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第二十回 お〜いお茶新俳句大賞

佳作特別賞 その3

第二十回伊藤園お〜いお茶新俳句大賞 各部門受賞者
優秀学校賞 英語俳句の部 佳作特別賞その3 佳作特別賞その2 佳作特別賞その1 佳作特別賞 都道府県賞 後援団体賞 審査員賞 一般の部B(40歳以上) 一般の部A(40歳未満) 高校生の部 中学生の部 小学生の部(幼児含む) 優秀賞 各部門大賞 文部科学大臣賞
佳作特別賞 その3

冬の風夫婦のシャツがダンスする

神奈川県

増田 麻紀

30歳

少年の夏を惜しんで坂下る

神奈川県

天野 正博

30歳

シンプルな思考枯野の散歩道

新潟県

 綾

30歳

職場から見える巨木で遊ぶ鳥

石川県

高橋 奈苗

30歳

白水仙寒さの中で胸を張る

福井県

坂尾 まり

30歳

古えに思いを馳せて奈良の春

愛知県

伊藤 美春

30歳

円高が帰宅時間を早くする

愛知県

岩本 圭哉

30歳

こぶし程祖母の作りし蓬餅

愛知県

山田 章人

30歳

エコー画像おなかの中であくび中

愛知県

福田 誠一

30歳

七歳の兄の真似してランドセル

福岡県

光畑 理佐

30歳

夕焼けの後押し受けてプロポーズ

宮城県

小野寺 正

31歳

身籠りて妻の色から母の艶

茨城県

大原 佑介

31歳

みつけたよ小さなこぶしは春いっぱい

栃木県

近藤 有希子

31歳

冴ゆる風自転車こぐ頬固くなる

埼玉県

松本 修一

31歳

祖祖母が電話で掻巻き送ろかと

埼玉県

武藤 瞳

31歳

張りつめた風の匂いで冬を知り

千葉県

袴田 功二

31歳

偶然のクリックひとつ結ばれて

千葉県

高梨 真江

31歳

果てしなく睡魔と闘う春の午後

千葉県

土屋 笑子

31歳

自転車を磨いて春を買いに行く

東京都

坂牧 聡

31歳

沈黙がこわくて言えぬプロポーズ

東京都

山本 美沙

31歳

秋天につづく階段駆けあがり

東京都

山岸 由佳

31歳

春風よ行こう彼女の実家まで

東京都

松村 純也

31歳

シェルブール傘を抱えて雨を待つ

東京都

清水 亜希子

31歳

池の亀背に乗り背に乗り空仰ぐ

東京都

青木 綾野

31歳

昨日来た今日も来いと願う春

東京都

村山 かほる

31歳

桜道幻に恋う遠きひと

東京都

 理恵

31歳

柿すだれまぶたに浮かぶ幼き日

長野県

柴 沙織

31歳

子のためか自分のためかひな飾り

静岡県

佐藤 仁美

31歳

だんごむしうちを横断ついて行く

静岡県

石川 由佳

31歳

おんぶした孫に背負われ見る桜

愛知県

石川 つや子

31歳

焼き芋とお茶の香りで満足です

三重県

川北 絵津子

31歳

まだ眠いゆっくりしててよ太陽さん

滋賀県

河野 祐一

31歳

雪だるま日向ぼっこでやせがまん

京都府

酒井 安紀子

31歳

透明の傘の水滴桜桃忌

大阪府

鎌田 修平

31歳

梅の香を泳いで進む日曜日

大阪府

杉下 龍輔

31歳

仰ぎ見る屋根の合間に弓張月

兵庫県

向井 領

31歳

エコ生活やると意外に面白い

鳥取県

井上 たえ

31歳

お茶摘みに二人で向かう老夫婦

広島県

村 正憲

31歳

こっくりとあいづちを打つ春の午後

福岡県

金森 祐治

31歳

赤ちゃんのくちびるまるで富士の山

福岡県

山本 倫史

31歳

反響の中に探して吾の在る

佐賀県

徳永 浩

31歳

柿の種夢と一緒に埋めてみる

山形県

中野 辰明

32歳

星空がまた明日ねと言っている

埼玉県

馬場 通子

32歳

人面魚浮いて春光吸い込めり

埼玉県

米山 陽隆

32歳

ネクタイをお疲れ様とたたむ春

千葉県

小山 由美

32歳

一玉のすいかを割りて夏が来る

東京都

国松 加奈

32歳

お日様に重ねて描くゆきだるま

東京都

川手 忍

32歳

金魚さん話を聞いてここだけの

東京都

中井 房江

32歳

陽だまりでけらけら笑うタンポポよ

東京都

木内 真紀

32歳

冬の夜の風切る音は我が息子

神奈川県

久 雅裕

32歳

朝野球ひまわり達のチアガール

長野県

森本 豪浩

32歳

八重桜祖父との別れ告げた花

愛知県

安井 裕美子

32歳

月々の返済多くて寒い冬

愛知県

大原 香織

32歳

沐浴の嬰の浮力や春満月

大阪府

神原 晃子

32歳

寝言でも仕事をしているお父さん

兵庫県

田中 美樹

32歳

縁側でほっこり語る来世かな

兵庫県

岸本 千佐子

32歳

まだ見ぬ子想い浮かべて冬支度

和歌山県

公文 基博

32歳

失恋はいつも悲しき炭酸水

広島県

今林 宏文

32歳

大吉を素直に喜ぶ理数系

香川県

大西 健司

32歳

折り紙でこさえた雛が宝物

香川県

川崎 徹

32歳

ハイハイがいつの間にやら仁王立ち

埼玉県

岸本 真三市

33歳

初歩み凍える北風そっちのけ

埼玉県

武藤 有広

33歳

春を待つ恋も仕事も冬眠中

東京都

野田 英里

33歳

