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第十八回 お〜いお茶新俳句大賞

佳作特別賞 その3

第十八回伊藤園お〜いお茶新俳句大賞 各部門受賞者
優秀学校賞 英語俳句の部 佳作特別賞その3 佳作特別賞その2 佳作特別賞その1 佳作特別賞 都道府県賞 ユニーク賞 後援団体賞 審査員賞 一般の部B(40歳以上) 一般の部A(40歳未満) 高校生の部 中学生の部 小学生の部(幼児含む) 優秀賞 各部門大賞 文部科学大臣奨励賞
佳作特別賞 その3

今宵遇うひとの波間に去年今年

東京都

鈴木 依古

29歳

春の川結婚指輪の手を浸し

神奈川県

池田 若奈

29歳

枯葉敷き昔語りの月夜道

神奈川県

有賀 慎二朗

29歳

今日もまた元気の前借り栄養剤

静岡県

武田 裕美

29歳

雀らに腕を貸してる古案山子

京都府

蔵ノ内 由香

29歳

金銀の楼閣萌ゆる古都の秋

京都府

八木 大介

29歳

その笑顔神様だって一目惚れ

大阪府

福島 貴人

29歳

春愁にゆっくり揉んだ母の肩

兵庫県

中野 雅美

29歳

もみじの手未来は何をつかもうか

島根県

郷原 理恵

29歳

貝殻を夕陽に投げた小さな手

広島県

渡辺 景子

29歳

痩せたいがお菓子が誘う食べてくれ

徳島県

平山 幸子

29歳

老夫婦言葉一つで通じ合う

高知県

谷内 由佳

29歳

老けたなと言ったあなたが老けたのよ

熊本県

緒方 和加子

29歳

蛍火が心照らして道示す

北海道

松田 美代子

30歳

指先をほのかに染めし苺摘み

宮城県

小島 福子

30歳

幼子の蓬が香るランドセル

宮城県

相澤 秋子

30歳

高速の朝焼け今日は独り占め

茨城県

大内 泰幸

30歳

猫もまた忙しい振りする師走

群馬県

堀口 寛

30歳

一人きりゆれるクラゲになりたい日

埼玉県

阿部 安希子

30歳

節分の鬼も仲良く恵方巻

埼玉県

深見 寿江

30歳

テレビからはみ出している冬祭り

埼玉県

米山 陽隆

30歳

猫の腹何故か太陽の匂いする

千葉県

河野 理加

30歳

告白が溶けずに凍る冬の道

千葉県

水野 祥子

30歳

子に買って父にも買ひし夏帽子

千葉県

保坂 結香

30歳

風鈴が夏のしっぽにしがみつく

東京都

岡部 美穂

30歳

春がくる何より先に鼻にくる

東京都

村山 かほる

30歳

長男のほくろの横に白い雪

山梨県

大島 利美

30歳

初雪に行く末託し宮参り

長野県

金井 和義

30歳

温暖化我が家の氷は溶けません

静岡県

亀井 達也

30歳

笑い皺生きた軌跡を垣間見る

静岡県

古賀 久美子

30歳

兄弟で同じ寝相の冬の夜

静岡県

中澤 恭子

30歳

なぜだろう成立している猫との会話

静岡県

鈴木 とも子

30歳

街中が雪降る音に耳澄ます

愛知県

大山 寛子

30歳

今昔の旅人見上げる石畳

三重県

仲島 一彦

30歳

母さんが春を知らせる花粉症

京都府

中島 徳子

30歳

赤子の手握るその手も幼き手

大阪府

杉浦 陽子

30歳

童謡を小春日和に教わりぬ

大阪府

有田 里絵

30歳

あぜ道にしゃがみ込んでる一年生

広島県

美戸 美和

30歳

なで肩の凧が電線かいくぐる

徳島県

瀧本 里美

30歳

公園を出て旅したいしゃぼん玉

福岡県

佐竹 聖子

30歳

すれちがう車の窓に桃の花

宮崎県

迫口 理恵

30歳

夫婦茶碗夢だったのに崩れ去り

北海道

占部 めぐみ

31歳

おしぼりにレモンの香り春の風

北海道

大山 光

31歳

参観日親も一緒に手を挙げる

青森県

増山 由理

31歳

玉砂利がはずむ音する夏祭り

青森県

二本柳 綾子

31歳

雪だるま子供の遊びの見守り隊

福島県

星 由紀恵

31歳

十六夜の月をグラスに誘い入れ

埼玉県

金子 誠一

31歳

つなぐ手を離して君の入園日

埼玉県

古澤 雅江

31歳

笑みあれば何とかなるさわが家計

埼玉県

冨留田 静子

31歳

りんご剥き君をアダムと呼んでみる

千葉県

楠 昌子

31歳

こんこんと雪待ち兼ねて狐啼く

東京都

江口 剛

31歳

お日様をたっぷり溜めるままごとの椀

東京都

柴田 佳美

31歳

月揺れてジョバンニを待つ都電かな

東京都

渡辺 文子

31歳

初めての産毛を採りし雛祭り

東京都

野田 夏子

31歳

寄り道も沢山したがやはりお茶

神奈川県

大石 哲

31歳

冬が来た山の上だけ冬が来た

新潟県

小澤 啓子

31歳

流れ星短い願いを用意する

福井県

和田 真也

31歳

ネクタイに慣れて三年桃の花

岐阜県

浦 寿之

31歳

喧騒もご馳走になる祭り宿

岐阜県

福井 恵

31歳

若草を踏むに迷いて歩を止める

静岡県

伊東 寛恵

31歳

ショパン聴く僕は夜空の一部です

静岡県

萩原 朝子

31歳

加湿器で加齢対策怠らず

愛知県

加藤 まき

31歳

