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第二十二回 お〜いお茶新俳句大賞

佳作特別賞 その3

第二十二回伊藤園お〜いお茶新俳句大賞 各部門受賞者
優秀学校賞 英語俳句の部 佳作特別賞その3 佳作特別賞その2 佳作特別賞その1 佳作特別賞 都道府県賞 後援団体賞 審査員賞 一般の部B(40歳以上) 一般の部A(40歳未満) 高校生の部 中学生の部 小学生の部(幼児含む) 優秀賞 各部門大賞 文部科学大臣賞
佳作特別賞 その3

春風や字幕のように並ぶ靴

岡山県

小橋 辰矢

34歳

バス停のダイヤ改正地虫出づ

広島県

村田 武士

34歳

若芽踏むちいさき素足の健やかさ

福岡県

赤城 綾

34歳

北風も走れば君の追い風に

福岡県

庄島 香那

34歳

これからの心ぶつける日記買う

熊本県

西川 ひとみ

34歳

星空を集めて光れ夜光虫

青森県

二本柳 綾子

35歳

岩陰に隠れた蟹と根競べ

茨城県

二川 権寿

35歳

ふり向ける分だけにしてかたつむり

茨城県

藤田 映子

35歳

左手の指輪に妻が住んでいる

埼玉県

河野 秀夫

35歳

朝もやの大地に溶け込む小鳥たち

埼玉県

下境 孝

35歳

母恋し桃のつぼみの待つやうに

埼玉県

比留間 陽子

35歳

やぶ椿鳥逆しまに遊びけり

埼玉県

米山 陽隆

35歳

星空に寒さ忘るる一人かな

千葉県

中村 朝香

35歳

梅雨入りが間近と知りて焦る朝

千葉県

松島 純子

35歳

恋終わりレタスの苦味ちょうど良い

千葉県

大和田 百合子

35歳

師も我もただの人なり雪見風呂

東京都

長谷川 悌子

35歳

会話なしそれでも夕飯作るべし

東京都

鈴木 和美

35歳

新雪に小さな足跡夢多き

東京都

内藤 陽子

35歳

秋雨の糸を手繰って帰途に就く

東京都

江口 剛

35歳

初恋はすぐ書けなくなるボールペン

東京都

片山 加奈子

35歳

澄む空に凧一点の鳥となる

東京都

一瀬 達也

35歳

スイカの日笑顔も種もはじけたり

神奈川県

矢吹 朋子

35歳

雨だれのピアニッシモを子と拾う

長野県

澤木 明美

35歳

青空へさあと飛び出す夏帽子

長野県

上條 節子

35歳

受話器から漏れてきそうな白い息

静岡県

吉村 祐美子

35歳

春日ややかんもぴいっとするあくび

愛知県

玉澤 昌子

35歳

もう一度脚組み替えて君を待つ

愛知県

竹内 佐永子

35歳

野良猫が庭の日向をひとりじめ

滋賀県

堀 久美

35歳

一切れのそよぐ心がよもぎ餅

京都府

金 栄珉

35歳

Tシャツに着替え自分を取り戻す

大阪府

山上 秋恵

35歳

四弦の向こうに見える冬銀河

兵庫県

松尾 裕子

35歳

かじかむ手つないで帰る終業式

和歌山県

渡辺 央

35歳

青春のふと香り立つアスファルト

大分県

家近 竜太郎

35歳

靴底は日なたのにおい風を切る

宮崎県

沢村 美由紀

35歳

春雪の中を笑顔のランドセル

鹿児島県

神園 奈々

35歳

新米の輝き父の汗に見え

北海道

菊地 美佳

36歳

クレソンや恋を許してくれますか

北海道

黒田 美貴

36歳

寒風にひびきし寺の時の鐘

茨城県

染谷 由之

36歳

Uターン祖母を離さぬ小さな手

茨城県

山田 嘉隆

36歳

いち早く春の訪れ知らす鼻

埼玉県

安田 正子

36歳

歌舞伎座のさよなら公演春の雪

埼玉県

大塚 雅彦

36歳

しゃぼん玉光の中の子供たち

埼玉県

今野 徹

36歳

万緑や新進画家の指の腹

東京都

佐藤 彩

36歳

年賀状写真の顔が一人増え

東京都

酒井 千代子

36歳

大掃除机の中の小宇宙

東京都

大島 大

36歳

タンポポのような帽子とランドセル

東京都

飯田 正昭

36歳

冬木立源氏香図のやうな影

東京都

小川 値賀子

36歳

鶯が届けてくれた恋文か

神奈川県

小松 敏江

36歳

キンモクセイしあわせ感じる季節です

神奈川県

山田 真左子

36歳

さよならの君の吐息が雪になる

神奈川県

藤沢 美由紀

36歳

猫の後つけて見付ける風の道

石川県

松栄 昌江

36歳

温もりを求めて子猫藁の上

長野県

中田 博美

36歳

お揃いの鼻緒が赤い夏祭り

静岡県

須山 ゆか

36歳

くせ文字がどんどん傾くいわし雲

大阪府

井上 千恵

36歳

ぞうダチョウ名付けて芋を並べる児

広島県

今村 妃佐

36歳

彩りのない机一つみかん置く

愛媛県

渡部 香世

36歳

羊たちまぶたの裏に集う春

熊本県

西山 美和

36歳

雨音に癒しを求め眠る夜

北海道

鈴木 圭子

37歳

汽笛なりカメラ持つ手に汗握り

宮城県

高橋 藤江

37歳

踏み締める落ち葉が歌う散歩道

山形県

斎藤 美和

37歳

雪だるまあと少しだけ見ていよう

栃木県

鍵本 照美

37歳

子育ては少女の私に出会う旅

埼玉県

津久井 理恵子

37歳

反抗期見上げる瞳に新芽在り

千葉県

鶴岡 祥子

37歳

シャボン玉少し大きく明日を吹く