動物園すずめを喜ぶ三歳児

東京都

荒神 裕之

33歳

肩車こっちにくるよ流れ星

長野県

丸山 美砂里

33歳

アルバムに泣き笑いあり朧月

長野県

猪瀬 史帆

33歳

猫とゐて銀河の果ての海思ふ

静岡県

萩原 朝子

33歳

実りの秋橙色を描き込んだ

愛知県

細田 幸司

33歳

竹とんぼいつか夢見る大銀河

大阪府

山本 肇

33歳

カフェオレ一杯分のさようなら

大阪府

千葉 昌美

33歳

日本人芝生にゴロン地球人

大阪府

藤井 将人

33歳

空見ては雲の形に励まされ

兵庫県

竹内 恵美子

33歳

桜舞い前歯の抜けた子が笑う

島根県

庄司 かおる

33歳

手の平に宇宙があると言いし君

福岡県

溝上 陽子

33歳

皮をむく母の手母の背栗ご飯

福岡県

河端 淳子

33歳

庭の木々打ち水されて笑いけり

福岡県

西村 麻希

33歳

縁側で夫婦二人でティータイム

青森県

溝江 美由紀

34歳

入園に胸踊らせる父兄かな

福島県

長南 尚子

34歳

あるじよりよっぽど器用な猫の恋

福島県

齋藤 政弥

34歳

口癖を真似る我が子と二重奏

栃木県

森谷 景子

34歳

蝉時雨もういいかいの声も消し

埼玉県

石川 宏

34歳

水墨画の余白のなかへ滝生まる

千葉県

阿部 博子

34歳

縮んだ背茜の窓で葱刻む

東京都

近藤 明日香

34歳

笑いジワ撫でて三十路をよっつ越え

東京都

小長谷 路

34歳

飼い主を鳴いて動かす冬の猫

東京都

大島 大

34歳

春風が落とした絵馬に落ち込んで

東京都

八木 順子

34歳

春の風ベビーカー押すハイヒール

東京都

冨 多歌子

34歳

空の虹花束にして渡そうか

神奈川県

小松 敏江

34歳

草むしりてんとう虫と目が合った

神奈川県

鈴木 優子

34歳

初めての土の感触田植えかな

岐阜県

加藤 聡子

34歳

空の青作ってみようと絵の具混ぜ

静岡県

奥林 重光

34歳

ほおずきに収められない傷心

静岡県

長田 きみの

34歳

パリ祭が実は自分の誕生日

京都府

佐々木 尚志

34歳

そらまめや僕に弟いるんだぞ

大阪府

井上 千恵

34歳

過ぎゆくは風と白馬の王子様

山口県

吉田 千珠

34歳

眠い目をこすってこすってもうひと寝

福島県

坪内 敦司

35歳

がんばったビリの我が子に金メダル

埼玉県

笠 祥子

35歳

いもほりの軍手真白く整列す

東京都

今村 真有子

35歳

花筏あめんぼ上手に舵をとる

東京都

馬場 大

35歳

草原に転げ落ちそな露の玉

東京都

加賀 すみえ

35歳

湯けむりの中に浮かぶは柚子ひとつ

神奈川県

尾山 悟

35歳

土まみれ水菜大根母の腕

静岡県

鈴木 大祐

35歳

冬満月レモンに夜を一雫

愛知県

 紀子

35歳

不景気を知っているはず空の青

愛知県

梅木 福恵

35歳

春雷の狭間に蒼き静寂かな

大阪府

足立 敏郎

35歳

くつくつと大根笑いだし香る

兵庫県

久村 安希

35歳

天井の模様が描く子守唄

福岡県

江藤 美幸

35歳

銀杏の黄そこだけぽっかり光りおり

長崎県

田 尚子

35歳

太陽をぎゅっと凝縮柿たわわ

栃木県

大島 和代

36歳

節分に鬼の親子の遊びけり

埼玉県

田村 佐保

36歳

化粧品家計圧迫妻綺麗

埼玉県

入沢 康夫

36歳

ビー玉にキラキラ映る遠い夏

千葉県

倉田 美子

36歳

嫁行くな言ってた父が雛飾る

東京都

坂本 美保

36歳

道草や4月のノートはまだ固い

東京都

安藤 明子

36歳

春立つや入浴剤の香のする子

神奈川県

古和田 あずさ

36歳

木枯らしを切り裂き響けホイッスル

神奈川県

石川 博久

36歳

ひざ小僧なでて揺れをる野菊かな

岐阜県

小林 一貴

36歳

帰ろうか我と金魚と下駄の音

静岡県

山下 奈美

36歳

上り坂ふんぞり返る夏の空

愛知県

松井 智子

36歳

当然のやうに出遅れひきがえる

京都府

芦田 美幸

36歳

娘言うママの星座はペンギン座

大阪府

玉山 智子

36歳

瘡蓋がまだ乾かない夏休み

大阪府

川村 敬子

36歳

向日葵に挨拶をする園児達

山口県

森下 潤一

36歳

行ってきます声くぐもらすマスクかな

福岡県

本松 みゆき

36歳

茶畑も吾子も丸刈り風が撫づ

福岡県

木下 知保

36歳

冬至でも日暮れ気づかぬ街灯り

イギリス

田中 淳

36歳

もの言はぬ子のハンカチの汚れかな

宮城県

成田 ますら

37歳

キミとボク地球で出会えてよかったね

東京都

谷津 秀岳

37歳

見上げれば次々降りゆく紅葉かな

神奈川県

馬場 美香

37歳

さよならを集めて三月雪が降る

新潟県

滝沢 奈津子

37歳

遊園地お弁当だけ食べに行く

大阪府

高橋 千夏

37歳

新幹線ホームの隅の蝉時雨

山形県

丹治 正暁

38歳

瞳閉じ昭和の森の蝉時雨

埼玉県

近藤 真由美

38歳

あじさいの鍵盤叩く不意の雨

東京都

