お〜いお茶新俳句大賞 > 第二十一回 > 佳作特別賞 その3
第二十一回 お〜いお茶新俳句大賞
猫の居て犬の字になる昼寝かな |
兵庫県 |
市川 勝芳 |
35歳 |
|---|---|---|---|
田植え終え野溝に浸す白き足 |
和歌山県 |
田口 美和 |
35歳 |
伝えたい今流れ星見つけたよ |
和歌山県 |
古川 純子 |
35歳 |
おかえりと抱き止めて春一年生 |
広島県 |
今村 妃佐 |
35歳 |
冬の月また十字路に立っている |
福岡県 |
北山 めぐみ |
35歳 |
咲いて知る森に隠れし山桜 |
山形県 |
橋見 奈美 |
36歳 |
この気持ち真空パックしたい冬 |
埼玉県 |
萩原 祥子 |
36歳 |
夕立が去るまでと決め君想う |
東京都 |
高嶋 久美 |
36歳 |
右左もういちど右黄水仙 |
東京都 |
大野 由香 |
36歳 |
ブランコは揺れてきしんで置いてかれ |
東京都 |
太田 登洋 |
36歳 |
月の夜東京タワーのノスタルジー |
東京都 |
本田 直人 |
36歳 |
猫じゃらし落として歩く道しるべ |
東京都 |
中村 修一 |
36歳 |
百歳のイチョウの木陰かくれんぼ |
神奈川県 |
箱崎 裕美 |
36歳 |
どんぐりが座席にひとりしたり顔 |
神奈川県 |
須田 恵子 |
36歳 |
父さんを奪い合う子等カブトムシ |
石川県 |
木原 学 |
36歳 |
家族とはこれこの重さ吾子を抱く |
長野県 |
山 |
36歳 |
秋晴れの空にとんぼのイヤリング |
三重県 |
村瀬 千恵 |
36歳 |
早く去れ夜の雷児が起きる |
滋賀県 |
木村 晃子 |
36歳 |
青春切符道草ばかり食っている |
大阪府 |
奥田 愛 |
36歳 |
パレットを神が広げた秋の山 |
大阪府 |
佐藤 あゆみ |
36歳 |
ころころと春星フルーツドロップス |
愛媛県 |
西原 真樹 |
36歳 |
寒そうね今朝はもみじがグーしてる |
長崎県 |
宮 |
36歳 |
菜の花よそこに屋久島手に届く |
鹿児島県 |
石原 小織 |
36歳 |
新姓の賀状姿勢を正し書く |
埼玉県 |
斎藤 美秋 |
37歳 |
夕焼けのパズル崩して赤とんぼ |
埼玉県 |
吉田 誠 |
37歳 |
菜の花や猫は欠伸の真只中 |
東京都 |
渡辺 あずま |
37歳 |
藤村が通いし小路の桜咲く |
東京都 |
住谷 公次 |
37歳 |
冬将軍足音立てず練り歩く |
神奈川県 |
吉野 光春 |
37歳 |
大根群白い肩出し誰を待つ |
神奈川県 |
雨谷 久美子 |
37歳 |
孫が来る買い物カゴはてんこ盛り |
神奈川県 |
八木田 純子 |
37歳 |
空を舞う雪も行方を探してる |
愛知県 |
富岡 亜希子 |
37歳 |
豆ごはん小さな釜が笑ってる |
大阪府 |
葛城 裸時 |
37歳 |
寒空に帰る場所在る有難さ |
大阪府 |
佐野 剛 |
37歳 |
落葉踏む季節と会話するやうに |
大阪府 |
澤田 仁子 |
37歳 |
とび込んで来た春カーテンいらないね |
岡山県 |
石田 明日香 |
37歳 |
里帰り織姫みたいと母笑う |
岡山県 |
小西 華江 |
37歳 |
恋多き蔓の下には山の芋 |
徳島県 |
竹内 康晴 |
37歳 |
綿入れの胸深く子は泳ぎけり |
福岡県 |
鍛治 尚子 |
37歳 |
帽子からピョンピョン跳ねるポニーテール |
沖縄県 |
屋宜 政則 |
37歳 |
チューリップ黄色の濃さに力得て |
岩手県 |
坂下 安紀 |
38歳 |
分別は貴方が上手と妻上手 |
秋田県 |
伊藤 智 |
38歳 |
振りむくと足音もなく秋がいる |
茨城県 |
本間 智子 |
38歳 |
初恋やケイタイ光る冬の夜 |
群馬県 |
小林 さわ子 |
38歳 |
雪の朝妖精たちと出勤です |
埼玉県 |
和田 恵 |
38歳 |
飛び立てば空気の隙間親ツバメ |
埼玉県 |
田原 孝幸 |
38歳 |
柚子香る親子でハミングぽかぽか湯 |
東京都 |
佐藤 美保子 |
38歳 |
ブランコも初孫乗せたら宇宙船 |
東京都 |
藤原 美和 |
38歳 |
今だけは異次元にいる夏休み |
神奈川県 |
馬場 美香 |
38歳 |
ちぐはぐな蝶々結び冬うらら |
長野県 |
清水 恵子 |
38歳 |
友の子が後輩となる春近し |
静岡県 |
工藤 真一 |
38歳 |
氷上の華を見るため正座する |
愛知県 |
石原 実代子 |
38歳 |
真夜中の電話二度鳴る雪もよひ |
愛知県 |
櫨 高子 |
38歳 |
厳冬も我の笑顔で切り開く |
愛知県 |
土居 忠幸 |
38歳 |
回り道して夕虹に逢いました |
愛知県 |
白井 隆文 |
38歳 |
青空のしわを伸ばして夏開き |
愛知県 |
林 直紀 |
38歳 |
那智滝の飛沫に潤す蝉時雨 |
三重県 |
坂本 弓恵 |
38歳 |
遠花火さみしい人の手の温し |
京都府 |
小谷 知里 |
38歳 |
幼子のぬくもりを抱く冬の夜 |
京都府 |
|
38歳 |
まるかぶり家族そろって恵方巻き |
奈良県 |
松室 京子 |
38歳 |
コンビニもない村だから見える星 |
奈良県 |
森野 順子 |
38歳 |
一椀の白湯のうまさや揚雲雀 |
広島県 |
安冨 公剛 |
38歳 |
病室のベッドの祖母と目で会話 |
山口県 |
島村 洋子 |
38歳 |
青空に舞い上がる色こいのぼり |
山口県 |
秋枝 美和 |
38歳 |
土の中静かに過ごし春よこい |
愛媛県 |
武田 幸江 |
38歳 |
冬の鯉相寄り合ふて相触れず |
熊本県 |
伊津野 貴子 |
38歳 |
氷河期をゆくリクルート・スーツかな |
埼玉県 |
|
39歳 |
クーラーをかけずにがまんエコ家族 |
東京都 |
和田 裕子 |
39歳 |
あの人を目に焼きつける卒業式 |
東京都 |
本橋 みゆき |
39歳 |