山吹の黄あざやかにあくび猫

愛知県

甲斐 佳代

31歳

おみくじは凶が出なけりゃ御の字だ

愛知県

小川 春樹

31歳

紺青の磯へ飛び込む漁師の子

三重県

坂口 直矢

31歳

思い出の一枚づつの落葉かな

三重県

水野 七恵

31歳

雪げしき足跡残すうさぎ達

大阪府

石原 静花

31歳

新しい家族は作った雪だるま

兵庫県

出田 繁男

31歳

衣替え着れない服がまた増えた

和歌山県

岩田 邦子

31歳

鬼は外オヤジは外で玉を打つ

岡山県

大西 直喜

31歳

あかぎれの母にどうぞと食洗機

広島県

山村 明美

31歳

待ちつかれ毛布の端を吸い眠る

広島県

山本 幸子

31歳

沈んでるじいちゃんに聞いた海の底

広島県

有馬 未知

31歳

木枯しを越えて夜学に灯がともる

山口県

甲斐 和雅

31歳

木枯らしにおされて君に逢いにゆく

愛媛県

兵頭 龍衛

31歳

いそぎでもいそいでなくてもまわりみち

福岡県

橋本 哲郎

31歳

床に入る瞼のうらに夢花火

福岡県

財津 拓也

31歳

ウォーキング暖冬ゆえに断れず

福岡県

大神 由季子

31歳

辞令出る二月に思う未知の春

北海道

三土 雅宣

32歳

かくれんぼ落ち葉の音が場所教え

北海道

祖田 伴子

32歳

恋という季節も入れてみたくなり

北海道

平松 泰輔

32歳

波ざんざさぞや大きい宝船

福島県

齋藤 政弥

32歳

浮き沈み大波小波我が人生

茨城県

八木 正美

32歳

失恋も花粉症だと誤魔化せり

栃木県

高崎 早苗

32歳

この木の芽青くなる頃母になる

栃木県

森谷 景子

32歳

青林檎まるごと君に愛される

埼玉県

藤沢 美由紀

32歳

水冷えて違う小鳥の音色かな

東京都

関根 祥

32歳

山頂に枯葉も悔いも踏んで立つ

東京都

近藤 明日香

32歳

花冷えやわが靴音に迷いなし

東京都

佐藤 彩

32歳

空豆のおしゃべり聞こゆさやの中

東京都

小久保 弘子

32歳

少子化が進むにつれて医師不足

東京都

石橋 万紀子

32歳

花色のふうわりひと風のれん押す

東京都

潮 なぎさ

32歳

故郷の家新たなれど親老いて

神奈川県

相澤 二郎

32歳

朝顔のぐっと突き出す男道

神奈川県

浜田 知規

32歳

葉畑に五月が薫り時刻む

神奈川県

門前 秀紀

32歳

お隣りは住んでる気配するだけだ

京都府

宇谷 玲

32歳

向かい風負けてたまるか風見鶏

大阪府

江崎 真実子

32歳

年毎に産地減りゆく霜の花

大阪府

増田 貴至

32歳

ヘッドフォン心の雪も溶けてゆく

大阪府

長谷川 幸子

32歳

新緑に寝てわたあめを食べる午後

兵庫県

吉村 かおり

32歳

水族館チケット制の竜宮城

和歌山県

伊積 利恵

32歳

エルニーニョ草木も迷う冬桜

岡山県

井上 峰子

32歳

白桃の香りで僕はノックアウト

岡山県

大崎 篤巳

32歳

小さな手ぬくもり握って通園路

愛媛県

石原 由紀恵

32歳

体操でぐるぐる春風回してる

福岡県

松田 優子

32歳

雪柳四肢より放つ生きる意志

福岡県

日野 恵子

32歳

思い出は風を分け合ういのこずち

大分県

吉富 広光

32歳

偽善者をじつと見つめる花氷

タイ

中田 朗子

32歳

雪原に飛び込み描く大文字

北海道

杉村 愛理

33歳

小春日の我と似ている雪だるま

北海道

杉本 真樹

33歳

旅先の夕日に誓う自分越え

青森県

成田 理恵

33歳

靄を立て生きているぞと休火山

福島県

野田 春恵

33歳

冬の朝時間が止まる金魚鉢

栃木県

影山 菜穂子

33歳

冬晴れに小さき産着水通し

埼玉県

山崎 牧子

33歳

踏みしめて大地感じる霜柱

埼玉県

森 ゆかり

33歳

顔写真口一文字受験票

埼玉県

塚本 慎一郎

33歳

唇にとれたてトマトの体温や

埼玉県

萩原 祥子

33歳

待ちわびて水のあふれる冷奴

千葉県

三谷 志麻

33歳

花冷えの水に色づく月の影

千葉県

池端 香

33歳

つま先に春の訪れいぬふぐり

千葉県

猪野 留実

33歳

置手紙春を探しに行って来ます

東京都

今村 真有子

33歳

宿りし子月光浴びて腹を蹴る

神奈川県

加藤 孝

33歳

六月の海は土へと沁みていく

神奈川県

古谷 昌彦

33歳

初雪に息弾ませて外にでる

富山県

奥山 由起子

33歳

強がりを言ってコートの襟立てる

富山県

三宅 由希子

33歳

砂時計くびれた場所に今を映す

石川県

木原 学

33歳

うつろいの畑の静けさ菊香る

石川県

橋 道子

33歳

眠れない部屋いっぱいになる羊

静岡県

三浦 修美

33歳

運動会水無月の田に風走る

静岡県

林 久美子

33歳

冬の風街の空気を澄ましゆく

愛知県

高桑 知子

33歳

雪国のほほを染めたるりんごかな

愛知県

塚本 知恵子

33歳

春一番スカートをはく妻である

大阪府