今井 まり

38歳

故郷の想い出運ぶかぼすの香

東京都

大洞 緩乃

38歳

北風によりかかってくランドセル

東京都

福田 浩子

38歳

クリスマスうちのサンタは酔っ払い

東京都

平松 ケイ

38歳

ただいまと駆け込むわが子陽のにおい

神奈川県

岡本 昌

38歳

不揃いなお辞儀何度も赤い羽根

長野県

丸山 志保

38歳

居酒屋で夢語るけどすぐ冷める

静岡県

大橋 正明

38歳

この路地の女王のように冬の薔薇

京都府

樺澤 かおり

38歳

つばめ来て献血車からハタチの子

京都府

小谷 知里

38歳

電線に雲ひっかかる枯野かな

大阪府

大野 亜紀子

38歳

冬蜘蛛や網にかかりし雪を喰む

兵庫県

山川 昌子

38歳

定まらぬ未来を託す受験票

広島県

粟津 良子

38歳

母さんの干し柿夕日よりも濃く

広島県

松岡 江美

38歳

手をつなぐ何か感じる生きている

香川県

河野 佳余子

38歳

困っても二度と聞けない母の声

香川県

大喜多 晃

38歳

ランドセルどちらがおんぶされてるの

福岡県

持田 美紀

38歳

とりあえず善女となって初詣

北海道

安田 こずえ

39歳

詰襟の丈初々しハムエッグ

北海道

荒井 真治

39歳

この星の隅の隅まで終戦日

北海道

河野 美奈子

39歳

銀杏を拾う姿は宇宙服

岩手県

三浦 智恵

39歳

青蜜柑剥いて話は核心へ

宮城県

成田 一子

39歳

風知草彼に伝えて好きですと

栃木県

村上 敬子

39歳

フランスパン買ふ冬晴れの港町

東京都

金子 明文

39歳

写真屋のふたつの時計冬始め

東京都

字引 章

39歳

かなしみを虚空に放ち花吹雪

東京都

堀渕 理恵

39歳

強東風に姿整崩さぬ盲導犬

東京都

三ツ木 貴臣

39歳

成長をリュックに詰めて子が帰る

東京都

疋田 博昭

39歳

寒梅に祖母の人生重ねつつ

愛知県

坂井 千秋

39歳

吊り革を背伸びしないで握れたね

大阪府

冨田 より子

39歳

水仙のとがった口が並んでる

奈良県

山下 景子

39歳

春が来た庭の緑が動き出す

奈良県

尾原 書子

39歳

妻の笑み自分のように嬉しいな

鳥取県

森本 慎也

39歳

白梅や怒涛のやうな日の暮れて

岡山県

赤木 桂子

39歳

洗濯物たたむ中にてんとう虫

愛媛県

水谷 由香

39歳

公園で寝ころんでみる春の風

高知県

上村 優子

39歳

雪祭り横目にたどる参考書

秋田県

込山 敦司

40歳

満月をカジって欠けた虫歯かな

埼玉県

馬場 勝

40歳

春一番味方につけて転職す

埼玉県

山戸 則江

40歳

覚えたて校歌をのせし薫風よ

埼玉県

櫻澤 恵子

40歳

記念日の銀の指輪にふえた傷

東京都

青木 直子

40歳

ランドセル音符のように揺れる春

東京都

武藤 哲

40歳

十月や紅茶の湯気の初心めく

神奈川県

青山 明弘

40歳

河豚喰うて前世の恋を忘れけり

三重県

増井 章子

40歳

春が来るもうすぐ我が家に父も来る

大阪府

眞浦 宏

40歳

空っぽの箱を抱えて春一番

奈良県

山本 晋司

40歳

小春日や猫背も伸びる午前9時

鳥取県

近藤 慶子

40歳

耳遠い祖母の相手は猫の役

岡山県

小玉 和代

40歳

後ろ髪ひかれる朝の床暖房

広島県

梨迫 尚弘

40歳

団欒の隅で輪に入る鏡餅

茨城県

野口 隆子

41歳

駄々っ子の涙乾いて寒桜

埼玉県

井上 智佳

41歳

北風の力をかりて寄り添えり

埼玉県

石川 充

41歳

運動会我が子以外はエキストラ

千葉県

小沢 仁士

41歳

ギター弾く手を休めたら雪の音

千葉県

佐々木 真穂

41歳

まだ飲むの叱る女房が先に逝く

東京都

薮崎 彰良

41歳

お気軽においでください猫じゃらし

東京都

大川 勝康

41歳

おかえりと言う瞬間母になり

石川県

北川 由美子

41歳

季の移り頬染め告げる桜餅

愛知県

栗木 幹代

41歳

花冷えに暦見返す寝床かな

愛知県

近藤 正治

41歳

同窓会怖いもの見たさに行ってみる

京都府

山内 祐佳

41歳

小春日は過ぎ去る時間呼び戻す

香川県

天弘 光枝

41歳

桃色を重ね描いて春近し

福岡県

石井 良江

41歳

積もる雪ケーキの街のできあがり

北海道

檜垣 直幸

42歳

迂闊にも無賃乗車の赤とんぼ

千葉県

伊庭 英理子

42歳

どの道を行っても春の影法師

東京都

渡辺 香織

42歳

海水浴みんな地球に浮かんでる

神奈川県

小野 恵

42歳

銀盤の少女にショパンも恋をする

神奈川県

武居 裕美子

42歳

なごり雪ボタン代わりに手に秘める

新潟県

平野 恵子

42歳

かたつむりてるてる坊主に話しかけ

新潟県

鈴木 靖

42歳

雪うさぎ楽しくはねる子ども達

大阪府

和田 和洋

42歳

大家族子供の笑顔が福をよぶ

島根県

佐藤 正規

42歳

ぽっくりと大根抜けてくる寒さ

愛媛県

斉藤 のぞみ

42歳