ロボットが歩きだしてた新宿区 |
東京都 |
高月 芙蓉 |
39歳 |
恋終わり冬の三日月ブランコに |
東京都 |
松田 茂 |
39歳 |
天空を支えて笑う春の山 |
東京都 |
宮野 稔子 |
39歳 |
肌をさす空気がしらせる富士日和 |
神奈川県 |
冨田 由紀 |
39歳 |
童心の母と戯むる赤とんぼ |
新潟県 |
吉田 恵子 |
39歳 |
木枯らしがきーんと身体を突き抜ける |
石川県 |
前田 恭子 |
39歳 |
また一歩ふみだしてまた峰の雪 |
石川県 |
水上 猛之 |
39歳 |
つくしんぼ素直な気持ち聞いてみる |
石川県 |
冨岡 香矢乃 |
39歳 |
書初めの娘ロックで筆揮う |
長野県 |
小林 久美子 |
39歳 |
春の月私の知ること知らぬこと |
岐阜県 |
堀田 幸子 |
39歳 |
ラージヒル雪の地球を蹴って飛び |
静岡県 |
湯浅 浩明 |
39歳 |
てんでんに太陽の子の昼寝かな |
大阪府 |
古賀 悦子 |
39歳 |
春風の匂い運んだ君の肩 |
大阪府 |
景山 克子 |
39歳 |
約束の地は蒲公英の絮に聞け |
大阪府 |
河本 朋広 |
39歳 |
夢の国までの切符や虫の声 |
大阪府 |
かざみ 漣 |
39歳 |
カマキリが乗車してくる田舎駅 |
和歌山県 |
西林 香菜 |
39歳 |
秋晴れに輪を描きたる鳩の群れ |
和歌山県 |
河本 めぐみ |
39歳 |
犬叱りなきやんだのは我が息子 |
広島県 |
飯田 郁江 |
39歳 |
上京しいない娘の魚焼く |
岩手県 |
小山 奈美 |
40歳 |
春の森アリスの国の地図拾ふ |
宮城県 |
村上 誠治 |
40歳 |
縁側で勾玉になる猫二匹 |
茨城県 |
森田 茂 |
40歳 |
石仏を優しく濡らす菜種梅雨 |
東京都 |
加藤 宗一郎 |
40歳 |
雪だるまいくつになっても作りたい |
静岡県 |
若味 信枝 |
40歳 |
涙目に雲を映して家路ゆく |
愛知県 |
亀井 亜沙子 |
40歳 |
約束も束縛もない金魚の日々 |
大阪府 |
前田 佳子 |
40歳 |
補助輪を外す脱皮をするように |
兵庫県 |
牧野 千春 |
40歳 |
描きかけの夏空がある祖父の部屋 |
福岡県 |
吉良 修 |
40歳 |
日だまりを追いかけ少し席ずらす |
福岡県 |
城戸 |
40歳 |
レコードと一緒に時間がまわる夜 |
宮城県 |
林 雅人 |
41歳 |
柿落ちて赤城の口笛からっ風 |
群馬県 |
鈴木 広子 |
41歳 |
椅子取りに勝って花咲く十五の春 |
埼玉県 |
小杉 英徳 |
41歳 |
霜柱樹々の形で解け残り |
千葉県 |
萩原 英樹 |
41歳 |
庭石の背中にすがる濡れ紅葉 |
東京都 |
藤木 隆 |
41歳 |
陽の差して女雛の顔の輝けり |
鳥取県 |
近藤 慶子 |
41歳 |
駆け出せばうさぎの心地雪の中 |
宮城県 |
渋谷 史恵 |
42歳 |
このまんまジャムになろうか冬至の湯 |
神奈川県 |
鈴木 寿美子 |
42歳 |
冬空の蒼さにすこし怖くなる |
新潟県 |
橋立 英樹 |
42歳 |
街灯が包む親子の影法師 |
静岡県 |
狩野 順子 |
42歳 |
真夜中の月を見てゐる魚かな |
愛知県 |
鈴木 幸絵 |
42歳 |
運命線くっきり長く独身者 |
京都府 |
黄 寿恵 |
42歳 |
春の雨ワルツのやうに窓たたく |
大阪府 |
松本 ひろみ |
42歳 |
母の日がただやわらかく過ぎてゆく |
奈良県 |
水谷 あづさ |
42歳 |
腕の中生命がぐいぐい乳を飲む |
岡山県 |
難波 安津子 |
42歳 |
花吹雪いちねんせいの親となる |
熊本県 |
下西 伸子 |
42歳 |
花ことば知らずに紫陽花ひっそりと |
宮崎県 |
柏田 清美 |
42歳 |
卒業の君は光のど真ん中 |
アメリカ |
野島 美奈子 |
42歳 |
温泉のまんじゅう屋から甘い湯気 |
山形県 |
松井 幸子 |
43歳 |
春雷を思わすような出会いです |
埼玉県 |
飯嶌 直樹 |
43歳 |
ふらここや北の大地の笑い声 |
千葉県 |
長妻 謙治 |
43歳 |
子を抱く未来がここにある不思議 |
長野県 |
青山 昌代 |
43歳 |
すり抜けた風現れる麦畑 |
愛知県 |
天野 佳子 |
43歳 |
信号のむこうで春が呼んでいる |
滋賀県 |
龍田 裕子 |
43歳 |
グランドの白球伸びる花菜晴 |
大阪府 |
堀脇 正一 |
43歳 |
古稀の母百回楽よと毬をつく |
奈良県 |
外輪 能隆 |
43歳 |
音ひとつポストに入れし秋の暮 |
愛媛県 |
川野 尚子 |
43歳 |
たましいのようななすびを収穫す |
福島県 |
佐藤 美弥子 |
44歳 |
初恋や虹噴き上げる象の鼻 |
群馬県 |
関 あゆみ |
44歳 |
青春の六畳一間夢の城 |
東京都 |
岩瀬 公治 |
44歳 |
我が人生吹雪の中で出口無し |
長野県 |
松島 吉隆 |
44歳 |
思春期の語尾はあいまい春の月 |
和歌山県 |
大北 美年 |
44歳 |
おひな様寝癖も着物も整えて |
徳島県 |
河野 ひとみ |
44歳 |
ソーダ水透けて見えるは青春期 |
愛媛県 |
紙崎 照明 |
44歳 |
おはやうを返さぬ子がゐて霜柱 |
高知県 |
小松 桂子 |
44歳 |
街路樹もビルも男も萌える春 |
鹿児島県 |
西 正智 |
44歳 |
新しいグラブの匂い春の闇 |
神奈川県 |
三橋 英之 |
45歳 |
傘地蔵今ではビニール傘になり |
新潟県 |
田辺 照光 |
45歳 |
引越の荷物に不安詰め巣立 |
石川県 |
川渕 渉 |
45歳 |
木の芽風ホルンの穴は横向いて |
愛媛県 |
井上 幸代 |
45歳 |
膝小僧八つ並んで雛の家 |
大分県 |
松本 みゆき |
45歳 |
いにしえの風をいざなう薪能 |
宮城県 |
渡辺 志保 |
46歳 |
