観戦ガイド

賞金女王争いを左右する大一番が幕を開ける!

深秋の房総路に今年も精鋭たちが集結した。賞金女王を巡る戦い、シード権争い―シーズン終盤の張り詰めた空気の中、全霊をかけてプレーする選手たちの姿はいつも胸を打つ。  
伊藤園レディスがグレートアイランド倶楽部に舞台を移して四半世紀。今年はどんなヒロインが誕生するのか。

 ローラ・デービース、服部道子、不動裕理、古閑美保、横峯さくら、イボミ ―
日米の賞金女王がずらりと並んだグレートアイランド倶楽部のウイナーズサークルに昨年、新たに加わったのが福田真未だった。プロ7年目の初優勝。ニューヒロインが誕生した。

 最終日を4打差の首位で迎えた福田は12番でこの日3個目のバーディを奪い2位との差を6打にまで広げていた。だが、ここから初優勝の重圧がのしかかる。 13番から3連続ボギー。気づけば、1組前のアンソンジュが1 打差に迫っていた。終盤は難易度の高いホールが続く。特に池が絡む17、18番で泣いた選手は数多い。 極度の緊張の中、それでも福田は踏ん張った。17、18番ともしっかりグリーンをとらえてパーセーブ。アンの追撃を振り切った。この優勝が自信となった。今季の福田は8月の北海道meijiカップで2勝目を挙げるなど、 より成長した姿をみせている。大会連覇へ、チャンスは十分だ。

 大詰めを迎えた賞金女王争いも見逃せない。4年ぶり4度目の女王を狙うアンソンジュ、史上初の日米韓3ツアー制覇がかかる申ジエ、2年連続戴冠を目指す鈴木愛らが激しい争いを繰り広げている。

 シーズン序盤は鈴木の独壇場だった。6月までに4 勝を挙げ、わずか出場11試合で獲得賞金1億円突破という記録的なハイペース。ただ、右手首を痛め夏場は約2カ月の戦線離脱を余儀なくされた。 そしてアンと申の実力者2人が猛追。ハイレベルの戦いが過熱してきた。

 21世紀になってからの過去17年間で伊藤園レディスを制した選手がそのまま賞金女王に輝いたのが7例もある。それくらい、頂点を巡る争いにおいて重要な意味を持つ大会なのだ。選手たちはそれを肌で感じているからこそ、より熱くなる。 地元千葉出身の成田美寿々や復活を果たした比嘉真美子らも女王争いの一角に食い込むチャンスを虎視眈々と狙っている。彼女らの1打1打が、シーズンの総決算に直結する。

 フレッシュなヒロインたちにも注目だ。永峰咲希、新垣比菜、岡山絵里、大里桃子、香妻琴乃といった初優勝を飾った面々がツアーに新たな彩りを加えてくれた。新垣、大里に勝みなみや小祝さくららを加えた黄金世代と称される1998年度生まれの選手たちの躍動ぶりは出色。 黄金世代より1学年上だが、昨年のプロテストで新垣や勝を抑えてトップ合格を果たした松田鈴英も初シードを確実なものにしている。勢いのある彼女らのプレーもギャラリーの熱視線を集めるだろう。

 賞金シードを目指す選手たちにとっても大一番だ。ボーダーライン上の選手は1つでも順位を上げることが必須。シビアな戦いである。昨年優勝の福田は“圏外”の賞金ランキング58位から一気にシードを決めた。今年も大逆転の物語が生まれるかもしれない。

 かつては夏場に開催されていた伊藤園レディスがシーズン終盤に移り、同時にグレートアイランド倶楽部を舞台にしたのが1994年。今年で25年目を迎える。四半世紀に達した歴史にどんな一節が加えられるのか。熱きドラマが始まる。

 

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