お〜いお茶新俳句大賞 > 第十九回 > 佳作特別賞 その3
第十九回 お〜いお茶新俳句大賞
桃の日や両手で受ける母子手帳 |
東京都 |
岩本 里美 |
35歳 |
|---|---|---|---|
深呼吸したくて春に切符買う |
東京都 |
中橋 祐子 |
35歳 |
こんなにも小さく見える母の肩 |
東京都 |
前田 美千代 |
35歳 |
今日もまた雑踏の中泳いでる |
東京都 |
渡辺 素子 |
35歳 |
足早の夏を追いかけセミが鳴く |
東京都 |
吉藤 史貴 |
35歳 |
春を待つ小さい背中とランドセル |
神奈川県 |
三好 美和 |
35歳 |
夏花火夜空に刹那を描き散る |
神奈川県 |
吉野 光春 |
35歳 |
踏み出していつか心の雨あがる |
神奈川県 |
堀井 由理子 |
35歳 |
サーファーのいつせいに立つ波頭 |
神奈川県 |
黒澤 麻生子 |
35歳 |
木漏れ日を麦藁帽子ですくい上げ |
愛知県 |
朝岡 栄治 |
35歳 |
軒下に二百二十日の軍手干す |
京都府 |
芦田 美幸 |
35歳 |
いつまでも沖に手をふる島の母 |
京都府 |
前田 美穂 |
35歳 |
夏風に腕まくりする少年よ |
京都府 |
安 |
35歳 |
北風が冷たくなるほど母想う |
京都府 |
浦野 晶子 |
35歳 |
かくれんぼ見つかりたくて顔を出す |
大阪府 |
久保 久美子 |
35歳 |
たぶんねえポプラ並木は跳ねてるよ |
大阪府 |
葛城 創 |
35歳 |
野の春を持ち込み猫と宴をす |
広島県 |
松井 加代子 |
35歳 |
初恋の春をカクハンさせており |
福岡県 |
鍛治 尚子 |
35歳 |
山笑う夢見鳥かな一年生 |
長崎県 |
本田 奈都美 |
35歳 |
雪解けの川が奏でる前奏曲 |
北海道 |
中島 奈巳 |
36歳 |
松明けてパンの香りの厨かな |
青森県 |
折舘 珠慈 |
36歳 |
春の空今日は飛んでけ風見鶏 |
茨城県 |
佐藤 直子 |
36歳 |
茶柱を無理矢理立てる嫁心 |
栃木県 |
新井 みほ |
36歳 |
ふるさとの枯野に立ちて風になる |
千葉県 |
舘山 かおり |
36歳 |
幼子と戯れ落ちるなごり雪 |
富山県 |
渡部 克昌 |
36歳 |
ご飯がねとてもうまいんだ生きてるな |
静岡県 |
板倉 貴之 |
36歳 |
粉雪に我関せずと川魚 |
三重県 |
北崎 進一 |
36歳 |
シャンプーの柑橘系や梅雨あがる |
大阪府 |
藤田 優子 |
36歳 |
ひんやりと玄関広し里帰り |
大阪府 |
川村 敬子 |
36歳 |
携帯に好きだと書いて未送信 |
兵庫県 |
安田 司郎 |
36歳 |
増えてくるへのへのもへじ冬の窓 |
福岡県 |
青木 志保子 |
36歳 |
雪積もる寝息のような静けさで |
福岡県 |
利倉 ゆき |
36歳 |
パレットの空に広がる銀杏かな |
福岡県 |
木村 晃久 |
36歳 |
街灯の明かりに照らされ雪が舞う |
福岡県 |
岩本 恵樹 |
36歳 |
春風も地下のホームに降りてくる |
アメリカ |
畠山 衛 |
36歳 |
爪切って下着をかえて大試験 |
北海道 |
乾 勝統 |
37歳 |
靴下の五本指なり雪卸 |
山形県 |
丹治 正暁 |
37歳 |
木枯らしに抱かれて一人切ない夜 |
茨城県 |
庄司 まゆみ |
37歳 |
白い帆や流星群に手を広げ |
埼玉県 |
近藤 真由美 |
37歳 |
ぬか床に思い出漬ける三日月夜 |
千葉県 |
高澤 養子 |
37歳 |
放課後の手話の子たちの賑やかさ |
千葉県 |
坂本 えり奈 |
37歳 |
母の磨る墨音低し後の月 |
東京都 |
三ッ木 貴臣 |
37歳 |
春キャベツ食べに出かけるとんかつ屋 |
東京都 |
曽根 優子 |
37歳 |
夕焼けに負けぬ紅葉のグラデーション |
東京都 |
肥沼 美花 |
37歳 |
朝顔のつる伸びゆきて空巻きて |
東京都 |
栗原 亜矢子 |
37歳 |
炎天に入道雲の高い波 |
神奈川県 |
金子 勇一 |
37歳 |
冬銀河自分探しの旅に出る |
石川県 |
冨岡 香矢乃 |
37歳 |
思い出と写真の山の家族旅行 |
愛知県 |
増田 有香 |
37歳 |
寄り添って親も消してるケーキの灯 |
大阪府 |
古賀 悦子 |
37歳 |
竹林の右ななめ上おぼろ月 |
兵庫県 |
中村 妙子 |
37歳 |
木の実降る見えぬ木霊と語らう子 |
奈良県 |
湊 みさ |
37歳 |
たんぽぽの綿毛ゆらりとロマン旅 |
徳島県 |
松田 由美 |
37歳 |
蝮居て蝮の匂ひしてをりぬ |
宮崎県 |
伊藤 克哉 |
37歳 |
船上で去りゆく島に礼をいう |
鹿児島県 |
坂野 博志 |
37歳 |
ひつじ雲夕日の球をおいかける |
沖縄県 |
浦崎 綾子 |
37歳 |
放課後の金魚の行方がわからない |
北海道 |
安田 こずえ |
38歳 |
妙齢の肌に優しき柚子湯かな |
北海道 |
河野 美奈子 |
38歳 |
精巧な花粉感知器僕の鼻 |
東京都 |
疋田 博昭 |
38歳 |
冬の月そのつめたさのたしかさよ |
東京都 |
小野 裕紀子 |
38歳 |