千葉県

大澤 卓

37歳

観覧車ふたりの戻る舟となり

東京都

太田 登洋

37歳

新年の火の子賑わい氏子神

東京都

米盛 克恵

37歳

「落ち着くよ」息子がくれたラベンダー

東京都

建藤 貴子

37歳

足跡を蓮華畑に風の旅

東京都

本田 直人

37歳

君の吐く息の小ささ冬に知る

神奈川県

大塚 さくら

37歳

通勤の電車が混みだし夏終わる

神奈川県

井幡 光詞

37歳

水平線冬の定規の美しさ

神奈川県

須田 恵子

37歳

金木犀ここにあるぞと香を放つ

神奈川県

喜多村 陽子

37歳

日課とは富士の山並み観察記

神奈川県

野島 律子

37歳

片えくぼ雪の国から駆けて来る

新潟県

森岡 聰美

37歳

運動会あんパンがぶりシャッターチャンス

山梨県

高橋 牧子

37歳

腕まくりして初夏をつかみけり

愛知県

伊藤 麻希子

37歳

春時計みんなを少し大人にし

愛知県

山田 美智

37歳

雪うさぎ笑顔になれば春近し

滋賀県

八木 貴子

37歳

ほつほつと踊るやかんの温かさ

大阪府

佐藤 あゆみ

37歳

そんなにも急かさないでよ散る桜

山口県

入江 陽子

37歳

傷付かぬふりだけ得意花水木

徳島県

安藝 達也

37歳

子を持って父の目立たぬ愛を知る

香川県

寅田 典子

37歳

かしわ餅赤子はちさきこぶしもつ

愛媛県

清水 孝一

37歳

葉桜や光あつめる小さな手

福岡県

川人 佐織

37歳

桜ばな写すふりして君を撮る

福島県

澤邊 裕栄子

38歳

暖冬で動植物も寝ぼけてる

茨城県

鈴木 由紀子

38歳

いくたびも桜を好きになりにけり

栃木県

山市 雅美

38歳

あくびさえのびしろ多く春となり

埼玉県

木村 幸代

38歳

城跡のお堀に浮かぶ秋の空

埼玉県

大和田 豊

38歳

蝉しぐれ通過列車はまぼろしか

東京都

田村 嘉章

38歳

たんぽぽに乗って知らない土地に行く

東京都

須川 善史

38歳

よちよちがトコトコになり春来たり

東京都

中橋 祐子

38歳

雪の晩昭和歌謡で温まる

神奈川県

下嶋 恵樹

38歳

ひまわりを好きという子が好きでした

長野県

小島 和彦

38歳

ひとひらの雪くちづけて冬の味

長野県

市川 久美子

38歳

夕暮れの土手を歩くと赤とんぼ

京都府

北井 秀明

38歳

眼差しは隠せぬ心伊達マスク

京都府

前辻 由佳

38歳

青深き空のえくぼよ昼の月

京都府

栗林 美保子

38歳

桜咲け君の未来は君の手で

大阪府

田中 恵津子

38歳

渋柿の膝つきあわせ皮をむく

兵庫県

是永 康子

38歳

そよ風が春の空気の道標

兵庫県

中木村 佳子

38歳

異国の地月の兎に癒される

岡山県

小西 華江

38歳

天空に魚群のごとしアキアカネ

岡山県

田中 久美子

38歳

おみやげのにぎりこぶしのなかの秋

広島県

松井 加代子

38歳

こんもりと日だまりにあり祖母の家

福岡県

鍛治 尚子

38歳

卒寿過ぐ祖母の手縫いの衣温し

青森県

古舘 美香子

39歳

肩車揺れてる父の花見酒

秋田県

遠藤 隆幸

39歳

涼風の生まれた場所は青紫陽花

茨城県

中嶋 貴子

39歳

うれしいな洗ったような弁当箱

茨城県

小林 静江

39歳

冬空に鳴るすべもない時の鐘

埼玉県

高畑 祐子

39歳

春嵐負けじと坂道ペダルこぐ

千葉県

小川 宏達

39歳

春の夜眠りに誘うは子の寝息

千葉県

加藤 昭子

39歳

車窓より青田続きて実家なる

東京都

木 昌子

39歳

雪深し桜のつぼみ夢の中

神奈川県

小黒 正樹

39歳

傘かして恋ぞ始まる夏夕立

神奈川県

田口 和則

39歳

どんぐりを拾う子どもが背くらべ

神奈川県

伊藤 範子

39歳

霜畳光り輝く決意の朝

石川県

内原 薫

39歳

頭の芯のきりりと軋む冬隣

山梨県

木村 由佳

39歳

昨日よりちょっぴりだけど今日が好き

岐阜県

柳澤 功子

39歳

言い訳は聞くともなしに春の雪

静岡県

工藤 真一

39歳

木漏れ日の膝暖かな孫たちよ

愛知県

福室 美奈子

39歳

差し込んだ光の中で蝶を追う

愛知県

丹羽 祐子

39歳

紅葉を楽しむ前のお弁当

愛知県

清水 和美

39歳

葱汁に親の苦労の溶けてゐる

京都府

杉森 大介

39歳

夏草や一塊のウソを斬る

大阪府

山下 由加子

39歳

熱帯夜蒸し器の中にいるような

大阪府

矢野 知子

39歳

山びこにすっとんきょうな子らの顔

大阪府

川谷 志

39歳

物干しに白いシャツゆれ母の日も

奈良県

平林 靖

39歳

目借時ひょいと転がるコンタクト

広島県

安冨 公剛

39歳

山里の軒の干し柿日に照りて

愛媛県

大本 容子

39歳

鎮座する子等の力作雪だるま

福岡県

西川 さやか

39歳

長い影季節を計る定規かな

大分県

里見 真紀

39歳

渋柿が甘くなるまで待つ母よ

千葉県

橋本 睦

40歳

燕の子爪先立ちで風を待つ

東京都

宮野 稔子

40歳

