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第十九回 お〜いお茶新俳句大賞

佳作特別賞 その3

第十九回伊藤園お〜いお茶新俳句大賞 各部門受賞者
優秀学校賞 英語俳句の部 佳作特別賞その3 佳作特別賞その2 佳作特別賞その1 佳作特別賞 都道府県賞 後援団体賞 審査員賞 一般の部B(40歳以上) 一般の部A(40歳未満) 高校生の部 中学生の部 小学生の部(幼児含む) 優秀賞 各部門大賞 文部科学大臣賞
佳作特別賞 その3

桃の日や両手で受ける母子手帳

東京都

岩本 里美

35歳

深呼吸したくて春に切符買う

東京都

中橋 祐子

35歳

こんなにも小さく見える母の肩

東京都

前田 美千代

35歳

今日もまた雑踏の中泳いでる

東京都

渡辺 素子

35歳

足早の夏を追いかけセミが鳴く

東京都

吉藤 史貴

35歳

春を待つ小さい背中とランドセル

神奈川県

三好 美和

35歳

夏花火夜空に刹那を描き散る

神奈川県

吉野 光春

35歳

踏み出していつか心の雨あがる

神奈川県

堀井 由理子

35歳

サーファーのいつせいに立つ波頭

神奈川県

黒澤 麻生子

35歳

木漏れ日を麦藁帽子ですくい上げ

愛知県

朝岡 栄治

35歳

軒下に二百二十日の軍手干す

京都府

芦田 美幸

35歳

いつまでも沖に手をふる島の母

京都府

前田 美穂

35歳

夏風に腕まくりする少年よ

京都府

 さおり

35歳

北風が冷たくなるほど母想う

京都府

浦野 晶子

35歳

かくれんぼ見つかりたくて顔を出す

大阪府

久保 久美子

35歳

たぶんねえポプラ並木は跳ねてるよ

大阪府

葛城 創

35歳

野の春を持ち込み猫と宴をす

広島県

松井 加代子

35歳

初恋の春をカクハンさせており

福岡県

鍛治 尚子

35歳

山笑う夢見鳥かな一年生

長崎県

本田 奈都美

35歳

雪解けの川が奏でる前奏曲

北海道

中島 奈巳

36歳

松明けてパンの香りの厨かな

青森県

折舘 珠慈

36歳

春の空今日は飛んでけ風見鶏

茨城県

佐藤 直子

36歳

茶柱を無理矢理立てる嫁心

栃木県

新井 みほ

36歳

ふるさとの枯野に立ちて風になる

千葉県

舘山 かおり

36歳

幼子と戯れ落ちるなごり雪

富山県

渡部 克昌

36歳

ご飯がねとてもうまいんだ生きてるな

静岡県

板倉 貴之

36歳

粉雪に我関せずと川魚

三重県

北崎 進一

36歳

シャンプーの柑橘系や梅雨あがる

大阪府

藤田 優子

36歳

ひんやりと玄関広し里帰り

大阪府

川村 敬子

36歳

携帯に好きだと書いて未送信

兵庫県

安田 司郎

36歳

増えてくるへのへのもへじ冬の窓

福岡県

青木 志保子

36歳

雪積もる寝息のような静けさで

福岡県

利倉 ゆき

36歳

パレットの空に広がる銀杏かな

福岡県

木村 晃久

36歳

街灯の明かりに照らされ雪が舞う

福岡県

岩本 恵樹

36歳

春風も地下のホームに降りてくる

アメリカ

畠山 衛

36歳

爪切って下着をかえて大試験

北海道

乾 勝統

37歳

靴下の五本指なり雪卸

山形県

丹治 正暁

37歳

木枯らしに抱かれて一人切ない夜

茨城県

庄司 まゆみ

37歳

白い帆や流星群に手を広げ

埼玉県

近藤 真由美

37歳

ぬか床に思い出漬ける三日月夜

千葉県

高澤 養子

37歳

放課後の手話の子たちの賑やかさ

千葉県

坂本 えり奈

37歳

母の磨る墨音低し後の月

東京都

三ッ木 貴臣

37歳

春キャベツ食べに出かけるとんかつ屋

東京都

曽根 優子

37歳

夕焼けに負けぬ紅葉のグラデーション

東京都

肥沼 美花

37歳

朝顔のつる伸びゆきて空巻きて

東京都

栗原 亜矢子

37歳

炎天に入道雲の高い波

神奈川県

金子 勇一

37歳

冬銀河自分探しの旅に出る

石川県

冨岡 香矢乃

37歳

思い出と写真の山の家族旅行

愛知県

増田 有香

37歳

寄り添って親も消してるケーキの灯

大阪府

古賀 悦子

37歳

竹林の右ななめ上おぼろ月

兵庫県

中村 妙子

37歳

木の実降る見えぬ木霊と語らう子

奈良県

湊 みさ

37歳

たんぽぽの綿毛ゆらりとロマン旅

徳島県

松田 由美

37歳

蝮居て蝮の匂ひしてをりぬ

宮崎県

伊藤 克哉

37歳

船上で去りゆく島に礼をいう

鹿児島県

坂野 博志

37歳

