伊藤園グループのサステナビリティ

持続可能な社会・環境の実現に向けて

伊藤園グループは、経営理念「お客様第一主義」に基づき、ステークホルダーの皆様の信頼を得ることを重視しています。世界の持続可能な社会・環境の目標であるSDGs(持続可能な開発目標)の内容も踏まえて、本業を通じた国際規格ISO26000/国内規格JIS Z 26000の7つの原則および7つの中核主題への取り組みを経営に組み込んでいます。
「世界のティーカンパニー」を目指し、国内および世界で新たな食文化の創造と生活提案を行い、社会の課題解決と伊藤園グループの成長を両立させる「共有価値の創造(CSV)」により、持続可能な社会・環境の実現に貢献します。

CSR/CSV/ESDの推進

基本的な考え方

伊藤園グループでは、国際規格ISO26000を活用して、7つの原則と7つの中核主題(以下、中核主題)に即して、事業におけるリスクと機会を洗い出しCSRを体系化しています。また、中核主題のうち、環境、消費者課題、コミュニティへの参画及びコミュニティの発展の3分野を重点テーマとして、社会価値と事業価値の同時実現を目指す共有価値の創造(CSV)を実践しています。

 

伊藤園グループCSR憲章

伊藤園グループ内の価値観を共有して一体化を図るために、CSR経営の考え方を具体的に示す、「伊藤園グループCSR憲章」を2013年3月に制定しました。また2014年2月には、CSV(共有価値の創造)とESD(持続可能な開発のための教育)の考え方を明記して改定し、さらに2016年8月には、世界の持続可能な社会・環境の目標であるSDGs(持続可能な開発目標)の内容も踏まえて改定しました。

伊藤園グループ CSRの体系

<伊藤園グループCSR憲章>

制定:2013年3月
改定:2016年8月

 伊藤園グループは、経営理念「お客様第一主義」に基づき、ステークホルダーの皆様のご意見を拝聴し、ステークホルダーの信頼を得ることを旨として、法令遵守を徹底し、持続可能な開発目標(SDGs、Sustainable Development Goals)の内容も踏まえて本業を通じて国際規格ISO26000/国内規格JIS Z 26000の7つの原則及び7つの中核主題に取り組み、「世界のティーカンパニー」を目指します。また国内及び世界でこれらの実践を通じて、新たな食文化の創造と生活提案を行い、社会の課題解決と伊藤園グループの成長を両立する「共有価値の創造(CSV)※1」により、持続可能な社会・環境の実現に貢献します。

(1) 組織統治
 伊藤園グループとして、経営理念に基づく健全な経営を推進し、グループ全体でのシナジー発揮を図るとともに、グループ全体のガバナンスとBCM(事業継続マネジメント)の推進により、事業継続力の強化を図ります。また、本業を活用して持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進、企業価値の向上を図ります。

(2) 人権
 性別(ジェンダー)、年齢、民族、人種、宗教、信条等による差別や差別への加担をせず、すべてのステークホルダーの基本的人権やプライバシーを尊重して、グローバルな事業活動を推進します。

(3) 労働慣行
 社員一人ひとりが働きがいのある人間らしい仕事(ディーセント・ワーク)を実現でき、ダイバーシティ(多様性)が重視され、ワーク・ライフ・バランスが向上した職場環境を整備するとともに、グローバル人材など国内外の職場で活躍できる人材の育成を目指して、社員の働く意欲や能力の向上に取り組みます。また、海外進出先の事情に応じて、的確な労働政策を推進します。

(4) 環境
 気候変動への対処、水資源、エネルギー、海洋・陸域・森林などの適切な管理、生物多様性の保全対応、廃棄物削減・再資源化などの環境課題について、持続可能な資源の活用に貢献しつつ、バリューチェーン全体で環境負荷の低減に努めるとともに、地球環境の持続可能な発展を目指して、自主的・継続的に人と自然との共生を通じた自然資産の保全に取り組みます。また、グループ全体での環境マネジメントの推進とステークホルダーとの協働を図ります。

(5) 公正な事業慣行
 サプライチェーンマネジメントの調達面での強化や、関係法令などの遵守、公正な市場ルールと適正な商慣習の実施、契約の尊重により、企業不祥事を未然に防止するとともに、持続可能な消費・生産形態の確保に貢献しつつ、取引先との相互の持続可能な発展を目指して事業活動を推進します。

(6) 消費者課題
 消費者に関するあらゆる法令の遵守と、トレーサビリティシステムの強化など、バリューチェーン全体での厳しい品質管理体制を維持することにより、食料安全保障及び栄養改善に寄与するとともに、製品開発コンセプト「自然・健康・安全・良いデザイン・おいしい」に適合した製品づくりや健康的な生活や食文化面での貢献など、持続可能な消費形態の確保、質の高い教育の確保、生涯学習の機会の促進に貢献しつつ、より高度なお客様満足の実現を目指します。