菜の花を眼下に見ながらガタンゴトン

京都府

赤澤 雄一

40歳

この蝶についていこうか春だから

和歌山県

西林 香菜

40歳

団栗の殻破り芽出す力なり

岡山県

中桐 裕子

40歳

春風の尾っぽ見えたる列車かな

福岡県

中村 朋美

40歳

冬至の夜流星の尾が風を切る

北海道

野村 祐一

41歳

枯れ葉踏む誰が来たかを当ててみる

千葉県

八本 公美

41歳

二人の手ポッケの中で冬ごもり

石川県

前田 千文

41歳

幸せをかぞえて帰るつくしんぼ

静岡県

村松 貴恵

41歳

あなたの手つねってみたり花曇

愛知県

更谷 千晶

41歳

山笑うパステル色のランドセル

兵庫県

岡本 千寿

41歳

童歌飛行機雲を突き抜けて

広島県

川本 満規

41歳

ハイヒール脱ぎてブランコ銀河まで

長崎県

福島 洋子

41歳

冬の日に一直線の昼寝かな

北海道

有馬 未央

42歳

ポケットに傷林檎ある夜汽車かな

北海道

奥山 真由美

42歳

終発の長距離バスに夏が乗る

茨城県

家田 聡

42歳

トンボ取り捕まえるたび見せに来る

長野県

石澤 充

42歳

声変わりの児童アナウンス山笑ふ

岐阜県

鷲津 誠次

42歳

新緑をぬけたら開く夢のドア

静岡県

建穂 和美

42歳

松ぼくり井上靖文学碑

静岡県

土屋 裕重

42歳

昼休みトンボが飛ぶまで動けない

京都府

藤本 和男

42歳

体育の日欠伸のついでストレッチ

愛媛県

池田 周

42歳

カラーペン夢を描きて夏休み

福岡県

松岡 尚子

42歳

舌を出す猿の明るさ風薫る

青森県

中田 瑞穂

43歳

大和言葉静かに抱きて初燕

愛媛県

大野 泰司

43歳

シャツの背が気まぐれ旅の風はらむ

愛媛県

松原 志乃

43歳

閑古鳥セールの日だけ巣で眠る

神奈川県

鈴木 江緝

44歳

鉛筆を噛む癖秋の扇風機

静岡県

松下 陽子

44歳

朝市の支度へはやる息白く

大阪府

水田 みゆき

44歳

葉桜の風ペパーミントの味がする

愛媛県

斉藤 のぞみ

44歳

雀の子空の音符となりにけり

福島県

佐藤 美弥子

45歳

旧暦に生きて二月の賀状かな

群馬県

関 あゆみ

45歳

喧嘩して天の岩戸の障子紙

長野県

熊谷 千夏

45歳

釣り人が去りて水面に跳ねる鮎

岐阜県

中島 由美子

45歳

青りんご小さな企みかくしてる

大阪府

 ゆう子

45歳

数学のノートのすみの秋桜

大阪府

奈良本 眞知

45歳

連れ添って幾度ため息行く秋や

兵庫県

小山 健治

45歳

朝焼けに襟巻き踊る歩道橋

和歌山県

氏次 晶代

45歳

白日傘出逢ひし笑みのさりげなし

愛媛県

紙崎 照明

45歳

そよ風が誘い誘われ恋をする

福岡県

古賀 佐和子

45歳

自転車屋待合イスに扇風機

宮崎県

鬼塚 裕子

45歳

満月に届けとキリン立ち上がる

東京都

楠田 伸彦

46歳

ブランコの揺れ衰えて夕日去る

東京都

信原 聡

46歳

赤ちゃんはちっちゃなおおきな匂い袋

神奈川県

改発 利佳

46歳

黄落の中に大樹の立ちにけり

静岡県

山本 昌信

46歳

子の汗にわが青春を重ねつつ

静岡県

中嶋 美砂子

46歳

ぼくのため泣いてくれるの小紫陽花

静岡県

根本 富士子

46歳

春風と改札口をすり抜ける

静岡県

南條 なほみ

46歳

先生と呼ぶ子に支えられ十二月

京都府

瀧川 貴美

46歳

ニット帽野球小僧がおしゃれする

広島県

大原 美代子

46歳

落ち葉掃き向こう三軒コンテスト

福島県

丸山 明子

47歳

冬の道タップ踏むよな靴の音

東京都

三矢 敏

47歳

受験生祈りは白き言霊に

東京都

吉川 文義

47歳

たんぽぽの絮を吹いてる補欠の子

神奈川県

酒井 裕子

47歳

飲み干したコーヒー缶に冬ひそむ

長野県

佐藤 洋一

47歳

シャボン玉どの子の息も明るかり

静岡県

掛井 広通

47歳

鳥発ちて見送る花のしずくかな

三重県

原 いづみ

47歳

切手貼る瞬間が好き暮の秋

兵庫県

安井 郁子

47歳

幼なにもつかまりさうな冬の蝶

奈良県

藤井 伊佐子

47歳

千年の松の孤独に雪が添う

埼玉県

津村 みゆき

48歳

親離れのびのび泳ぐめだかの子

東京都

笠原 美和子

48歳

大あくび見知らぬ人も口おさえ

東京都

関口 晃成

48歳

靴下を重ねてロイヤルミルクティー

東京都

阿部 留美

48歳

さぁ帰ろう冬の始発に単身者

神奈川県

木皿 俊貴

48歳

来た道を戻っていいのよででむしと

神奈川県

船橋 則之

48歳

雪空に鳶のまぼろし青く映え

新潟県

芳賀 和浩

48歳

名月が足音を聴く山の径

京都府

宮里 勝男

48歳

はだれ雪天使の吐息かもしれぬ

山口県

内田 和子

48歳

おし鳥に恋愛ですかと問うてみる

福岡県

森田 早苗

48歳

舞い降りるメールは蝶の羽音たて

北海道

橋 多美子

49歳

故郷は父の背中の広さ程

埼玉県

森 照子

49歳

カレンダー掛けて落ち着く大みそか

大阪府