さよならを言わずに立ち去る陽炎よ |
神奈川県 |
木下 陽子 |
38歳 |
気がつけば妻の手のしわ母に似る |
新潟県 |
澤口 正俊 |
38歳 |
逆立ちの影を伸ばして暮るる夏 |
新潟県 |
植木 恭則 |
38歳 |
スズメらが咲いてるという寒椿 |
石川県 |
水上 猛之 |
38歳 |
明日は雪米研ぐ母の一人言 |
岐阜県 |
小林 亜紀 |
38歳 |
ラブレター百円切手がめくれそう |
静岡県 |
匂坂 茂則 |
38歳 |
ひと雨の力みなぎるなすびかな |
静岡県 |
村松 貴惠 |
38歳 |
靴紐を結んで蝶のように舞い |
愛知県 |
大原 泰彦 |
38歳 |
図書室で芽ぶく少女のものがたり |
大阪府 |
前田 佳子 |
38歳 |
春よ来い幸せ共に早く来い |
大阪府 |
岡 慎一郎 |
38歳 |
帰省して親に甘えて子に戻る |
大阪府 |
大和 有希子 |
38歳 |
憂鬱な日大きく空を吸い込めり |
大阪府 |
水井 智子 |
38歳 |
さらさらと流れる小川に身をたくす |
兵庫県 |
光山 道潤 |
38歳 |
すぐ乾く男の髪や日雷 |
大分県 |
吉平 寿歳 |
38歳 |
スキップの白靴通す改札機 |
北海道 |
奥山 真由美 |
39歳 |
雪掻きの山にも負けぬ力瘤 |
秋田県 |
佐藤 正明 |
39歳 |
大根めし夫婦は別のこと思う |
茨城県 |
野口 きぬえ |
39歳 |
文鎮と半紙が急かす筆頭 |
埼玉県 |
久田 敏彦 |
39歳 |
素直なる顔を揃へて土筆立つ |
埼玉県 |
小薬 全子 |
39歳 |
それぞれの母がおります花筵 |
埼玉県 |
山戸 則江 |
39歳 |
この箱が最後となりし父の桃 |
東京都 |
田中 和幸 |
39歳 |
新雪に野鳥が描く地上絵かな |
長野県 |
中 |
39歳 |
ゆっくりと海に夕焼けとけていく |
愛知県 |
宮嶋 洋恵 |
39歳 |
沈みゆく夕日にはにかむ茜雲 |
愛知県 |
千須和 由美 |
39歳 |
一人子のさくさくならす霜柱 |
愛知県 |
犬塚 正美 |
39歳 |
淡雪やなつかぬ猫の声に似て |
広島県 |
石丸 はるみ |
39歳 |
冬の海夕日の色を染め直す |
広島県 |
二藤 温子 |
39歳 |
砂浜に静寂という陽が満ちる |
徳島県 |
原 敏彦 |
39歳 |
秋晴れの紅葉ちりばめ水鏡 |
福岡県 |
木村 春美 |
39歳 |
万愚節タコがぐにゃりと踊り出す |
千葉県 |
高坂 朔夜 |
40歳 |
レノン忌のホワイトポインセチアかな |
神奈川県 |
山路 なつえ |
40歳 |
猫まわる追うも逃げるも自分の尾 |
神奈川県 |
鈴木 洋一 |
40歳 |
春雷のパタンと閉じるピアノかな |
大阪府 |
松本 ひろみ |
40歳 |
キラリンと着信鳴らして虹が立つ |
兵庫県 |
磯田 君子 |
40歳 |
別れから始まる春の私小説 |
愛媛県 |
紙崎 文孝 |
40歳 |
身を屈めパセリの森へ迷い込む |
沖縄県 |
森田 理佳 |
40歳 |
挨拶もみなおろしたて一年生 |
埼玉県 |
神岡 きぬ絵 |
41歳 |
ウエストと家計に響くバイキング |
大阪府 |
久保 澄子 |
41歳 |
そこにいるあなたが遠く春がすみ |
秋田県 |
三浦 由美子 |
42歳 |
ガラス器を洗い上げたる立夏かな |
千葉県 |
加藤 裕子 |
42歳 |
柏手で新年の夢動き出す |
新潟県 |
宮尾 俊行 |
42歳 |
昼寝覚めしばし浦島太郎なり |
愛媛県 |
紙崎 照明 |
42歳 |
山茶花や掃く音高き竹箒 |
福岡県 |
平井 梨彩 |
42歳 |
日曜日時雨知らずに洗車する |
群馬県 |
並木 淳子 |
43歳 |
この国の広がる格差目刺焼く |
東京都 |
大野 哲太郎 |
43歳 |
屏風からこぼれて咲くや寒椿 |
東京都 |
平林 典子 |
43歳 |
母子手帳もらって覚悟のようなもの |
神奈川県 |
和泉 まさ江 |
43歳 |
青空を背負い真夏の旅に出る |
徳島県 |
藤本 亜矢子 |
43歳 |
木の実落ち銀河に星の生れけり |
北海道 |
松田 佳子 |
44歳 |
詰め草に小さき灯ともる日暮れかな |
埼玉県 |
松本 潤子 |
44歳 |
晶子にはなれず香水少し噴く |
千葉県 |
森 寛子 |
44歳 |
母の日や母になれずに本を読む |
東京都 |
谷村 節子 |
44歳 |
ずっしりと春の固まり赤子抱く |
東京都 |
内野 花音 |
44歳 |
味噌汁の湯気ゆるゆると震災日 |
兵庫県 |
後藤 稔 |
44歳 |
別れより咲いた桜に泣かされる |
鹿児島県 |
中村 博美 |
44歳 |
年惜しむ古着を捨てるかのように |
茨城県 |
山手 恭子 |
45歳 |
肝試し待ち疲れてるお化け役 |
埼玉県 |
内田 隆一 |
45歳 |
青年にあざやかすぎるソーダ水 |
千葉県 |
石藤 浩一 |
45歳 |
行く春や時間をさがす地図のなか |
東京都 |
札場 康人 |
45歳 |
ゆっくりと育ってほしいとひなまつり |
愛知県 |
熊澤 芳美 |
45歳 |
ベルギーが絵画のように暮れてゆく |
大阪府 |
上山 たえ子 |
