戸張捷ゼネラルプロデューサーのラウンド解説
第41回 伊藤園レディス 2nd Round ~2日目を終えて~
第41回伊藤園レディスゴルフトーナメントは昨日に続いて絶好の秋晴れの天候の中大会2日目を終えました。
42位タイ3アンダーの51名がファイナルラウンドへ進出しました。
もちろん注目すべき点は、トップ争いです。永峰咲希、通算11アンダーで単独首位に浮上しました。続いて、佐久間朱莉が10アンダーで2位タイ。さらに2位タイが6名います。木村彩子2番ホール(実測173yd)でホールインワンを達成しに優勝圏内へ入ってきました。工藤優海、 福山恵梨、 永井花奈、 柏原明日架らも、通算10アンダーの2位タイで最終日へ挑みます。
一方、予選通過できずに姿を消した顔ぶれにも目を見張るものがあります。菅沼菜々は初日にあわやホールインワンのショットを見せましたが、カットラインに届かず、残念ながら予選落ちとなりました。 加えて、実力・実績十分の大里桃子、葭葉ルミ、木戸愛、不動裕理、鈴木愛なども通算2アンダーで、ファイナルラウンド進出を逃しました。
さて、最終日へのスタート時間と組み合わせにも注目です。2wayで1番から7:56スタートがトップスタート、11分間隔で最終組は9:36で、工藤優海、佐久間朱莉、永峰咲希のペアリングです。
優勝ラインは 14アンダー前後になると見ています。2位タイの選手は5アンダー以上のスコアが必要で、10位タイ8アンダーまでが優勝出来る可能性が残されています。グレートアイランド俱楽部の上がり16番、17番、18番の3ホールでどのようなドラマが生まれるか。特に17番の左サイドに池が絡みます。最後まで目が離せません。
年間女王はメルセデス・ランキングでトップを走る佐久間朱莉が1歩リード、佐久間が優勝すれば年間女王が確定しますが、2位の神谷そら、河本結がどこまで順位を上げてくるか、そちらも楽しみです。
第41回伊藤園レディスのチャンピオンは誰が優勝するか分からない展開になっていますので、お近くの方はぜひトーナメント会場に足を運んで熱い声援を送って頂ければと思います。
第41回 伊藤園レディス 1st Round ~1日目を終えて~
伊藤園レディスの初日が終わりました。大会初日は96選手中65選手がアンダーバーでのラウンドとなりました。昨日の雨の影響もあり、グリーンが少しやわらかく、ボールが転がりにくいという条件の中ではありましたが、素晴らしいプレーが展開されました。
首位には木村彩子と神谷そらが65ストロークの7アンダー。木村は2週間前に富士通レディースで優勝していて、いままさに“波に乗っている選手”と言っていいでしょう。本人も千葉との相性が良い話しをしておりました。神谷は相変わらずの飛距離で、全長6,769ヤードの伊藤園レディスもそのアドバンテージが生きてスコアメイクをしています。
3位タイには三ヶ島かな、永峰咲希、川岸史果、柏原明日架が66ストロークの-6アンダー。柏原は今年のNEC軽井沢72の優勝以降、ショットのキレが戻ってきており、今日も良い波に乗っていました。7位タイ67ストロークの5アンダーは青木瀬令奈、藤田さいき、イ ミニョン、川﨑春花、永井花奈と百戦錬磨のメンバーが続いています。今年の日本女子オープンを制した堀琴音も確実にスコアを伸ばしました。注目の原英莉花も途中はオーバーパーになり苦しみましたが、きっちりと69ストロークの3アンダーまでまとめてきた。こういう“粘り”が、選手の完成度を示します。
まだ初日です。ここから2日目以降の順位は大きく入れ替わります。4アンダー、5アンダーを出せば一気に上位に顔を出せるはずです。
2日目の注目ポイントとしては、17番のパー3です。今年も昨年に続き225ヤードに設定しました。昨年の平均ストロークは3.41でしたが、今年の2日目は選手がどんな攻め方をしてくるか?バーディが何個出るかが楽しみで見所になると思います。
2日目からはテレビ朝日でテレビ放送も始まります。現地での観戦でも、TVでの観戦でも楽しんでいただける試合になると思います。
第41回 伊藤園レディスゴルフトーナメント開幕に向けて ~今大会の見どころ~