子育ての師となり初夏のツバメかな |
福島県 |
大和田 惠理 |
46歳 |
子が無くて花火が好きで絵本好き |
東京都 |
谷村 節子 |
46歳 |
手に落つる花一片の重さかな |
東京都 |
原 春美 |
46歳 |
理不尽な進化を赦せ大海鼠 |
神奈川県 |
岩渕 和信 |
46歳 |
暴風雨荒波越えろ日本丸 |
愛知県 |
仲村 一郎 |
46歳 |
ラケットを振る手に白き息をかけ |
三重県 |
村上 光男 |
46歳 |
僕の嘘紙飛行機に乗せたまま |
京都府 |
桝村 保孝 |
46歳 |
子供にも人脈ありて地蔵盆 |
兵庫県 |
奥田 柚香 |
46歳 |
日向ぼこ夢に出会った青い鳥 |
兵庫県 |
荒川 敏美 |
46歳 |
秋暮れる子供神輿のうしろから |
兵庫県 |
森 啓和 |
46歳 |
猿山の猿ひきこもる鰯雲 |
徳島県 |
山田 絵里 |
46歳 |
サヨナラで少し大人になった春 |
埼玉県 |
内田 隆一 |
47歳 |
谺する螺旋階段文化の日 |
千葉県 |
石藤 浩一 |
47歳 |
洋画から墨絵に変わる秋の夕 |
静岡県 |
荒井 賢二 |
47歳 |
母といて母の手恋し寒卵 |
山口県 |
内田 和子 |
47歳 |
正月も晦日も知らぬ猫の顔 |
大分県 |
佐藤 純子 |
47歳 |
霜柱踏んで旅立つ子の背中 |
岩手県 |
小川 まゆみ |
48歳 |
冬列車言葉も徐々に里帰り |
群馬県 |
頼富 雅博 |
48歳 |
初夢のシャガールの馬いななけり |
東京都 |
陳 美樹 |
48歳 |
大根を刻むリズムが母と似る |
東京都 |
青木 聡子 |
48歳 |
浮ぶごと落つるごとくに秋の蝶 |
東京都 |
鈴木 千惠子 |
48歳 |
目と同じ高さに飛んで道をしへ |
岐阜県 |
西田 拓郎 |
48歳 |
景気図の右肩あがれとマッサージ |
愛知県 |
木全 賢人 |
48歳 |
夏の日や虚飾も嘘も魚も干す |
兵庫県 |
松下 弘美 |
48歳 |
啓蟄の顔して赤子這い出しぬ |
兵庫県 |
安井 郁子 |
48歳 |
沈黙の重みでまわる観覧車 |
香川県 |
磯崎 好則 |
48歳 |
海鳥が青の濃淡きざみ行く |
愛媛県 |
岡田 直子 |
48歳 |
曼荼羅の都は雪に静もりぬ |
茨城県 |
蔵之内 利和 |
49歳 |
漱石と缶コーヒーの冬ごもり |
茨城県 |
伊藤 靖則 |
49歳 |
ゆるやかに時空を泳ぐかたつむり |
埼玉県 |
有永 克司 |
49歳 |
先代も山門暮し寒雀 |
愛知県 |
間瀬 知紀 |
49歳 |
寒波来る何でも入れるドラム缶 |
兵庫県 |
小島 明子 |
49歳 |
日雇いの丸い背に降る冬の雨 |
徳島県 |
芝山 明義 |
49歳 |
子還りの母と添い寝す夏布団 |
岩手県 |
山岸 弘子 |
50歳 |
サイダーの泡ピシピシと親不孝 |
茨城県 |
根本 菜穂子 |
50歳 |
天牛に少年の眼の重なりぬ |
千葉県 |
高橋 由美子 |
50歳 |
蒲公英の夢の続きか帽子買う |
愛知県 |
大江 豊 |
50歳 |
秋晴れをそろりと撹拌観覧車 |
三重県 |
坂田 祐美 |
50歳 |
正直に生きるつもりか雨蛙 |
奈良県 |
田中 八千代 |
50歳 |
手鏡の落花を払ひ紅を刷く |
佐賀県 |
佐藤 茘枝 |
50歳 |
角砂糖崩れるやうに暮の秋 |
岩手県 |
小野寺 尚子 |
51歳 |
振り上げた杵青空の一呼吸 |
山形県 |
池田 与四也 |
51歳 |
母子手帳小さな私がそこにいる |
茨城県 |
猪瀬 紀代美 |
51歳 |
エプロンでサンタは子供の部屋に来る |
群馬県 |
坂本 栄 |
51歳 |
案山子にもドンキホーテの夢がある |
群馬県 |
勅使川原 徹 |
51歳 |
蝌蚪に足はえみどり子のよく笑う |
石川県 |
西出 佳子 |
51歳 |
せせらぎにころり朝寝の小石かな |
大阪府 |
木村 俊博 |
51歳 |
潮騒を恋しがる耳夏帽子 |
大阪府 |
吉松 光代 |
51歳 |
春耕のしばしば鍬にもたれおり |
茨城県 |
小沢 真理子 |
52歳 |
そこにある芽吹きの春に香る風 |
群馬県 |
村田 浩余 |
52歳 |
雪だるま溶けて解脱の胡坐かな |
埼玉県 |
川口 亮 |
52歳 |
夕焼けを溶かして飲みたいレモンティー |
神奈川県 |
長野 あきこ |
52歳 |
逝く夏を逆さまに見る砂時計 |
岐阜県 |
曽我 真理子 |
52歳 |
月冴えて切り絵もようの棚田かな |
静岡県 |
森 恵美子 |
52歳 |
また猫に生まれて恋に生きている |
愛知県 |
斉藤 浩美 |
52歳 |
終点に炎昼だけが待つてゐた |
埼玉県 |
福島 進 |
53歳 |
今年から父がお客の迎え盆 |
埼玉県 |
野澤 正樹 |
53歳 |
手の甲のインクのメモや十二月 |
埼玉県 |
赤井 摩弥子 |
53歳 |
向日葵の種の数まで夢を持て |
神奈川県 |
佐伯 隆之 |
53歳 |
葉桜の日差し明日への接続詞 |
神奈川県 |
小野寺 勇 |
53歳 |
風走り早苗の波に続く海 |
富山県 |
横山 秀子 |
53歳 |
桃吹雪舞台女優になる一瞬 |
山梨県 |
北井 恵子 |
53歳 |
追憶は流星となり海に落つ |
岐阜県 |
梅村 健治 |
53歳 |
踏青や高く手を上げ引率す |
愛知県 |
稲生 純子 |
53歳 |
大杉に掃き寄せられし鰯雲 |
愛知県 |
奥村 弘子 |
53歳 |
ハンモック揺らし地球と昼寝する |
兵庫県 |
小田 慶喜 |
53歳 |
削除するものは削除をして昼寝 |
鳥取県 |
門脇 かずお |
53歳 |
春風をみかたにつけし車イス |
広島県 |
山根 恭子 |
53歳 |
夕焼けに逢うたび蟷螂枯れていく |
福井県 |
石田 礼子 |
54歳 |
初参り釈迦の掌の中掌を合わす |
静岡県 |
河原 |
54歳 |
啓蟄の小さなあくび聞こえけり |
愛知県 |