45歳 |
春はまだ掌のなかにあり航海図 |
兵庫県 |
今井 豊 |
45歳 |
囀りや内緒話のない地球 |
広島県 |
坂田 和彦 |
45歳 |
蔓草のまっすぐ伸びる神の留守 |
山口県 |
内田 和子 |
45歳 |
勉強が嫌いでどんぐりころころす |
愛媛県 |
加藤 真理子 |
45歳 |
木枯らしも押したい背中選んでる |
鹿児島県 |
松元 尚美 |
45歳 |
拍子木の軽き響きぞ夜を打てり |
群馬県 |
頼富 雅博 |
46歳 |
色鳥や新書のようにひるがえり |
埼玉県 |
有永 克司 |
46歳 |
生きてゆく麦踏みの麦思いつつ |
東京都 |
吉際 弘美 |
46歳 |
冬眠の亀もめだかも真面目なり |
東京都 |
石井 ひろし |
46歳 |
腕時計止まっておりぬ文化の日 |
神奈川県 |
北郷 聖 |
46歳 |
羽布団太陽系の中に干す |
兵庫県 |
松下 弘美 |
46歳 |
ルージュだけ秋色にして異人館 |
兵庫県 |
長谷川 美和子 |
46歳 |
赤ちゃんのくつした半分旅してる |
福島県 |
本田 公成 |
47歳 |
ゆるゆると心ほどける湯あみかな |
神奈川県 |
加藤 裕子 |
47歳 |
ひらがなのようにほどけて素足かな |
神奈川県 |
西田 克憲 |
47歳 |
百歳の秘訣と聞かれ冷奴 |
愛知県 |
青井 光義 |
47歳 |
後ろからやって来た春に追い越され |
兵庫県 |
金曽 和子 |
47歳 |
如月の絵皿に何を乗せようか |
埼玉県 |
山口 幹男 |
48歳 |
秋扇バッグにしまう恋ひとつ |
神奈川県 |
柳原 真江 |
48歳 |
そこだけがぽっかりと春福寿草 |
長野県 |
市川 和江 |
48歳 |
花筏昨日と違う我ゐたり |
静岡県 |
内藤 千鶴子 |
48歳 |
わが影を水に沈めて紙を漉く |
兵庫県 |
藤野 佳津子 |
48歳 |
携帯の会話途切れて遠花火 |
兵庫県 |
岩倉 佳代子 |
48歳 |
釣竿のぐわんと唸り空は秋 |
兵庫県 |
江口 雅敏 |
48歳 |
真すぐな骨ばかりなり冬木立 |
福岡県 |
山本 いく子 |
48歳 |
朝の霧パン一枚で消えてゆく |
群馬県 |
井汲 真理 |
49歳 |
受験子の消しゴムで消す夢ひとつ |
群馬県 |
勅使川原 徹 |
49歳 |
頼まれて他人の分まで詣でます |
埼玉県 |
大岩 一博 |
49歳 |
菱餅の彩反り返る雛納め |
東京都 |
本田 いづみ |
49歳 |
ランドセル開けては閉める一年生 |
東京都 |
前田 耕一郎 |
49歳 |
脱走の埃引きずる甲虫 |
大阪府 |
豊 英二 |
49歳 |
眼を閉じて飛び込む水の深さかな |
大阪府 |
吉松 光代 |
49歳 |
同窓会いつのまにやら生存会 |
大阪府 |
長谷 真由美 |
49歳 |
虹つかみ繩跳びしたい雨上がり |
佐賀県 |
吉村 金一 |
49歳 |
つり革に春の眠りがぶら下がる |
埼玉県 |
菅野 耕平 |
50歳 |
真夜中に百合は香りを整える |
千葉県 |
日下部 敦世 |
50歳 |
風薫る町の小さな音楽祭 |
東京都 |
関塚 文子 |
50歳 |
ブランドの花瓶一輪野を活ける |
神奈川県 |
鈴木 正実 |
50歳 |
あやとりの小さな手から天の川 |
長野県 |
小岩井 俊彦 |
50歳 |
陽炎に教わっているフラダンス |
三重県 |
松井 政典 |
50歳 |
ははの日の母ひらがなで呼んでみる |
大阪府 |
田原 玄三 |
50歳 |
秋の海振り返つてなどやるもんか |
東京都 |
岡本 輝久 |
51歳 |
恐竜の足の形の落葉踏む |
愛知県 |
出口 敬章 |
51歳 |
丁寧に生きてゆきたし若葉頃 |
大阪府 |
中島 尚美 |
51歳 |
しなやかに負ける日もあり秋桜 |
大阪府 |
岩崎 伊知子 |
51歳 |
地球抱き拍動を知る熱帯夜 |
兵庫県 |
小田 慶喜 |
51歳 |
スイミングひとときだけの人魚姫 |
広島県 |
福部 慶子 |
51歳 |
恋愛はバケツの中のかに二匹 |
福岡県 |
大石 多恵 |
51歳 |
母在らば八十三粒の年の豆 |
大阪府 |
|
52歳 |
露草や生き方もっとあったはず |
熊本県 |
岩 |
52歳 |
美男子をいつも夢見る雪達磨 |
北海道 |
伊藤 哲 |
53歳 |
スッピンの妻に偽装を発見し |
埼玉県 |
中垣 薫雄 |
53歳 |
柿の実にかぶりついてる夕陽かな |
神奈川県 |
山田 祥子 |
53歳 |
狛犬の吠え出しそうな大暑かな |
三重県 |
岩田 安祐 |
53歳 |
大空へ風を梳きたる芒かな |
岡山県 |
石原 和美 |
53歳 |
春隣パンフレットの光りけり |
長崎県 |
江良 修 |
53歳 |
編み手止め絡まる糸に明日の夢 |
群馬県 |
関口 桂子 |
54歳 |
今焼きし父かと風花を仰ぎ見る |
東京都 |
柏木 茂 |
54歳 |
この穴はブラジル行きの蟻の穴 |
東京都 |
山内 睦雄 |
54歳 |
紅差して今日の私ができあがる |
兵庫県 |
新土 香代 |
54歳 |
しゃぼん玉ちいさな嘘をひとつだけ |
群馬県 |
種 久子 |
55歳 |