有田 雅人

33歳

ひよどりと夕日が一息つく電線

兵庫県

小川 友里

33歳

ブラウスに光あつめて今朝ははる

兵庫県

有木 久美子

33歳

間奏のように現われ車窓の梅

奈良県

曾根 毅

33歳

銀杏の木黄色の衣脱ぎすてて

山口県

世良 大樹

33歳

金平糖舌の上にも冬銀河

徳島県

安藝 達也

33歳

茶畑に新芽の香る我が山郷

愛媛県

鈴木 優子

33歳

冬の朝こころがしんと透きとおる

福岡県

石丸 智子

33歳

冬の空私のようなちぎれ雲

長崎県

金子 肇

33歳

お年玉入れたポケット押さえてる

大分県

山本 えみ

33歳

大雪がほんのり赤くもゆる冬

北海道

有馬 宏実

34歳

満天の冬の星座が覇を競う

山形県

山崎 明日香

34歳

赤子の手見ているだけで日が暮れる

山形県

沼本 美里

34歳

活字にて旅を続ける夜長かな

福島県

荻野 さより

34歳

母を呼ぶ桜並木のランドセル

福島県

難波 宏彰

34歳

本当のことは答へずサングラス

群馬県

斎藤 美秋

34歳

子らの声止んで八畳虫時雨

埼玉県

伊藤 万里子

34歳

早春の家族のしあわせそこにあり

千葉県

市原 由美子

34歳

散歩道ひとつふたつと春が増え

千葉県

宍倉 美恵

34歳

オルゴール覚えた娘は寝てくれず

東京都

金谷 博也

34歳

公園の木が鳴くようなせみの声

東京都

重吉 祥子

34歳

縄跳びのリズム早まる寒き朝

東京都

石井 純枝

34歳

カーテンのすそ遊んでる初夏の風

東京都

中橋 祐子

34歳

お日様のにおいするよとお花摘み

神奈川県

習田 夏美

34歳

「ただいま!」と今年も土筆が春告げる

神奈川県

西出 陽子

34歳

遠き地に母が見ている春の月

神奈川県

中村 和日子

34歳

朝顔を数えて終わる夏休み

神奈川県

齋藤 由紀

34歳

金魚すくいゆらり優雅に逃げられる

新潟県

内藤 由美

34歳

頑張って終わる一日星がきれいだ

山梨県

松本 貴博

34歳

首を振るエースの孤独夏の蝶

静岡県

山下 奈美

34歳

雨上がる白梅もまた乾きゆく

愛知県

近藤 晶子

34歳

にぎりめしほおばる空にトンビの輪

愛知県

水谷 よしえ

34歳

クレヨンの線路が続く床や壁

愛知県

朝岡 栄治

34歳

線香と訛り流れる盆の宵

京都府

栗林 美保子

34歳

流れ星億年分の孤独込め

岡山県

小西 華江

34歳

春風に吹かれてゆれる恋心

広島県

加崎 知恵

34歳

日記帳幼い自分がそこにいる

福岡県

下須崎 充宏

34歳

よちよちと歩いた先につくしのこ

福岡県

小林 弘美

34歳

梅ノ木の蜜吸うメジロ声高し

熊本県

藤田 奈津美

34歳

朝焼けに街の静けさ目にしみる

宮崎県

岩切 まゆみ

34歳

水しぶき夏の日差しで星になる

沖縄県

釜ヶ澤 三恵子

34歳

チクタクと体の時計の音がする

デンマーク

森本 香

34歳

父の背に語らぬ愛の深さ知る

北海道

寺島 理映子

35歳

亡き友のメルアド消せぬ除夜の鐘

青森県

松橋 幸代

35歳

老眼鏡母の世界でかけてみる

青森県

前田 昌子

35歳

流木の過ごせし時に思いはせ

岩手県

笠間 由美

35歳

冬の月黒の景色を青に染め

埼玉県

田原 孝幸

35歳

叱られてしょげる角度が父親似

埼玉県

礒野 康宏

35歳

豚汁を待つランナーに冬の雨

千葉県

瀬川 晶道

35歳

枯れ枝に木の実のような紅雀

東京都

安部 瑞代

35歳

ワイパーが軋みて止まる雪の道

東京都

臼井 清子

35歳

着膨れて転がるような人の波

東京都

遠藤 秀人

35歳

みそ汁の色淡くなり春の来る

東京都

足立 大樹

35歳

靴ひもをキュッと縛って春の丘

神奈川県

伊藤 慶

35歳

すれ違う向かいの電車の大あくび

神奈川県

大岸 美樹

35歳

春の空吸われるように旅に出る

富山県

松井 哲

35歳

門松に喧嘩売ってる酔っ払い

長野県

西村 貴雪

35歳

モノクロの案外かわいい若き母

岐阜県

柳澤 功子

35歳

肩車わが子に重ねる遠い自分

静岡県

飯塚 孝

35歳

春宵や水のようなる人とゐて

愛知県

白井 隆文

35歳

まっすぐな子のまなざしに見透かされ

京都府

今村 美穂

35歳

出産に立会い妻に母をみる

大阪府

緒方 博士

35歳

鰯雲果て無き空に道標

大阪府

浜田 浩司

35歳

糊こわき浴衣に母をしのびけり

兵庫県

北田 直美

35歳

春の雪消印の無い便りかな

広島県

安冨 公剛

35歳

父の肩ほほ摺り寄せる子の寝顔

広島県

堀井 陽子

35歳

思い出はおしろい花の種の中

山口県

細谷 陽花

35歳

新しい家族で過ごす日曜日

山口県

島村 洋子

35歳

香水を変えてモードを切り替える

長崎県

内野 由紀子

35歳

黒板にじゃあねと書いて卒業す

北海道

安田 こずえ

36歳