伴 三枝子 |
54歳 |
若鮎は草書の如く遡る |
兵庫県 |
内橋 恵子 |
54歳 |
ランドセルの中は春風一年生 |
大分県 |
川野 智子 |
54歳 |
君の待つ駅に着くころ蝶になる |
神奈川県 |
加藤 ゆみ子 |
55歳 |
凍土を出し木簡の読み難し |
京都府 |
熊谷 安希子 |
55歳 |
もしもしの声も高まる春の風 |
兵庫県 |
扇野 義久 |
55歳 |
軍記物読む父の背に蝉しぐれ |
岡山県 |
内田 恵子 |
55歳 |
田の神は留守ばかりして過疎の村 |
愛媛県 |
大西 政司 |
55歳 |
スミレに生まれスミレに恋をしたりけり |
埼玉県 |
足立 利行 |
56歳 |
気付かれず負担をかけず思いやる |
千葉県 |
斎藤 静江 |
56歳 |
冬木背に待つやわたしも簡素な木 |
東京都 |
柏木 茂 |
56歳 |
家系図の子どもと並ぶペット名 |
東京都 |
野尻 真木子 |
56歳 |
露の世のたまたま人に生まれたる |
神奈川県 |
天野 信敏 |
56歳 |
一歳の瞳まるごとクリスマス |
愛知県 |
杉浦 志保美 |
56歳 |
ネクタイの教師のシュート風光る |
兵庫県 |
佐藤 日田路 |
56歳 |
虹の根のがっしと掴む地球かな |
香川県 |
野 |
56歳 |
臨月の大地より引く大根かな |
福岡県 |
大林 圭子 |
56歳 |
愛さるる卒寿の笑顔冬ぬくし |
群馬県 |
阿部 厚子 |
57歳 |
春風を捲いて少女の逆上がり |
東京都 |
川辺 昭典 |
57歳 |
春日傘素足ですっくと阿修羅像 |
東京都 |
石塚 雷太 |
57歳 |
日本海白波立って冬を呼ぶ |
広島県 |
山根 基嗣 |
57歳 |
石蹴りて無口な空の夕焼ける |
広島県 |
藤井 茂基 |
57歳 |
静寂のころもを着せに雪が降る |
福岡県 |
惠良 正巳 |
57歳 |
もう少しながめていたい土筆ん坊 |
山形県 |
阿部 耕生 |
58歳 |
エクボからこぼれたものはスミレです |
栃木県 |
野口 直子 |
58歳 |
にんじんバリバリ恋でもしようかな |
埼玉県 |
相良 敬子 |
58歳 |
氷河落ち一万年の風が湧く |
神奈川県 |
松尾 一幸 |
58歳 |
また石に還る野仏蝉時雨 |
大阪府 |
荻田 ひかり |
58歳 |
ちゃぶ台が昭和の日々をよび起こす |
大阪府 |
中村 滋 |
58歳 |
ほお紅にかすかな春の気配して |
大阪府 |
一色 和子 |
58歳 |
酒蔵の壁が呼吸する半夏生 |
大阪府 |
村田 照枝 |
58歳 |
もう一度春の聴こえる場所に立つ |
兵庫県 |
半野田 経子 |
58歳 |
藤棚の上に青春置き忘れ |
兵庫県 |
間 喜美代 |
58歳 |
雪捨てて帰りはソリに孫乗せて |
青森県 |
中津 良一 |
59歳 |
卒業生しなやかにそしてしたたかに |
福島県 |
白井 まや |
59歳 |
エレベーターいっきに上がる冬の空 |
群馬県 |
村田 葉子 |
59歳 |
ダムが消えてんびん棒が川に立つ |
群馬県 |
須永 竹広 |
59歳 |
早春の風は鼓動を速くする |
埼玉県 |
井上 寿郎 |
59歳 |
タンポポのタネが電車に乗っていた |
千葉県 |
渡辺 毬 |
59歳 |
みどり児のむすんでひらいて福寿草 |
東京都 |
草野 道子 |
59歳 |
蕗の薹わんぱく小僧のちからこぶ |
神奈川県 |
増田 和正 |
59歳 |
一直線キャベツ畑に敬礼す |
神奈川県 |
土佐 武 |
59歳 |
海からも山からも来て梅にあふ |
静岡県 |
青木 昭 |
59歳 |
雲の峰見上げる十五の私が居る |
京都府 |
川野 達子 |
59歳 |
豆撒や四畳半にも鬼棲めり |
大阪府 |
将口 和子 |
59歳 |
素っ気ないそぶりも見せて春の風 |
岡山県 |
近藤 光子 |
59歳 |
名月や覗いてみたい月の裏 |
高知県 |
林 茂男 |
59歳 |
団栗を握りて縄文の子ら笑う |
佐賀県 |
城島 敏明 |
59歳 |
どこまでも青空どこまでも冬木立 |
熊本県 |
坂田 淑子 |
59歳 |
石榴の実割れてやりばのない気持ち |
大分県 |
足立 攝 |
59歳 |
日向ぼこだんだん魚になっていく |
青森県 |
川村 英幸 |
60歳 |
雪の夜のげに美しき怖さかな |
東京都 |
小倉 真理子 |
60歳 |
チャップリンの髭ひらひらとビオラ咲く |
神奈川県 |
角 律子 |
60歳 |
葉牡丹は花なき花の自己主張 |
神奈川県 |
佐藤 静生 |
60歳 |
日本を抱え込んでる虹が出た |
神奈川県 |
永井 直美 |
60歳 |
喧嘩して引き出しに入る土竜かな |
福井県 |
山田 冨美子 |
60歳 |
つま先が春を感じるスニーカー |
大阪府 |
楠畑 万知子 |
60歳 |
したたかに生きてやるんだちゃんちゃんこ |
大阪府 |
窪嶋 京子 |
60歳 |
帰国して四肢いっぱいに青畳 |
大阪府 |
白戸 高子 |
60歳 |
葉桜や訛りに慣れて旅果つる |
岡山県 |
仙田 陽子 |
60歳 |
屋根裏に居座っている残暑かな |
山口県 |
西田 明未 |
60歳 |
かんがへることがたくさん牡丹雪 |
愛媛県 |
阿南 さくら |
60歳 |
ひとときを星とささやく初氷 |
愛媛県 |
宮田 啓子 |
60歳 |
予報士が山茶花梅雨と告げにけり |
愛媛県 |
江戸 幸子 |
60歳 |
大根の穴の静かに暮れにけり |
福岡県 |
松井 督光 |
60歳 |
吾の打つ鍬音高き初御空 |
長崎県 |
福田 サヨ子 |
60歳 |
風光るコロボックルが駆け抜けた |
宮城県 |
伊藤 悦子 |
61歳 |
奇岩にも呼び名それぞれ山笑ふ |
茨城県 |
今井 多津子 |
61歳 |
しなる笹もどりて唄う雪の声 |
埼玉県 |
佐々木 繁 |
61歳 |
定年を待ってたように枝が伸び |
埼玉県 |