寒卵しづかに息をしてゐたり |
千葉県 |
楠見 恵子 |
55歳 |
途中下車そこから始まる旅もある |
東京都 |
高橋 誠一 |
55歳 |
じゃがいものでこぼこ匂う母娘 |
神奈川県 |
西野 明男 |
55歳 |
口いっぱいの銀河広がる金平糖 |
新潟県 |
荒井 千代子 |
55歳 |
緑蔭にままごとの椀残りをり |
兵庫県 |
田村 春美 |
55歳 |
身のうちを夢はみ出して花火かな |
兵庫県 |
藤原 慶子 |
55歳 |
夕焼けをスカーフにして散歩かな |
福岡県 |
末永 加代子 |
55歳 |
耳鳴りを一瞬消して小鳥来る |
熊本県 |
吉永 大 |
55歳 |
まんじゅしゃげ祖先の田んぼに人が住む |
カナダ |
榑松 こずえ |
55歳 |
大寒や枝のかたちに鳥止まり |
千葉県 |
野口 達雄 |
56歳 |
初孫に似た面持ちの野の仏 |
東京都 |
品川 尚之 |
56歳 |
絵の具まだ塗り終わらずに卒業す |
岐阜県 |
金子 秀重 |
56歳 |
冬野菜全部煮込んで祖母になり |
大阪府 |
橋本 好美 |
56歳 |
主婦という選択肢あり花八つ手 |
千葉県 |
橋本 和行 |
57歳 |
お迎えはカボチャの馬車にしてほしい |
大阪府 |
山本 正美 |
57歳 |
なにもかもこぼれおちさう春着の子 |
大阪府 |
鈴木 茂雄 |
57歳 |
薫風やヘップバーンになってみる |
兵庫県 |
加藤 学 |
57歳 |
お茶会の椿は助演女優賞 |
山口県 |
久保田 麗二 |
57歳 |
カナブンのドンキホーテが窓を打つ |
長崎県 |
前田 庸典 |
57歳 |
後ろ手を解いて麦踏み終わりけり |
長崎県 |
西 史紀 |
57歳 |
出来立のパズルを剥がす棚田かな |
茨城県 |
宮本 四郎 |
58歳 |
雪が舞ふ喜怒哀楽の通い路 |
千葉県 |
柏山 宮土 |
58歳 |
落鮎を焼いて夕陽を滴らす |
東京都 |
関根 直美 |
58歳 |
占いは静かに伏せて力こぶ |
東京都 |
山崎 文代 |
58歳 |
きつね鳴く小春日和の影遊び |
神奈川県 |
角 律子 |
58歳 |
海開きツルゲーネフを読み返す |
静岡県 |
今井 忠雄 |
58歳 |
ほろ苦い菜の花含み母偲ぶ |
大阪府 |
小槻 芳樹 |
58歳 |
掛け声を発して動く暮れの椅子 |
兵庫県 |
十川 能行 |
58歳 |
ゆく年や苦労知らずの土踏まず |
熊本県 |
あまの 樹懶 |
58歳 |
ジーンズの膝の大穴青嵐 |
山形県 |
成澤 恵美 |
59歳 |
コスモスの数だけ風のゆるるなり |
埼玉県 |
宇音 洋子 |
59歳 |
教室に粉雪つれて夜学生 |
埼玉県 |
柳田 智 |
59歳 |
魔法かもしれぬ都会の雪一夜 |
東京都 |
柏崎 澄子 |
59歳 |
背を伸ばし還暦の日のかき氷 |
神奈川県 |
岡田 衣子 |
59歳 |
ふるさとの鳴るにまかせり古時計 |
静岡県 |
渡辺 豊子 |
59歳 |
メール打つ春風よりも早く着く |
愛知県 |
神戸 隆三 |
59歳 |
無駄のある暮らし楽しむ寒卵 |
愛知県 |
鈴木 和子 |
59歳 |
還暦や左へ流す術覚え |
兵庫県 |
山下 道世 |
59歳 |
桜木の満を持したる幹の張り |
岡山県 |
田中 典子 |
59歳 |
空蝉の背負いし海の鎮もりぬ |
茨城県 |
諸藤 留美子 |
60歳 |
春風にふんわり乗れた一輪車 |
埼玉県 |
小磯 富惠 |
60歳 |
走る走るおんなたち春を追い越す |
埼玉県 |
長島 千恵子 |
60歳 |
霜柱踏んで寒さが突き抜ける |
埼玉県 |
小泉 眞理 |
60歳 |
銀河系のこの界隈を着ぶくれて |
千葉県 |
松澤 龍一 |
60歳 |
去りゆけば全て良き日ぞ草青む |
東京都 |
大根田 まりえ |
60歳 |
数え日や秘密を食べるシュレッダー |
東京都 |
望月 皓美 |
60歳 |
蝉時雨母に嘘つきとおしけり |
新潟県 |
草野 正信 |
60歳 |
春の宵ただ今猫の会議中 |
富山県 |
吉野 恭子 |
60歳 |
ちゅーりっぷドレミドレミと咲いている |
静岡県 |
川瀬 慶子 |
60歳 |
蒼空へ自己発信す冬木の芽 |
静岡県 |
山口 秀夫 |
60歳 |
霜柱声あげている最中なり |
大阪府 |
谷川 すみれ |
60歳 |
妻の座の自由不自由おでん煮る |
兵庫県 |
渡邉 美保 |
60歳 |
葉桜や鈍感力を育てをり |
兵庫県 |
松山 紅 |
60歳 |
落葉から禅問答が流れくる |
兵庫県 |
大和田 弥恵子 |
60歳 |
その先のことまで蝶は気に止めず |
熊本県 |
園田 浩 |
60歳 |
生かされて生きてひとりの春の山 |
大分県 |
坂田 正晴 |
60歳 |
てのひらにふはりと小春日和かな |
千葉県 |
松本 好勝 |
61歳 |
律儀に歩むべしと尺取の言ふ |
静岡県 |
小山 定子 |
61歳 |
いたどりのまっすぐな音折り取りぬ |
三重県 |
古川 和子 |
61歳 |
思い出の半分妻が持ってゆき |
大阪府 |
稲垣 智久 |
61歳 |
雨の田に家族団らん鴨の群れ |
北海道 |
佐藤 義勝 |
