海外研修生制度においては、プレエントリー制を導入し、社員の段階に応じた育成を行っております。また社内公募制を実施し、海外で活躍したいという社員の夢の実現をサポートする仕組みを導入しております。「世界のティーカンパニー」を実現できる社員を育成していきます。

キャリア形成育成支援

伊藤園では、キャリア形成を支援する目的で、さまざまな仕組みを設けています。年次別教育制度として、新入社員フォロー研修のほか、入社2年目、5年目、35歳、45歳時にこれまでのキャリアを振り返り、今後のキャリア目標や計画を考えるプログラムを導入しています。またキャリア面談として、50、55、59、60歳時に今後のキャリアなどの相談も実施しています。

伊藤園ティーテイスター社内検定制度

1994年から開始した「ティーテイスター(茶資格)制度」は、お茶に関する高い知識と技術を持つ社員に資格を与え、お茶に関する知識と技術の向上、社内外への茶文化の普及などを目指した伊藤園グループ独自の社内制度です。毎年多くの社員が挑戦し、3級、2級に加え、2013年5月には1級を新設しました。本制度は、2017年3月に厚生労働省の「社内検定認定制度」に認定されました。2018年5月時点の有資格者数は2,160名です(1級17名、2級311名、3級1,832名)。今後、さらなる有資格者の増加を目指し、取り組んでいきます。

ティーテイスター

社内提案制度

伊藤園グループでは、職種にかかわらず全社員が新しい製品や販売促進の提案などができる「Voice制度」を設けています。2017年度の提案件数は、14,421件でした。この制度を通じて、全社員が「今でもなお、お客様は何を不満に思っていらっしゃるか」を常に意識するとともに、優れた提案には社内表彰を行うことで社員のモチベーション向上にも寄与しています。

平等な機会・公正な評価

伊藤園グループでは、年齢、学歴、性別などに左右されることなく、教育、配置、業務の平等な機会が与えられ、さまざまな職場の経験を通してキャリア形成を図っています。
また、評価においては、社員の行動・業績を自己評価したうえで、直接・間接の上司による多段階評価を実施しています。結果は本人にフィードバックするとともに、次年度の目標設定に反映させています。

ダイバーシティ

伊藤園グループでは、さまざまな人が働きやすく働きがいを持って仕事に取り組める職場環境づくりに取り組んでいます。

男女機会均等

伊藤園では、2019年5月に女性活躍推進法に基づく行動計画第2期(2019年5月~2021年4月)を策定し、女性活躍に向けた取り組みを進めています。2017年度は、女性社員に対するキャリア支援推進のため、新任管理職への教育を実施しました。
伊藤園の2017年度の男女別従業員比率は、男性が89.5%、女性が10.5%です。女性の勤続年数は年々上昇傾向にありますが、製品の積み下ろしなどの納品業務を行うルートセールスが主体となる営業形態のため、男性の比率が高いのが現状です。今後も職域の拡大や能力発揮の機会を増やすなど、男女ともにいきいきと働くことのできる職場づくりに努めていきます。

(名)

2015年 2016年 2017年
男女別従業員数(※) 男性 4,832 (90.5%) 4,859 (90.0%) 4,900 (89.5%)
女性 508 (9.5%) 539 (10.0%) 575 (10.5%)
合計 5,340 5,398 5,475
男女別管理職者数(※) 男性 1,063 (98.0%) 1,082 (98.0%) 1,116 (97.7%)
女性 19 (2.0%) 22 (2.0%) 26 (2.3%)
合計 1,082 1,104 1,124
新卒採用者数 男性 193 (83.9%) 181 (83.4%) 201 (81.7%)
女性 37 (16.1%) 36 (16.6%) 45 (18.3%)
合計 230 217 246

(※)各年度の4月末時点の数値データ

障がい者雇用

伊藤園では、2018年3月末時点で、112名の障がいのある社員がさまざまな職種で働いており、2017年度の障がい者雇用率は2.07%となりました。採用前に配属予定拠点にて、2週間の事前実習を行い、本人と職場との適性を確認することで、定着率の向上を図っています。入社後についても、本人の適性を把握した上で、職場・地域・人事部門と連携を密に取り、働きやすく継続して勤務できる職場作りに取り組んでいます。また、障がいのある方に職場での就業体験の機会を提供することで就職に向けた支援を行うとともに、社員の理解促進にも努めています。

グローバル人材の採用・育成

伊藤園グループは「世界のティーカンパニー」を目指し、外国籍社員の採用活動を進めています。
グループ企業と連携した海外研修生制度においては、プレエントリー制を導入し、社員の段階に応じた育成を行っております。また社内公募制を実施し、海外で活躍したいという社員の夢の実現をサポートする仕組みを導入しております。「世界のティーカンパニー」を実現できる社員を育成していきます。

女性ならではの発想で茶の普及啓発

Team88(ちーむ はっぱ)は、「和の心を大切にし、お茶の魅力を世界中の人に伝える」ための社内横断的プロジェクトチームです。多言語によるお茶の魅力発信、お茶に関する体験型のイベント展開、海外観光客リサーチなど、幅広い活動を行っています。