基本的な考え方

持続可能な社会・
環境の実現に向けて

伊藤園グループは、経営理念「お客様第一主義」に基づき、ステークホルダーの皆様の信頼を得ることを重視しています。世界の持続可能な社会・環境の目標であるSDGs(持続可能な開発目標)の内容も踏まえて、本業を通じた国際規格ISO26000の7つの原則および7つの中核主題への取り組みを経営に組み込んでいます。「世界のティーカンパニー」を目指し、国内および世界で新たな食文化の創造と生活提案を行い、社会の課題解決と伊藤園グループの成長を両立させる「共有価値の創造(CSV)」により、持続可能な社会・環境の実現に貢献します。

持続可能な開発目標(SDGs)とは

2015年9月に「国連持続可能な開発サミット」の成果文書として、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。アジェンダは、人間、地球および繁栄のための行動計画として、宣言および目標を掲げました。この目標が、17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs)」です。今後のサステナビリティを考えるうえでの世界の共通言語として位置付けられるものといわれています。

伊藤園CSRへの
SDGs導入の考え方

当社は、これまで企業の社会対応力向上、共有価値創造に向けて、国際標準であるISO26000をガイドラインとしたCSR体系を導入しています。加えて、SDGsの企業への導入では共有価値の創造の考え方が示され、これをビジネスチャンス面とリスク回避面の両面での活用が必要ですが、当社はマイケル・ポーター教授らの提唱するCSVを組み合わせてCSR/CSV経営を実践しています。こうした経緯から当社はこれまでのCSR/CSV体系に、SDGsを2030年までの長期的視野での社会課題を組み込んだ形として、この体系のさらなる深化を図っています。

CSR/CSVの推進

伊藤園グループでは、国際規格ISO26000を活用して、7つの原則と7つの中核主題(以下、中核主題)に即して、事業におけるリスクと機会を洗い出しCSRを体系化しています。また、中核主題のうち、環境、消費者課題、コミュニティへの参画及びコミュニティの発展の3分野を重点テーマとして、社会価値と事業価値の同時実現を目指す共有価値の創造(CSV)を実践しています。

伊藤園グループCSR憲章

伊藤園グループ内の価値観を共有して一体化を図るために、CSR経営の考え方を具体的に示す、「伊藤園グループCSR憲章」を2013年3月に制定しました。2019年2月には、CSRの体系および方針の見直し・整理を行い、会社の存在価値を社員に対して示す伊藤園グループ基本綱領の位置付けを明確にするとともに、CSR憲章を改定しました。この憲章をもとにCSR活動に取り組み、社会課題の解決による共有価値の創造(CSV)により、競争力を高め、社会に求められる企業として価値を向上させ、「世界のティーカンパニー」を目指します。

図:伊藤園グループ CSR体制

図を拡大する

伊藤園グループCSR憲章

伊藤園グループのCSRの姿

図:伊藤園グループ CSRの姿
基本的CSR:ISO26000の7つの中核主題に基づく、経営基盤の強化
共有価値の創造(CSV):社会課題の解決と伊藤園グループの成長の両立(重点テーマである「環境」「消費者」「コミュニティ」でCSVを目指す)

図を拡大する

ESGへの対応

伊藤園グループは、経営理念「お客様第一主義」による活動における本業を通じたCSRの推進に当たり、国際規格ISO26000を羅針盤とし、 これに則した中核主題として、組織統治、人権、労働慣行、環境、公正な事業慣行、消費者課題、コミュニティへの参画及びコミュニティの発展の7つを推進テーマに設定しています。 これらの7つの中核主題と、ESGのE(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)との対応関係は、おおむね下図左側で示す通り、基本的には真ん中の組織統治がG、環境の部分がE、残りの5分野がSに当てはまります。 また、「伊藤園の主な目標(KPI)とESG重要事項」のESG重要課題は、下図の「7つの中核主題とそれぞれの課題」の項目をベースに、関係者からの意見を踏まえて抽出したものです。

図:ISO26000 7つの中核主題とそれぞれの課題

図を拡大する

  1. 1.組織統治
  2. 2.人権 ①デューディリジェンス
    ②人権に関する危機的状況
    ③加担の回避
    ④苦情解決
    ⑤差別及び社会的弱者
    ⑥市民的及び政治的権利
    ⑦経済的、社会的及び文化的権利
    ⑧労働における基本的原則及び権利
  3. 3.労働慣行 ①雇用及び雇用関係
    ②労働条件及び社会的保護
    ③社会対話
    ④労働における安全衛生
    ⑤職場における人材育成及び訓練
  4. 4.環境 ①汚染の予防
    ②持続可能な資源の利用
    ③気候変動の緩和及び気候変動への適応
    ④環境保護、生物多様性、及び自然生息地の回復
  5. 5.公正な事業慣行 ①汚職防止
    ②責任ある政治的関与
    ③公正な競争
    ④バリューチェーンにおける社会的責任の推進
    ⑤財産権の尊重
  6. 6.消費者課題 ①公正なマーケティング、事実に即した偏りのない情報、及び公正な契約慣行
    ②消費者に対するサービス、支援、並びに苦情及び紛争の解決
    ③公正な競争
    ④バリューチェーンにおける社会的責任の推進
    ⑤財産権の尊重
  7. 7.コミュニティへの参画及び発展 ①コミュニティへの参画
    ②教育及び文化
    ③雇用創出及び技術開発
    ④技術の開発及び技術へのアクセス
    ⑤富及び所得の創出
    ⑥健康
    ⑦社会的投資
出展:「日本語訳ISO26000:2010社会的責任に関する手引」