62歳 |
霜柱踏んで子守の始まりぬ |
山形県 |
|
62歳 |
男名の豆腐ふつふつ根深汁 |
埼玉県 |
久保庭 美代子 |
62歳 |
春泥を千鳥のごとくかはしけり |
埼玉県 |
下村 久子 |
62歳 |
緋牡丹に触れて無口となるふたり |
埼玉県 |
西 智恵子 |
62歳 |
不覚にも桜吹雪に溺れたり |
神奈川県 |
北村 純一 |
62歳 |
蒲団ほす日本人である限り |
岐阜県 |
平山 圭子 |
62歳 |
月光を携帯電話に充電す |
大分県 |
岸本 千鶴子 |
62歳 |
同窓会先生よりも生徒老け |
栃木県 |
吉沢 久子 |
63歳 |
春愁の置きどころなき肘双つ |
東京都 |
加能 海 |
63歳 |
特売にされてピーマン青くなる |
東京都 |
武田 克子 |
63歳 |
菜の花やこみあげてくる海の紺 |
神奈川県 |
石橋 智子 |
63歳 |
草いきれ息子の妻を何と呼ぼう |
神奈川県 |
丸山 千登喜 |
63歳 |
春の日や少し若めの色を選る |
静岡県 |
佐野 由利子 |
63歳 |
夕焼けが独りの秋をそっと染め |
愛知県 |
高田 節子 |
63歳 |
日溜まりの母口ぽっかりと山笑う |
大阪府 |
山畑 勝二 |
63歳 |
襟元をひとつ外して春を入れ |
兵庫県 |
松本 和子 |
63歳 |
アザラシのくるりと回って春の貌 |
北海道 |
粥川 勝彦 |
64歳 |
わが夢はまだ春潮の沖にあり |
福島県 |
大槻 弘 |
64歳 |
初夢の筋たどれどもまとまらず |
埼玉県 |
柴田 仂 |
64歳 |
ぶらんこの地球とび出すまで漕ぎぬ |
東京都 |
長谷川 瞳 |
64歳 |
笹の葉を蹴りて運ばる籠の鮎 |
東京都 |
坂内 タミ子 |
64歳 |
駅弁の素焼のお茶のなつかしき |
東京都 |
齊藤 邦宏 |
64歳 |
風光る私の影が動きだす |
神奈川県 |
渡辺 帰一 |
64歳 |
産声をあげて筍掘り上がる |
神奈川県 |
河西 俊一郎 |
64歳 |
誰にでも声かけたくて蕗の薹 |
神奈川県 |
河西 みさを |
64歳 |
本心を泳がしている水中花 |
長野県 |
亀山 佐助 |
64歳 |
還暦の髪を仕舞ひし冬帽子 |
大阪府 |
松下 浩二 |
64歳 |
父の日を置いてけぼりに母の旅 |
福岡県 |
赤松 桔梗 |
64歳 |
サーカスを見ずに華やぐ葱坊主 |
熊本県 |
野田 遊三 |
64歳 |
迅雷に積木の一つ崩れたり |
茨城県 |
藤 和子 |
65歳 |
パソコンが癖字をかくす年賀状 |
埼玉県 |
荻原 金司 |
65歳 |
看護師の手の甲にメモ春立てり |
千葉県 |
松 |
65歳 |
足うらに土やはらかし梅日和 |
千葉県 |
山岸 修 |
65歳 |
焼芋のほっこり割れて仲直り |
神奈川県 |
中村 秀夫 |
65歳 |
待春のファッション誌より抜け来しか |
兵庫県 |
村上 寿恵 |
65歳 |
ゆつくりと溶ければ蝶になれるはず |
香川県 |
田岡 弘 |
65歳 |
竹馬に王者のような顔となる |
愛媛県 |
三谷 淳子 |
65歳 |
手つなぎは若葉マークか老夫婦 |
福岡県 |
鐘ヶ江 久惠 |
65歳 |
蕗の薹たましいむくっと起きにけり |
福岡県 |
村山 ヤスエ |
65歳 |
蕗味噌や絆と言う字噛み締める |
秋田県 |
池田 |
66歳 |
がら空きの余生へ飛ばす夏帽子 |
埼玉県 |
清水 三郎 |
66歳 |
恙なく過ごしてますかと燕来る |
東京都 |
川口 年子 |
66歳 |
着メロで飼うひぐらしが鳴く会議 |
神奈川県 |
佐藤 龍夫 |
66歳 |
草紅葉紛れ込んでる地平線 |
神奈川県 |
山口 和子 |
66歳 |
石焼芋銀座は英字新聞紙 |
神奈川県 |
神林 和子 |
66歳 |
指切りを雪だるまにも見てもらう |
神奈川県 |
古田 哲弥 |
66歳 |
大寒に八丁味噌の香り立つ |
愛知県 |
早矢仕 邦夫 |
66歳 |
うららかや湯に浸けられし笊玉子 |
広島県 |
有田 照美 |
66歳 |
校庭に押しくらまんじゅう寒に入る |
福岡県 |
白井 道義 |
66歳 |
冬の金魚ダリアの花の咲くように |
長崎県 |
奥村 京子 |
66歳 |
花衣解くやよそゆき顔も解く |
埼玉県 |
長尾 和子 |
67歳 |
木魚を叩いてみたい葱坊主 |
埼玉県 |
大西 定子 |
67歳 |
おじぎ草マナーモードでこんにちは |
千葉県 |
宮田 美代 |
67歳 |
老いて尚畑は友と霜を踏む |
東京都 |
津村 信之 |
67歳 |
大寒のシリウスといま交信中 |
神奈川県 |
井田 淳子 |
67歳 |
鉾杉を芯に拡がる鱗雲 |
岐阜県 |
池田 たかみ |
67歳 |
緑蔭に指ひらひらと手話の人 |
愛知県 |
加藤 久子 |
67歳 |
春雨や書かねば俳句消えて行く |
大阪府 |
南 政義 |
67歳 |
ラガー等のどっと居並ぶ足湯かな |
兵庫県 |
吉藤 美也子 |
67歳 |
無事知らす余白の賀状届きけり |
兵庫県 |
上野 克巳 |
67歳 |
白梅や人より猫の多き路地 |
長崎県 |
麻生 勝行 |
67歳 |
