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第十九回 お〜いお茶新俳句大賞
A little dog
looking for broken bubbles
with the tip of his nose
(直訳)鼻先で
小犬が探す
割れたシャボン玉
東京都 新野 智美 15歳
石けん水などにストローをつけて吹くと、気泡の玉がふくれ、虹色を帯びて飛んでいく。それを追う小犬の鼻先でパチンと割れてしまう。においは残るが、影も形もないのに、なおもくんくん探す飼犬の愛らしく可笑しい仕草。よく観察して興じる作者の英語も生き生きとして、すばらしい。
colored carps
blossom on pond
a dim memory
(直訳)緋鯉
池の花
おぼろな思い出
北海道 三上 しおり 17歳
festivity ebbing
a knotted necktie
under the cherry tree
(直訳)お祭り騒ぎがおさまり
結んだネクタイが
桜の木の下に
大阪府 廣田 裕子 55歳
Spring is here
Buds opening up
I got new shoes
(直訳)春が来た
蕾が開くよ
私には新しい靴
カナダ Michael Tong 9歳
The climber's shadow
hesitatingly climbing
the ladder's shadow
(直訳)登る人の影が
梯子の影を
ためらいながら登る
クロアチア Vladimir Devide 83歳
Long afternoon heat
a shirt hangs immobile on
the taut horizon
(直訳)長い午後の暑さ
シャツがだらりと下がる
ぴーんと張った地平線
アンドラ公国 James Kirkup 90歳
coming in from the field
my father's backlit hands
cast a large shadow
(直訳)畑からもどる
父さんの逆光を受けた手が
大きな影を投げる
カナダ LeRoy Gorman 58歳
Old red freighter greets
a small white lighthouse
foggy sunrise
(直訳)古びた赤い貨物船が
小さな白い灯台に挨拶する
霧の中の日の出
カナダ Janet Tong 17歳
In the evening
seeing who is the tallest
my shadow or me
(直訳)夕方
背はどちらが高い?
私の影と私と
静岡県 新井 里奈 13歳
Cloud's shadow
swallows
all shadow
(直訳)雲の影が
のみこむ
あらゆる影を
京都府 中尾 和史 16歳
《 星野恒彦選 》
Sitting in the seat
watching the actors
where am I
(直訳)座席から
俳優たちを観ている
私はどこにいるのだろう
東京都 中川 春華 16歳
劇を観ていて、すっかり舞台に引き込まれたあげく、ふっと我に帰る。夢から覚めたように、一瞬自分の居所が分からない。舞台にくり広げられる仮空世界と、観客たる自分の現実世界を行き来する経験をうたった、心理的でユニークな作品。
《 フィリップD.ジトウィッツ選 》
Sparrows huddle
by the vending machine
cold snap
(直訳)自動販売機のそばに
雀たちがかたまっている
寒波
神奈川県 山上 元孝 77歳
この俳句は使われているわずかな言葉にもかかわらず、鮮やかなイメージをかもし出しており、 一茶風な哀れみとユーモアも感じられる。
《 国際俳句交流協会選 》
When our turtle
stops eating anything
winter comes
(直訳)飼っている亀が
なんにも食べなくなると
冬になる
北海道 佐藤 駿介 17歳