幼な子の手より大きな冬ミカン

北海道

佐藤 美由紀

36歳

粉雪が働く人のほおに舞う

北海道

小林 美和

36歳

短編の一話完結春の夢

山形県

丹治 正暁

36歳

数学の教科書にある春の闇

福島県

益永 涼子

36歳

古利根に涼風渡る月夜かな

埼玉県

高田 昌照

36歳

桜咲く自分の心に和み咲き

千葉県

山口 真紀子

36歳

母編みし帽子は雪と同じ色

東京都

阿部 博美

36歳

花火にも負けない嘘をついた夏

東京都

斉藤 美代子

36歳

面影に歩を止めたるや雛の顔

東京都

川上 厚子

36歳

上弦の月見送りて父逝ずる

神奈川県

花畑 ますみ

36歳

稲担ぐ初老の腕の黒びかり

神奈川県

金子 勇一

36歳

凛とした大気を震わせ初日の出

神奈川県

斉藤 龍太

36歳

坪庭のうぶ毛やんわり春隣

神奈川県

川村 裕子

36歳

豆電球消したら螢返事した

神奈川県

與田 治久

36歳

何想いゆふらゆららん冬の蚊よ

静岡県

中澤 恵美

36歳

夕焼けに波紋残して真鴨去り

愛知県

遠藤 勝己

36歳

片肺を交互に休め渡り鳥

大阪府

久保田 博之

36歳

サンダルの隙間の土産星の砂

大阪府

小林 智美

36歳

ほら春が信号待ちをしているよ

大阪府

上山 広信

36歳

子育てはグレーゾーンなことばかり

兵庫県

幸野 由紀子

36歳

風花や幼が踊るアンドゥトロワ

岡山県

菱川 まゆみ

36歳

フラココや誰より高い風に逢ふ

熊本県

伊津野 貴子

36歳

地下街にダイヤも眠る春の宵

北海道

河野 美奈子

37歳

暖冬にココアの甘さもてあます

宮城県

八尾 正実

37歳

マンションがつくしのように顔をだす

千葉県

佐藤 奈美路

37歳

ほたる火の筆の運びを指で追い

千葉県

中田 広明

37歳

咳をして咳で答える風邪一家

千葉県

八本 公美

37歳

ジーパンの折り目にポツリ星の砂

東京都

加藤 幸子

37歳

封切の土の匂ひに種を蒔く

神奈川県

小泉 由美子

37歳

かたつむり雨宿りする地蔵堂

石川県

水上 猛之

37歳

押し花のかすかな香りと読書する

静岡県

筒井 俊明

37歳

梨生りて夏の名残りの暑さかな

兵庫県

浅野 弘一

37歳

エンピツの音が戦う試験場

奈良県

中村 和明

37歳

チューリップ花瓶の中で背伸びする

福岡県

玉城 千香

37歳

離れても笑顔は同じ春の空

ペルー

小俣 武史

37歳

花開く音のする朝蝶になる

宮城県

阿部 奈津紀

38歳

笑ってる君がたくさん万華鏡

宮城県

林 雅人

38歳

縁側でジャズ聴く僕とチューリップ

茨城県

家田 聡

38歳

洗濯物くるくる回る春一番

茨城県

内田 千尋

38歳

梅の花もういいかいと咲きはじめ

埼玉県

山田 裕美

38歳

陽の力掴み取ったり冬けやき

埼玉県

須藤 真由美

38歳

林檎持ち北国の雪ふと想う

千葉県

阿川 文雄

38歳

七草を何時になったら言えるかな

千葉県

白土 健一

38歳

春愁の底に一粒ポップコーン

東京都

山戸 則江

38歳

キリギリスすべてを隠す夜が好き

東京都

浜元 祐実

38歳

大正の桜が散りし空の果て

長野県

藤森 かほる

38歳

春風や昔を偲ぶ鉄路あり

静岡県

土屋 裕重

38歳

自画像は捨ててゆくべし鳥雲に

三重県

増井 章子

38歳

読んでごらん幼いあなたがそこにいる

三重県

矢田 富美

38歳

青空に突き刺さりたる湾岸線

兵庫県

森井 教恵

38歳

物干しのシャツが捕らえた秋の風

徳島県

原 敏彦

38歳

縁日の金魚が家族になる夕べ

愛媛県

岸 恵子

38歳

雪の中甘くなってる野菜達

岩手県

市林 以久子

39歳

つらい日はいちばん大きな蜜柑むく

福島県

永井 克明

39歳

踏まないで此処は土筆の予約席

茨城県

野口 あき子

39歳

愛されず本の背表紙乾く冬

千葉県

高坂 朔夜

39歳

地方紙に包まれ届く泥の葱

千葉県

山本 喜代美

39歳

アルコールランプ二月の教具室

千葉県

山本 新

39歳

来るまでと半分までが夏休み

千葉県

中村 育雄

39歳

天国の父と笑って月見酒

東京都

深山 真理

39歳

ただいまと畑のトマトまるかじり

東京都

駒沢 美紀

39歳

ふるさとの月光お茶に入れて飲む

東京都

大久保 昇

39歳

車椅子どこまでいけば春がくる

富山県

片岡 照雄

39歳

少年の手から風船飛びたがる

山梨県

村田 一広

39歳

生真面目なメトロノームのような父

静岡県

古牧 和裕

39歳

隠れんぼさみしくなって泣きだして

愛知県

田中 定子

39歳

沈丁と同じ背の丈乳母車

愛知県

鈴木 幸絵

39歳

中学校サルビア多感なる真紅

愛知県

齊藤 隆

39歳

ひとりごとつぶやいている春の湖

滋賀県

久米田 栄子

39歳

この空は水彩絵の具の忘れ物