栞紐ぴんと伸ばして一葉忌 |
宮崎県 |
河野 正 |
67歳 |
終章は風の指揮する花ふぶき |
茨城県 |
阿部 剛太 |
68歳 |
開店の旗持たされて雪だるま |
茨城県 |
植木 登久 |
68歳 |
静かなりいつも変わらぬ里景色 |
埼玉県 |
松浦 美智子 |
68歳 |
雪吊りの外れた木から笑い出す |
埼玉県 |
金子 功 |
68歳 |
春一番鯨の昼寝破られず |
東京都 |
一井 魁仙 |
68歳 |
枝打ちて光と風の子が走る |
神奈川県 |
小嶋 恵美 |
68歳 |
チャンバラの少年老いぬ蜆汁 |
神奈川県 |
菅谷 淑子 |
68歳 |
少女らの笑いはじける桜坂 |
長野県 |
岩原 辰幸 |
68歳 |
買わずとも手拍子を貸す達磨市 |
長野県 |
平澤 眞 |
68歳 |
日向ぼこ家族みんなの手相みる |
愛知県 |
伊井 松美 |
68歳 |
古代には恐竜なりし羽抜鳥 |
大阪府 |
|
68歳 |
干した布団が春一番を吸い込んだ |
愛媛県 |
紙崎 ミノル |
68歳 |
桃の花なにをいのるや小さな手 |
宮城県 |
遠藤 京子 |
69歳 |
春寒や右肩上げて生きてをり |
宮城県 |
外崎 光秋 |
69歳 |
水餅の息つく水を新たにす |
茨城県 |
中 |
69歳 |
三界に子の在ればこそ鰯雲 |
埼玉県 |
田坂 妙子 |
69歳 |
心配は芽が出るまでのフキノトウ |
千葉県 |
長谷川 庄二郎 |
69歳 |
電動の自転車で来るちゃんちゃんこ |
東京都 |
三ツ木 宗一 |
69歳 |
古希の春いよいよ遊び盛りかな |
東京都 |
三浦 正明 |
69歳 |
海鳴りを聴いて古代の人となる |
東京都 |
井川 實 |
69歳 |
春の山片っ端から電話かな |
神奈川県 |
太田 良一 |
69歳 |
緋牡丹の散りて地を這ふ炎かな |
岐阜県 |
石川 弘之 |
69歳 |
吾が陰に母入れて行く炎天下 |
岐阜県 |
加川 喜泉 |
69歳 |
ジーンズのまろやかな尻稲を刈る |
大阪府 |
北埜 裕巳 |
69歳 |
幼子の掌をあけみれば春の風 |
大阪府 |
岡山 稔 |
69歳 |
思い出のかけらも育つ穀雨かな |
兵庫県 |
田中 俊 |
69歳 |
ひとり分宇宙を確保大あくび |
北海道 |
高木 隆春 |
70歳 |
信濃路や若葉の山の押し合へり |
埼玉県 |
人見 正 |
70歳 |
武藏野の風音秋に入りけり |
埼玉県 |
近藤 康紀 |
70歳 |
高齢者若者よりも腕自慢 |
埼玉県 |
高尾 初美 |
70歳 |
柚子の香の立てり冬至湯沸きにけり |
埼玉県 |
伊藤 厚子 |
70歳 |
長男は自立しました次郎柿 |
千葉県 |
渡辺 礼子 |
70歳 |
祖父母席設けてありぬ運動会 |
神奈川県 |
津田 美奈子 |
70歳 |
そこからは地球おぼろかおぼろ月 |
石川県 |
前川 久宜 |
70歳 |
だんじりに犬も法被でひた走る |
大阪府 |
竹中 準二 |
70歳 |
空き缶を踊らせ春を告げる風 |
高知県 |
青木 晏子 |
70歳 |
飴玉で喉をなだめる煤払 |
茨城県 |
小池 つと夢 |
71歳 |
雛壇をぬけ来しほどの雛の客 |
茨城県 |
皆見 欣男 |
71歳 |
記憶みな翼にあって鳥帰る |
群馬県 |
小桑 文秋 |
71歳 |
白髪染め爪に残して晦日蕎麦 |
埼玉県 |
小笠原 勝弘 |
71歳 |
薫風に顔すり合わす放ち馬 |
埼玉県 |
川崎 洋子 |
71歳 |
干蒲団ははの縫い目が顔を出す |
千葉県 |
荒井 玲 |
71歳 |
いつ溶ける心に住みし雪女 |
千葉県 |
川 |
71歳 |
母の日の母のゑくぼに会ひに行く |
東京都 |
|
71歳 |
億兆の星の一つで豆を撒く |
神奈川県 |
戸村 達 |
71歳 |
残雪の形で戻る少年期 |
神奈川県 |
間下 稔 |
71歳 |
猫に鈴つけて昼寝の邪魔をされ |
愛知県 |
山田 秀雄 |
71歳 |
せっかちとわかる扇子の使いかた |
愛知県 |
後藤 たず江 |
71歳 |
連山の真近に見えて今朝の雪 |
三重県 |
境谷 紀子 |
71歳 |
少年に戻れば優し冬銀河 |
大阪府 |
森 一心 |
71歳 |
大根の形にいわくありそうな |
岡山県 |
国定 寿美子 |
71歳 |
炬燵番一の座二の座ありにけり |
福岡県 |
花田 菊江 |
71歳 |
腕白の逃げるあと追う麦の波 |
熊本県 |
平山 友頌 |
71歳 |
退屈をまるく納めて葱坊主 |
秋田県 |
小林 春光 |
72歳 |
コスモスが手を振っている登下校 |
栃木県 |
平澤 照月 |
72歳 |
代々の家訓を守り目刺焼く |
千葉県 |
伊庭 百合子 |
72歳 |
青空は自由席です花吹雪 |
神奈川県 |
金子 経子 |
72歳 |
日の色を梢に残し木守柿 |
神奈川県 |
藤井 慶子 |
72歳 |
蛮声も力のひとつ受験の子 |
長野県 |
内堀 迪夫 |
72歳 |
古稀をなほ野菊のやうな君に会ふ |
長野県 |
原 太郎 |
72歳 |
早春のぐいと曲りし象の鼻 |
京都府 |
佐々木 信夫 |
72歳 |
眠る児のしかと握れる木の実かな |