佐々木 伸子

49歳

大人でも悲しい時はブランコに乗る

山口県

大和田 敦子

49歳

青春の怒りの影やいわし雲

愛媛県

石井 浩子

49歳

藪の中おまへはだれだと烏瓜

熊本県

沖村 巧

49歳

本閉じて想い出拾う夜長かな

北海道

松尾 多聞

50歳

観覧車ボクと夕焼けだけを乗せ

福島県

小原 俊子

50歳

初夏の風受けて華やぐ通学路

茨城県

蔵之内 利和

50歳

出来るならあの日に戻り蝶になれ

埼玉県

飯塚 たま江

50歳

柿ひとつ残して街の影絵かな

東京都

菊地 早苗

50歳

遊説を遠く聞きつつ雪下ろし

愛知県

伊藤 真由美

50歳

待ち受けのいきなり秋になりにけり

三重県

大橋 勇司

50歳

黒猫とゆずりあう夕立の辻

福岡県

柿本 一夫

50歳

新築す朝焼までもついていし

佐賀県

古賀 誠史

50歳

鳳仙花負けず嫌いは母ゆずり

群馬県

中島 幸子

51歳

ローカル線ひと駅上がれば違う秋

千葉県

中島 伸也

51歳

静寂に木の葉時雨が音を重ね

岐阜県

中島 一弘

51歳

三日月は夢見る大人のすべり台

大阪府

藤田 晴美

51歳

落ち葉にも行きたいところあるような

福岡県

船橋 留美子

51歳

同窓会アナログのままの君がいて

福岡県

柳本 昭子

51歳

鴨の数毎日数えて通勤路

福岡県

利光 享子

51歳

空ばかり見て一生の霜柱

宮城県

武田 悟

52歳

洗濯をやたら急かせて春に入る

埼玉県

伊藤 みや子

52歳

駆ける風野に咲く花が乱舞する

千葉県

三石 康雄

52歳

月見草子供の君を覚えてる

千葉県

三山 義輝

52歳

雑踏や今日二の酉と誰か言ふ

東京都

此花 悠

52歳

皹の物言いたげに裂けており

東京都

土生 洋子

52歳

三坪の畑に宇宙を覗き見る

愛知県

渡辺 英雄

52歳

猫の背の曲がり具合で暖を入れる

三重県

福永 純代

52歳

虎落笛ひとり身を置く男下駄

佐賀県

吉村 金一

52歳

はっけよいみんな笑顔に赤力士

長崎県

藤原 隆

52歳

秋風にルネッサンスの香りする

鹿児島県

田代 裕一郎

52歳

この雪もやがては旅の一里塚

北海道

工藤 光吉

53歳

寝転びて芝生の甘き草いきれ

埼玉県

清水 智

53歳

指先に風をあつめて凧放つ

東京都

中西 雅笙

53歳

収穫の手を遅らせる山紅葉

長野県

日台 正博

53歳

秋暑し隅まで赤き日本地図

三重県

大久保 伊都子

53歳

大根煮の形ともあれ褒められし

山口県

松永 眞弓

53歳

日脚やや延びしと思ふ兎の目

愛媛県

菅 貴久代

53歳

ないしょ話しているか二月の雨よ

愛媛県

小倉 末博

53歳

穴を出て蟻のままなる私かな

北海道

安田 茂

54歳

少女らは踊りアネモネ揺れている

神奈川県

根岸 研一

54歳

蛇衣を脱ぎていささかの後悔

愛媛県

大塚 めろ

54歳

跳び箱を跳んで枯野に着地する

長崎県

牧野 弘志

54歳

ゆうるりとお召しください春の風

北海道

増田 千香子

55歳

賀状より飛び出しそうな笑顔かな

埼玉県

関口 美千代

55歳

彩雲の窓や来世といふリズム

静岡県

田名瀬 新太郎

55歳

偏屈な兄出目金と仲が良い

大阪府

中井 元彦

55歳

鬼は外訳あり鬼もいるだろう

兵庫県

吉川 泰司

55歳

走ったら寒くないよと雲が言う

兵庫県

岸野 孝彦

55歳

秋深しきっと阿修羅は左きき

大分県

川野 智子

55歳

自転車の轍の跡に春一番

宮城県

山家 節

56歳

湯豆腐の小言静かに聞きにけり

東京都

小倉 千恵美

56歳

還暦に何を編みましょ赤い糸

三重県

伊藤 文代

56歳

のり巻の端が大好き運動会

大阪府

太田 省三

56歳

ミニ穿いた裾をすくいて春一番

香川県

畠 百合子

56歳

リコーダーの重なり遠く初音聞く

愛媛県

池田 多津子

56歳

初雪の冷気まといて歩み出る

北海道

中村 恵子

57歳

トランクに母の味詰め帰路につく

群馬県

小野 光一

57歳

人もまた壊れゆくもの小鳥来る

神奈川県

天野 信敏

57歳

三つ編みが本を読んでる無人駅

山梨県

入倉 文子

57歳

化学者の顔して妻は梅漬ける

兵庫県

佐藤 直路

57歳

誰も居ぬ小さな駅に紋白蝶

和歌山県

谷 明美

57歳

睡蓮も風にめくれて宙を舞う

岡山県

栁井 鉄生

57歳

水鳥のかくれんぼうを追いかける

徳島県

北内 康文

57歳

初雪やもっとわたしのそばにいて

香川県

 憲子

57歳

作付けを語り合ひつつ畦焼けり

高知県

中田 美砂子

57歳

日めくりの昨日をめくる春の昼

群馬県

種 久子

58歳

蝋梅の香ごと束ねて売られたり

埼玉県

渡邉 照夫

58歳

日曜の午後のかたむく五月かな

東京都

大西 敏雄

58歳

君送るホームに香る沈丁花

福井県

橋本 美重子

58歳

サングラス外して君の齢になる

京都府

吉田 美鈴

58歳

時の日や母には母の時流る

岡山県

