パネルディスカッションの様子

「第6回人と自然の共生国際フォーラム」で行われたパネルディスカッションにパネリストとして参加しました。当日の様子をご紹介します。

パネルディスカッション

テーマ
「持続可能な社会を目指して、理念から行動へ、今変わる時」〜今を、明日を、語る・描く・奏でる〜

コーディネーター
川井 秀一氏(京都大学 副理事・教授、認定NPO法人才の木理事長)

パネリスト
稲村 哲也氏(愛知県立大学 教授、同多文化共生研究所 所長)
原田 さとみ氏(タレント、エシカル・ペネロープ株式会社 代表取締役、JICA 中部なごや地球ひろばオフィシャル・サポーター)
吉田 大氏(おむすび通貨 事務局長)
笹谷 秀光(当社取締役)

コメンテーター
マリ クリスティーヌ氏(異文化コミュニケーター、あいち海上の森センター名誉センター長、国連ハビタット親善大使)

ポスターセッションの様子

今回のテーマ「持続可能な社会を目指して、理念から行動へ、今変わる時 -今を、明日を、語る・描く・奏でる-」に関する、各パネリストやコメンテーター、コーディネーターの発言などは以下の通りです。

【1】 各パネリスト、コメンテーターの発言概略(発表順)

マリ クリスティーヌ氏(異文化コミュニケーター、あいち海上の森センター名誉センター長、国連ハビタット親善大使)

(1)稲村 哲也氏(愛知県立大学教授):

・文化人類学を専門とする立場から見て、ブータン国王が提唱したGNH(国民総幸福度)は、国の経済的自立、環境保全、文化、よき統治を基本とした新しい考え方であると評価した。
・当フォーラムで紹介された生態系ネットワークのための研究活動や、豊田市矢作川の自然工法による護岸整備は環境保全のための興味深い取り組みであると評価した。
・当フォーラムのこれまでの実績をふまえた、継続的な「環境・文化ミニ万博」の開催を提案した。
・市民、企業、大学、行政が共同で、「海上の森」から都市部に向けて森廻廊を創生する「複合型グリーン・ベルト(※1)」を提案した。

※1生態系・文化を保全しつつ、緊急災害時は避難路としても活用できる連続する帯状の緑地帯

(2)原田 さとみ氏(エシカル・ペネロープ株式会社 代表取締役):

・JICA(独立行政法人国際協力機構)中部のオフィシャル・サポーターでもあり、最近行った活動の事例としてJICA支援活動のプロジェクト視察で訪れたラオスの「一村一品運動プロジェクト(※2)」を紹介した。
・原田氏は、「“デザイン力・技術力”で地球の未来をハッピーに」と呼びかけ、“フェアトレード”を実践しており、フェアトレードでは持続的に販売することが重要と考え、そのためにデザインとマーケティングの面からサポートをしている、と自身の取り組みを紹介した。
・現在の消費者は、エシカル消費(※3)志向を持つことが特徴であることをふまえ、今後は8つのS(スモール(小さくて)、スロー(ゆっくりで)、サスティナブル(持続可能で)、シェア(分かち合う)、セルフ(自分でやってみる)、スマート、シンプル、スマイル)が未来の事業活動に向けての重要なエッセンスになると述べた。

※2地元に眠りつつある産品を、全国・世界に通じる市場のニーズに沿う特産品に蘇らせ、その過程で「人材育成」、その結果としての「村おこし」を目的として始まった運動
※3地球環境に配慮したり社会貢献したりすることを考えた「倫理的な」消費活動

(3)笹谷 秀光(当社取締役):

・現代において企業が存続するには、エシカル消費や社会貢献への要請と価値観の変化への対応が必要であり、そのためには安全・安心、地域の絆、エコの3つがポイントであると述べた。
・本業を活かすCSRとして当社のISO26000の体系的推進、特に当社CSRの「環境」「地域」での取り組みを紹介し、持続可能な社会に向けての企業の役割について述べた。
・「人と自然の共生」には、環境・社会の持続可能性による豊かなコミュニティの形成と「グリーン・エコノミー」の実現、「人的ネットワーク」が重要であると考え、森林の多面的な機能をふまえ、あいち海上の森センターの指導による、参加企業間の連絡会議を提案した。

(4)吉田 大氏(おむすび通貨 事務局長):

・愛知県豊田市足助町に転居してから、この地域の「ふる里」を感じさせるライフスタイルに感動していると述べた。
・この感動を契機に発案し、実施している地域通貨「おむすび通貨(※4)」を紹介した。
・原理的な市場経済システムがコミュニティ、自然環境、地域経済を壊しているので、コミュニティを安定させるための地域経済システムの復活のために、「おむすび通貨」の参加者の拡大を提案した。
※4有効期間内に限って提携店で共通商品券として使える、地域コミュニティの振興のための地域通貨。有効期間終了後に手元に残ったおむすび通貨は、地域のお米と交換して清算

(5)マリ クリスティーヌ氏(コメンテーター、あいち海上の森センター名誉センター長):

・海上の森は企業のCSR活動の一環として活用されており、企業の参加は大変評価できる。森を学び直す舞台として活用し、企業内でも次の世代に伝えてほしいと要望した。
・企業のCSR活動にあたっては、入口から出口までの一貫した環境配慮が望まれる。森を応援する企業は多いが、企業本来の活動の中で取り組むことが重要であると述べた。
・フェアトレードも重要な取り組みであり、途上国の状態をよく見極めながら先進国の競争に巻き込まれないような配慮を行い、世界的視野の中で人と人との横のつながりが構築されていくことが大切と述べた。

【2】 川井 秀一氏(コーディネーター、
京都大学副理事・教授)の進行と取りまとめ

冒頭、「人と自然の共生国際フォーラム」のこれまでの活動を総括し、本日はより実践・行動につながるディスカッションを行いたい旨発言。各パネリスト・コメンテーターの話題提供、議論の流れを整理するとともに、実践報告の事例コメント紹介の時間もとり、当フォーラム全体の連携にも配慮した。

ディスカッションでは、循環型社会への取り組み、人と自然の共生、地域コミュニティの連携など、人と人のつながりが重要であるとの意見がクローズアップされたので、各参加者のアイデアを活かして、社会や暮らしを変えていくための「フォーラム宣言」をとりまとめた。

なお、今回のフォーラム宣言の内容や各パネリストの発言詳細は、「人と自然の共生国際フォーラム」ホームページ http://www.mu-academy.jp/forum/に掲載されます。