大阪府 |
小林 千寿子 |
72歳 |
うすうすと背のさみしき日向ぼこ |
広島県 |
津田 和敏 |
72歳 |
蝉しぐれ法話いよいよ佳境なり |
大分県 |
野口 銀平 |
72歳 |
先生に別れの校歌春港 |
鹿児島県 |
宗像 隆 |
72歳 |
惑星の一つに西瓜冷やしをく |
秋田県 |
中村 榮一 |
73歳 |
花街の跡に影なす猫柳 |
茨城県 |
大氏 一郎 |
73歳 |
パレットに小さな秋の落葉来る |
埼玉県 |
松川 幸江 |
73歳 |
近づいて来さうな春の地平線 |
埼玉県 |
豊田 トヨ子 |
73歳 |
逆立ちし地球支える子供たち |
埼玉県 |
大木 清 |
73歳 |
ひとしきり雨に騒げる青田かな |
東京都 |
今泉 忠芳 |
73歳 |
大の字になりて故郷の銀河見る |
東京都 |
菅野 四郎 |
73歳 |
なずな粥吹くや昭和と別れし日 |
新潟県 |
渡部 洋子 |
73歳 |
焼きすぎて父の匂いのする秋刀魚 |
三重県 |
池田 三治郎 |
73歳 |
木の芽吹く佐渡は怒涛を跳ね返し |
大阪府 |
井島 正 |
73歳 |
葱刻む余生の音となりしとも |
兵庫県 |
婦木 文代 |
73歳 |
西瓜割り一刀両断とは成らず |
兵庫県 |
瀬野 覚 |
73歳 |
天高しまたも打たれしホームラン |
奈良県 |
久米 朋尚 |
73歳 |
風蹴って空翔ぶ構へ茄子の馬 |
広島県 |
佐渡 順三 |
73歳 |
茶畑で話せば誤解消えにけり |
愛媛県 |
泉 早苗 |
73歳 |
ひとときは母の子となる草の餅 |
北海道 |
藤木 英子 |
74歳 |
雪掻いてポテトチップの軽いこと |
茨城県 |
山口 志津子 |
74歳 |
春風を廻し縄とびする子かな |
千葉県 |
月岡 千秋 |
74歳 |
母涼し木綿のように卒寿越ゆ |
東京都 |
木下 小夜子 |
74歳 |
天井に龍を鳴かせて神の留守 |
神奈川県 |
田村 すゝむ |
74歳 |
待春の小さき靴の揃えあり |
神奈川県 |
青木 良子 |
74歳 |
新緑をはみだしている人の足 |
長野県 |
山 |
74歳 |
白鳥の声に一村ふくらみぬ |
長野県 |
山 |
74歳 |
垂直に時間流るる冬銀河 |
愛知県 |
鈴木 昌宏 |
74歳 |
もう一歩踏み出しかねるかえるの子 |
滋賀県 |
村木 良江 |
74歳 |
学僧のまだまだ青き葱坊主 |
大阪府 |
松崎 不二男 |
74歳 |
二日はや釘打つ音のしてをりぬ |
大阪府 |
黒田 嘉子 |
74歳 |
おおい雲ぼくの故里見えるかい |
大阪府 |
前川 佳久 |
74歳 |
月を連れ鍬を荷ひし秋の暮 |
広島県 |
釜山 齊治 |
74歳 |
煮凝りの弛みしほどの日和かな |
福岡県 |
進 寿治 |
74歳 |
穂芒の一本はきっと少年 |
大分県 |
野田 嘉治 |
74歳 |
旅支度四月の色の切符買ふ |
茨城県 |
押野 曉子 |
75歳 |
日溜りのぬくみ集めて野水仙 |
埼玉県 |
弓田 敏子 |
75歳 |
コスモスや笑ふ少女の糸切歯 |
東京都 |
赤木 紀子 |
75歳 |
桐の実が鳴って下校の時間です |
神奈川県 |
牧 ちひろ |
75歳 |
ロボットのゆび全開し初しごと |
富山県 |
不破 元之 |
75歳 |
火と水の神祀られし大氷柱 |
愛知県 |
大矢 守 |
75歳 |
茶わん市黄砂払いて包みけり |
愛知県 |
佐藤 憲一 |
75歳 |
藁屋根の色に染まりし氷柱かな |
兵庫県 |
田中 寛子 |
75歳 |
玻璃ごしの猫と目の合ふ寒さかな |
群馬県 |
金子 久子 |
76歳 |
雲と話そうブランコ大きく漕ぎ出だす |
埼玉県 |
高橋 明江 |
76歳 |
冬たんぽぽ無党派層でありにけり |
千葉県 |
横山 健三 |
76歳 |
人生を巻きもどしたい古時計 |
千葉県 |
斉藤 冴子 |
76歳 |
竹を伐る一打一打の谺かな |
東京都 |
溝上 正利 |
76歳 |
初恋と問えばころころラムネ玉 |
東京都 |
瓜生 順 |
76歳 |
新樹よりこぼるる若さいただきぬ |
東京都 |
山田 澄子 |
76歳 |
初雪が春一番に先越され |
神奈川県 |
|
76歳 |
連れ合いのありて嬉しき牡丹寺 |
長野県 |
荻原 静歩 |
76歳 |
いまゆけば潜れさうなる虹の橋 |
岐阜県 |
高橋 信康 |
76歳 |
夕焼けや戦禍の記憶なぞりけり |
愛知県 |
村松 徳子 |
76歳 |
春の陽はくすぐったくてシクラメン |
愛知県 |
岩間 絹代 |
76歳 |
朝霧や渾身こめて鐘を撞く |
大阪府 |
太田 禎子 |
76歳 |
夕焼けに踏み込んで行く万歩かな |
ブラジル |
玉田 千代美 |
76歳 |
語り部のひとりとなりて終戦日 |
北海道 |
鹿又 正直 |
77歳 |
泥田にも誇りありけり蓮開く |
群馬県 |
小野里 満 |
77歳 |
人形の手足が動く春の宵 |
群馬県 |
斎藤 もと子 |
77歳 |
チューリップ明日をはみ出すように咲き |
埼玉県 |
中野 政江 |
77歳 |
落日の重さを背に稲を刈る |
埼玉県 |
堀上 一成 |
77歳 |