ひつじ雲夕日の球をおいかける

沖縄県

浦崎 綾子

37歳

放課後の金魚の行方がわからない

北海道

安田 こずえ

38歳

妙齢の肌に優しき柚子湯かな

北海道

河野 美奈子

38歳

精巧な花粉感知器僕の鼻

東京都

疋田 博昭

38歳

冬の月そのつめたさのたしかさよ

東京都

小野 裕紀子

38歳

さよならを言わずに立ち去る陽炎よ

神奈川県

木下 陽子

38歳

気がつけば妻の手のしわ母に似る

新潟県

澤口 正俊

38歳

逆立ちの影を伸ばして暮るる夏

新潟県

植木 恭則

38歳

スズメらが咲いてるという寒椿

石川県

水上 猛之

38歳

明日は雪米研ぐ母の一人言

岐阜県

小林 亜紀

38歳

ラブレター百円切手がめくれそう

静岡県

匂坂 茂則

38歳

ひと雨の力みなぎるなすびかな

静岡県

村松 貴惠

38歳

靴紐を結んで蝶のように舞い

愛知県

大原 泰彦

38歳

図書室で芽ぶく少女のものがたり

大阪府

前田 佳子

38歳

春よ来い幸せ共に早く来い

大阪府

岡 慎一郎

38歳

帰省して親に甘えて子に戻る

大阪府

大和 有希子

38歳

憂鬱な日大きく空を吸い込めり

大阪府

水井 智子

38歳

さらさらと流れる小川に身をたくす

兵庫県

光山 道潤

38歳

すぐ乾く男の髪や日雷

大分県

吉平 寿歳

38歳

スキップの白靴通す改札機

北海道

奥山 真由美

39歳

雪掻きの山にも負けぬ力瘤

秋田県

佐藤 正明

39歳

大根めし夫婦は別のこと思う

茨城県

野口 きぬえ

39歳

それぞれの母がおります花筵

埼玉県

山戸 則江

39歳

文鎮と半紙が急かす筆頭

埼玉県

久田 敏彦

39歳

素直なる顔を揃へて土筆立つ

埼玉県

小薬 全子

39歳

この箱が最後となりし父の桃

東京都

田中 和幸

39歳

新雪に野鳥が描く地上絵かな

長野県

 明子

39歳

ゆっくりと海に夕焼けとけていく

愛知県

宮嶋 洋恵

39歳

沈みゆく夕日にはにかむ茜雲

愛知県

千須和 由美

39歳

一人子のさくさくならす霜柱

愛知県

犬塚 正美

39歳

淡雪やなつかぬ猫の声に似て

広島県

石丸 はるみ

39歳

冬の海夕日の色を染め直す

広島県

二藤 温子

39歳

砂浜に静寂という陽が満ちる

徳島県

原 敏彦

39歳

秋晴れの紅葉ちりばめ水鏡

福岡県

木村 春美

39歳

万愚節タコがぐにゃりと踊り出す

千葉県

高坂 朔夜

40歳

レノン忌のホワイトポインセチアかな

神奈川県

山路 なつえ

40歳

猫まわる追うも逃げるも自分の尾

神奈川県

鈴木 洋一

40歳

春雷のパタンと閉じるピアノかな

大阪府

松本 ひろみ

40歳

キラリンと着信鳴らして虹が立つ

兵庫県

磯田 君子

40歳

別れから始まる春の私小説

愛媛県

紙崎 文孝

40歳

身を屈めパセリの森へ迷い込む

沖縄県

森田 理佳

40歳

挨拶もみなおろしたて一年生

埼玉県

神岡 きぬ絵

41歳

ウエストと家計に響くバイキング

大阪府

久保 澄子

41歳

そこにいるあなたが遠く春がすみ

秋田県

三浦 由美子

42歳

ガラス器を洗い上げたる立夏かな

千葉県

加藤 裕子

42歳

柏手で新年の夢動き出す

新潟県

宮尾 俊行

42歳

昼寝覚めしばし浦島太郎なり

愛媛県

紙崎 照明

42歳

山茶花や掃く音高き竹箒

福岡県

平井 梨彩

42歳

日曜日時雨知らずに洗車する

群馬県

並木 淳子

43歳

この国の広がる格差目刺焼く

東京都

大野 哲太郎

43歳

屏風からこぼれて咲くや寒椿

東京都

平林 典子

43歳

母子手帳もらって覚悟のようなもの

神奈川県

和泉 まさ江

43歳

青空を背負い真夏の旅に出る

徳島県

藤本 亜矢子

43歳

木の実落ち銀河に星の生れけり

北海道

松田 佳子

44歳

詰め草に小さき灯ともる日暮れかな

埼玉県

松本 潤子

44歳

晶子にはなれず香水少し噴く

千葉県

森 寛子

44歳

母の日や母になれずに本を読む

東京都

谷村 節子

44歳

ずっしりと春の固まり赤子抱く

東京都

内野 花音

44歳

味噌汁の湯気ゆるゆると震災日

兵庫県

後藤 稔

44歳

別れより咲いた桜に泣かされる

鹿児島県

中村 博美

44歳

年惜しむ古着を捨てるかのように

茨城県

山手 恭子

45歳

肝試し待ち疲れてるお化け役

埼玉県