大阪府

沼井 雅美

39歳

夏草の勢いたるや早送り

奈良県

郡 貴文

39歳

家々の軒を彩る柿すだれ

岡山県

植木 信行

39歳

潮騒と鳴き砂愛でるシンフォニー

山口県

村本 勢以子

39歳

父の顔母の顔して大根抜く

愛媛県

大野 泰司

39歳

セロハンのきらきら騒ぐ秋日和

長崎県

中村 亜由美

39歳

ふと見上げ鯨みたいな飛行船

鹿児島県

前田 文代

39歳

薄れゆく陽に遊びけりななかまど

宮城県

佐藤 詠子

40歳

小春日に並んだ寝顔相似形

東京都

早川 昌子

40歳

深呼吸がんばらないをやってみる

新潟県

清水 修子

40歳

海開き私の影も走り出す

富山県

大浦 美紀

40歳

遊園地息子のオデコ空を飛ぶ

静岡県

杉山 晶美

40歳

欠けている月の半分探す夜

三重県

伊藤 純子

40歳

秋祭りみこし太鼓で血が騒ぐ

大阪府

前田 ゆかり

40歳

青空の上に青空鳥帰る

大阪府

名本 沙世

40歳

空を見る微笑む顔の母がいる

兵庫県

小石 美香

40歳

天下獲る天下獲るぞと雨蛙

愛媛県

斉藤 のぞみ

40歳

伝えたい言葉をさらう春の波

愛媛県

田窪 守

40歳

節分や泣かせた鬼の肩車

熊本県

泉 朋子

40歳

はみ出したシャツで隠した正義感

北海道

山下 美央

41歳

初詣母の手つなぎ牛歩の路

宮城県

板橋 智子

41歳

メール打つ向いの席の百面相

埼玉県

橋元 誠司

41歳

ゆく夏や子離れできぬ母ひとり

埼玉県

上垣外 直子

41歳

啓蟄や切手曲がって貼られおり

千葉県

加藤 裕子

41歳

深呼吸一つで変わる景色かな

東京都

岡田 由紀

41歳

夕立に軒先借りた路地の家

東京都

田中 政徳

41歳

雪かきの仕上げに作る雪だるま

東京都

鑓田 久美子

41歳

プールから出てきた耳が尖ってる

神奈川県

水野 タケシ

41歳

面接の部屋寒々と椅子一つ

石川県

西 やすのり

41歳

西空に残れる月や初仕事

滋賀県

牧戸 由美子

41歳

色白の二股もあり干大根

大阪府

堀脇 正一

41歳

残雪の林道抜ける重機かな

広島県

松脇 良則

41歳

地図になき故郷の島は蜃気楼

広島県

上田 容子

41歳

初雪やしばらく窓は名画なり

愛媛県

紙崎 照明

41歳

ごんぎつね読むたびに泣く君が好き

北海道

柏木 規子

42歳

冬空に動脈広げ生きる木々

青森県

小山 厚子

42歳

寒椿落ちての後の雅かな

栃木県

塩谷 多喜夫

42歳

鏡見て昔の母がそこにいた

千葉県

小島 たつみ

42歳

日常に音符をつけて百合が咲く

東京都

津山 孝文

42歳

しばらくは空傾がせて帰る雁

東京都

楠田 伸彦

42歳

山笑う杉の花粉を吐き出して

神奈川県

小林 直寛

42歳

さくら貝拾いあなたに逢いに行く

富山県

久保 立子

42歳

オーボエが時間を止めてゐる冬日

石川県

川渕 渉

42歳

鳥雲に男鋼の匂ひして

大阪府

宮本 和義

42歳

不器用に春の広がる黄砂かな

大阪府

前久保 奈津子

42歳

冬の波一人遊びで日が暮れる

愛媛県

高須賀 伸江

42歳

子の仕草夫婦喧嘩の種になり

北海道

増地 美樹

43歳

文月の入道雲に父を見る

北海道

田中 丈明

43歳

パソコンで検索できぬ子の気持ち

宮城県

藤井 日出子

43歳

寒椿いさぎよく散り時とまる

千葉県

恩田 洋子

43歳

星空を指でなぞれば点描写

東京都

橋本 喜代子

43歳

南極は地球の未来見える国

東京都

山元 豊

43歳

寒風に向かいて心定まりぬ

東京都

志田原 扶美子

43歳

店先に氷一文字夏来たる

東京都

浜田 晴規

43歳

掛け布団抜け出たままに子の形

神奈川県

岩渕 和信

43歳

冥王星遠のく焼芋屋近づく

神奈川県

酒井 裕子

43歳

落ち葉から秋の音する飛騨の道

新潟県

川津 七恵

43歳

ありったけの空楽しめよ夏燕

石川県

沖野 晶子

43歳

早春の地に丸々と休火山

静岡県

篠崎 由紀子

43歳

枯葉舞ふ心わびしき休肝日

大阪府

水田 節子

43歳

主なきままにジュラ紀の月夜かな

大阪府

竹内 千津子

43歳

お日さまを吸った布団にダイビング

兵庫県

橋本 富喜代

43歳

着信ランプの青を半日みて一人

山口県

松原 美由紀

43歳

笑い顔が映るまでりんごをみがく

香川県

河合 克徳

43歳

風神の木々おどろかす春一番

福岡県

中村 裕子

43歳

直感でふくらむ思い絵の具とく

鹿児島県

柳田 由起子

43歳

のぼり鮭川面に銀の風立ちぬ

北海道

水谷 千佳

44歳

東京に江戸を探して盛夏かな

群馬県

中野 千秋

44歳

梅一輪小さき母と墓参り

埼玉県

佐谷 啓子

44歳

ただの恋八百屋はザボン値下げして

埼玉県

三橋 三千代

44歳

地吹雪に背中を向けてバスを待つ

埼玉県

内田 隆一