吉田 千鶴子

58歳

春一番冬の八分を置いて行く

長崎県

吉本 喜代子

58歳

やわらかに山押し上げて若葉萌ゆ

東京都

中村 照子

59歳

寒梅や駅離るればぬつと山

東京都

佐々木 康史

59歳

腰曲げてたたずむ母と萩の花

東京都

大高 伊都子

59歳

秋の風あなた好みの紅をさす

愛知県

横井 和幸

59歳

靄の中村一軒となりにけり

大阪府

中島 俊樹

59歳

鳴く牛の声も嬉しく思う春

宮崎県

黒木 八重子

59歳

ドングリにヘソはあります独楽廻し

秋田県

今野 量子

60歳

初春に飛行機雲が尾を伸ばす

茨城県

長沼 幸枝

60歳

飾られて落ちつきません吾亦紅

茨城県

山口 富雄

60歳

春愁や玩具の螺子を巻き直し

埼玉県

佐々木 美知子

60歳

春霞仙人面のカラスかな

埼玉県

猪股 佳子

60歳

合格の長女のブーツ屹立す

埼玉県

原口 啓一郎

60歳

どんぐりのどちらが兄か弟か

埼玉県

井上 寿郎

60歳

七色を一気にくずし七味売り

千葉県

橋本 和行

60歳

雛少し傾いている子供部屋

東京都

三井田 元江

60歳

春の雪のやうな恋してばあばかな

東京都

小池 富美子

60歳

駆け出して何から遊ぼう小春の子

愛知県

濱崎 直司

60歳

木枯らしが雑木林で遊びをり

愛知県

佐野 三枝子

60歳

葱坊主仲間に入れてくれないか

京都府

本西 一代

60歳

ゆつくりを探しにくれば猫じやらし

大阪府

鈴木 茂雄

60歳

猫じゃらし活けて私の秋とする

兵庫県

井上 眞理子

60歳

充電の切れかかりたる冬の蜂

奈良県

西谷 剛周

60歳

こそばゆき仁王のへそや春の雷

岡山県

谷口 良江

60歳

退職し以来の日課大昼寝

広島県

新宅 涼枝

60歳

さるすべり少年時代ゆらり揺れ

岩手県

阪東 啓志

61歳

冬苺二才の歯形残しをり

群馬県

鈴木 正枝

61歳

翔んできたバッタの貌に獣の眼

埼玉県

鈴木 良二

61歳

編む糸に夜を閉じ込め暖炉燃ゆ

東京都

岡 莞弥

61歳

定年や犬が二三歩先歩む

東京都

古内 諭

61歳

また一つ失くしものして夏終る

神奈川県

内藤 保幸

61歳

冬蝶やぬぐい切れない空がある

福井県

山田 冨裕

61歳

父の髭自在に曲る晩夏かな

大阪府

橋 茂子

61歳

冬の夜はむかし昔で始まった

大阪府

窪嶋 京子

61歳

ごめんねと言えぬ強がり唐辛子

兵庫県

住 妙子

61歳

歯を立てて若さを食らう林檎かな

広島県

谷口 幸子

61歳

短日の大ぼらふいて友帰る

北海道

新屋 百合子

62歳

朝顔や内緒話にすまし顔

宮城県

柴田 朝克

62歳

ぶらんこもまた中年の遊びかな

群馬県

狩野 優子

62歳

去年今年ひとそれぞれの眉間かな

埼玉県

宇音 洋子

62歳

赤鬼は校長先生鬼やらひ

埼玉県

持田 義男

62歳

よく笑う君とあやとり春炬燵

埼玉県

知念 哲夫

62歳

虎落笛おとぎ話を始めましょ

神奈川県

森内 利美

62歳

饒舌な冬満月に語りかけ

神奈川県

芹沢 美知子

62歳

黄水仙秘密にしたきこともある

石川県

木下 悦子

62歳

あくびして秋の夜長のマンガ本

岐阜県

鈴木 正夫

62歳

秋色の心きらめく一人旅

静岡県

志田 陽子

62歳

かき氷勝手にしてと言はれても

三重県

越山 公子

62歳

列車行き絵本のごとき花野かな

三重県

新 光子

62歳

ふりかえって秋がさよならの手を上げた

大阪府

川西 幸雄

62歳

人を待つ背にほつこりと冬日かな

大阪府

馬淵 佳代

62歳

かあさまをぼくとほたるのひとりじめ

兵庫県

國分 則夫

62歳

向日葵が知恵の輪になり雨上がり

岡山県

古城 英男

62歳

石臼の凹みに溜まる冬日かな

山口県

永田 芳子

62歳

手のひらの昭和見ている八十二

福岡県

佐竹 三紀枝

62歳

夜遊びに猫も出て行く十三夜

福岡県

中川 透

62歳

老犬も寝つけぬらしい雪月夜

熊本県

藤井 昌美

62歳

奥津軽あいやあいやと暖炉汽車

青森県

野村 英利

63歳

孫が呼ぶ両家の笑顔桃の宴

福島県

富田 満

63歳

恋人に戻る夫婦の桜道

群馬県

服部 卓夫

63歳

秋夕焼イケメン風の鬼瓦

千葉県

田中 洋子

63歳

球児らの声に押されて秋の蝶

神奈川県

森本 安子

63歳

チューリップ咲かせて犬の診療所

静岡県

川瀬 慶子

63歳

入学はまたも分校峡十戸

愛知県

城山 憲三

63歳

下の子が顔見せに来る花の昼

愛知県

西口 愛子

63歳

七草や七つの色の浅みどり

兵庫県

川端 初恵

63歳

連凧の長さお〜いと呼べる空

兵庫県

青木 久美子

63歳

天上へ速達便や揚雲雀

広島県

永野 昌人

63歳

襟元も裾もきりっと夏座敷

福岡県

荒川 ミヤ子

63歳

郭公のこゑを呑み込む良夜かな

福岡県

三吉 誠

63歳

初蝶の微かに揺れて陽をまとう

熊本県

園田 浩

63歳

つかぬこと訊かれ解きたる懐手