(7)コミュニティへの参画およびコミュニティの発展
 企業市民として、環境、食と農、文化、少子高齢化、地域活性化などの地域課題に対し、本業を活かして、持続可能な農業、コミュニティの持続的発展に貢献する活動を推進します。また、海外進出先のニーズに即してコミュニティ課題に対応し、進出各国での良好な関係(グローバル・パートナーシップ)の構築を図ります。

以上の推進にあたり、「持続可能な開発のための教育(ESD)※2」の考えを取り入れ、取り組む。CSRについては「伊藤園グループCSR推進基本方針」、ESDについては「伊藤園グループESD推進基本方針」に即して活動をする。

※1 CSV:Creating Shared Value。共有価値の創造。社会にとっての価値と企業にとっての価値を両立させ
      て、企業の事業活動を通じて社会的な課題を解決していくことを目指す考え方。
※2 ESD:Education for Sutainable Development。持続可能な開発のための教育。持続可能な社会を支え
      る担い手づくりのこと。

伊藤園グループCSR推進基本方針

当社はこれまで、「お客様第一主義」の経営理念のもと、社会と企業の持続的な成長・発展を目指し、消費者、株主、販売先、仕入先、金融機関、地域社会、政府・自治体、NGO、NPO、および社員などのステークホルダーの信頼に応えてまいりました。
「伊藤園グループCSR推進基本方針」は、ステークホルダーが策定プロセスに参画し、そのご意見を取り入れて決定されており、経営理念『お客様第一主義』を根幹とした、国際規格ISO26000の7つの中核主題すべてを「基本的CSR」と位置づけています。その上で、特に「環境」「消費者課題」「コミュニティへの参画およびコミュニティの発展」については、重点テーマとして、伊藤園グループの事業特性を活かして社会課題の解決による共有価値の創造(CSV)を目指して取り組みます。
さらに2016年8月には、世界の持続可能な社会・環境の目標であるSDGs(持続可能な開発目標)の内容も踏まえて改定しました。
伊藤園グループは、このCSR推進基本方針をもとにCSR活動に取り組み、競争力を高め、社会に求められる企業として価値を向上させ、世界のティーカンパニーを目指します。

伊藤園グループCSRの姿

<伊藤園グループCSR推進基本方針>

制定:2012年4月
改定:2016年8月

  • 伊藤園グループは、経営理念「お客様第一主義」に基づき「チーム伊藤園」で、世界の持続可能な社会・環境の目標であるSDGs(持続可能な開発目標)の内容も踏まえて、持続可能な社会(サステナビリティ)の実現を目指してCSR活動を行う。
  • 伊藤園グループは、消費者、株主、取引先、仕入先、金融機関、地域社会、社員などの幅広い関係者(ステークホルダー)の期待に応えつつ、事業活動を行う。
  • 伊藤園グループは、総合飲料メーカーとしての活動の軸である「ビジネスモデル」「製品開発コンセプト」「グループ力」を活かして本業を通じたCSR活動を強化する。
  • 伊藤園グループは、SDGsの目標も踏まえつつ、国際規格ISO26000/国内規格JIS Z 26000を活用してCSR活動を進める。これら規格の7つの中核主題である組織統治、人権、労働慣行、環境、公正な事業慣行、消費者課題、コミュニティへの参画及びコミュニティの発展に関する取り組みを行う。その上で、3つの活動の軸を活かして、環境、消費者課題、コミュニティへの参画及びコミュニティの発展を重点テーマとして位置付け、SDGsも踏まえた社会課題の解決による共有価値の創造(CSV)を目指して、積極的な取り組みを行う。
  • 伊藤園グループは、ESD(持続可能な開発のための教育)の考え方を取り入れ、CSR/CSV活動を実践できる「人づくり」を行う。
  •  以上により、競争力を高め、社会に求められる企業として価値を向上させ、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に寄与しつつ、世界のティーカンパニーを目指す。

○国際規格ISO26000
2010年11月に発行された「社会的責任に関する国際標準規格」のことです。
○国内規格JIS Z 26000
ISO26000と内容は同じですが、日本国内の多くの組織(企業・団体等)で使いやすいようにJIS(日本工業規格)としてまとめられた国内規格です。

主なCSR活動
(ISO26000の7つの中核主題に沿ったCSR体系)