雪降るや町の匂いを書き消して

愛媛県

紙崎 照明

42歳

冬服のマネキン微かに唇を開く

愛媛県

川野 尚子

42歳

かくれんぼう蜻蛉にしーっと指立てる

東京都

宮川 惠

43歳

クリスマス彼とのデートはまだ未定

東京都

小田 恭子

43歳

水仙の花の形に独り言

東京都

松崎 みゆき

43歳

鰯雲アイロンかけて伸ばそうか

東京都

鑓田 久美子

43歳

マスクして少し無口な今日の母

静岡県

松下 陽子

43歳

餅伸びて切れない縁をふと願い

静岡県

杉浦 佐知子

43歳

冬の星イヤリングにして出かけたい

大阪府

三浦 薫余

43歳

ファスナーを一直線にあげて夏

大阪府

瀬野 則子

43歳

ラムネの栓落ちて始まる夏の恋

大阪府

船戸 育代

43歳

夜の蟻貴方も思案中ですか

大阪府

中山 幸恵

43歳

越してゆく十二月といふ峠かな

東京都

楠田 伸彦

44歳

ぴったりと足に合ふ靴春隣

東京都

平林 典子

44歳

眩しさは心を映す白いシャツ

神奈川県

岩見 京子

44歳

冬の夜心は遠くへ行きたがる

神奈川県

和泉 まさ江

44歳

まだ来ない迷子になった福の神

新潟県

佐藤 和子

44歳

髪切って最初にあなたに逢いたいの

新潟県

新飯田 たか子

44歳

わかるんだ雨の匂いときみの嘘

静岡県

根本 富士子

44歳

まっ白な歯がかぶりつく青りんご

大阪府

大泉 重美

44歳

お月様私が眠るまでそばに居て

広島県

田中 玲子

44歳

冬の月カーブミラーのその先に

徳島県

藤本 亜矢子

44歳

ゆるゆると浮きを見つめる茶がうまい

茨城県

猪狩 直樹

45歳

キャラメルを並んでたべる都会人

東京都

海老沢 信一

45歳

赤とんぼ二塁打打たれ河川敷

東京都

吉成 秀賦三

45歳

ひまわりや君はUFO見ただろう

東京都

谷村 節子

45歳

せんべいのつや美しき秋暑かな

神奈川県

竹澤 聡

45歳

景気よく天の岩戸よさあ開け

神奈川県

岡田 大作

45歳

もみじ狩り母の姿を懐かしむ

大阪府

大橋 清美

45歳

スナフキンに話したいこと暮の秋

徳島県

山田 絵里

45歳

マニキュアで指に輪を描き君想う

徳島県

今田 真理

45歳

愛犬と歩む八十八夜かな

福岡県

藤崎 昌一

45歳

梅咲いてバウムクーヘン丸かじり

青森県

千吉良 岳

46歳

街路樹のてつぺんの影踏んで秋

群馬県

中野 千秋

46歳

宝くじ必ず当たる下一桁

埼玉県

佐藤 孝浩

46歳

髪切ってみんな忘れて見る桜

埼玉県

内田 隆一

46歳

白球に飛びつく君は鳥になる

愛知県

寺田 久美子

46歳

カーテンの隙間から見る冬満月

三重県

坂本 哲治

46歳

白波に湾もりあがり初出漁

大阪府

相模 通王

46歳

障害を負って聞こゆる風の声

福岡県

田中 博行

46歳

紅白の巫女の仕草に凜となる

佐賀県

大島 博文

46歳

五線譜に手拍子勝る祭りかな

山形県

鈴木 実

47歳

こんなにも唐黍高く育ちけり

埼玉県

神谷 小百合

47歳

一粒の宇宙の孤独金平糖

埼玉県

津村 みゆき

47歳

雲切れてまぶしき里の冬紅葉

神奈川県

早乙女 健太郎

47歳

苺買い弾ける笑顔予想する

愛知県

野田 美和子

47歳

柚子をぐまっ正面の没日かな

広島県

寺岡 寿敬

47歳

英字新聞にチューリップ包まれる

山口県

東大寺 妙子

47歳

雪降れば町はカンバス子はゴッホ

山形県

阿部 勉

48歳

病める子の春を待っての桜餅

山形県

迎田 幸子

48歳

一回で決まるジャンケン風光る

埼玉県

篠塚 千恵美

48歳

生徒より先には泣けない卒業式

東京都

武江 和三

48歳

鉛筆の先丸くなり春は来る

静岡県

佐野 暢彦

48歳

愛犬と同じ夢みる春の午後

大阪府

原 理恵子

48歳

鬼瓦最後の雪を落としけり

兵庫県

住谷 秀樹

48歳

相合傘恋もしずくもはんぶんこ

兵庫県

金曽 和子

48歳

セーターは情熱の赤待ち合わせ

島根県

河村 和子

48歳

遮断機の向こうはトンボ共和国

北海道

井口 裕之

49歳

おお苦い娘の彼氏がいれたお茶

東京都

山田 宜裕

49歳

ひとつずつメニュー読む夫小正月

東京都

川上 智子

49歳

パソコンの前で息子にさからえず

東京都

岩波 啓子

49歳

寄り添うて今再びの春を待つ

東京都

高倉 あけみ

49歳

ラジオより圓朝怪談ノイズ入り

長野県

竹村 雄次

49歳

独り居に飛蝗くわえて猫帰る

香川県

豊島 令子

49歳

立春や受験の息子の靴洗う

福岡県

柳本 昭子

49歳

大佛や幾度越へる年の暮

東京都

坂本 智

50歳

青林檎剥く手首の白さかな

神奈川県

中込 江津子

50歳

色彩を忘れてしまう冬の朝

福井県

大久保 雄一

50歳

スウィトピー新しき出会いに幸あれと

広島県

奈良井 曜子

50歳

月光を浴びて狐になりました

埼玉県

菅野 耕平

51歳