内田 隆一

45歳

青年にあざやかすぎるソーダ水

千葉県

石藤 浩一

45歳

行く春や時間をさがす地図のなか

東京都

札場 康人

45歳

ゆっくりと育ってほしいとひなまつり

愛知県

熊澤 芳美

45歳

ベルギーが絵画のように暮れてゆく

大阪府

上山 たえ子

45歳

春はまだ掌のなかにあり航海図

兵庫県

今井 豊

45歳

囀りや内緒話のない地球

広島県

坂田 和彦

45歳

蔓草のまっすぐ伸びる神の留守

山口県

内田 和子

45歳

勉強が嫌いでどんぐりころころす

愛媛県

加藤 真理子

45歳

木枯らしも押したい背中選んでる

鹿児島県

松元 尚美

45歳

拍子木の軽き響きぞ夜を打てり

群馬県

頼富 雅博

46歳

色鳥や新書のようにひるがえり

埼玉県

有永 克司

46歳

生きてゆく麦踏みの麦思いつつ

東京都

吉際 弘美

46歳

冬眠の亀もめだかも真面目なり

東京都

石井 ひろし

46歳

腕時計止まっておりぬ文化の日

神奈川県

北郷 聖

46歳

羽布団太陽系の中に干す

兵庫県

松下 弘美

46歳

ルージュだけ秋色にして異人館

兵庫県

長谷川 美和子

46歳

赤ちゃんのくつした半分旅してる

福島県

本田 公成

47歳

ゆるゆると心ほどける湯あみかな

神奈川県

加藤 裕子

47歳

ひらがなのようにほどけて素足かな

神奈川県

西田 克憲

47歳

百歳の秘訣と聞かれ冷奴

愛知県

青井 光義

47歳

後ろからやって来た春に追い越され

兵庫県

金曽 和子

47歳

如月の絵皿に何を乗せようか

埼玉県

山口 幹男

48歳

秋扇バッグにしまう恋ひとつ

神奈川県

柳原 真江

48歳

そこだけがぽっかりと春福寿草

長野県

市川 和江

48歳

花筏昨日と違う我ゐたり

静岡県

内藤 千鶴子

48歳

わが影を水に沈めて紙を漉く

兵庫県

藤野 佳津子

48歳

携帯の会話途切れて遠花火

兵庫県

岩倉 佳代子

48歳

釣竿のぐわんと唸り空は秋

兵庫県

江口 雅敏

48歳

真すぐな骨ばかりなり冬木立

福岡県

山本 いく子

48歳

朝の霧パン一枚で消えてゆく

群馬県

井汲 真理

49歳

受験子の消しゴムで消す夢ひとつ

群馬県

勅使川原 徹

49歳

頼まれて他人の分まで詣でます

埼玉県

大岩 一博

49歳

菱餅の彩反り返る雛納め

東京都

本田 いづみ

49歳

ランドセル開けては閉める一年生

東京都

前田 耕一郎

49歳

脱走の埃引きずる甲虫

大阪府

豊 英二

49歳

眼を閉じて飛び込む水の深さかな

大阪府

吉松 光代

49歳

同窓会いつのまにやら生存会

大阪府

長谷 真由美

49歳

虹つかみ繩跳びしたい雨上がり

佐賀県

吉村 金一

49歳

つり革に春の眠りがぶら下がる

埼玉県

菅野 耕平

50歳

真夜中に百合は香りを整える

千葉県

日下部 敦世

50歳

風薫る町の小さな音楽祭

東京都

関塚 文子

50歳

ブランドの花瓶一輪野を活ける

神奈川県

鈴木 正実

50歳

あやとりの小さな手から天の川

長野県

小岩井 俊彦

50歳

陽炎に教わっているフラダンス

三重県

松井 政典

50歳

ははの日の母ひらがなで呼んでみる

大阪府

田原 玄三

50歳

秋の海振り返つてなどやるもんか

東京都

岡本 輝久

51歳

恐竜の足の形の落葉踏む

愛知県

出口 敬章

51歳

丁寧に生きてゆきたし若葉頃

大阪府

中島 尚美

51歳

しなやかに負ける日もあり秋桜

大阪府

岩崎 伊知子

51歳

地球抱き拍動を知る熱帯夜

兵庫県

小田 慶喜

51歳

スイミングひとときだけの人魚姫

広島県

福部 慶子

51歳

恋愛はバケツの中のかに二匹

福岡県

大石 多恵

51歳

母在らば八十三粒の年の豆

大阪府

本 洋子

52歳

露草や生き方もっとあったはず

熊本県

 三津子

52歳

美男子をいつも夢見る雪達磨

北海道

伊藤 哲

53歳

スッピンの妻に偽装を発見し

埼玉県

中垣 薫雄

53歳

柿の実にかぶりついてる夕陽かな

神奈川県

山田 祥子

53歳

狛犬の吠え出しそうな大暑かな

三重県

岩田 安祐

53歳

大空へ風を梳きたる芒かな

岡山県

石原 和美

53歳

春隣パンフレットの光りけり

長崎県

江良 修

53歳

編み手止め絡まる糸に明日の夢

群馬県

関口 桂子

54歳

今焼きし父かと風花を仰ぎ見る