組織統治
・CSR推進体制の確立
・コーポレートガバナンス体制の確立
・内部統制システムの構築
・ステークホルダーとの対話
(有識者懇談会の実施など)
・適時適切な情報開示(ディスクロージャー)による説明の実施
・経営トップによる経営方針の発信
・リスク管理体制の構築
人権
・基本的人権の尊重(職場での人権意識の向上(パワハラ防止など)、
高齢者・子ども・女性・障がい者・外国人などの人権への理解と配慮など)
・多様性のある職場づくり
(男女雇用機会均等・障がい者雇用・高年齢者再雇用など)
労働慣行
・公正、公平な人事評価
・労働環境の改善(職場環境改善委員会)
・社員意識調査
・ワークライフバランスの向上
(有給休暇取得率の向上、連続休暇の取得、在宅勤務など)
・ノー残業デーの実施
・次世代育成支援マーク「くるみん」取得
・サマータイム制度の実施
・人材育成プログラム
・伊藤園大学・大学院
・ティーテイスター制度
・社内提案制度(VOICE制度)
・社員の健康管理
・安全衛生の向上
環境
・ISO 14001認証取得と環境マネジメント
・地球温暖化に向けた取り組み
・エコドライブとハイブリッド車の導入促進
・自動販売機節電対応策
(LED化・ヒートポンプ式)
・茶殻リサイクルシステム
・環境配慮型製品の開発
・カートンプロジェクトによる梱包資材標準化
・グリーン調達
(ヒートポンプ式自販機の購入など)
・環境コミュニケーション
公正な事業慣行
・コンプライアンス体制の構築(社内通報窓口の設置など)
・公正な競争、取引(下請法の遵守など)
・知的財産権の保護
・交通安全の推進
消費者課題
・ISO 9001(品質マネジメントシステム)認証
・品質管理体制の整備
・トレーサビリティの確保
・ISO 10002(苦情対応ガイドライン)適合宣言
・個人情報の保護
・「お〜いお茶緑茶」2011年度グッドデザイン、ロングライフデザイン賞受賞
・製品開発コンセプト
(自然・健康・安全・良いデザイン・おいしい)
・ユニバーサルデザイン商品の提供
・食育推進
・FOOD ACTION NIPPON推進パートナーとしての活動
コミュニティへの参画及びコミュニティの発展
・災害支援
(東日本大震災援助としての寄付、お茶っこ会開催)
・茶産地育成事業
・静岡相良工場祭
・お〜いお茶新俳句大賞
・伊藤園レディスゴルフトーナメント
・まち美化運動(アダプトプログラム)
・社会貢献キャンペーン(お茶で日本を美しく等)
・社会貢献自動販売機
・お茶の文化の啓発活動

伊藤園グループESD推進の考え方
(ESD:Education for Sustainable Development)

「持続可能な開発のための教育(ESD)」とは、「持続可能な社会を支える担い手づくり」のことであり、国連などが中心となって世界中で進められている取り組みです。健全な自然環境を土台に、人々の暮らしや経済活動、社会があることから、これらの環境・社会・経済を統合的かつ総合的に捉え、持続可能な社会の実現に向けて行動できる人を育てることを目的としています。
伊藤園グループでは、ISO26000に基づくCSR推進を強化し、持続可能な社会を支える人材育成や関係者との協働を推進しています。これらを体系化し、さらに発展させていくため、2013年5月に「ESD推進基本方針」を策定しました。

<ESD推進基本方針>

制定:2013年5月
改定:2016年8月

【ESD推進の考え方】
伊藤園グループは、世界の持続可能な社会・環境の目標であるSDGs(持続可能な開発目標)の内容も踏まえて、社会的責任に関する国際規格ISO26000を活用し、7つの中核主題に沿ってCSR/CSVを推進しています。SDGsでは、その目標4「教育」の4.7項の中で、「2030 年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする」として持続可能な開発のための教育(ESD)が位置付けられました。これも踏まえ、ESDの考えを最大限に取り入れて取り組むことで、「持続可能な社会・環境・地域のためにCSR/CSVを実践できる“人づくり”」を目指します。
ESDの基本的な考え方をもとに、社員一人ひとりが社内外において、さまざまな関係者とのパートナーシップによる取り組みを行います。これにより、CSR/CSVのさらなる深化・推進とSDGsへの貢献をグループ全体で行います。

【推進事項】
具体的には、CSR/CSVを実践する“人づくり”に向けて、チーム伊藤園としてグループ全体で次の事項を推進します。

  • ESDの考え方を取り入れたCSR/CSV、環境に関する社内教育の実施
  • 関係者との連携による教育の実施・実践活動の実施
    ・シンポジウム、講演会、大学等における当社のESDの取り組みの紹介
    ・「お茶で日本を美しく。」プロジェクトの自然保護活動や学校関係での「お茶セミナー」などを通じた、自ら考え行動する”人”の育成
  • ESDの社内浸透と社会への普及促進
  • ホームページやCSR報告書などで、CSR/CSVの取り組みの一環として積極的な活動報告の発信
  • 関係機関との連携の強化とESDに関連する国際機関や政府の政策への協力