今年で41回目を迎える伊藤園レディス。ツアーもいよいよ終盤です。
伊藤園レディスは、年間のメルセデス・ランキングを大きく左右する重要な大会です。このランキングは、1年間のトーナメントで得たポイントの合計によって順位が決まり、年間女王争いだけではなく、翌年の出場資格にも関わります。
伊藤園レディスで優勝すれば200ポイント、2位で120ポイント、3位90ポイントと続き、下位でも順位ごとにポイントが細かく配分されます。
伊藤園レディス、エリエールレディース、JLPGAチャンピオンシップの残り3試合で動くポイントは、最大で合計900ポイントです。つまり、まだまだ年間女王争いの逆転のチャンスが残されているということです。現在トップは佐久間朱莉。伊藤園レディスで優勝すれば、年間女王が決まります。2位には神谷そら、3位に河本結。さらに菅楓華や高橋彩華といった若手も勢いを見せており、誰が年間女王になるか分かりません。一方で、メルセデス・ランキング50位前後の選手たちは来季のシード権争いの真っただ中。ほんの数ポイント差で、翌年ツアーに出られるかどうかが決まってしまうので、1打も無駄に出来ません。その緊張感と気迫が、まさにこの時期のトーナメントの見どころです。
さらに、USLPGA下部ツアーに出場してエプソンポイントランキングで5位になり、来季のUSLPGAのシードを手にした原英莉花が今季の2試合目の国内参戦になり、そのプレーにも注目が集まります。
トーナメントのコースセッティングでは、昨年17番パー3で、225ヤードのバックティーを大会2日目に使用して、平均スコアが3.41となり、選手を苦しめました。今年もこのホールは大いに注目されるでしょう。ぜひ現地で観戦してみてくだい。
様々な話題がある1年の集大成とも言える伊藤園レディス。
誰が主役になるのか、そしてどんなドラマが生まれるのか最後の1打まで、どうぞ存分にお楽しみください。



今年の伊藤園レディスはトーナメント3日間が好天に恵まれ、絶好のコンディションでトーナメントが進みました。
まず注目すべきは、アメリカから帰国して参戦した原英莉花です。初日69ストローク、2日目68ストローク、そして最終日は67ストロークと着実にスコアを伸ばし、トータル12アンダーで4位タイ。久々の日本ツアーでしたが、海外で培った技術の高さを見せてくれました。
そして今大会の大きな話題は、マンデートーナメントを勝ち上がって本戦に出場した工藤優海。千葉県松戸市出身のプロで、これまでの主な実績はステップ・アップ・ツアーでの1勝のみ。しかしこの伊藤園レディスで初日68ストローク、2日目66ストローク、最終日も要所で耐えながら69ストローク。トータル13アンダーで永井花奈と並んで2位タイという堂々たる成績を収めました。この勢いがあれば、来季のレギュラーツアーでの活躍が今から楽しみです。
そして何より、本人も周囲も涙が出るほど嬉しい優勝をつかみ取った脇元華。宮崎県出身。プロテストには2年間挑み苦労し、台湾ツアーで1勝を挙げた後も、日本での初優勝を目指して粘り強く戦ってきました。加えてヘルニアに長年悩まされ、痛みを抱えながらのツアー生活。今年の冬に手術を決断し、その思いを胸に今大会へ臨みました。
初日69ストローク、2日目66ストローク、そして最終日は圧巻の65ストローク。10番からの4連続バーディを含め、攻めきったプレーでスコアを伸ばし、通算16アンダーで永井、工藤を振り切る見事な勝利です。最終戦のリコーカップが行われる地元・宮崎に、優勝者として胸を張って帰ることになります。本当におめでとうございます。
一方、年間を通してツアーをけん引してきた佐久間朱莉は、最終日にスコアを伸ばせず72ストローク。それでも通算10アンダーで8位タイに入り、メルセデス・ポイント、賞金ランキングとも独走状態は変わりません。今年は“佐久間の年”だったと言っていいでしょう。来年、日本で戦うのかアメリカへ挑むのか、その動向も注目されます。
今年の伊藤園レディスは、最終日まで見どころ満載の素晴らしい大会になりました。来年もまた、期待の持てるトーナメントが展開されると思います。どうぞ来年も楽しみにしていてください。