里山は優しい高さ水温む |
埼玉県 |
柏木 晃 |
77歳 |
京人参籠からのぞく師走かな |
東京都 |
前島 玲 |
77歳 |
月山に雲湧き出ずる春の午後 |
東京都 |
中村 澄 |
77歳 |
マフラーの子に伸びてくる象の鼻 |
新潟県 |
飯塚 不二男 |
77歳 |
生きるとは雪降りつづく暮らしぶり |
長野県 |
合津 三木夫 |
77歳 |
新巻の忿怒あらはに吊される |
愛知県 |
平松 桂 |
77歳 |
山笠の流れも早し男衆 |
福岡県 |
末澤 六郎 |
77歳 |
時雨るるや泡立つごとく団地の灯 |
大分県 |
大石 恭平 |
77歳 |
でで虫を預けて守備につく少年 |
北海道 |
四ッ柳 高保 |
78歳 |
流燈の駄駄をこねつつ遠去かる |
群馬県 |
|
78歳 |
UFOはこの世あの世の連絡船 |
千葉県 |
北 光二 |
78歳 |
たんぽぽの絮吹く顔の隙だらけ |
東京都 |
藤本 修 |
78歳 |
秋桜切手を貼らぬラブレター |
神奈川県 |
榎本 礼子 |
78歳 |
自販機がもの言いたげなおぼろの夜 |
愛知県 |
尾関 藻雨 |
79歳 |
一輪の侘助部屋の淑気かな |
熊本県 |
切口 わか |
79歳 |
裁初や妣の名のある鯨尺 |
茨城県 |
町井 ヨネ子 |
80歳 |
身の内の歯車きしむ寒の入 |
群馬県 |
鈴木 一石 |
80歳 |
用のある顔する猫の小春かな |
埼玉県 |
町田 昭二 |
80歳 |
豆撒く児鬼は笑ってしまいけり |
埼玉県 |
玉川 悠 |
80歳 |
冬桜つぶやくやうに咲いてをり |
東京都 |
渡部 祐山 |
80歳 |
一筋の雲が絵になる梅雨晴間 |
東京都 |
戸倉 華子 |
80歳 |
来し方を踏みしむ如く麦踏みぬ |
東京都 |
鈴木 一光子 |
80歳 |
一と啼きの仔牛糶られし時雨市 |
新潟県 |
倉若 ツマ |
80歳 |
逆立ちの子より零れし木の実かな |
新潟県 |
星野 禎三 |
80歳 |
大くさめして里山をゆり起こし |
新潟県 |
伊藤 千世 |
80歳 |
柿紅葉虫喰い穴も絵になりて |
愛知県 |
横井 さかゑ |
80歳 |
かまきりの顔をはみ出す眼の寂し |
京都府 |
永嶋 のぶ代 |
80歳 |
一徹を通す枝ぶりこぼれ梅 |
兵庫県 |
今井 しげ子 |
80歳 |
干柿にみんな似てくる長寿国 |
愛媛県 |
堀田 八州 |
80歳 |
あの顔もこの顔もけふ屠蘇の顔 |
福岡県 |
田中 久 |
80歳 |
火の山の裾の集落春待てり |
鹿児島県 |
山下 タヱ子 |
80歳 |
にぎやかに春を吐き出す玩具箱 |
埼玉県 |
白井 春子 |
81歳 |
くしゃみして嚏という字覚えけり |
東京都 |
荒 義雄 |
81歳 |
寒卵こつんといのちかがやかす |
岐阜県 |
橋爪 つや子 |
81歳 |
嘘が言えない秋の水飲んでから |
山口県 |
中本 千歳 |
81歳 |
独居して百個余りの寒椿 |
北海道 |
北川 つる |
82歳 |
居据りし関八州の餘寒かな |
千葉県 |
浦岡 英雄 |
82歳 |
稲雀散って夕日の残りけり |
東京都 |
村田 暹 |
82歳 |
文字一つ書かずに暮れて秋刀魚焼く |
滋賀県 |
吉村 まさ子 |
82歳 |
黄色いこゑ海割ってゆく海開 |
福岡県 |
大林 千代子 |
82歳 |
人ひとり点となりゆく大枯野 |
熊本県 |
八木 孝 |
82歳 |
どの木にも聞き耳立てる春間近 |
千葉県 |
池嶋 茂 |
83歳 |
ときめきは老にもありて草萌ゆる |
東京都 |
辺見 エイ子 |
84歳 |
余生にも未来はありて鳥渡る |
茨城県 |
竹 |
85歳 |
富士山へ登れぬもよし梅一輪 |
神奈川県 |
秋本 謙一 |
85歳 |
生きるとは鳴き尽くすこと法師蝉 |
大阪府 |
喜多 てる子 |
85歳 |
蟷螂の枯れても鎌を研ぎゐたり |
兵庫県 |
竹島 清歩 |
85歳 |
俎板に冬至南瓜の仏顔 |
福岡県 |
坂本 誠之 |
85歳 |
おぞうにの湯気立つ中に顔かくれ |
福岡県 |
野田 クニエ |
85歳 |
青い目が日本姓名のる百年祭 |
ブラジル |
今里 親 |
85歳 |
水車秋の落日掬ひあげ |
福島県 |
近藤 ため |
86歳 |
初雪や血縁よりも濃き隣 |
東京都 |
高橋 喜三郎 |
86歳 |
地の裏に桜も育て移民老ゆ |
ブラジル |
山本 紀未 |
87歳 |
語らねばことば忘るる日向ぼこ |
岐阜県 |
橋爪 四喜男 |
88歳 |
医師に医学書大地に貝割菜 |
愛知県 |
須山 貞蔵 |
88歳 |
新年の言葉変らず老いにけり |
群馬県 |
上岡 錦斎 |
89歳 |
面外れば父に戻りし里神楽 |
東京都 |
青木 正七 |
89歳 |
柚の香の風呂に余生が溢れをり |
東京都 |
江口 延 |
89歳 |
春岬帽子は海にとびたがり |
神奈川県 |
永島 文江 |
89歳 |
ハイと言う曽孫の返事桃の花 |
ブラジル |
鈴木 竜尾 |
89歳 |
蕗の薹隣りの分も摘みにけり |
神奈川県 |
藤田 和夫 |
90歳 |
笛方の衿に掛けたる豆しぼり |
栃木県 |
石島 朝治 |
94歳 |