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第二十二回 お〜いお茶新俳句大賞
wind
like an alley cat
enjoys a free life
(直訳)風は
路地猫のように
自由気ままを楽しむ
東京都 小林 遥希 15歳
「野良猫」のことを英語ではalley cat(路地猫)と表す。町中の入り組んだ路地を生活の場にしている猫にふさわしい言葉だ。同じくそこに暮らす人々へ、軽快に曲がりくねって届く風を、日頃目にする猫にたとえたところが素晴らしい。風から猫への転換の意外性と説得力。節電の夏には、涼風として大いに喜ばれる風である。
I may be a seed
Puny and worthless looking
But wait till I grow
(直訳)私は一粒の種
取るに足らなく見えようが
大人になるまで待っていて
アメリカ 岩本 如月 13歳
There are two suns
at sunrise
above and below the horizon
(直訳)日の出に
太陽が二つ
水平線の上と下
京都府 村上 史和 16歳
From an icicle
a drop drips
footsteps of spring
(直訳)氷柱(つらら)から
滴(したた)り落ちる
春の足音
北海道 浅利 陽子 17歳
Snowman
Next day
Only a bucket
(直訳)雪だるま
翌日は
バケツだけ
大阪府 大村 千春 17歳
dandelion puffs
float over rush hour traffic
also on their way home
(直訳)タンポポの綿毛が
ラッシュアワーの車の上をふわふわと
同じく家路をたどり
カナダ Janet Tong 20歳
Nuthatch rushing
up and down the tree trunk ―
binoculars nod
(直訳)ゴジュウカラが素早く
幹を登り下り―
双眼鏡が上下する
スウェーデン Daniel Gahnertz 34歳
the frog and I
watching the same
butterfly
(直訳)蛙と私
同じ蝶を
じっと見ている
アメリカ Jeff Hoagland 50歳
at the traffic lights
a butterfly flits over
my shoulder ― I wait
(直訳)交通信号のところで
蝶がひらひら肩をとびこえ
―待つ私
ニュージーランド Lorraine Ward 59歳
Cobwebs
Cover the rusty plow …
Distant time
(直訳)クモの巣が
錆びた鋤(すき)をおおう・・・
遠い昔
ブラジル Irene Massumi Fuke 69歳
《 フィリップ D.ジトウィッツ選 》
Breathing with mountains
A traveller forgets the sound
of ticking clocks
(直訳)山々とひと息入れて
旅人は忘れる
時計のカチカチ刻む音を
カナダ Miroki Tong 22歳
山間で人は、自然界と融合する。文明を超え機械が無益となる山間において、人は、山の静寂美を経験するとき、極限に自由となる。山外で時間を人工的に区切る時計がうるさく時を刻む音を忘れることが可能となるのだ。
《 星野恒彦選 》
New Year …
The first announcement of snow
is seen in your hair
(直訳)新年・・・
雪の最初の知らせは
あなたの髪に
クロアチア Marela Marija Mimica 74歳
新年早々に降った新雪。それを知ったのは訪ねてきた「あなた」を迎えた瞬間に、あなたの髪にみとめた浄らかな雪片によってだ。二人の間柄を自然と推察させる、さわやかな抒情の句である。雪は吉兆でもあろう。
《 国際俳句交流協会選 》
brass doorknob
rounded by years
of saying hello.
(直訳)ドアの真鍮(しんちゅう)の取っ手
長年の「こんにちは」で
丸みを帯び
カナダ Amanda Tong 18歳