主な研究成果

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平成19年

2007年8月22日

ジェイフィルム株式会社と共同で
茶殻を配合した「 お茶入りフィルム 」を開発

茶殻を配合することでプラスチックの使用量を削減し、地球温暖化防止に貢献します

日本で初めて緑茶飲料を開発した株式会社伊藤園(社長:本庄八郎 本社:東京都渋谷区)と、社会に役立つプラスチックフィルムの商品開発を行っているジェイフィルム株式会社(社長:下津健司 本社:東京都千代田区)は、共同で茶殻(茶飲料残渣)をフィルムに有効活用する技術開発に取り組み、茶殻を配合した抗菌・消臭効果を有する「お茶入りフィルム」を開発しました。

「お茶入りフィルム」は、飲料製造工程で排出される茶殻を配合した樹脂(茶配合樹脂)を薄膜化するだけでなく、茶の香りや抗菌・消臭効果を付与した機能性フィルムです。また「お茶入りフィルム」は、茶殻を配合することで、プラスチック原料の使用量を約2.5~約10%(※1)削減するという点でも環境にやさしい設計になっています。
「お茶入りフィルム」1枚(※2)当たり、当社の緑茶飲料「お~いお茶」500mlPET約1本分に使用される茶殻を配合しています。これにより、プラスチック原料の使用量が削減されますが、フィルムとしての強度は通常のものと変わりがありません。

(※1)茶殻の配合量により削減率が変動いたします。

(※2)お茶入りフィルムAタイプ:2,000mm×1,000mm

茶殻を配合した「お茶入りフィルム」(サンプル)

茶殻を配合した「お茶入りフィルム」(サンプル)

≪「お茶入りフィルムAタイプ」の抗菌特性≫

菌名

生菌数(CFU/枚)

0時間→

24時間後

プラスチックフィルム

お茶入りフィルム

MRSA

2.4×105

2.9×105

<10

大腸菌

1.2×105

1.2×107

<10

緑膿菌

1.9×105

2.1×107

<10

抗菌製品技術協議会のフィルム密着法を用いて試験片上の菌液の生菌数(CFU/枚)を測定。 お茶入りフィルムでは、MRSA・大腸菌・緑膿菌いずれにおいても24時間後の生菌数は10未満となり、高い抗菌性が確認されています。

≪「お茶入りフィルムAタイプ」の消臭特性≫

 

0時間→

2時間後

プラスチックフィルム

お茶入りフィルム

アンモニアガス

100ppm

81ppm

47ppm

テドラーバック中にお茶入りフィルムおよびアンモニアガスを注入し、2時間後のアンモニアガス 濃度を測定。お茶入りフィルムでは、アンモニアガスが2時間後には半分以下にまで減少することが確認されています。

【研究開発の背景と経緯】
近年の茶系飲料の需要増に伴い、生産工程で排出される茶飲料残渣の量は年々増加しています。当社においても緑茶飲料「お~いお茶」の売上増とともに年々原料茶の使用量が増加しており、それに伴って茶飲料残渣の量も増加しています(2005年の年間茶殻排出量:39,000トン)。
当社は、「新技術に挑戦する伊藤園」「みんなで環境を考える伊藤園」という経営方針の一環として、飲料残渣を地球環境配慮型の工業製品などに有効利用する研究を推進しており、茶殻の抗菌効果や消臭効果を利用した茶配合製品(「茶配合ボード」「茶配合樹脂」「茶入りせっこうボード」など)を開発するなど、独自のリサイクル技術を確立しております。また、茶配合樹脂を用いた景観配慮型自動販売機、お茶入りボールペンなどの応用開発も行っております。これら茶殻リサイクルへの取り組みが評価され、第二回エコプロダクツ大賞(エコサービス部門)の農林水産大臣賞や、平成18年度地球温暖化防止活動環境大臣賞などの環境関連賞を受賞しております。
一方で、ジェイフィルム(株)は、「プラスチックフィルムを通じて社会に貢献する」をモットーに、環境問題をはじめとする21世紀のニーズを的確・迅速に捉え、皆様のお役に立てる製品作りに努力してまいりました。
今回、当社の茶殻リサイクルシステムのコンセプトである「茶の機能性をお客様の身近な製品へ活用する」という考えと両社の「地球にやさしい製品づくり」「未利用素材の有効利用」という考えが合致し、「お茶入りフィルム」の開発に至りました。お茶入りフィルムは袋状に成型することによりショッピングバッグや手袋、エプロンなどさまざまな製品に応用が可能です。

【今後の展開】
茶殻は本来、昔から一般家庭において畳掃除や消臭剤などとして利用されてきた馴染み深いものです。しかし現代では、茶殻のもつ消臭性や抗菌性などを活用する意識が薄れ、茶殻は廃棄物であるという認識になりつつあります。当社では、茶配合製品の研究開発に積極的に取り組み、普及させることにより、社会において「茶殻=廃棄物」ではなく、身近な有用資源であるという考えを定着させ、「茶殻=有用資源」という意識付けに役立てたいと考えています。

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