<ISO26000の7つの中核主題とESDとの関係>

 
CSR(ISO26000)
組織統治 人権 労働慣行 環境 公正な事業慣行 消費者課題 コミュニティへの参画及び発展

CSRマネジメント

コーポレートガバナンス

ステークホルダーダイアログ

リスクマネジメント

人権の尊重

多様性の推進

人事制度の公正かつ適切な運用

人材育成

ワーク・ライフ・バランスの推進

社員との良好な関係の構築

安全衛生体制の充実

法令対応

環境マネジメント

地球温暖化防止

水・排出物の削減等

ステークホルダーへの対応

環境配慮型製品の開発

コンプライアンス

公正な競争・取引

知的財産の 保護

製品の品質向上、安全性の確保

お客様満足(CS)の向上

お客様とのコミュニケーション強化

食品の健康価値の提供

個人情報の保護

コミュニティへの参画

教育および文化

海外進出先

震災支援

ESD 防災・BCP 人権教育 社員研修 環境教育 コンプライアンス教育 消費者教育 地域の自然文化等の保護

<伊藤園ESDグローバル・アクション・プログラム(GAP)の策定>

「ESD重点項目の推進」

(背景)
2013年、ユネスコ総会において、ESDの取り組みの推進・拡大を目指すために、「国連ESDの10年」(2005~2014年)の後継プログラムとして、「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するグローバル・アクション・プログラム(GAP)」が採択されました。(文部科学省ホームページより)

この動きも踏まえて、ESDの取り組みを強化するにあたり、伊藤園グループは以下の5つの優先取組事項を決めました。これを「ESD伊藤園モデル」として推進します。

(基本的考え)
(1)政府、自治体等が推進している持続可能開発政策への積極的な協力。
(2)CSR推進委員会の下、ESD推進部会を創設。
(3)ティーテイスター制度を活用した教育・研修の実施、及び実践する教育者の育成。
(4)「お〜いお茶新俳句大賞」の継続、日本の伝統文化への理解と普及促進の機会の提供。
(5)農業技術支援や学習機会の提供を通して地域の方々とともに考え、地域活性化へ貢献。
(6)伊藤園グループはこれらを計画的に推進し、世界のティーカンパニーを目指します。

伊藤園ESDグローバル・アクション・プログラム(伊藤園モデル)

ユネスコの優先行動分野 主なプログラム
1.政策的支援
(ESDに対する政策的支援)
環境省ESD自由俳句への協力、その他政策への協力
2.機関包括型アプローチ
(ESDへの包括的取組)
・社長のもとに「社内ESD推進部会」
・CSR報告書に特集予定
3.教育者
(ESDを実践する教育者の育成)
・「ティーテイスター制度の活用」(上級者が下級者を教育)
・茶がら折り紙教室との連携
・世界への無糖飲料の提案
・拠点長教育にワークショップ方式
4.ユース
(ESDへの若者の参加の支援)
・「お〜いお茶新俳句大賞」の活用・英語俳句・入賞者の俳句の冊子を配布
・茶がら折り紙教室のもったいない教育
・工場見学・お茶百科キッズ
5.地域コミュニティ
(ESDへの地域コミュニティの参加の促進)
・茶産地育成事業の推進(地方自治体、農業者など六次産業化に向けてマルチステークホルダーの対話と協力を重視)。豪州の茶産地育成事業。
・特に地域ネットワークの多様化・拡大(琵琶湖ヨシ刈り活動・世界遺産保護活動・和食の世界無形文化遺産活動や神奈川県かにゃおプロジェクト、地域ESDコンソーシアムやSATOYAMAイニシアティブへの参加など)

伊藤園グループと持続可能な開発目標(SDGs)

伊藤園グループのCSR/CSVとSDGs

当社は、持続可能な開発目標(SDGs)の採択を受け、これを中核主題を補強する年限が設定された社会課題として理解しています。両者の相互関係性を考慮し、これまでのCSR/CSV体系をSDGsにより補強していきます。ISO26000の中核主題もSDGsの17の目標も、各主題や目標は相互に関連しており分けて考えることのできない性質のものといわれています(相互不可分性と全体的アプローチ)。そうした性質を理解したうえで、SDGsの目標を理解しやすくするため、本来はそれぞれが一対一で対応するものではありませんが、特に関係が強い中核主題に関連付けて試行的に整理をしています。

伊藤園グループと持続可能な開発目標