トンネルの向こうは雪だと知らぬ子達

千葉県

芋川 一昌

51歳

初雪がもったいなくて妻を呼び

千葉県

山田 高平

51歳

一坪のコーヒースタンド小鳥来る

東京都

関塚 文子

51歳

往来のひとを避けつつ落ち葉掃き

東京都

花沢 寛子

51歳

見て見てと野から飛び出すつくしの子

広島県

中尾 直子

51歳

「サクラサク」そんな家計簿作りたい

山口県

金保 知子

51歳

鱗雲追って一人の午後暮れる

香川県

石川 晶子

51歳

書き溜めたレシピそのまま吾子巣立つ

北海道

古賀 まゆみ

52歳

Tシャツの砂を払って閉会式

埼玉県

赤井 摩弥子

52歳

ランドセル殿様飛蝗連れ戻る

東京都

斎藤 三津雄

52歳

メールより電話が恋しい夜長かな

神奈川県

石川 久美子

52歳

駅裏で時間調整春一番

神奈川県

大西 惠

52歳

寝る場所を変えて飾りし雛人形

愛知県

本郷 直

52歳

片隅で春を打ち合う卓球部

鳥取県

門脇 かずお

52歳

ジリジリと線香花火の底力

広島県

大竹 保行

52歳

五十路きて生きる意味問う文庫本

北海道

菅井 亜沙子

53歳

勲章と無縁冷酒冷奴

千葉県

白石 勉

53歳

朝顔がピクンと跳ねて露が散り

千葉県

宝来 稔子

53歳

いもうとに熟年の恋石蕗は黄に

東京都

尾上 恵子

53歳

父母に一息つかす夏の雨

新潟県

山賀 ユキエ

53歳

小春日に一日得した暖かさ

新潟県

齋藤 茂弘

53歳

水際に妻を待たせて朧かな

福井県

石田 礼子

53歳

君の名は桃太郎てふトマト買ふ

山口県

勝島 裕子

53歳

日が沈み夜のペンキ屋やって来る

佐賀県

古賀 由美子

53歳

強風に空は動じず五月晴れ

埼玉県

中垣 薫雄

54歳

哲学をすなるゴリラに春の風

東京都

浅野 幹男

54歳

節分に笑える程の豆を喰う

東京都

小倉 千恵美

54歳

女湯も男湯もただ盆の月

岐阜県

纐纈 敏彦

54歳

頭文字だけで予定を入れる春

愛知県

青砥 和子

54歳

雪催い電球五個を買ひ置きぬ

大阪府

太田 省三

54歳

草野球夕日まるごと打ってやる

兵庫県

平手 礼子

54歳

右耳にみんみん蝉を棲まわせり

高知県

野村 悦子

54歳

イケメンの前にぽとりと寒椿

秋田県

渡辺 ユキ

55歳

稲光る中を新線突っ走る

茨城県

斉藤 洋子

55歳

春隣り陽だまりで待つ交差点

栃木県

中山 紋子

55歳

秋の蚊を叩いて季語が消滅し

千葉県

鈴木 久枝

55歳

冬将軍4泊5日でやって来る

東京都

橋本 ナナコ

55歳

揚げ花火三段腹の波打てり

神奈川県

加藤 孝子

55歳

干されたる大根のよう床に入る

福井県

内藤 尚子

55歳

解雇されまぶしすぎるよ春の陽は

長野県

村松 みどり

55歳

大南瓜そろそろ馬車にならないか

兵庫県

平林 野楚子

55歳

これ以上吸はぬ掃除機秋の蝉

愛媛県

栗田 修次

55歳

障害を笑い飛ばせる妻強し

熊本県

松村 元美

55歳

霧島の鹿棲む森を縫って行く

埼玉県

大島 すみ子

56歳

ひぐらしの声の先っぽ風となる

長野県

丸山 匡

56歳

UFOは海月の母船かもしれぬ

長野県

高垣 純子

56歳

魚市の蛸がい出す夏祭り

大阪府

寺岸 康守

56歳

島原の灯りまぶしい夜勤かな

熊本県

切通 英子

56歳

生徒らを叱りし帰路の月明し

北海道

増田 篤子

57歳

漬物に素粒子論を感じとる

埼玉県

横田 みち子

57歳

限界の村に今年も梅の花

千葉県

日下部 佐知子

57歳

年越しの鐘の数よりまだわかい

千葉県

黒川 厚生

57歳

酒断ちて体内時計遅れけり

千葉県

吉井 加壽人

57歳

ハイジャンプ木の葉のように越えてゆく

千葉県

小田中 準一

57歳

自販機もごろりと歌う雪の駅

大阪府

峠岡 利博

57歳

啓蟄や墨つぼに水足してやる

愛媛県

渡辺 功

57歳

父と子のじゃんけん歩き冬茜

千葉県

谷口 よし子

58歳

退職後己等は妻のアッシー君

長野県

小林 一二三

58歳

等高線四五本越えて秋に会い

岐阜県

細野 理

58歳

百年の味噌蔵香る小六月

愛知県

桑田 隆行

58歳

ゆっくりと話せば春の風になる

大阪府

赤松 ますみ

58歳

歳月に皺を刻まれ吊し柿

鳥取県

西村 朱美

58歳

人生を輪切りにすればハ長調

岩手県

高橋 悦朗

59歳

古本の『親鸞』買って冬の坂

千葉県

小泉 健治

59歳

とんぼうや句帳を覗き去りにけり

千葉県

築舘 呑空

59歳

遠花火音がとぼけて後を追ふ

東京都

小倉 真理子

59歳

年金を考えてゐる水すまし

東京都

長谷部 はる子

59歳

暖かさポッケにしまう帰り道

神奈川県

原 豊

59歳

菜の花や仏壇に陽の匂いして

神奈川県

福島 海光

59歳

今の私そのまま冬の日本海

石川県

中田 君枝

59歳

背泳ぎでさくらの海を泳ぎ切る

静岡県