ISO26000の中核主題に沿ったCSRの取り組み

伊藤園の主な目標(KPI)と
ESG重要事項

ESG 7つの中核課題 ESG重要課題 KPIを設定する主な目標項目 主に関連するSDGs
Gガバナンス 組織統治 コーポレート・
ガバナンス
企業統治 16 平和と公正をすべての人に 17 パートナーシップで目標を達成しよう
内部統制
サステナビリティ・マネジメント(CSR憲章などの管理、社内浸透)
ステークホルダーダイアログの実施
IR活動(投資家との対話)
リスクマネジメント 社会情勢の変化に対応したリスク関連委員会の開催
BCP管理
データセキュリティとプライバシーの保護
コンプライアンス コンプライアンスの徹底、倫理規範の導守
S 社会 公正な事業慣行 公正な取引の導守 取引に関する法令の導守と社内浸透 16 平和と公正をすべての人に
サプライチェーン
マネジメント
原材料の調達・サプライチェーンマネジメント(伊藤園グループ品質管理方針・調達方針に基づくサプライチェーン管理)
人権 人権の尊重 人権の尊重 8 働きがいも経済成長も
人権啓発活動推進体制の整備・推進、ハラスメントなどに関する教育の実施
労働慣行 人事・福利厚生 働き方改革制度改正への対応 4 質の高い教育をみんなに 8 働きがいも経済成長も
福利厚生、次世代育成支援制度の活用
従業員の健康・安全 労働時間短縮・有給休暇取得促進に向けた取り組み強化
安全な職場環境の整備
人材育成 人材の獲得と退職防止、人材育成
「伊藤園ティーテイスター社内検定」の有資格者の育成
ダイバーシティ 多様性と労働環境の平等性、女性の活躍推進
障がい者雇用と支援体制の強化
重点テーマ
消費者課題
製品の品質と安全性 品質管理の強化 3 すべての人に健康と福祉を 12 つくる責任 つかう責任
製品の安全性確保
JGAP認証導入の取り組み推進
健康価値の訴求
(健康と栄養性)
健康関連の研究
健康に貢献する食品・飲料の開発・充実
特許・商標戦略
製品のパッケージング
および適切な情報公開
環境配慮型容器などの開発
製品の適切な情報開示
製品の求めやすさ 販路別営業網の活用および小売店の強化(お茶を活用したお客様との接点強化)
公正なマーケティングと
広告
公正なマーケティングと広告
個人情報の保護 データセキュリティとプライバシーの保護(再喝)
重点テーマ
コミュニティへの参画及び発展
コミュニティと人権課題 人権関連貢献型自動販売機の推進(おぎゃー自動販売機、犯罪被害者支援自動販売機など) 2 飢餓をゼロに 11 住み続けられるまちづくりを
コミュニティと地域活動 伊藤園まち・ひと・しごと創生推進基本方針に則した地域創生活動の実施
文化プログラムへの参画・活動の展開
「伊藤園ティーテイスター社内検定」の活用(茶文化プログラムの推進)
地域社会に対する関係強化
コミュニティと産業育成 茶産地育成事業(新産地事業)の年間生産量の増大
農業生産法人との連携強化
コミュニティと
環境・文化
「お茶で日本を美しく。」プロジェクトの活動
コミュニティの
震災復興支援
震災被災地の支援継続、被災地自治体との関係強化
E環境 重点テーマ
環境
気候変動・
大気汚染の防止
温室効果ガスの排出、全社CO2排出削減 7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに 12 つくる責任 つかう責任
ヒートポンプ自動販売機比率向上
車両燃費向上
省エネルギー推進 全社の電力使用量削減
生産時のエネルギー管理、飲料製造工場のエネルギー削減
輸送時のエネルギー管理、ブロック生産比率工場、モーダルシフト
生物多様性の保全 茶産地育成事業でのモニタリング
水の管理 生産時の水の消費と排水の管理(自社工場および委託先工場の水使用量に関する情報収集の強化
廃棄物とリサイクル 廃棄物の管理、食品リサイクル率向上
茶殻リサイクルの推進

KPIによる取り組みの推進