主な研究成果

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平成20年

2008年11月26日

茶樹が吸収・固定するCO2の量を測定しました

茶園1haあたりでは約92t(換算値)のCO2を吸収・固定する計算に

詳細を茶業技術研究発表会(11月26日)にて発表

株式会社伊藤園(社長:本庄八郎 本社:東京都渋谷区)は、茶の木(茶樹)の植物としての二酸化炭素(CO2)の吸収・固定に着目し、その吸収・固定量の測定を行いました。その詳細を、11月26日(水)に鹿児島県市町村自治会館(鹿児島県鹿児島市)で開催される茶業技術研究発表会(事務局:日本茶業技術協会)で発表いたします。

≪経緯≫
近年の世界的な気候変動を受け、多方面でCO2の排出量の算出や削減が進められている一方で、CO2の吸収源として植林や森林整備事業が注目されています。
当社は2001年より、飲料用原料に適した緑茶(荒茶)を生産する茶産地育成事業を九州地方中心に展開していますが、これまで契約栽培茶園を含めて約540ヘクタールの規模になっています。今後も新たな産地を立ち上げていく予定ですが、その一方で、植物である茶の木(茶樹)が吸収・固定するCO2の量を実際に数値化した事例はありません。そこで、環境への意識が高まる中、実際の茶樹を用いて茶樹に吸収および固定されたCO2量を測定し、数値化を試みました。

≪研究内容および結果≫
茶樹の成木と幼木それぞれの地上部と地下部の乾物重量を測定、各部の炭素率から炭素含有量を計算し、成木と幼木の炭素含有量の差から茶樹のCO2吸収・固定量を算出しました。
その結果、茶樹1株あたりのCO2吸収・固定量は約5キログラム(換算値)となりました。一般的に10アールあたり約1,850株の茶樹が植えられることから、1ヘクタールの茶園では約92トンのCO2を吸収・固定するものと思われます。

今回の研究では、茶樹のCO2吸収・固定量を算出しましたが、摘採した茶葉には炭素として固定され、その後に伸びた茶葉にもCO2が吸収・固定されると考えられます。同様に、茶園の土壌にも有機物の施用や整枝、剪枝によって炭素が固定された状態で残存すると考えられます。
当社が推進している茶産地育成事業では、遊休地を集約・活用して新たな茶園を造成し、管理や摘採まで機械化による省力化を図っています。今後は茶園の造成から摘採、荒茶の生産に至る過程での、CO2の吸収・固定だけでなく排出についても明確化し、茶産地育成においてもさらなる環境に配慮したものを目指していきたいと考えています。

茶産地育成事業:
当社は2001 年より、宮崎県都城地区で都城農協と協同した事例を皮切りに茶産地育成事業を立ち上げています。この事業は、「お~いお茶」に適した飲料用原料の安定調達と生産の効率化、さらに生産農家の育成のために積極的に展開しております。スケールメリットを活かした経営を基本とし、機械化による省力化を図り、生産や加工について『お茶の伊藤園』独自の技術を提供することで生産コストを抑え、相場の乱高下に左右されず、生産された茶葉全量を当社が購入することを特長としています。2007年には都城農協が茶葉を一次加工する荒茶工場を建設し、本格的な摘み採り、生産が始まっています。
また、2006 年秋には大分県、臼杵市、杵築市とともに事業協定を締結しました。自治体が参加する初めての事例です。
こうした新たな産地をつくる茶産地育成事業は現在4県6地区(すべて九州地方)に広がっていますが、今後とも、全国で茶園総面積1,000 ヘクタールを目標に、茶産地育成事業に積極的に取り組んでまいります。

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