東京都

柏木 茂

54歳

この穴はブラジル行きの蟻の穴

東京都

山内 睦雄

54歳

紅差して今日の私ができあがる

兵庫県

新土 香代

54歳

しゃぼん玉ちいさな嘘をひとつだけ

群馬県

種 久子

55歳

寒卵しづかに息をしてゐたり

千葉県

楠見 恵子

55歳

途中下車そこから始まる旅もある

東京都

高橋 誠一

55歳

じゃがいものでこぼこ匂う母娘

神奈川県

西野 明男

55歳

口いっぱいの銀河広がる金平糖

新潟県

荒井 千代子

55歳

緑蔭にままごとの椀残りをり

兵庫県

田村 春美

55歳

身のうちを夢はみ出して花火かな

兵庫県

藤原 慶子

55歳

夕焼けをスカーフにして散歩かな

福岡県

末永 加代子

55歳

耳鳴りを一瞬消して小鳥来る

熊本県

吉永 大

55歳

まんじゅしゃげ祖先の田んぼに人が住む

カナダ

榑松 こずえ

55歳

大寒や枝のかたちに鳥止まり

千葉県

野口 達雄

56歳

初孫に似た面持ちの野の仏

東京都

品川 尚之

56歳

絵の具まだ塗り終わらずに卒業す

岐阜県

金子 秀重

56歳

冬野菜全部煮込んで祖母になり

大阪府

橋本 好美

56歳

主婦という選択肢あり花八つ手

千葉県

橋本 和行

57歳

お迎えはカボチャの馬車にしてほしい

大阪府

山本 正美

57歳

なにもかもこぼれおちさう春着の子

大阪府

鈴木 茂雄

57歳

薫風やヘップバーンになってみる

兵庫県

加藤 学

57歳

お茶会の椿は助演女優賞

山口県

久保田 麗二

57歳

カナブンのドンキホーテが窓を打つ

長崎県

前田 庸典

57歳

後ろ手を解いて麦踏み終わりけり

長崎県

西 史紀

57歳

出来立のパズルを剥がす棚田かな

茨城県

宮本 四郎

58歳

雪が舞ふ喜怒哀楽の通い路

千葉県

柏山 宮土

58歳

落鮎を焼いて夕陽を滴らす

東京都

関根 直美

58歳

占いは静かに伏せて力こぶ

東京都

山崎 文代

58歳

きつね鳴く小春日和の影遊び

神奈川県

角 律子

58歳

海開きツルゲーネフを読み返す

静岡県

今井 忠雄

58歳

ほろ苦い菜の花含み母偲ぶ

大阪府

小槻 芳樹

58歳

掛け声を発して動く暮れの椅子

兵庫県

十川 能行

58歳

ゆく年や苦労知らずの土踏まず

熊本県

あまの 樹懶

58歳

ジーンズの膝の大穴青嵐

山形県

成澤 恵美

59歳

コスモスの数だけ風のゆるるなり

埼玉県

宇音 洋子

59歳

教室に粉雪つれて夜学生

埼玉県

柳田 智

59歳

魔法かもしれぬ都会の雪一夜

東京都

柏崎 澄子

59歳

背を伸ばし還暦の日のかき氷

神奈川県

岡田 衣子

59歳

ふるさとの鳴るにまかせり古時計

静岡県

渡辺 豊子

59歳

メール打つ春風よりも早く着く

愛知県

神戸 隆三

59歳

無駄のある暮らし楽しむ寒卵

愛知県

鈴木 和子

59歳

還暦や左へ流す術覚え

兵庫県

山下 道世

59歳

桜木の満を持したる幹の張り

岡山県

田中 典子

59歳

空蝉の背負いし海の鎮もりぬ

茨城県

諸藤 留美子

60歳

春風にふんわり乗れた一輪車

埼玉県

小磯 富惠

60歳

走る走るおんなたち春を追い越す

埼玉県

長島 千恵子

60歳

霜柱踏んで寒さが突き抜ける

埼玉県

小泉 眞理

60歳

銀河系のこの界隈を着ぶくれて

千葉県

松澤 龍一

60歳

去りゆけば全て良き日ぞ草青む

東京都

大根田 まりえ

60歳

数え日や秘密を食べるシュレッダー

東京都

望月 皓美

60歳

蝉時雨母に嘘つきとおしけり

新潟県

草野 正信

60歳

春の宵ただ今猫の会議中

富山県

吉野 恭子

60歳

ちゅーりっぷドレミドレミと咲いている

静岡県

川瀬 慶子

60歳

蒼空へ自己発信す冬木の芽

静岡県

山口 秀夫

60歳

霜柱声あげている最中なり

大阪府

谷川 すみれ

60歳

妻の座の自由不自由おでん煮る

兵庫県

渡邉 美保

60歳

葉桜や鈍感力を育てをり

兵庫県

松山 紅

60歳

落葉から禅問答が流れくる

兵庫県

大和田 弥恵子

60歳

その先のことまで蝶は気に止めず

熊本県

園田 浩

60歳

生かされて生きてひとりの春の山

大分県

坂田 正晴

60歳

てのひらにふはりと小春日和かな

千葉県

松本 好勝

61歳

律儀に歩むべしと尺取の言ふ

静岡県

小山 定子

61歳

