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第十九回 お〜いお茶新俳句大賞
《 吉行和子選 》
被災地で生まれた兄ちゃん十三才
兵庫県 米一 謙弥 11歳
十一才の少年の句 あの災害を思い出しました。少年そして、その後に生れた少年は、その時の様子を聞いているのでしょう。元気なお兄ちゃんを見て、喜こんでいる気持が伝わって来ました。
《 阿川佐和子選 》
おもちゃ箱整理するたびぬいぐるみの視線
大阪府 山岡 征矢 12歳
ぬいぐるみの視線については私も常日頃から気になっていた。ぬいぐるみはかわいいだけでなく、ときとして厳しくこちらを監視している。静かにじっと自分を叱責しているような、その目に気づいた感性が面白かった。
《 浅井愼平選 》
青春という名の池に今落ちた
東京都 蒲地 佑実子 13歳
そういえば、ぼくもかつて「青春という名の池」に落ち、もがき泳いでいたように思う。そのことを作者はぼくに強く伝えてくれた。ほろ苦い抒情をありがとう。青春をたくさんうたってください。
《 金子兜太選 》
せみのようにとてもうるさいクラスです
兵庫県 石脇 亮太朗 16歳
高校生らしい率直でユーモラスな俳句だ。中小生では「とてもうるさい」とまでは言えないだろう。とくに「とても」が利いている。それと全部口語調なのも軽快で、なんとなく可笑しそうな気分をよく表している。
《 倉橋羊村選 》
寂しさも愛のかたちと気づく冬
大阪府 千石 亜矢 27歳
華やかで、浮き立つような愛がある一方で一見寂しく、激しく燃え立つように見えないながら、ある距離を置きつつ見守って、直接にアクションを起こさない愛のあり方があってもよかろう。全肯定でその人に対するのだ。
《 森澄雄選 》
編みかけも縫いかけもあり日向ぼこ
神奈川県 石井 フサ子 82歳
疲れて根が続かないのか。編みかけたもの、縫いかけたものが膝や身辺にあって、日向ぼっこをしている、という八十二歳の自画像。一句の思いは深い。表現そのときの感慨を素直に言い取っているのが佳い。