今井 忠雄

59歳

腹の虫なだめてくれた握り飯

大阪府

島尾 清子

59歳

わがうちの狩人の血よ野火走る

山口県

安達 輝美

59歳

忘れ鉢隅で咲いてる福寿草

栃木県

斎藤 千代子

60歳

昼顔が客待ち顔の分譲地

埼玉県

東條 容子

60歳

いにしえの見えてきさうな式部の実

埼玉県

宇音 洋子

60歳

ブーメラン春のなごりを切ってをり

東京都

井上 かつ美

60歳

満天の星を流して光る川

神奈川県

高橋 緑

60歳

子の靴が秋を拾って帰りけり

愛知県

神戸 隆三

60歳

野仏の鼻の低さが温かい

大阪府

村上 恵美子

60歳

一つだけ残った柿を百舌と見る

大阪府

亀川 富雄

60歳

ドレミファのラが恋をして春の虹

兵庫県

立脇 操

60歳

すききらいすききらいすきはなすみれ

兵庫県

國分 則夫

60歳

初湯かな胸のふくらみそめし子と

香川県

中山 善子

60歳

音さえも隠してしまう冬の夜

大分県

松岡 好将

60歳

ふるさとをなお遠くする無人駅

埼玉県

森戸 遊馬

61歳

山盛りの春を花屋が解き放つ

埼玉県

高橋 惠子

61歳

当たったらと捕らぬ狸の宝くじ

千葉県

大和 国敏

61歳

平成の宇宙人となり冬帽子

東京都

高橋 透水

61歳

団栗の机上にひとつレノンの忌

静岡県

山崎 正憲

61歳

帰省してしきりに庭を掃いており

大阪府

谷川 すみれ

61歳

山々のびゆく音や落葉踏む

大阪府

木村 伊佐子

61歳

この星の回る音聴く花の夜

大阪府

吉田 薫

61歳

六花とは素敵なことば手の平に

鳥取県

山元 眞由美

61歳

ひっそりと文人農夫筆遺し

鳥取県

谷口 潜風

61歳

菜の花や駅弁手に手に途中下車

香川県

大池 暹

61歳

煮凝や二人に然したる話題なし

茨城県

奥村 雄治

62歳

菜畑や空の領域まで冒す

群馬県

高橋 智子

62歳

湯豆腐の湯気も上手にすくいけり

東京都

佐藤 博

62歳

カレンダーといえど富士山一礼す

香川県

大西 定

62歳

侘助や本堂までの長き廊

山形県

齋藤 峯男

63歳

獅子踊り秋夕焼の中に舞ふ

山形県

橋 善昭

63歳

赤とんぼ未だ昭和が抜けきれず

千葉県

南木 きちゑ

63歳

暖かや一日券で巡る駅

東京都

本多 永勝

63歳

落ち葉掃く男どうしの会話かな

神奈川県

南里 要

63歳

夏草の匂いの回る洗濯機

岡山県

船越 洋之

63歳

万緑の呑み込んでゆく一軒家

熊本県

牧野 立身

63歳

遠足の子等に混じって遍路行く

埼玉県

大森 昇司

64歳

一日は二十四時間かたつむり

埼玉県

廣田 絹子

64歳

燕来て余生に小さき弾みあり

千葉県

永田 球美子

64歳

独身を貫いている麦わら帽

神奈川県

加賀田 せん翠

64歳

干支の牛賀状の端で畏まる

新潟県

中村 栄美子

64歳

佗助がコロリと落ちた鉢の中

大阪府

藤原 千恵子

64歳

島渡る風に数多の干鰈

兵庫県

片山 蛍石

64歳

つばめの子地球丸いか四角いか

奈良県

窪 蓉子

64歳

ふるさとの花の便りは風に聞け

山口県

世良 昭

64歳

紫陽花の四等身を壷に活け

愛媛県

八木 紘子

64歳

雑魚寝して往時語らう夏座敷

北海道

佐藤 正文

65歳

禁断の言葉こぼしてからすうり

茨城県

海東 時江

65歳

この年を確かに生きて煤払う

埼玉県

国吉 真弘

65歳

朝市の客に囲まれ魚干す

千葉県

木村 桂子

65歳

大股で越ゆるジーパン春の泥

東京都

長谷川 瞳

65歳

郭公や雲に棹さし太公望

神奈川県

三田 義之

65歳

光る爪ベビーカー押す浅き春

長野県

横山 憲司

65歳

赤児抱く花の蕾を抱くごとく

京都府

亀谷 侑久

65歳

生身魂指輪かざしてをりしかな

鳥取県

岩水 節子

65歳

鰯雲つぎつぎ屋号告げる村

沖縄県

豊里 美代子

65歳

どか雪の二度来て未だ序章なり

秋田県

池田 崇

66歳

下車駅は今夕立の中にあり

栃木県

平川 宏子

66歳

折紙の角を合わせて十二月

埼玉県

田中 暢子

66歳

木枯しの吹きぬけてゆく埴輪の目

千葉県

小川 孝

66歳

ボロ市の売子まどろむ昼下り

神奈川県

千葉 実

66歳

寒稽古身丈に余る防具負ひ

静岡県

安藤 勝志

66歳

出来立ての寒九のカレーライスかな

兵庫県

村上 寿恵

66歳

合掌のかたちに両手春の水

香川県

田岡 弘

66歳

縄文の香りを繋ぐ稲を刈る

秋田県

池田 郷太郎

67歳

癖のある踊りの後にく不安

埼玉県

清水 三郎

67歳

門に出て初秋の風を受取りぬ

千葉県

春山 武雄

67歳

こんなことしてる場合か夢の中

東京都

喜瀬 倫男

67歳

家計簿に火の手があがる三の酉

東京都

納堂 寿恵

67歳

草の実を床にこぼして着替えする

神奈川県

原 和子

67歳

出航の敬礼受ける百合鴎

神奈川県

山口 和子

67歳