いたどりのまっすぐな音折り取りぬ

三重県

古川 和子

61歳

思い出の半分妻が持ってゆき

大阪府

稲垣 智久

61歳

雨の田に家族団らん鴨の群れ

北海道

佐藤 義勝

62歳

霜柱踏んで子守の始まりぬ

山形県

橋 善昭

62歳

男名の豆腐ふつふつ根深汁

埼玉県

久保庭 美代子

62歳

春泥を千鳥のごとくかはしけり

埼玉県

下村 久子

62歳

緋牡丹に触れて無口となるふたり

埼玉県

西 智恵子

62歳

不覚にも桜吹雪に溺れたり

神奈川県

北村 純一

62歳

蒲団ほす日本人である限り

岐阜県

平山 圭子

62歳

月光を携帯電話に充電す

大分県

岸本 千鶴子

62歳

同窓会先生よりも生徒老け

栃木県

吉沢 久子

63歳

春愁の置きどころなき肘双つ

東京都

加能 海

63歳

特売にされてピーマン青くなる

東京都

武田 克子

63歳

菜の花やこみあげてくる海の紺

神奈川県

石橋 智子

63歳

草いきれ息子の妻を何と呼ぼう

神奈川県

丸山 千登喜

63歳

春の日や少し若めの色を選る

静岡県

佐野 由利子

63歳

夕焼けが独りの秋をそっと染め

愛知県

高田 節子

63歳

日溜まりの母口ぽっかりと山笑う

大阪府

山畑 勝二

63歳

襟元をひとつ外して春を入れ

兵庫県

松本 和子

63歳

アザラシのくるりと回って春の貌

北海道

粥川 勝彦

64歳

わが夢はまだ春潮の沖にあり

福島県

大槻 弘

64歳

初夢の筋たどれどもまとまらず

埼玉県

柴田 仂

64歳

ぶらんこの地球とび出すまで漕ぎぬ

東京都

長谷川 瞳

64歳

笹の葉を蹴りて運ばる籠の鮎

東京都

坂内 タミ子

64歳

駅弁の素焼のお茶のなつかしき

東京都

齊藤 邦宏

64歳

風光る私の影が動きだす

神奈川県

渡辺 帰一

64歳

産声をあげて筍掘り上がる

神奈川県

河西 俊一郎

64歳

誰にでも声かけたくて蕗の薹

神奈川県

河西 みさを

64歳

本心を泳がしている水中花

長野県

亀山 佐助

64歳

還暦の髪を仕舞ひし冬帽子

大阪府

松下 浩二

64歳

父の日を置いてけぼりに母の旅

福岡県

赤松 桔梗

64歳

サーカスを見ずに華やぐ葱坊主

熊本県

野田 遊三

64歳

迅雷に積木の一つ崩れたり

茨城県

藤 和子

65歳

パソコンが癖字をかくす年賀状

埼玉県

荻原 金司

65歳

看護師の手の甲にメモ春立てり

千葉県

 恵子

65歳

足うらに土やはらかし梅日和

千葉県

山岸 修

65歳

焼芋のほっこり割れて仲直り

神奈川県

中村 秀夫

65歳

待春のファッション誌より抜け来しか

兵庫県

村上 寿恵

65歳

ゆつくりと溶ければ蝶になれるはず

香川県

田岡 弘

65歳

竹馬に王者のような顔となる

愛媛県

三谷 淳子

65歳

手つなぎは若葉マークか老夫婦

福岡県

鐘ヶ江 久惠

65歳

蕗の薹たましいむくっと起きにけり

福岡県

村山 ヤスエ

65歳

蕗味噌や絆と言う字噛み締める

秋田県

池田 太郎

66歳

がら空きの余生へ飛ばす夏帽子

埼玉県

清水 三郎

66歳

恙なく過ごしてますかと燕来る

東京都

川口 年子

66歳

着メロで飼うひぐらしが鳴く会議

神奈川県

佐藤 龍夫

66歳

草紅葉紛れ込んでる地平線

神奈川県

山口 和子

66歳

石焼芋銀座は英字新聞紙

神奈川県

神林 和子

66歳

指切りを雪だるまにも見てもらう

神奈川県

古田 哲弥

66歳

大寒に八丁味噌の香り立つ

愛知県

早矢仕 邦夫

66歳

うららかや湯に浸けられし笊玉子

広島県

有田 照美

66歳

校庭に押しくらまんじゅう寒に入る

福岡県

白井 道義

66歳

冬の金魚ダリアの花の咲くように

長崎県

奥村 京子

66歳

花衣解くやよそゆき顔も解く

埼玉県

長尾 和子

67歳

木魚を叩いてみたい葱坊主

埼玉県

大西 定子

67歳

おじぎ草マナーモードでこんにちは

千葉県

宮田 美代

67歳

老いて尚畑は友と霜を踏む

東京都

津村 信之

67歳

大寒のシリウスといま交信中

神奈川県

井田 淳子

67歳

鉾杉を芯に拡がる鱗雲

岐阜県

池田 たかみ

67歳

緑蔭に指ひらひらと手話の人

愛知県

加藤 久子

67歳

春雨や書かねば俳句消えて行く

大阪府

南 政義

67歳

ラガー等のどっと居並ぶ足湯かな

兵庫県

吉藤 美也子