茨城県

奥村 雄治

64歳

風ばかりおせんころがし風ばかり

千葉県

加藤 義秋

64歳

競ふこともう何もなく日向ぼこ

千葉県

松本 好勝

64歳

思い切り斜めに降りて春の土手

千葉県

松村 紀代子

64歳

チューリップおや指ひめのかくれみの

東京都

 洋子

64歳

の解のかたちに林檎剥く

東京都

松本 一美

64歳

ふっきれて足どり軽く白日傘

三重県

和田 芙美

64歳

ポケットに青春切符鳥帰る

三重県

古川 和子

64歳

長旅をしてきたやうに八月果つ

大阪府

亀岡 博子

64歳

分け入りし跡風が消す花野かな

大阪府

清岡 千恵子

64歳

縄跳びの初めは春の夢を見る

大分県

菅 攝子

64歳

雪かきに井戸端会議の輪ができる

北海道

西井 敏子

65歳

デジカメに写らぬ北の寒さかな

北海道

佐藤 義勝

65歳

むささびの住める大樹にもたれけり

茨城県

渡邉 芳枝

65歳

テレビでのラジオ体操文化の日

茨城県

室井 サチ

65歳

冴え返る栞をはさむようにかな

東京都

遠山 郁好

65歳

凧一つ青空にある日和かな

東京都

寺沢 美恵子

65歳

野良猫の居ついてしまふ春の昼

大阪府

守口 幸子

65歳

縄文杉も良き晩年や冬うらら

大阪府

峯 悦子

65歳

足湯する人に初蝶まつわりぬ

和歌山県

川口 修

65歳

雪の道踏めば自分の音がする

岡山県

船越 洋之

65歳

コスモスの百万本の強さかな

徳島県

森野 和代

65歳

ビン詰の夕焼け並ぶ駄菓子店

大分県

岸本 千鶴子

65歳

待春の真四角でない豆腐

北海道

浅井 通江

66歳

寒林の奥へと届く日のまだら

北海道

大橋 幸子

66歳

噴水の届かぬ位置に裸婦の像

神奈川県

守安 雄介

66歳

エレベーター開き残暑の声が乗る

神奈川県

渡辺 壽子

66歳

赤トンボサービスエリアにお出迎え

山梨県

 光世

66歳

老いること忘れてしまふ雛の顔

岐阜県

近藤 千鶴

66歳

天にまで届く棚田や鰯雲

兵庫県

高橋 雅之

66歳

旅手帳空白のまま春惜しむ

福岡県

真子 智枝

66歳

捨て切れぬ文も紛らせどんど焼

北海道

西村 山憧

67歳

しあわせは猫にかこまれ寝正月

北海道

酒井 亜輝子

67歳

陽だまりにノラ猫たちがミーティング

宮城県

菅原 節子

67歳

休耕田夏野となりて風遊ぶ

山形県

佐藤 和雄

67歳

バス停の終点その先は夏

福島県

益永 孝元

67歳

寒夕焼明日まーるく生きたくて

群馬県

青木 紀子

67歳

挨拶はひょいとつまんだ麦帽子

埼玉県

北出 光世

67歳

百点をぎゅっとにぎって春一番

千葉県

川崎 登美子

67歳

ピアスから面の割れたる追儺鬼

長野県

横山 憲司

67歳

神仏の菜飯を下げて夕餉とす

岐阜県

喜多 隆文

67歳

小春日や孫に取られし妻の膝

岐阜県

中村 信正

67歳

ジーパンの穴笑いおり牛膝

愛知県

齊藤 清子

67歳

朝霧やただゆつたりと下駄の音

愛知県

石原 文雄

67歳

青田風遊学の子のりけり

兵庫県

安藤 浄子

67歳

カナカナのこえ重なりて山深し

熊本県

溝部 登美男

67歳

手前まで来し夕立に逃げられし

大分県

首藤 勝二

67歳

詰め将棋手駒に春の陽の温み

大分県

帯刀 征夫

67歳

黙っている曲線ばかり寒卵

北海道

笹原 瑞子

68歳

冬近しやじろべえにも五十肩

北海道

大橋 すみ子

68歳

ななかまど頭重かろ雪帽子

北海道

植田 尚宏

68歳

みちのくや草の匂ひの祭り馬

青森県

西山 イチ

68歳

感嘆が桜吹雪に溶けて散り

宮城県

伊藤 輝雄

68歳

長き足そろふ日永の足湯かな

群馬県

高橋 成知

68歳

雪吊りのてっぺんが好き海の鳥

千葉県

小川 孝

68歳

風鈴は風の遍路の接待所

長野県

三重野 楷

68歳

待春の歯の一本が生え初むる

三重県

宮田 登世恵

68歳

梅雨明けの今日きっぱりと髪を切る

京都府

土肥 たか子

68歳

老いてなほ渡りたきもの天の川

香川県

田岡 弘

68歳

狛犬の吐くかも知れず白い息

愛媛県

三谷 淳子

68歳

鶺鴒のスキップ踏んで川渡る

福岡県

池田 勝宣

68歳

夕暮の鶏頭未だ燃えつきず

大分県

椎原 清隆

68歳

冬帽子とって手を振る園児たち

福島県

伊藤 孝

69歳

湖へ向く位置に落ち着く夏机

埼玉県

清水 三郎

69歳

湯豆腐のそれだけのこと夫の居る

埼玉県

清水 久世

69歳

頑固さが長所で短所冬帽子

千葉県

秋本 紀子

69歳

手漉き和紙湿してすこし春隣

千葉県

森崎 一三

69歳

泣き声か笑い声かや霜柱

千葉県

川口 雅生

69歳

箒目に又落葉して比丘尼寺

東京都

斎藤 わか子

69歳

おのが名の金釘流に入学児

東京都

土橋 千鶴子

69歳

象よりもゆっくり歩む春の雲

東京都

蓮見 徳郎

69歳

赤とんぼ十五に戻る同級会

新潟県

前川 ミネ

69歳