新藤 修次 |
61歳 |
慈母の影杖だけ先に行きたがり |
埼玉県 |
荒蒔 道夫 |
61歳 |
満開の桜が似合う君がいる |
千葉県 |
松田 豊 |
61歳 |
耕せば故郷山河近くなる |
東京都 |
福岡 悟 |
61歳 |
天使舞ふ空の色して春夕焼 |
東京都 |
菊池 一枝 |
61歳 |
山茶花は散って女の長襦袢 |
神奈川県 |
岡本 まさ子 |
61歳 |
春の風子犬の背なでひとやすみ |
石川県 |
木下 悦子 |
61歳 |
苦学生茶腹で過ごす長い夜 |
静岡県 |
保科 章代 |
61歳 |
笑うまで待ってる鏡春ぬくし |
愛知県 |
神戸 隆三 |
61歳 |
鳥の声真似て山路の春日和 |
三重県 |
瀬川 友子 |
61歳 |
海原を越えくる蝶の静けさや |
大阪府 |
森田 倫子 |
61歳 |
手相線足らぬところはペンで書く |
兵庫県 |
山 |
61歳 |
行く秋や一筆箋を書き余す |
山口県 |
藤兼 雅幸 |
61歳 |
富士山を回し蹴りして春一番 |
千葉県 |
池田 秀昭 |
62歳 |
白あじさい揺れて忘却かさねけり |
神奈川県 |
浦山 みさ子 |
62歳 |
初日出で影というもの賜わりぬ |
神奈川県 |
尾崎 竹詩 |
62歳 |
山蒼く仏の顔で横たわり |
福井県 |
奥村 浩 |
62歳 |
合流の音凄まじき雪解かな |
長野県 |
西 幸敏 |
62歳 |
漱石もカフカも杜甫も曝しけり |
奈良県 |
上田 和之 |
62歳 |
飛魚はきのうの海を見て乾く |
高知県 |
山 |
62歳 |
凍て付いた空に鴉がぶつかった |
宮崎県 |
|
62歳 |
マスクして異端者の眼と声になる |
宮崎県 |
仁田脇 一石 |
62歳 |
日永かな庭に雀の来ては去り |
鹿児島県 |
平原 文江 |
62歳 |
光堂を過ぎて足早雪女郎 |
埼玉県 |
小安 章代 |
63歳 |
風のように生きてますねと年賀状 |
千葉県 |
小倉 君子 |
63歳 |
陽溜まりの茶うけにひとつ寒椿 |
東京都 |
小林 三明 |
63歳 |
バス停の椅子に先客いちょうの葉 |
大阪府 |
山本 らつ |
63歳 |
初湯出し子を水平に運びたり |
大阪府 |
清岡 千恵子 |
63歳 |
京言葉のように置かれた桃一つ |
兵庫県 |
大和 繁子 |
63歳 |
赴任地へ遡っていく雪解川 |
兵庫県 |
佐野 玲子 |
63歳 |
とんど火を囲むホームの車イス |
広島県 |
石崎 勝子 |
63歳 |
病室に父と分けあう桜餅 |
山口県 |
岡 博子 |
63歳 |
千年のかんな研ぐ音法隆寺 |
香川県 |
大西 定 |
63歳 |
威しとは言へぬ貎して立つ案山子 |
埼玉県 |
宮澤 正美 |
64歳 |
次の世はスミレと決めて今日を生く |
千葉県 |
山端 清子 |
64歳 |
絵具ひとつ足して自画像立ちあがり |
神奈川県 |
丹生 浩子 |
64歳 |
新しき巣箱をのぞく風の色 |
山梨県 |
浅川 青磁 |
64歳 |
雛飾りちょっと見せてと雀の子 |
大阪府 |
本田 満 |
64歳 |
十五歳平均台の素足かな |
愛媛県 |
村重 香霞 |
64歳 |
内視鏡忘る咽越し晦日蕎麦 |
愛媛県 |
伊藤 敬文 |
64歳 |
野仏の髷になりきり子の雀 |
佐賀県 |
原口 和代 |
64歳 |
深雪晴村の百戸が立ちあがる |
北海道 |
竹内 義忠 |
65歳 |
ほめられて孫は入道雲になる |
青森県 |
高杉 茂勝 |
65歳 |
満月も載せて軽々人力車 |
秋田県 |
藤井 雄悦 |
65歳 |
豆まきの福をつかみに幼き手 |
埼玉県 |
西崎 久男 |
65歳 |
春一番見知らぬ街で投函す |
千葉県 |
福田 柾子 |
65歳 |
鎌倉は春ぞミモザの萌黄色 |
千葉県 |
三浦 征洋 |
65歳 |
春光に母の残せし針を持つ |
東京都 |
小島 暁子 |
65歳 |
蓑虫のまだ考えている未来 |
神奈川県 |
加賀田 せん翆 |
65歳 |
山間に訪ね人無き夏みかん |
静岡県 |
佐野 由利子 |
65歳 |
紙包みひろい読みする里の味 |
愛知県 |
高田 節子 |
65歳 |
御仏の御耳くすぐる煤払 |
大阪府 |
高木 昭子 |
65歳 |
突と来てタップダンスの霰かな |
兵庫県 |
滝沢 久子 |
65歳 |
大根が地球にあけた痛い穴 |
鹿児島県 |
有野 清和 |
65歳 |
蟻の列乱して馬車の行く峠 |
ブラジル |
富岡 絹子 |
65歳 |
立春や男二人の野菜売り |
宮城県 |
登坂 とし子 |
66歳 |
生徒より下手な筆の字木の芽冷 |
福島県 |
益永 孝元 |
66歳 |
茶畑や香り吸い吸い鯉のぼり |
東京都 |
丹野 衛 |
66歳 |
立ちしまま眠れる若さ目借時 |
東京都 |
坂内 タミ子 |
66歳 |
片耳は鈴虫に貸し電話中 |
東京都 |
長久保 郁子 |
66歳 |
哀しみを拾い集めて夕日落つ |
神奈川県 |
渡辺 帰一 |
66歳 |
星月夜遠回りした夜もあった |
石川県 |
中山 武彦 |
66歳 |
雑炊の配膳終えて祖母になる |
岐阜県 |
説田 祐子 |
66歳 |
サイダーに咽せて噂を聞き洩らす |
愛知県 |
後藤 洋一 |
66歳 |
恐竜の卵の孵るはるのひる |
三重県 |
岸 幸雄 |
66歳 |
衿あわす身の置きどころなき枯野かな |
滋賀県 |
若林 白扇 |
66歳 |
水平線の闇を持ち上げ初日の出 |
岡山県 |
倉見 英子 |
66歳 |
菊の香やこまごま母の仮名手紙 |
山口県 |
廣中 光子 |
66歳 |
やま奥のそのまた奥の椿咲く |
宮崎県 |
後藤 節子 |
66歳 |
土雛に平安の風流れけり |
秋田県 |
池田 崇 |
67歳 |
いま母に母が唄いし子守唄 |
茨城県 |
高橋 済 |
67歳 |
夕焼けを冷まして山が暮れてゆく |
群馬県 |
柳井 弘子 |
67歳 |