67歳

無事知らす余白の賀状届きけり

兵庫県

上野 克巳

67歳

白梅や人より猫の多き路地

長崎県

麻生 勝行

67歳

栞紐ぴんと伸ばして一葉忌

宮崎県

河野 正

67歳

終章は風の指揮する花ふぶき

茨城県

阿部 剛太

68歳

開店の旗持たされて雪だるま

茨城県

植木 登久

68歳

静かなりいつも変わらぬ里景色

埼玉県

松浦 美智子

68歳

雪吊りの外れた木から笑い出す

埼玉県

金子 功

68歳

春一番鯨の昼寝破られず

東京都

一井 魁仙

68歳

枝打ちて光と風の子が走る

神奈川県

小嶋 恵美

68歳

チャンバラの少年老いぬ蜆汁

神奈川県

菅谷 淑子

68歳

少女らの笑いはじける桜坂

長野県

岩原 辰幸

68歳

買わずとも手拍子を貸す達磨市

長野県

平澤 眞

68歳

日向ぼこ家族みんなの手相みる

愛知県

伊井 松美

68歳

古代には恐竜なりし羽抜鳥

大阪府

 経

68歳

干した布団が春一番を吸い込んだ

愛媛県

紙崎 ミノル

68歳

桃の花なにをいのるや小さな手

宮城県

遠藤 京子

69歳

春寒や右肩上げて生きてをり

宮城県

外崎 光秋

69歳

水餅の息つく水を新たにす

茨城県

 正紀

69歳

三界に子の在ればこそ鰯雲

埼玉県

田坂 妙子

69歳

心配は芽が出るまでのフキノトウ

千葉県

長谷川 庄二郎

69歳

電動の自転車で来るちゃんちゃんこ

東京都

三ツ木 宗一

69歳

古希の春いよいよ遊び盛りかな

東京都

三浦 正明

69歳

海鳴りを聴いて古代の人となる

東京都

井川 實

69歳

春の山片っ端から電話かな

神奈川県

太田 良一

69歳

緋牡丹の散りて地を這ふ炎かな

岐阜県

石川 弘之

69歳

吾が陰に母入れて行く炎天下

岐阜県

加川 喜泉

69歳

ジーンズのまろやかな尻稲を刈る

大阪府

北埜 裕巳

69歳

幼子の掌をあけみれば春の風

大阪府

岡山 稔

69歳

思い出のかけらも育つ穀雨かな

兵庫県

田中 俊

69歳

ひとり分宇宙を確保大あくび

北海道

高木 隆春

70歳

柚子の香の立てり冬至湯沸きにけり

埼玉県

伊藤 厚子

70歳

信濃路や若葉の山の押し合へり

埼玉県

人見 正

70歳

武藏野の風音秋に入りけり

埼玉県

近藤 康紀

70歳

高齢者若者よりも腕自慢

埼玉県

高尾 初美

70歳

長男は自立しました次郎柿

千葉県

渡辺 礼子

70歳

祖父母席設けてありぬ運動会

神奈川県

津田 美奈子

70歳

そこからは地球おぼろかおぼろ月

石川県

前川 久宜

70歳

だんじりに犬も法被でひた走る

大阪府

竹中 準二

70歳

空き缶を踊らせ春を告げる風

高知県

青木 晏子

70歳

飴玉で喉をなだめる煤払

茨城県

小池 つと夢

71歳

雛壇をぬけ来しほどの雛の客

茨城県

皆見 欣男

71歳

記憶みな翼にあって鳥帰る

群馬県

小桑 文秋

71歳

白髪染め爪に残して晦日蕎麦

埼玉県

小笠原 勝弘

71歳

薫風に顔すり合わす放ち馬

埼玉県

川崎 洋子

71歳

干蒲団ははの縫い目が顔を出す

千葉県

荒井 玲

71歳

いつ溶ける心に住みし雪女

千葉県

 智長

71歳

母の日の母のゑくぼに会ひに行く

東京都

沢 実

71歳

億兆の星の一つで豆を撒く

神奈川県

戸村 達

71歳

残雪の形で戻る少年期

神奈川県

間下 稔

71歳

猫に鈴つけて昼寝の邪魔をされ

愛知県

山田 秀雄

71歳

せっかちとわかる扇子の使いかた

愛知県

後藤 たず江

71歳

連山の真近に見えて今朝の雪

三重県

境谷 紀子

71歳

少年に戻れば優し冬銀河

大阪府

森 一心

71歳

大根の形にいわくありそうな

岡山県

国定 寿美子

71歳

炬燵番一の座二の座ありにけり

福岡県

花田 菊江

71歳

腕白の逃げるあと追う麦の波

熊本県

平山 友頌

71歳

退屈をまるく納めて葱坊主

秋田県

小林 春光

72歳

コスモスが手を振っている登下校

栃木県

平澤 照月

72歳

代々の家訓を守り目刺焼く

千葉県

伊庭 百合子

72歳

青空は自由席です花吹雪

神奈川県

金子 経子

72歳

日の色を梢に残し木守柿

神奈川県

藤井 慶子

72歳

蛮声も力のひとつ受験の子

長野県

内堀 迪夫

72歳

古稀をなほ野菊のやうな君に会ふ

長野県

原 太郎

72歳