初蝶に触れたる指の熱さかな

静岡県

野口 清美

69歳

わが歳も丸めて捨てるカレンダー

大阪府

中川 良子

69歳

野牡丹の重たき程の蕾かな

兵庫県

瀬川 正子

69歳

初空の真下の人のうねりかな

大分県

広瀨 天由

69歳

割り箸をまだ割れぬ子や雪こんこ

北海道

石田 和子

70歳

カナダより礼状届く冬銀河

福島県

折笠 弘子

70歳

春風のような文字にて夫のメモ

茨城県

田中 喜世子

70歳

大利根の色を違へて春立ちぬ

茨城県

川上 孝子

70歳

赤い靴ほしかった日の寒夕焼

埼玉県

大西 定子

70歳

正装の姿を見せし黒揚羽

東京都

本田 力

70歳

春風や人肌ほどのフランスパン

東京都

三宅 文子

70歳

立春のキャッチボールの球重し

神奈川県

渡辺 忠義

70歳

冬帽子昔の君とすれ違ふ

神奈川県

村 元明

70歳

ひしめきて駅の改札寒の入り

山梨県

有泉 政弘

70歳

ゑのこ草たまには尻尾立ててみな

長野県

木原 登

70歳

補聴器をはずして小春なほ静か

静岡県

今井 克己

70歳

春の陽をまあるく受けて押車

京都府

中川 加代女

70歳

イケメンの案山子雀の群がりて

大阪府

藤岡 初尾

70歳

子つばめや軒かさね合ふ坂の町

兵庫県

吉藤 美也子

70歳

寒月に靴音尖る白い道

兵庫県

米田 晴雄

70歳

駅の名に使いたき花酔芙蓉

長崎県

麻生 勝行

70歳

雪女出掛けるときは白を着て

北海道

内野 弓子

71歳

逆立ちの少年砂丘陽炎えり

福島県

伊藤 ユキ子

71歳

風船のもう逃げ切りし高さかな

茨城県

根本 正憲

71歳

神無月漢の食べるオムライス

埼玉県

松居 一江

71歳

ハーモニカ吹いたら春の風に乗り

千葉県

林 雅則

71歳

青年の前掛け似合ふ文化祭

神奈川県

若村 京子

71歳

トンネルの風にふわりと合歓の花

神奈川県

菊池 朝男

71歳

寝そびれて雪見障子の白さかな

神奈川県

白崎 道忠

71歳

演壇にこすもす活けて育児論

福井県

山内 てるこ

71歳

馬の目に新涼の雲動きけり

静岡県

佐野 月子

71歳

マスクしてついでにみみも遠くなる

静岡県

中野 清彦

71歳

名を呼べば微笑むかしら草の花

青森県

吉川 富士保

72歳

刻ときに忘れてゐたり浮寝鳥

岩手県

北田 祥子

72歳

住みなれていくたび深き雪を掻く

秋田県

高橋 ヤス

72歳

夕桜フルートの銀曇りきる

福島県

渡邊 三一子

72歳

木の芽晴声音豊かに紙芝居

東京都

橋 悦子

72歳

蝉しぐれ森を泣かせてしまいけり

東京都

小堺 政彦

72歳

草の花陽だまりのような人が好き

神奈川県

長田 真紀

72歳

妻に髪染められている敬老の日

京都府

山中 西放

72歳

遠足の去って余熱の大仏殿

兵庫県

田中 愛子

72歳

啓蟄の山はゆっくりふくれけり

愛媛県

宮部 敏博

72歳

二月には二月の願ひ村社

群馬県

豊嶋 秋生

73歳

越後路の山重なりて眠りけり

埼玉県

人見 正

73歳

月祭り親子狐の影絵かな

千葉県

稲葉 光枝

73歳

春風も売ります好評分譲地

千葉県

日野 夏彦

73歳

渋柿も甘くなりたる古希の朝

東京都

宮下 亀彦

73歳

春眠に掴まれているうしろ髪

神奈川県

小林 比奈子

73歳

借景の丹波山なみ夏座敷

兵庫県

岸 慶子

73歳

どれもみな平成の顔雪だるま

岡山県

浜本 泰子

73歳

百円の値札がずらり年の暮

宮城県

藤野 尚之

74歳

クローバー少女の胸に「あいつ」棲み

埼玉県

 英男

74歳

寒風に負げず不動の鷺一羽

神奈川県

間下 稔

74歳

蓮根の穴から覗く俗世界

長野県

中島 照代

74歳

しゅうしゅうと風の研ぎ出す枯木立

静岡県

三島 清水

74歳

一山を青き香りの野梅かな

京都府

西山 美沙子

74歳

雛の客にこにこ顔でやってくる

長崎県

梶山 正男

74歳

郭公の谺が春を撒き散らす

北海道

田口 睦子

75歳

春の鳥エンジンさらに加速せよ

埼玉県

黛 武

75歳

娘から年玉もらいかしこまる

埼玉県

小島 敏美

75歳

前略のほかは海鼠のことばかり

千葉県

横山 久子

75歳

やわらかな春の落暉や隠岐島

神奈川県

鈴木 弘子

75歳

裁縫の指の間に冬銀河

神奈川県

金子 経子

75歳

さがし物みつけた夜の牡丹雪

長野県

市川 和子

75歳

二代目の羽衣の松冬ざるる

滋賀県

井上 美代子

75歳

女王にも魔女にもなれず黒揚羽

兵庫県

奈良井 恵美子

75歳

大銀河人住む星はただ一つ

奈良県

外輪 清孝

75歳

地下道の途中で秋の風になる

大分県

谷川 彰啓

75歳

ところてん話飛んだり弾んだり

埼玉県

豊田 トヨ子

76歳

振り上げし棒の思案や西瓜割り

埼玉県

小山 忠治

76歳

子の声の空より降って日脚伸ぶ

埼玉県

関口 幹雄

76歳

真っ白なコピー用紙が夏はじく

神奈川県

杉浦 登代子