人込みを上手に歩くサングラス |
埼玉県 |
菱沼 勝之 |
67歳 |
タバコ屋の婆の暗算桃の花 |
千葉県 |
相良 きょう子 |
67歳 |
たましいの鳥となるまで泳ぎけり |
千葉県 |
小川 孝 |
67歳 |
たんぽぽの絮と胎児の心音と |
東京都 |
平田 恒子 |
67歳 |
アンとなりアリスとなりて冬籠 |
東京都 |
小栗 しづゑ |
67歳 |
三食に三種の薬今年竹 |
神奈川県 |
佐藤 洋子 |
67歳 |
拝啓と敬具のあわい小六月 |
石川県 |
武藤 のぶ子 |
67歳 |
絵日記を猫跨ぎ行く夏座敷 |
石川県 |
塩村 啓二 |
67歳 |
春塵も無くて賓頭盧さまの膝 |
滋賀県 |
木瀬 安来子 |
67歳 |
往診の白衣の裾も春の泥 |
大阪府 |
鯉田 みどり |
67歳 |
峡住ひ独り占めしてゐる初音 |
島根県 |
安田 信好 |
67歳 |
晩学や指がまごつく電子辞書 |
島根県 |
花本 正昭 |
67歳 |
寂しさは書かず語らず木守柿 |
広島県 |
安冨 正則 |
67歳 |
十五夜に硯の |
山口県 |
河村 加南子 |
67歳 |
縄文の火種で芋を焼きにけり |
岩手県 |
和城 弘志 |
68歳 |
青雲の匂いほのかに春の雨 |
福島県 |
伊藤 孝 |
68歳 |
日向ぼこ余生の顔となりにけり |
茨城県 |
藤 實 |
68歳 |
グリーンカーテンの裏側に住み深海魚 |
群馬県 |
茂木 豊恵 |
68歳 |
首筋に西日の遠慮なき電車 |
埼玉県 |
清水 三郎 |
68歳 |
海鳴りの隠し味あり鮟鱇鍋 |
千葉県 |
山本 良彦 |
68歳 |
モゾモゾとつぼみの中が姦しい |
千葉県 |
川口 雅生 |
68歳 |
アリバイをくずしてみたき冷奴 |
東京都 |
岩川 容子 |
68歳 |
故郷は近くて嫌い夕焼ける |
神奈川県 |
原 和子 |
68歳 |
サングラスはずし小心さらしおり |
神奈川県 |
朝野 和世 |
68歳 |
逆上り落葉も一緒に蹴りあげて |
神奈川県 |
内藤 徳子 |
68歳 |
干大根富士見る窓は開けてある |
神奈川県 |
山本 啓介 |
68歳 |
ふんわりと春の匂いがポケットに |
岐阜県 |
西本 与志子 |
68歳 |
ノアの船宇宙へ漕ぎ出す新時代 |
愛知県 |
田中 絢子 |
68歳 |
啓蟄や明日といふ日を持ち上げる |
大阪府 |
雨堤 幸子 |
68歳 |
わが歳を置いて帰ろう忘年会 |
大阪府 |
中川 良子 |
68歳 |
田起しの農夫分厚き野良着かな |
広島県 |
岩元 剛 |
68歳 |
貰ひたる独活もて余す妻の留守 |
愛媛県 |
永江 俊子 |
68歳 |
梅が香が抱ききれない大伽藍 |
福岡県 |
|
68歳 |
点と線蟻の住み家をみつけたり |
青森県 |
小林 芳子 |
69歳 |
雪の朝メタボすずめの思案顔 |
宮城県 |
山田 新一 |
69歳 |
待たされて待たして花の命かな |
埼玉県 |
吉田 実 |
69歳 |
陽炎えるものを形に遺跡掘る |
埼玉県 |
大西 定子 |
69歳 |
着ぶくれて着ぶくれの子に追ひつかず |
埼玉県 |
摩庭 一光 |
69歳 |
合流しまた合流し雪解川 |
埼玉県 |
保坂 嘉郷 |
69歳 |
炭足して縁談少し捗りぬ |
千葉県 |
和田 薫光 |
69歳 |
箱書きに思い溢れる仕舞い雛 |
千葉県 |
矢羽野 睦男 |
69歳 |
日の色を廻してリンゴ剥きにけり |
千葉県 |
保坂 和郷 |
69歳 |
炎昼や叩けば動きだす時計 |
神奈川県 |
|
69歳 |
耕して貧乏神に近くゐる |
山梨県 |
鈴木 鈴子 |
69歳 |
稲妻に阿修羅の眉の襞深し |
山梨県 |
福田 大日之 |
69歳 |
夜は星の空を飛びたき案山子かな |
長野県 |
木原 登 |
69歳 |
楽しげに節約ばなし冬炬燵 |
島根県 |
安井 富美子 |
69歳 |
寒卵己が重さに転びけり |
島根県 |
小澤 巖 |
69歳 |
白鳥の汚れる前に帰りけり |
北海道 |
内野 弓子 |
70歳 |
帆をあげて走りたかった水芭蕉 |
北海道 |
川人 千加 |
70歳 |
マスクして眼鏡イヤホンややこしや |
埼玉県 |
松居 一江 |
70歳 |
直角に生きているのだ麦の秋 |
埼玉県 |
金子 功 |
70歳 |
ひかえ目に風をとらえて江戸風鈴 |
千葉県 |
川島 昇 |
70歳 |
ケータイを忘れ一日無垢で居る |
東京都 |
馬場 美昭 |
70歳 |
寒入りや恋も大きくくしゃみする |
東京都 |
川口 年子 |
70歳 |
誰住むや紅葉が囲む生家跡 |
神奈川県 |
白崎 道忠 |
70歳 |
手鏡に閉じ込められし白菖蒲 |
福井県 |
三ッ山 シゲ子 |
70歳 |
駅舎より時雨るる街の闇深む |
京都府 |
太田 ゆたか |
70歳 |
雨の中一期一会の梅見かな |
大阪府 |
山口 智子 |
70歳 |
恐竜の影絵のしのし聖夜劇 |
大阪府 |
堀脇 昌子 |
70歳 |
先人の智恵はなるほど茄子の花 |
大阪府 |
田代 八子 |
70歳 |
助手席で転がり回る西瓜かな |
大阪府 |
高橋 一夫 |
70歳 |
萩にふれ盲導犬の立ち止まる |
福岡県 |
白井 政子 |
70歳 |
朱の紐の付きし五円や小町の忌 |
岩手県 |
北田 |
71歳 |
ナゾめいた話窺う蕗のとう |
千葉県 |
野瀬 智慧子 |
71歳 |
御利益は賽銭借りた妻に行き |
千葉県 |
國井 明彦 |
71歳 |
菜の花や初めて外へ出た小犬 |
東京都 |
大川 好絵 |
71歳 |
色ちがふ子猫どれにも同じ影 |
東京都 |
板坂 壽一 |
71歳 |
夫といふ不思議な他人冬ぬくし |
新潟県 |
村山 洋子 |
71歳 |
曇天に老いの反骨冬木立 |
岐阜県 |
水口 達彦 |
71歳 |
なんとなく拾ってしまふ木の実かな |
愛知県 |
大村 すみ代 |
71歳 |