44歳

半月をひょいと蹴飛ばし逆上がり

千葉県

鶴見 康幸

44歳

人柄が手書きの文字にあふれてる

神奈川県

斎藤 義夫

44歳

あなたもかマスクで感じる連帯感

神奈川県

三浦 陽子

44歳

車椅子押し手も仰ぐ花見かな

神奈川県

松村 江津子

44歳

水浴びの子らのしぶきに虹かかる

静岡県

杉浦 真子

44歳

ネギ刻む音で目覚めて四十年

滋賀県

田井 泰弘

44歳

杖を持ち寒波の中を行く帽子

京都府

柴山 容子

44歳

別れの日飛行機雲が空を分け

大阪府

伊勢 孝仁

44歳

ひとひらの花びら犬の髪飾り

大阪府

村山 千恵

44歳

雪食べたいとせがんだ娘も十七歳

香川県

西宇 あかね

44歳

パソコンに打ち込む文字が俺の声

愛媛県

近藤 智和

44歳

うたた寝の本の続きを風が読む

青森県

濱山 哲也

45歳

弟をバッタに変えた青野原

埼玉県

福島 範子

45歳

やわらかな風にすだれを取り外す

愛知県

金子 美予子

45歳

部屋を這う蟻にも親しみ単身赴任

愛知県

上森 和夫

45歳

京言葉炎天少し和らぎぬ

兵庫県

木村 修

45歳

言うことをきかぬ子きく子鳳仙花

愛媛県

岡田 まみ

45歳

ベランダのななめの風に大根干す

大分県

河野 明美

45歳

東京の顔を忘れて障子貼る

大分県

石井 かおり

45歳

雲ひとつ生まれぬ空の寒さかな

宮城県

塩谷 和浩

46歳

抜きたての匂いごと葱積み込まれ

茨城県

伊藤 靖則

46歳

春野きてサラダのように言葉食む

埼玉県

有永 克司

46歳

夕焼けにあぶりだされる富士の峰

千葉県

原 佳比己

46歳

ただいまの声のみ響いて供花の菊

千葉県

中島 知基

46歳

静寂にコオロギ鳴きてページ繰る

東京都

小池 貴美子

46歳

冬うらら飛行機雲がぐいと伸ぶ

東京都

片岡 哲郎

46歳

冬草の大手を広げ集める陽

神奈川県

橘 俊行

46歳

蓮の花白よりしろく泥に咲く

神奈川県

小林 ゆみ

46歳

市場から満杯の春届きけり

石川県

大本 久美子

46歳

くりくりの頭を撫でてお年玉

山梨県

安部 龍太

46歳

水道にそろりと手を出す冬の朝

岐阜県

水野 和彦

46歳

ゆらゆらと小春日和に川面揺れ

静岡県

杉村 富士雄

46歳

百合の花思いのままに向いてをり

島根県

稲田 忠徳

46歳

ぼんやりとひとりで祝うひな祭り

広島県

河村 加代子

46歳

お互いに歩幅を合わす春の雨

山口県

江見 こずえ

46歳

草原に緑の波がおどる夏

徳島県

中村 順

46歳

幼子がそろりと入るおどりの輪

福岡県

中川 加代子

46歳

理由でもあるかのように虎落笛

茨城県

尾崎 弘子

47歳

音域が急にひろがり猫の恋

埼玉県

丸井 弥寿子

47歳

庭先の小草に咲きし白き花

埼玉県

上原 和代

47歳

追伸に牡丹の色を書き添える

東京都

牛村 智子

47歳

Vの字を広げし鴨の水面かな

東京都

城名 景琳

47歳

ひまわりも陽を背にあびて反抗期

新潟県

馬場 賀子

47歳

蓮の葉のうちわでそっと風を呼ぶ

愛知県

中島 順子

47歳

絵文字では元気な貴方に見えるのに

北海道

喜多川 孝子

48歳

茶柱は湯呑みの中でまだ寝てる

福島県

宇野 邦久

48歳

心して食べます母の春野菜

埼玉県

中 真知子

48歳

ぶらんこを漕いで大きくなる我が子

埼玉県

東海林 雄一

48歳

干しものの匂ひやさしき小春かな

千葉県

安藤 聡子

48歳

桜満ち空は居場所を無くしけり

東京都

山崎 慶太

48歳

監督の声まで日焼してをりぬ

兵庫県

藤野 佳津子

48歳

雲の峰大志のごとく立ちにけり

広島県

村上 恵

48歳

削除キーそっと叩いて卒業す

愛媛県

奥村 幸二

48歳

自転車を止めれば入道雲の中

埼玉県

岸田 政明

49歳

日時計の時間を奪うビルの影

埼玉県

菅野 耕平

49歳

蚊遣火や夜風が運ぶ波の音

千葉県

川村 秀夫

49歳

冬木立見え隠れする妻の後

大阪府

黒田 長裕

49歳

濃淡の心が揺れる走馬灯

兵庫県

小田 和子

49歳

陽炎やゆらゆらものを思いおり

広島県

石井 由起子

49歳

深呼吸春が体に染み渡る

福岡県

本田 裕美子

49歳

とりあえず許容範囲の桃の傷

北海道

安田 茂

50歳

物憂げなサックス響く街薄暑

東京都

井筒 真理子

50歳

燕の子顔から口がはみ出せり

東京都

神谷 信行

50歳

夕焼も入れて木箱を閉じにけり

神奈川県

大西 惠

50歳

亡き母のまだ新しき冬帽子

山梨県

三神 みすず

50歳

夕焼に溶け込みそうにポスト立つ

長野県

新井 賀子

50歳

目覚ましの音やわらかに春に入る

大阪府

岩崎 伊知子

50歳

子どもらの声がきらきら夏の川

兵庫県

小田 慶喜

50歳

秋風を全身で聞くフランスパン

長崎県

牧野 弘志