手みやげに母の大事な寒卵

長野県

曽根原 幸人

67歳

湯タンポが雪降る音を聞いている

三重県

水野 隆夫

67歳

ほお張れば母の手塩の隠し味

大阪府

寺脇 純一

67歳

黒猫のいる売り家の夏の月

大阪府

谷口 裕治

67歳

銀杏の数でもめてる茶碗蒸し

宮崎県

近藤 國法

67歳

若菜摘む地球の隅をすこし剥ぐ

埼玉県

大西 定子

68歳

寝息ごと渡す赤子や春隣

千葉県

保坂 和郷

68歳

てのひらに福の軽さよ達磨市

東京都

佐藤 まり子

68歳

桜散り日本の祭り一つ終え

東京都

津村 信之

68歳

冬木の芽空の蒼さに答えけり

山梨県

有泉 政弘

68歳

UFOも溶け込む様な冬銀河

岐阜県

不後 功雄

68歳

コーヒーを立てる間の夕立かな

和歌山県

楠木 たけし

68歳

朝霧にパン工房の匂いかな

茨城県

川田 昌

69歳

やがて来る銀河系から給水車

埼玉県

野村 辰秋

69歳

烏瓜どのスイッチを押せばつく

埼玉県

松居 一江

69歳

行く春の名残を惜しむ花筏

東京都

深井 仁志

69歳

満月を龍馬が背負う桂浜

東京都

岡村 一道

69歳

寒の水注し晩学の筆を持つ

福井県

山内 てるこ

69歳

地図の海およぎきつたる夜の蟻

岐阜県

鈴村 泰左右

69歳

騎馬戦の先頭の子の声がわり

愛知県

伊井 松美

69歳

目を入れて白極わまれり雪うさぎ

滋賀県

岡本 正平

69歳

おにぎりが百倍美味し梅日和

大阪府

日野 満子

69歳

花屑に染められてゆく石の段

大阪府

内海 善子

69歳

やりくりを妻にまかせて無一文

大阪府

中野 義弘

69歳

急ぐこと何もなけれど夏帽子

大阪府

高橋 一夫

69歳

夏期休暇右脳左脳も遊ばせて

青森県

阿久津 凍河

70歳

光る野におんぶばったの愉悦かな

埼玉県

久世 孝雄

70歳

急がぬと決めて団子や秋遍路

千葉県

中山 美枝子

70歳

公園に響く親子の否定形

千葉県

有薗 哲也

70歳

着ぐるみの汗だくゴジラ戦闘中

千葉県

宇都宮 正

70歳

みな昼寝先住民のレストラン

東京都

三浦 正明

70歳

大夏野馬体に刻む名字かな

東京都

深澤 敬子

70歳

あっちむいてぷいのまんまや十三夜

神奈川県

一宮 英典

70歳

春光に螺鈿の青の動き出す

福井県

丸岡 清美

70歳

炎天やいづこの道も地のほてり

静岡県

酒井 瑛弌

70歳

芋を掘る園児地球をゆさぶって

京都府

四方 格

70歳

欲出すな花も見頃は八分咲き

大阪府

榎木 重一

70歳

他所行きも着ぶくれてゆく母が好き

兵庫県

中井 栄子

70歳

終電の過ぎしホームに雪女

群馬県

森 美智子

71歳

賽銭の尽き果てにけり福詣

埼玉県

小澤 淳二

71歳

疾すぎて手で押えたくなる時間かな

東京都

奥脇 敏夫

71歳

石けりの小石包める春の草

神奈川県

加藤 紀久

71歳

作るほどに大きくなりぬ草の餅

神奈川県

小林 比奈子

71歳

涙ため大きな返事卒業す

富山県

林 武司

71歳

古稀すぎてなお靴軽き更衣

石川県

前川 久宜

71歳

春立つやことりと開く木の扉

大阪府

岸 薫

71歳

点滴に春の力をもらいけり

徳島県

冨本 直子

71歳

花木瓜や母のよろこぶ金平糖

愛媛県

三崎 由紀子

71歳

雪の峰ひそめ潤おう最上川

山形県

加藤 進二

72歳

田じまいの煙一筋遠筑波

茨城県

斉藤 美智子

72歳

夏掛けの我より孫へ移りけり

千葉県

後藤 次郎

72歳

水音が鳥になるまで絞りけり

東京都

福沢 千秋

72歳

あいうえお「ん」迄書けて卆園し

神奈川県

平井 弘和

72歳

クレパスの全色春の色となる

静岡県

桑原 由紀子

72歳

絵本より踊り出でたるハローウィン

愛知県

辻 昌子

72歳

初日さす窓の結露の耀きぬ

三重県

境谷 紀子

72歳

怪獣のおならという子春一番

京都府

中村 貢

72歳

ままごとやひょいととかげの客が来る

広島県

中原 弘美

72歳

温暖化地球が裂ける音ばかり

北海道

江田 三峰

73歳

米を研ぐ母の水音まだ昭和

秋田県

小林 春光

73歳

白線が残る校庭卒業す

埼玉県

角貝 久雄

73歳

年とらぬ影みちづれに初詣

千葉県

菊間 敏子

73歳

乳母車片手で開脚春の街

千葉県

比留間 丈夫

73歳

方言ではずしてくれる枝の凧

東京都

森本 和子

73歳

木菟と内緒話をしてみたい

神奈川県

金子 嵩

73歳

ハンドベル駅舎に響くクリスマス

静岡県

吉井 仁

73歳

侘助や幼なじみがひよっこりと

愛知県

森下 芙美子

73歳

これ写楽あれはピカソの福笑ひ

京都府

佐々木 信夫

73歳

子らもみな荷物持たされ暮の駅

大阪府

中西 スミ子

73歳

藁赤き古代米なり注連作

秋田県

藤原 洋子

74歳

校長の大きな顔に落花かな

神奈川県

島田 ひかる

74歳

路地夛き旧き街並風光る

兵庫県