お日さまに笑われ氷柱すぐに泣く |
兵庫県 |
中井 明日美 |
71歳 |
箒目に彩遊ばせる冬紅葉 |
山口県 |
山下 悦子 |
71歳 |
梅干して太陽赤くなりにけり |
愛媛県 |
宮部 敏博 |
71歳 |
携帯が春の畑に割り込めり |
宮崎県 |
玉木 節花 |
71歳 |
炉の榾をつつき民話を語り継ぐ |
青森県 |
佐藤 允昭 |
72歳 |
さくら咲く意地悪してもしなくても |
埼玉県 |
大岡 晶子 |
72歳 |
ものよりももの影に憑く余寒かな |
神奈川県 |
小林 比奈子 |
72歳 |
自尊とは身じろがぬこと落椿 |
神奈川県 |
小林 美代子 |
72歳 |
眼の奥にいまも鷹棲む修司の忌 |
愛知県 |
山田 正治 |
72歳 |
枝先を水に遊ばす桜かな |
三重県 |
森田 唯夫 |
72歳 |
内視鏡終えし安堵や心太 |
大阪府 |
安井 トヨ子 |
72歳 |
交差点前後左右の寒さかな |
大阪府 |
井島 文子 |
72歳 |
年の瀬の風に重ねて昭和うた |
兵庫県 |
天野 英武 |
72歳 |
勝者にも敗者にも秋空高し |
徳島県 |
長山 敦彦 |
72歳 |
この先に空家有りますかたつむり |
青森県 |
角田 ちせ |
73歳 |
梅咲いて眠らぬ店が村に来る |
茨城県 |
植木 和昭 |
73歳 |
満願に土地の情けや秋遍路 |
埼玉県 |
斎藤 哲夫 |
73歳 |
己が影引き摺る重さ冬の蜂 |
千葉県 |
窪田 清二 |
73歳 |
薫風や路地渡りゆく黒き猫 |
東京都 |
鈴木 弘子 |
73歳 |
誕生日蕎麦打つ祖母の力瘤 |
神奈川県 |
平井 弘和 |
73歳 |
おぼろ夜の叩けば鳴り出す古ラジオ |
神奈川県 |
小倉 みちお |
73歳 |
真顔にて忘れてゐたり枇杷の花 |
神奈川県 |
田中 治 |
73歳 |
使わねば萎える知恵とや冬薔薇 |
大阪府 |
利根 敬郎 |
73歳 |
口重き漢寒さを言ひにけり |
大阪府 |
浅川 広子 |
73歳 |
水を撫で水をたたいて種浸す |
埼玉県 |
小薬 時三 |
74歳 |
ふる里に別れを告げる花筏 |
埼玉県 |
松川 靖 |
74歳 |
日向ぼこ呼び合うごとく集まれり |
千葉県 |
菊間 敏子 |
74歳 |
パソコンのキーが奏でる早春賦 |
神奈川県 |
杉浦 弘祐 |
74歳 |
父の日は反戦叫びたくなる日 |
京都府 |
森 幸子 |
74歳 |
烏瓜引けばうしろの日が沈む |
京都府 |
佐々木 信夫 |
74歳 |
はっと息呑んだ深山の薮椿 |
兵庫県 |
奈良井 恵美子 |
74歳 |
それぞれの時間を濡らす霧の村 |
大分県 |
谷川 彰啓 |
74歳 |
凍柿の味叉楽し句碑の庭 |
青森県 |
内山 秀雄 |
75歳 |
盆おどり老いの指先雲を突く |
茨城県 |
新妻 文子 |
75歳 |
お持たせのなべふつふつと雪の夜 |
茨城県 |
瀬谷 喜美子 |
75歳 |
虻の昼カルチャースクール内託児所 |
栃木県 |
橘川 芳子 |
75歳 |
秋天をイルカの口が突っ突いた |
埼玉県 |
安井 栄 |
75歳 |
地球儀をまあるく拭いて入学す |
埼玉県 |
豊田 トヨ子 |
75歳 |
向日葵や笑い転げて眠りをり |
千葉県 |
森 美樹 |
75歳 |
泳ぎ出す江戸風鈴の金魚かな |
東京都 |
増島 淳隆 |
75歳 |
少年に夢あり朝の揚雲雀 |
東京都 |
菅野 四郎 |
75歳 |
太虹を投げて台風去りてゆく |
東京都 |
今泉 忠芳 |
75歳 |
節分会鬼の若者畏まり |
東京都 |
平田 陽子 |
75歳 |
牛膝もろとも龍馬脱藩す |
新潟県 |
神蔵 久 |
75歳 |
夏休み鰭の生えてる子の急ぐ |
長野県 |
新村 亮三 |
75歳 |
味噌玉をつるす柱の?光り |
岐阜県 |
渡辺 千寿子 |
75歳 |
祭足袋腰の決らぬ漢なり |
三重県 |
田中 早苗 |
75歳 |
手の中の茶碗に過去を包みこみ |
兵庫県 |
藤本 直 |
75歳 |
古傷の下に昭和の血は流れ |
岡山県 |
光畑 勝弘 |
75歳 |
新雪を踏む藁沓のなじむまで |
徳島県 |
片山 康雄 |
75歳 |
皇帝てふ貫禄すでにダリア苗 |
福岡県 |
俵口 益栄 |
75歳 |
啓蟄や赤いシャツ着て雲を見て |
福島県 |
高橋 ゆたか |
76歳 |
茶柱が立ったと喜ぶ草食系 |
福島県 |
石川 イク子 |
76歳 |
赤とんぼ村に二人の百寿住む |
群馬県 |
原 民雄 |
76歳 |
ここからは魔界なりけり冬すみれ |
埼玉県 |
早乙女 文子 |
76歳 |
つり銭にぬくもりありて露天市 |
東京都 |
小林 千恵子 |
76歳 |
ランタンのうつ向き加減春の宵 |
愛知県 |
阿久津 みわ |
76歳 |
頭数揃はぬままに村芝居 |
京都府 |
大谷 昌子 |
76歳 |
名優の又ひとり消ゆ冬さむし |
大阪府 |
田中 二三子 |
76歳 |
手袋の右手も左手も落ちてをり |
兵庫県 |
中尾 幾美子 |
76歳 |
枯葉にもこぼる光のありにけり |
奈良県 |
和田 富子 |
76歳 |
異國にて愛でらる移民の富有柿 |
ブラジル |
菊池 信子 |
76歳 |
一人居の女身幅の雪掻いて |
北海道 |
羽賀 純子 |
77歳 |
春暁や瑞穂の村に水ひびく |
北海道 |
小野 恣流 |
77歳 |
聞きなれし声に振りむくマスクかな |
北海道 |
中島 土方 |
77歳 |
煮凝りや話せばわかる事ばかり |
秋田県 |
石橋 喜一 |
77歳 |
心太海に明るき雨降れり |
東京都 |
瀬川 浩司 |
77歳 |
寒晴れや独り同士の友と会う |
神奈川県 |
大山 あい子 |
77歳 |
炎天へ絶叫マシンうごきだす |
富山県 |
不破 元之 |
77歳 |
風船が引っ張ってゆく乳母車 |
山梨県 |
宮野 和弘 |
77歳 |
山吹の花に優しき負の因子 |