76歳

山鳥の声通りくる冬木立

新潟県

曽根 頌子

76歳

同期会仮面は要らぬ朱夏の宿

愛知県

川本 照子

76歳

しづしづと箸近づけて新豆腐

兵庫県

婦木 文代

76歳

寒満月狸も狐もでておいで

兵庫県

神谷 信子

76歳

春の虹何だか歌ひたくなる日

愛媛県

浅山 美津子

76歳

花吹雪風に彩あり匂いあり

福岡県

内藤 幸雄

76歳

吊し雛童女返りの声をあげ

群馬県

星野 照子

77歳

祭果て出口ばかりの村となる

東京都

木下 蘇陽

77歳

嫁ぐ子の英字の荷物雛かな

神奈川県

森 之助

77歳

初蝶のひとひらに酔う山路かな

神奈川県

西岡 和之

77歳

懸垂に首まで出せた喜寿の春

新潟県

阿部 昌彦

77歳

渡り鳥来て湖の太りけり

兵庫県

稲田 康一郎

77歳

秋うらら風滑りゆく青畳

佐賀県

齊藤 さとし

77歳

すり足で寄る喜寿といふ日や茸飯

茨城県

押野 暁子

78歳

反抗期薄氷ほどの意地持てり

東京都

石田 康子

78歳

春風の燈をつけてゆく街の夕

東京都

星野 幸子

78歳

山の池パトロールするあめんぼう

岐阜県

口 緑

78歳

手作りも享保もならぶ雛の段

岐阜県

山田 賀子

78歳

秋の夜へ彩光放つ観覧車

大阪府

木村 清子

78歳

ボロ市の仏頂面のあるじかな

大阪府

岡 明子

78歳

出不精に靴を履かせる花だより

兵庫県

瓦家 克己

78歳

草取りの草を握りて遠会釈

福岡県

石川 ヤエ子

78歳

手を伸ばし剥がしてみたい鱗雲

埼玉県

柏木 晃

79歳

夕立の隣の駅に停まりけり

千葉県

知尾 和男

79歳

木登りの子ども少なく柿熟るる

千葉県

奥村 利夫

79歳

クレヨンにはじける夏の記憶かな

愛知県

村松 徳子

79歳

体内に青春宿す初山河

愛知県

高橋 満

79歳

大旦薩摩真白く明けにけり

福岡県

太田 禎子

79歳

冬瓜に傘寿の力もらひけり

埼玉県

中野 政江

80歳

少年の眉一文字青き踏む

埼玉県

大久保 富士徳

80歳

失敗もまぶしい思い出青蛙

埼玉県

高橋 明江

80歳

武骨なる西洋梨の香りかな

千葉県

中山 英夫

80歳

どんぐりの自力で山を降りて来る

東京都

藤嵜 嶺雲

80歳

賀文より追伸先に読む賀状

福井県

野中 政信

80歳

大根干す漬物日和と見極めて

京都府

窪田 春峯

80歳

早春の厨に古き世界地図

大阪府

岸川 敦子

80歳

押し合へば福生まれるか初詣

北海道

西明 英男

81歳

灯台の主役まかされる夏来たる

青森県

三浦 博信

81歳

あめつちを独り占めして麦を踏む

神奈川県

宇佐美 正治

81歳

夏きざす仕上げ間近かのレース編

広島県

掛井 千幸

81歳

子も孫も曾孫も全員初笑ひ

ブラジル

佐藤 あさ乃

81歳

百にまだ間のある春の垣根刈る

青森県

田村 三之助

82歳

両の手をひろげて追いし赤とんぼ

福島県

野水 静枝

82歳

コスモスが馬の向うで揺れている

神奈川県

伊藤 宗雄

82歳

足もとに力入れつつ雪の上

岐阜県

松原 昭子

82歳

ものさしの裏の歳月梅ひらく

滋賀県

田渕 芳枝

82歳

そこまでと言う短日の立話

大阪府

宮川 久子

82歳

長靴を新しくして大根抜く

兵庫県

福本 静子

82歳

人生の余白にしたい雪の原

北海道

本田 慶一

83歳

柿実り戦なき空晴れわたる

茨城県

町井 ヨネ子

83歳

踏青や白寿に意欲かけて生き

栃木県

松本 キヨ

83歳

花吹雪歩幅を風にあわせゆく

東京都

川俣 茂

83歳

かくれんぼ露地に昭和残ってる

神奈川県

杉原 茂

83歳

春を待つ艇庫の扉小開きに

新潟県

星野 禎三

83歳

背丸め赤ちゃんキュウリがゆれている

大阪府

山内 房子

83歳

初蝶に方向音痴あるらしき

群馬県

志賀 敏彦

84歳

口笛に合わすハモニカ梅雨晴間

東京都

荒井 カツ

84歳

浮き雲やダム湖一面大画廊

愛知県

伊藤 登

84歳

韮の花まっすぐ生きる白が好き

ブラジル

大楯 エツヨ

84歳

忘れたきこと二つ三つシャワー浴ぶ

北海道

茶木 ひろし

85歳

この国が好き友が好き残り鴨

神奈川県

石井 フサ子

85歳

昼月にとどくとばかり奴凧

神奈川県

小野寺 信雄

85歳

通訳もしどろもどろや花曇り

兵庫県

佐々木 照秀

85歳

二十本の歯の健やかに神の留守

静岡県

高倉 瑩江

86歳

ひらがなの様な生活や小鳥来る

群馬県

川浦 正子

87歳

人並みに猫も冬日の場所選び

静岡県

勝野 勇

87歳

菜園の一畝韮の花盛り

鹿児島県

島田 一枝

87歳

思い出はみなやさしくて春の月

千葉県

上坂 孝

88歳

春浅しむかし落ちたる落し穴

東京都

武田 安子

88歳

矢印の通りに生きて悔い残る

大阪府

山本 ハルエ

88歳

ミモザ咲く土蔵の機音明るくす

熊本県

岡本 桂

92歳

山家の灯寒の北斗の柄の下に

北海道

斉藤 政美

94歳