新倉 三保子

74歳

頬被朝市の人声太き

茨城県

廣瀬 和喜

75歳

凧あげに父親の株上げにけり

埼玉県

宮田 昭歌

75歳

華やかな源氏絵巻や花の午后

東京都

井原 毬子

75歳

大根畑一直線に富士に伸ぶ

神奈川県

西岡 和之

75歳

家中で西瓜と平和の丸噛り

福井県

笹木 志津子

75歳

退屈の寄って来てゐる日向ぼこ

大阪府

寺井 満穂

75歳

金平糖分かちて春の日溜りに

島根県

池田 ツルヨ

75歳

用件を切り出す前にすするお茶

熊本県

和田 信敏

75歳

椋鳥の大群一樹をのみ込めり

北海道

羽賀 純子

76歳

種袋ふれば水恋う音がする

栃木県

川俣 百子

76歳

湯豆腐や湯気を分ちて五十年

新潟県

嶋 八重子

76歳

ようこそと椅子をすすめる日永かな

静岡県

金澤 澄子

76歳

走り根のところどころに蕗の薹

三重県

榎本 せい子

76歳

喝采に秋を奏でる混ぜごはん

香川県

三木 宏茂

76歳

春一番冬をけとばし通り去る

栃木県

七原 孝夫

77歳

薄き日を集めて杣の目刺焼く

東京都

瓜生 順

77歳

押入にしまひ忘れし余寒かな

東京都

森住 霞人

77歳

極楽へ少し間があり春炬燵

神奈川県

須佐 はじむ

77歳

冬うらら五百羅漢の五官かな

山梨県

清水 睦美

77歳

ふるさとは熊に注意の村となる

長野県

内川 伝夫

77歳

立春のカステラ厚く切りにけり

大阪府

坂本 安子

77歳

十二月八日きりりと髪束ね

兵庫県

土居 信子

77歳

鴬が来てゐるという嫁の声

埼玉県

前田 美智子

78歳

万太郎好みの猪口やどぜう汁

東京都

北山 雅義

78歳

健啖は昔のことよ雑煮餅

岐阜県

林山 章三

78歳

鉛筆のコトリと落ちし寒さかな

佐賀県

原 峻一郎

78歳

セーターにふとポケットのない不安

北海道

西明 英男

79歳

牛乳の大きなコップ若葉風

福島県

齋藤 正

79歳

寒牡丹紅のひとひら落としけり

茨城県

吉田 都代子

79歳

交番から戻ってこない蝶がいる

千葉県

はら おさむ

79歳

音沙汰という風吹くあたり梅三分

東京都

豊田 イサ子

79歳

病室に蛍放つを奢りとす

福井県

寺井 富三郎

79歳

行く秋や性善説に棹をさす

三重県

小林 秀夫

79歳

不知火の見ゆる駅まで切符買う

福岡県

牟田 正

79歳

薬より美人ナースで快復し

東京都

土方 昭光

80歳

金髪を黒に戻して卒業す

東京都

岡林 俊子

80歳

躓いた石を宇宙へ蹴りかえす

神奈川県

平綿 良則

80歳

鷹鳩と化して少年兵の墓

福井県

橋本 典男

80歳

繋がれし舟のし上げて水枯れる

静岡県

松下 茂

80歳

茶摘歌空の明るさ引き寄せる

兵庫県

田中 昭子

80歳

幼稚園サクラのような顔ばかり

兵庫県

鈴木 武夫

80歳

秋彼岸頼まれてゐる馬穴かな

北海道

佐藤 晴峰

81歳

夏近し鯨の雲が街に来た

新潟県

鈴木 寛

81歳

絵手紙の蟹が横這いして困る

岡山県

原 次代

81歳

信心といふて鰯の頭挿す

群馬県

志賀 敏彦

82歳

沈黙をこよなく愛す寒卵

群馬県

星野 平一

82歳

二人には広いテーブル冬薔薇

東京都

栗栖 和枝

82歳

夕顔に覗かれているしまい風呂

東京都

木村 光子

82歳

きさらぎの日差し牽き出す仔牛かな

福井県

橋谷 重子

82歳

鳶舞へり春爛漫を輪に入れて

長野県

仙石 佳雄

82歳

巻貝の奥は未知数おぼろの夜

岐阜県

小林 昌子

82歳

病院までの雪先づ掻いて道つくる

愛知県

春日井 純子

82歳

掌を出せば四温吐き出す蛇口かな

三重県

谷合 美代子

82歳

躓いて木の実の国へ転びけり

山口県

中本 千歳

82歳

何したと言ふことなく年暮れり

北海道

小山 良

83歳

立春や朝の新聞廻し讀み

新潟県

高橋 キヨミ

83歳

日に風に骨を抜かれし干し大根

東京都

松宮 昭

84歳

熱の児に飾り雛様抱かせけり

福岡県

山本 恒子

85歳

日本語で話す人欲し十三夜

ブラジル

赤木 まさ子

85歳

しばらくは海を見ている新入生

埼玉県

木元 恵津子

86歳

乳母車野に白蝶をふやしおり

神奈川県

多田 武

86歳

美しい汗を隠して踊り笠

徳島県

坂野 暁月

86歳

蹴る石も無き家路ゆく啄木忌

石川県

河島 春子

87歳

秋の空青一色の平和かな

長崎県

吉本 カネ

87歳

紅葉の先の先まで見つくさん

東京都

古閑 カイ

90歳

途中より教師が夢中雪だるま

岐阜県

水野 金吾

90歳

高き山富士と名づけて移民老ゆ

ブラジル

木村 都由子

90歳

地図のなき黄泉路の旅や春惜しむ

群馬県

鈴木 うめ

91歳

古団扇移民の秘話をあふぎ出す

ブラジル

小橋 矢介夫

92歳

日溜りを掬いし指に春立ちぬ

千葉県

南條 勝子

95歳

白魚の茹で上りたる匂ひかな

東京都

山際 満恵

101歳