岐阜県 |
|
77歳 |
母と子のえくぼ揃いぬ福笑い |
滋賀県 |
草野 不耻子 |
77歳 |
連立ちて来て梅林にちらばれる |
大阪府 |
西田 光子 |
77歳 |
とんぼとまる銃口に似た杭の先 |
広島県 |
別祖 満雄 |
77歳 |
葉桜や無人の駅に戻りけり |
青森県 |
神 繁雄 |
78歳 |
煮凝の心もとなき箸さばき |
埼玉県 |
莵原 輝夫 |
78歳 |
格段の丸きに触るる烏瓜 |
千葉県 |
馬場 ヨネ子 |
78歳 |
紫のしみじみ深きつるし雛 |
神奈川県 |
村山 安子 |
78歳 |
名物は何もない村虫ゆたか |
神奈川県 |
須佐 はじむ |
78歳 |
手掴みし蝉の感触少年期 |
神奈川県 |
|
78歳 |
父の日のおまけの眉毛ながく暢び |
福井県 |
高瀬 佐久良 |
78歳 |
台風は独眼竜でやって来る |
愛知県 |
|
78歳 |
角砂糖の桃色二つ鳥の恋 |
大阪府 |
延広 禎一 |
78歳 |
囀を入れて手紙をふくらます |
福岡県 |
安部 泰子 |
78歳 |
何となくつぶやきそうな冬木の芽 |
福岡県 |
岩男 ミヨ子 |
78歳 |
草取りのわれの後追う小鳥かな |
群馬県 |
岩瀬 弥市 |
79歳 |
装いを解けば細身の冬木立 |
埼玉県 |
木下 健一 |
79歳 |
寒椿落ちて日暮となりにけり |
東京都 |
岡部 伝蔵 |
79歳 |
達者だと賀状に嘘の書ける幸 |
東京都 |
藤嵜 嶺雲 |
79歳 |
一つ家に犬派と猫派春隣 |
大阪府 |
西田 唯士 |
79歳 |
金平糖の壜に集まる秋日和 |
大阪府 |
青木 光子 |
79歳 |
角砂糖一つおとせし余寒あり |
島根県 |
伊藤 令一 |
79歳 |
そぞろ寒薬一粒零したり |
佐賀県 |
原 峻一郎 |
79歳 |
餅を搗く南十字を仰いでは |
ブラジル |
香山 和榮 |
79歳 |
体中やはらかくして種を撒く |
北海道 |
西明 英男 |
80歳 |
寒林に触れて大きくなる夕日 |
北海道 |
四ツ柳 高保 |
80歳 |
鳶の輪のまん中で摘む蕗の薹 |
青森県 |
田村 三之助 |
80歳 |
人間を越える貌してさくら咲く |
福島県 |
古市 富保 |
80歳 |
タンポポのわた毛も客の秩父線 |
埼玉県 |
田中 文子 |
80歳 |
だんだんに自由になってゆく土筆 |
千葉県 |
はら おさむ |
80歳 |
熱燗や使ひ馴れたる片手鍋 |
千葉県 |
河原 詳次 |
80歳 |
朝市の春大根の元気買ふ |
東京都 |
内藤 初子 |
80歳 |
落ちるまで瀧といふ名のついてをり |
神奈川県 |
村松 樹光 |
80歳 |
父祖よりの性は我にも吾亦紅 |
石川県 |
堀 政尋 |
80歳 |
もろもろの音したがえて年詰る |
三重県 |
池田 すみ子 |
80歳 |
寒空に勢ひ余る椿あり |
兵庫県 |
中川 潔 |
80歳 |
ゆりかごと一緒に止まる子守唄 |
東京都 |
土方 昭光 |
81歳 |
旬の青白磁に盛りて夏料理 |
愛知県 |
佐久間 叶子 |
81歳 |
折鶴の三角いくつ冬に入る |
滋賀県 |
田渕 芳枝 |
81歳 |
父の日や残るネクタイ箱のまま |
大阪府 |
鍛治 千代子 |
81歳 |
草萌えて生きる光を放ちけり |
兵庫県 |
福本 静子 |
81歳 |
風花をくぐり検診車に入りぬ |
佐賀県 |
鶴田 世智子 |
81歳 |
痒さうな冬至の象の土不踏 |
東京都 |
長岡 貝郎 |
82歳 |
サーファーの力量はかる波頭 |
東京都 |
風間 良富 |
82歳 |
猪鍋や湯気までうまい里の夜 |
愛知県 |
渡辺 幹 |
82歳 |
節分の鬼に携帯かかりけり |
奈良県 |
藤本 満男 |
82歳 |
梅ヶ香や紙に吸いとる残り墨 |
群馬県 |
中村 悦子 |
83歳 |
着ぶくれて方向感覚失へり |
群馬県 |
星野 平一 |
83歳 |
それぞれの光背持って梅ひらく |
東京都 |
浅野 道之進 |
83歳 |
霧吐いて山が呼吸をしてゐたり |
神奈川県 |
田中 仁 |
83歳 |
鍬の手にふと口ずさむ早春賦 |
京都府 |
北川 ナツノ |
83歳 |
封筒のなかで緑の風が吹く |
岡山県 |
伊藤 寿子 |
83歳 |
夜桜の風が眠ってしまひけり |
山口県 |
中本 千歳 |
83歳 |
一斉にぶらんこ捨てる始業ベル |
北海道 |
茶木 ひろし |
84歳 |
春風と二人で押してる車椅子 |
群馬県 |
栗原 英也 |
84歳 |
綿飴にふわりと春を絡めとる |
群馬県 |
定方 英作 |
84歳 |
凍てそうな地球に輸血する夕日 |
大阪府 |
西村 省吾 |
84歳 |
昭和の日晴れてやさしき風の吹け |
大阪府 |
入江 輝也 |
84歳 |
廻転椅子買初回す小宇宙 |
ブラジル |
秋枝 つね子 |
84歳 |
走り根に齢読まれて山笑ふ |
大阪府 |
森田 馨 |
86歳 |
婚活の絵馬からからと春を待つ |
香川県 |
杉尾 恭子 |
86歳 |
初雪を撥ねて遮断機上りけり |
愛媛県 |
大島 寅男 |
86歳 |
春泥に囲まれてゐる測量士 |
福井県 |
奥村 光子 |
87歳 |
春暁の水に色あり田拵へ |
京都府 |
若林 かなめ |
87歳 |
水饅頭腹の中まで透けて見ゆ |
山口県 |
秋本 百合子 |
87歳 |
春の海音なく岸を洗いおり |
奈良県 |
丹本 勝 |
89歳 |
弾まねば疎まれそうで毬になる |
岡山県 |
民 静子 |
89歳 |
母の胸父の背ありての卆寿かな |
埼玉県 |
浅香 清 |
90歳 |
初日の出どすんと自動販売機 |
神奈川県 |
藤田 和夫 |
91歳 |
物干の片棒担ぐ百日紅 |
埼玉県 |
川嵜 い志 |
93歳 |
春近し身につけしものふと重く |
千葉県 |
南條 勝子 |
96歳 |
枯菊の香り気高く焚かれけり |
ブラジル |
立石 松男 |
96歳 |