早春のぐいと曲りし象の鼻

京都府

佐々木 信夫

72歳

眠る児のしかと握れる木の実かな

大阪府

小林 千寿子

72歳

うすうすと背のさみしき日向ぼこ

広島県

津田 和敏

72歳

蝉しぐれ法話いよいよ佳境なり

大分県

野口 銀平

72歳

先生に別れの校歌春港

鹿児島県

宗像 隆

72歳

惑星の一つに西瓜冷やしをく

秋田県

中村 榮一

73歳

花街の跡に影なす猫柳

茨城県

大氏 一郎

73歳

パレットに小さな秋の落葉来る

埼玉県

松川 幸江

73歳

近づいて来さうな春の地平線

埼玉県

豊田 トヨ子

73歳

逆立ちし地球支える子供たち

埼玉県

大木 清

73歳

ひとしきり雨に騒げる青田かな

東京都

今泉 忠芳

73歳

大の字になりて故郷の銀河見る

東京都

菅野 四郎

73歳

なずな粥吹くや昭和と別れし日

新潟県

渡部 洋子

73歳

焼きすぎて父の匂いのする秋刀魚

三重県

池田 三治郎

73歳

木の芽吹く佐渡は怒涛を跳ね返し

大阪府

井島 正

73歳

葱刻む余生の音となりしとも

兵庫県

婦木 文代

73歳

西瓜割り一刀両断とは成らず

兵庫県

瀬野 覚

73歳

天高しまたも打たれしホームラン

奈良県

久米 朋尚

73歳

風蹴って空翔ぶ構へ茄子の馬

広島県

佐渡 順三

73歳

茶畑で話せば誤解消えにけり

愛媛県

泉 早苗

73歳

ひとときは母の子となる草の餅

北海道

藤木 英子

74歳

雪掻いてポテトチップの軽いこと

茨城県

山口 志津子

74歳

春風を廻し縄とびする子かな

千葉県

月岡 千秋

74歳

母涼し木綿のように卒寿越ゆ

東京都

木下 小夜子

74歳

天井に龍を鳴かせて神の留守

神奈川県

田村 すゝむ

74歳

待春の小さき靴の揃えあり

神奈川県

青木 良子

74歳

新緑をはみだしている人の足

長野県

 犀西

74歳

白鳥の声に一村ふくらみぬ

長野県

 明人

74歳

垂直に時間流るる冬銀河

愛知県

鈴木 昌宏

74歳

もう一歩踏み出しかねるかえるの子

滋賀県

村木 良江

74歳

学僧のまだまだ青き葱坊主

大阪府

松崎 不二男

74歳

二日はや釘打つ音のしてをりぬ

大阪府

黒田 嘉子

74歳

おおい雲ぼくの故里見えるかい

大阪府

前川 佳久

74歳

月を連れ鍬を荷ひし秋の暮

広島県

釜山 齊治

74歳

煮凝りの弛みしほどの日和かな

福岡県

進 寿治

74歳

穂芒の一本はきっと少年

大分県

野田 嘉治

74歳

旅支度四月の色の切符買ふ

茨城県

押野 曉子

75歳

日溜りのぬくみ集めて野水仙

埼玉県

弓田 敏子

75歳

コスモスや笑ふ少女の糸切歯

東京都

赤木 紀子

75歳

桐の実が鳴って下校の時間です

神奈川県

牧 ちひろ

75歳

ロボットのゆび全開し初しごと

富山県

不破 元之

75歳

火と水の神祀られし大氷柱

愛知県

大矢 守

75歳

茶わん市黄砂払いて包みけり

愛知県

佐藤 憲一

75歳

藁屋根の色に染まりし氷柱かな

兵庫県

田中 寛子

75歳

玻璃ごしの猫と目の合ふ寒さかな

群馬県

金子 久子

76歳

雲と話そうブランコ大きく漕ぎ出だす

埼玉県

高橋 明江

76歳

冬たんぽぽ無党派層でありにけり

千葉県

横山 健三

76歳

人生を巻きもどしたい古時計

千葉県

斉藤 冴子

76歳

竹を伐る一打一打の谺かな

東京都

溝上 正利

76歳

初恋と問えばころころラムネ玉

東京都

瓜生 順

76歳

新樹よりこぼるる若さいただきぬ

東京都

山田 澄子

76歳

初雪が春一番に先越され

神奈川県

橋 七郎

76歳

連れ合いのありて嬉しき牡丹寺

長野県

荻原 静歩

76歳

いまゆけば潜れさうなる虹の橋

岐阜県

高橋 信康

76歳

夕焼けや戦禍の記憶なぞりけり

愛知県

村松 徳子

76歳

春の陽はくすぐったくてシクラメン

愛知県

岩間 絹代

76歳

朝霧や渾身こめて鐘を撞く

大阪府

太田 禎子

76歳

夕焼けに踏み込んで行く万歩かな

ブラジル

玉田 千代美

76歳

語り部のひとりとなりて終戦日

北海道

鹿又 正直

77歳

泥田にも誇りありけり蓮開く

群馬県

小野里 満

77歳

人形の手足が動く春の宵

群馬県

斎藤 もと子

77歳

チューリップ明日をはみ出すように咲き

埼玉県

中野 政江

77歳

落日の重さを背に稲を刈る