50歳

ペダルこぐフランスパンに春の風

岩手県

佐藤 レイ

51歳

初彼岸一合ほどの米を研ぐ

栃木県

大塚 和幸

51歳

幾何学の街直線の陽の光

埼玉県

山本 一郎

51歳

柚子届く3LDK灯すごと

東京都

尾上 恵子

51歳

打ち水の手におじぎする散歩道

神奈川県

吉野 健司

51歳

コスモスに足泳がせるリフトかな

神奈川県

原田 魚泊

51歳

カラフルな靴から春が歩き出す

石川県

中越 啓子

51歳

影揺れて部屋広くなる白障子

三重県

坂中 徳子

51歳

飛び跳ねてグラスを満たす春の水

大阪府

瀬戸 順治

51歳

母の忌やこの指止まれ赤とんぼ

大阪府

辻本 洋子

51歳

野良猫の爪とぐ夕べ秋めきぬ

東京都

雨宮 照子

52歳

葉桜や旅の約束破棄になり

三重県

近藤 松子

52歳

冬籠もりお腹に脂肪ためてます

京都府

尾崎 せい子

52歳

春めくやすっと抜き取る躾糸

大阪府

東野 民子

52歳

豆まきのやがて兄弟投げ合いに

大阪府

北林 由布子

52歳

競泳の一人合図に遅れけり

愛媛県

池川 紀子

52歳

流鏑馬の一瞬地球止まりけり

神奈川県

天野 信敏

53歳

口ずさむ「どこかで春が」はここですよ

静岡県

鈴木 祥世

53歳

風吹いて干したる傘がカニ歩き

愛知県

水谷 真澄

53歳

手袋を片方咥えて切符買う

大阪府

吉川 喜由

53歳

耳遠き母にも届け除夜の鐘

大阪府

渡辺 廣之

53歳

蝌蚪泳ぐ四分音符のわらべうた

広島県

大迫 誠之

53歳

つくしんぼ採ったはよいがどうしよう

鹿児島県

沖村 豊弘

53歳

写メールにくっきり残る待った雪

秋田県

佐藤 厚子

54歳

小指ほど春来たるらし蜆汁

埼玉県

渡邉 照夫

54歳

霜ばしらひとつひとつが冬の精

千葉県

込田 敏枝

54歳

ペンキ塗り立てのやうかな日焼けの子

東京都

大西 敏雄

54歳

雪降らず氷も張らず春来たる

神奈川県

垣下 嘉

54歳

腕まくり鍋を磨くか熱帯夜

神奈川県

石黒 智子

54歳

この春は五十四で弾くショパンかな

神奈川県

鈴木 正一

54歳

雁渡る三角形が動いてる

石川県

織田 辰男

54歳

車椅子母の肩へと降る桜

三重県

陰地 聖子

54歳

町抜けて私一人の月となる

大阪府

河野 嘉子

54歳

遠足の児等遠足の声になり

東京都

増田 正

55歳

菜の花の赤く咲きたいときもある

東京都

日比谷 和子

55歳

車椅子ガラス戸ごしの小春かな

長野県

久保田 尚久

55歳

人ならばA型でしょうねこじゃらし

岐阜県

鈴木 ゆみ子

55歳

子守唄低く歌へば雪降り来

愛知県

田中の 小径

55歳

物言はぬ地にも意地あり霜柱

京都府

池本 史子

55歳

意志を持たない八月の水を飲む

大阪府

鎌田 十旗

55歳

とんぼうや忘れし事を告げに来る

大阪府

高橋 千代

55歳

島点々瀬戸は冬凪父の墓

大阪府

今井 和子

55歳

フォトメール梅一輪の温かさ

大阪府

藤原 すみえ

55歳

花吹雪集落つなぐ郵便屋

山口県

木 潔

55歳

蛤の神を恐れぬ舌を出す

北海道

押田 裕見子

56歳

聞き上手話上手に蜜柑盛る

埼玉県

小嶋 あけみ

56歳

朝なぎを裂いてはためく大漁旗

東京都

吉成 繁幸

56歳

初せりの声高らかに天を突く

東京都

三井田 元江

56歳

日の雫ひとつ咥へて蟻出づる

神奈川県

佐野 利典

56歳

かげろふやおらが地球の皮膚呼吸

石川県

天辰 芳徳

56歳

菜の花やゆらゆら故郷近くなる

静岡県

阿部 広海

56歳

海女が縫う漁師の町の吊るし雛

静岡県

青木 昭

56歳

祭の面並んで見ている鰯雲

静岡県

浅尾 千恵

56歳

名泉のかおりおまかせ旅気分

大阪府

小松 幸恵

56歳

ごまめむ団塊世代の妻として

熊本県

坂田 淑子

56歳

夕暮れてさがした児の手に椿の実

千葉県

芝 敏子

57歳

湯豆腐の煮えたる頃に国言葉

東京都

関根 直美

57歳

ふた駅を乗り継ぎ地虫出でにけり

石川県

中田 君枝

57歳

満月に魔女が大空飛びそうな

長野県

熊谷 守世

57歳

凩に体当たりして通勤路

大阪府

松木 元

57歳

あくびする猫につられて我もする

兵庫県

安楽 義秋

57歳

心配の種から烏瓜の花

愛媛県

阿南 さくら

57歳

捨てたもの拾いに戻る十三夜

長崎県

野上 和子

57歳

少年の汗は発火の音がする

北海道

渡辺 のり子

58歳

知らぬまに気球も入りて初景色

茨城県

今井 多津子

58歳

山深く眠りつきたる入日かな

埼玉県

阿部 洋子

58歳

春一番吹いて肩の力抜け

千葉県

中島 健美

58歳

本棚にドストエフスキー寒波くる

千葉県

鶴岡 満

58歳

筆洗う父の一途や日脚伸ぶ

東京都

佐々木 久美子

58歳

木の香り大工の父を懐かしむ

東京都

