人権尊重の取組み

人権の尊重は、伊藤園グループ経営理念「お客様第一主義」の根幹をなすものであり、全ての事業活動の根幹となるものです。伊藤園グループでは、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、「伊藤園グループ人権方針」「伊藤園グループサプライヤー基本方針」等を制定し、持続可能なサプライチェーンマネジメントの実現に向けた人権尊重の取組みを推進しています。

方針

人権方針

伊藤園グループは、人権に関する専門知識・実務経験を有する外部有識者の助言を踏まえて「伊藤園グループ人権方針」を策定しました。本方針は、当社取締役会の承認を経て、代表取締役社長により署名されています。
本方針の浸透に向けて、伊藤園グループが事業を展開している国や地域で使用されている適切な言語に翻訳し、全ての役員および社員に対して、本方針の実践に必要な教育・研修を継続的に実施しています。また、本方針をサプライヤーと共有して本方針への理解と支持を求めるとともに、その遵守状況を確認・評価し、サプライチェーンにおける人権尊重の取組みを協働で促進しています。

伊藤園グループ人権方針

方針策定のプロセス

国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいて「伊藤園グループ人権方針」を策定するにあたり、2020年3月に人権領域の有識者とのステークホルダーダイアログを実施しました。

ステークホルダーダイアログ

体制(ガバナンス)

推進体制について

伊藤園グループは、人権の尊重を重要課題の一つとし、CHRO(人事・人権推進担当役員)の責任のもと、取締役会の諮問機関であるリスクマネジメント委員会(委員長:代表取締役社長)を中心に、取組みの推進体制を構築しています。リスクマネジメント委員会では、人権デューデリジェンスの計画や取組みを議論の上、取締役会に報告します。

また、サステナビリティ推進委員会(委員長:代表取締役社長)とも連携し、取組んでいます。

人権尊重の取組み体制図

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人権デューデリジェンスの取組み

伊藤園グループは、「伊藤園グループ人権方針」に基づき、ステークホルダーとの対話を行うとともに、人権に関する専門家に協力をいただき、人権リスクの特定、予防、是正、救済に取組む仕組みである人権デューデリジェンスを構築し、実施しています。人権尊重の取組みの進捗状況については、ホームページや統合レポート等で公開しています。

実施プロセス

人権デューデリジェンスの取組み図

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2023年の取組み

2023年、人権デューデリジェンスの開始にあたり、経済人コー円卓会議(CRT)日本委員会の協力のもと、取組みを推進しています。

年月 伊藤園グループの取組み
2023年3月
  • 伊藤園グループ各社の経営層に対する研修会を実施
4月
  • 主要な部署の管理職を対象に、「ビジネスと人権」に関する勉強会・人権デューデリジェンスリスクアセスメントワークショップを実施
6月
  • 人権影響評価(インパクトアセスメント)を実施
    農業法人の外国人労働者
    自社工場で勤務する外国人労働者
10月
  • CRT日本委員会主催「(第12回)2023 年ビジネスと人権に関する国際会議」において、
    伊藤園の人権デューデリジェンスの取組みを発表

※リスクマジメント委員会における人権課題に関する議論

年月 会議体 議題
2023年9月 リスクマネジメント委員会 伊藤園グループにおける人権リスクへの取組み

人権リスク評価の実施

人権リスクの特定プロセス

2023年、当社はCRT日本委員会の協力のもと、以下のプロセスによる調査結果を踏まえ、重要な人権テーマを特定しました。

1.デスクトップ調査による人権リスクの評価(4月)

CRT日本委員会の知見により、当社の事業活動に関わる国の人権リスクを評価。

2.人権デューデリジェンスリスクアセスメントワークショップによる人権テーマの抽出(4月)

主要な部署の管理職が参加するワークショップを開催し、「ビジネスと人権」に関するグローバル動向や、企業に対する社会の要請の変化を考察した上で、自社のサプライチェーンにおいての潜在的な人権課題や、負の影響を受けるライツホルダー(サプライチェーン上の労働者、地域、自社の従業員、消費者)を抽出。

品質会議の様子
3.関係部署へのヒアリング調査(5月)

抽出した人権テーマの深堀りのため、CRT日本委員会による調査分析を実施。

優先度の高い重要な人権テーマ

  • 茶生産者・自社工場における外国人労働者の労働環境
  • 委託先(製造・物流・廃棄)における労働者の労働環境
  • 海外の原料調達先(中南米)における労働者の労働環境および近隣住民の環境への影響

人権影響評価(インパクトアセスメント)の実施

人権影響評価実施報告(2024年4月期) PDF

救済

伊藤園グループは、内部通報の受理窓口として、国内においてはお客様を含めて誰もが利用できる「企業倫理ホットライン」を設け、また2023年度からは国外におけるグループ企業専用の内部通報窓口の運用を開始し、社内・社外からの通報、相談、質問等を受け付けています。

内部通報等受付窓口

人権啓発活動の推進・教育

経営層、従業員向けの人権啓発活動

伊藤園グループでは、「伊藤園グループ人権方針」の実践に必要な教育・研修を行っています。

2023年は、ビジネスと人権の専門家の方を講師に伊藤園グループ各社の経営層に対する研修会や管理職研修などを実施しました。従業員向けの研修では、コンプライアンス教育の一環としてパワーハラスメント、セクシャルハラスメントなども取り上げています。
また、事業活動を通じた人権尊重への取組みにより、地域のコミュニティにおける人権について従業員の意識向上や理解の促進を図っています。

品質会議の様子

サプライヤー向けの人権啓発活動

伊藤園では、サプライヤーに対して、各種品質会議やサプライヤー向け説明会等を通じて、「伊藤園グループ人権方針」を説明しています。また、「伊藤園グループサプライヤー基本方針」および「伊藤園グループサプライヤー基本方針に基づく取引行動規範」に基づき、定期的に供給者評価を実施し、人権課題の対応などを共有し、協働で取組んでいます。

持続可能なサプライチェーンへの貢献

ステークホルダーや有識者
との対話・協議

伊藤園グループでは、人権専門家や外部団体等のステークホルダーとの対話を実施し、人権尊重の取組みを推進しています。

ステークホルダーエンゲージメント

経済人コー円卓会議(CRT)日本委員会

2023年9月から定例会議(毎月)を設け、「ビジネスと人権に関する指導原則」に即した人権尊重の取組みについて確認を行っています。
2023年10月の「(第12回)2023年ビジネスと人権に関する国際会議」において、伊藤園の人権デューデリジェンスの取組みを発表しました。

開催報告書(CRT日本委員会)

ザ・コンシューマー・グッズ・フォーラム(The Consumer Goods Forum)

2019年5月から、ザ・コンシューマー・グッズ・フォーラム(The Consumer Goods Forum)の社会的サステナビリティ・ワーキング・グループに参加して、人権デューデリジェンス推進に向けた情報共有と強制労働排除に向けた協働に取組んでいます。

ザ・コンシューマー・グッズ・フォーラム

ステークホルダーダイアログ