埼玉県

堀上 一成

77歳

里山は優しい高さ水温む

埼玉県

柏木 晃

77歳

京人参籠からのぞく師走かな

東京都

前島 玲

77歳

月山に雲湧き出ずる春の午後

東京都

中村 澄

77歳

マフラーの子に伸びてくる象の鼻

新潟県

飯塚 不二男

77歳

生きるとは雪降りつづく暮らしぶり

長野県

合津 三木夫

77歳

新巻の忿怒あらはに吊される

愛知県

平松 桂

77歳

山笠の流れも早し男衆

福岡県

末澤 六郎

77歳

時雨るるや泡立つごとく団地の灯

大分県

大石 恭平

77歳

でで虫を預けて守備につく少年

北海道

四ッ柳 高保

78歳

流燈の駄駄をこねつつ遠去かる

群馬県

相 光雄

78歳

UFOはこの世あの世の連絡船

千葉県

北 光二

78歳

たんぽぽの絮吹く顔の隙だらけ

東京都

藤本 修

78歳

秋桜切手を貼らぬラブレター

神奈川県

榎本 礼子

78歳

自販機がもの言いたげなおぼろの夜

愛知県

尾関 藻雨

79歳

一輪の侘助部屋の淑気かな

熊本県

切口 わか

79歳

裁初や妣の名のある鯨尺

茨城県

町井 ヨネ子

80歳

身の内の歯車きしむ寒の入

群馬県

鈴木 一石

80歳

用のある顔する猫の小春かな

埼玉県

町田 昭二

80歳

豆撒く児鬼は笑ってしまいけり

埼玉県

玉川 悠

80歳

冬桜つぶやくやうに咲いてをり

東京都

渡部 祐山

80歳

一筋の雲が絵になる梅雨晴間

東京都

戸倉 華子

80歳

来し方を踏みしむ如く麦踏みぬ

東京都

鈴木 一光子

80歳

一と啼きの仔牛糶られし時雨市

新潟県

倉若 ツマ

80歳

逆立ちの子より零れし木の実かな

新潟県

星野 禎三

80歳

大くさめして里山をゆり起こし

新潟県

伊藤 千世

80歳

柿紅葉虫喰い穴も絵になりて

愛知県

横井 さかゑ

80歳

かまきりの顔をはみ出す眼の寂し

京都府

永嶋 のぶ代

80歳

一徹を通す枝ぶりこぼれ梅

兵庫県

今井 しげ子

80歳

干柿にみんな似てくる長寿国

愛媛県

堀田 八州

80歳

あの顔もこの顔もけふ屠蘇の顔

福岡県

田中 久

80歳

火の山の裾の集落春待てり

鹿児島県

山下 タヱ子

80歳

にぎやかに春を吐き出す玩具箱

埼玉県

白井 春子

81歳

くしゃみして嚏という字覚えけり

東京都

荒 義雄

81歳

寒卵こつんといのちかがやかす

岐阜県

橋爪 つや子

81歳

嘘が言えない秋の水飲んでから

山口県

中本 千歳

81歳

独居して百個余りの寒椿

北海道

北川 つる

82歳

居据りし関八州の餘寒かな

千葉県

浦岡 英雄

82歳

稲雀散って夕日の残りけり

東京都

村田 暹

82歳

文字一つ書かずに暮れて秋刀魚焼く

滋賀県

吉村 まさ子

82歳

黄色いこゑ海割ってゆく海開

福岡県

大林 千代子

82歳

人ひとり点となりゆく大枯野

熊本県

八木 孝

82歳

どの木にも聞き耳立てる春間近

千葉県

池嶋 茂

83歳

ときめきは老にもありて草萌ゆる

東京都

辺見 エイ子

84歳

余生にも未来はありて鳥渡る

茨城県

 あき

85歳

富士山へ登れぬもよし梅一輪

神奈川県

秋本 謙一

85歳

生きるとは鳴き尽くすこと法師蝉

大阪府

喜多 てる子

85歳

蟷螂の枯れても鎌を研ぎゐたり

兵庫県

竹島 清歩

85歳

俎板に冬至南瓜の仏顔

福岡県

坂本 誠之

85歳

おぞうにの湯気立つ中に顔かくれ

福岡県

野田 クニエ

85歳

青い目が日本姓名のる百年祭

ブラジル

今里 親

85歳

水車秋の落日掬ひあげ

福島県

近藤 ため

86歳

初雪や血縁よりも濃き隣

東京都

高橋 喜三郎

86歳

地の裏に桜も育て移民老ゆ

ブラジル

山本 紀未

87歳

語らねばことば忘るる日向ぼこ

岐阜県

橋爪 四喜男

88歳

医師に医学書大地に貝割菜

愛知県

須山 貞蔵

88歳

新年の言葉変らず老いにけり

群馬県

上岡 錦斎

89歳

面外れば父に戻りし里神楽

東京都

青木 正七

89歳

柚の香の風呂に余生が溢れをり

東京都

江口 延

89歳

春岬帽子は海にとびたがり

神奈川県

永島 文江

89歳

ハイと言う曽孫の返事桃の花

ブラジル

鈴木 竜尾

89歳

蕗の薹隣りの分も摘みにけり

神奈川県

藤田 和夫

90歳

笛方の衿に掛けたる豆しぼり

栃木県

石島 朝治

94歳