水野 孝一

58歳

桜貝打ち寄せられし誰を待つ

石川県

中島 紫香

58歳

月光のひらひら海を飾りけり

静岡県

渡辺 豊子

58歳

吊し柿水平線の高さかな

三重県

太田 貴美子

58歳

聞き耳をたてて踏んでる霜柱

大阪府

亀川 富雄

58歳

真白なスニーカーにも土踏まず

大阪府

東金 夢明

58歳

湯豆腐の崩れる音や一人鍋

兵庫県

長田 知代子

58歳

行間の広き箋買ふ薄暑かな

兵庫県

鶴亀 幸治

58歳

履き物も集い語らう里帰り

兵庫県

島田 喜代子

58歳

空しさも受け入れている寒椿

福岡県

田口 よう子

58歳

月の裏通ったような渡り鳥

ブラジル

里 晋平

58歳

故里の便り開ければ紅葉散る

ブラジル

脇山 千寿子

58歳

よく笑う人数分の寒たまご

秋田県

柳川 大亀

59歳

春風がうわさ話も連れてくる

茨城県

河野 正子

59歳

そこここに薄暑のメール滞る

千葉県

稲垣 恵子

59歳

勝ち組に遠き子と居てあたたかし

千葉県

飯島 昭子

59歳

深海の力煮え立つ鮟鱇鍋

東京都

佐久間 博信

59歳

千切りの刃先がはずむ春キャベツ

東京都

水品 克己

59歳

非通知の電話に残る寒さかな

東京都

渡部 一美

59歳

春の朝われは一個の果実なり

神奈川県

浦山 みさ子

59歳

沼底にピカソを描く蝌蚪の紐

神奈川県

清水 利治

59歳

ひび割れの百年桜芽吹き初む

神奈川県

石原 次子

59歳

流氷のことも話して母帰る

石川県

上間 英則

59歳

凍空へ出る靴紐の締め加減

愛知県

加藤 順子

59歳

葡萄園いつも読書の子が一人

愛知県

大萱 比奈子

59歳

秋風をふっとはき出しゴールイン

京都府

堀尾 寿代

59歳

焼芋を割ってドラマの始まれり

大阪府

石井 冴

59歳

満月が恋人のように付いてくる

大阪府

大西 鈴代

59歳

天空と地上の恋か稲光

鳥取県

谷口 潜風

59歳

万緑に百選の名水湧き出づる

大分県

植木 正朗

59歳

葱坊主誰より一番ママが好き

青森県

佐々木 寿子

60歳

幼な児の指選んでる赤とんぼ

福島県

鴨井 喜子

60歳

パンジーよ笑い過ぎですお静かに

茨城県

佐瀬 貴子

60歳

枯れ草が大地をつかむ雪の下

群馬県

木村 洋子

60歳

知恵の輪の少年の夏終りけり

埼玉県

岩間 喜久子

60歳

晩学の頭叩いてちゃんちゃんこ

東京都

島本 真理

60歳

自販機の明かり冴えおり村眠る

石川県

竹森 繁治

60歳

片道は歩いて帰る花の土手

石川県

八木 迪子

60歳

自販機の灯りが温し雪の町

静岡県

秋山 白兎

60歳

肩書きの取れし漢の日向ぼこ

三重県

古川 和子

60歳

十五夜を散歩のつもりが屋台酒

大阪府

稲垣 智久

60歳

象の眼の少し動いて梅雨に入る

大阪府

大西 陽子

60歳

その中の一人は尼僧梅ふふむ

兵庫県

金田 美恵子

60歳

道問えば山茶花の家と教えられ

兵庫県

中山 真由美

60歳

こんと割り音符繰り出す春卵

鳥取県

植田 章子

60歳

ペットボトル飲み干す風は夏めいて

愛媛県

湯山 とみ子

60歳

法隆寺土塀の色に秋溶けて

長崎県

高木 美智子

60歳

目を描けば紙雛われを見つめたり

北海道

竹内 惟眞子

61歳

小春日や寅さんひとりまたひとり

青森県

米内 吉信

61歳

暮らし方丁寧にして水仙花

茨城県

安達 みつ江

61歳

春愁や句読点なき母の文

茨城県

山内 菊代

61歳

紅梅や酒くみ交す羅漢あり

茨城県

渡辺 芳枝

61歳

冬銀河地球から水溢れだす

埼玉県

西 智恵子

61歳

頬杖で春の足音聴いており

千葉県

吉田 叔子

61歳

音符のようにおしゃべりしている三歳児

三重県

佐藤 とみ子

61歳

老犬の歩幅ゆるめず寒椿

岡山県

平賀 明子

61歳

傾きし巣箱空っぽ栃の花

広島県

岩谷 照子

61歳

掌をはなれ花びら風を追い越せり

広島県

住田 聡美

61歳

友禅のお手玉二つ冬紅葉

愛媛県

森田 玲子

61歳

パソコンで馨りと打つや金木犀

福岡県

谷 祥子

61歳

曼珠沙華百姓一揆にちがいない

大分県

岸本 千鶴子

61歳

ドアの向こう春のしっぽが見えている

茨城県

福本 杳

62歳

福寿草宇宙の電波受信中

栃木県

木村 宣子

62歳

石畳こつこつこつと紅葉狩

埼玉県

遠藤 衞

62歳

孫忍者ドロンと言って消えられず

埼玉県

江原 好一

62歳

ゆるゆると夜を解いてく月見草

埼玉県

田村 嘉代子

62歳

天上に子規の球音霜柱

千葉県

山本 敦子

62歳

たんぽぽをフーッと吹いて子ばなれす

千葉県

大久保 千鶴子

62歳

縫い付けしボタンのシャツで巣立ちけり

千葉県

保田 洋子

62歳

菊薫る衛士詰所は銅の屋根

東京都

狩野 二郎

62歳

寒紅や白足袋の歩は小さくし

神奈川県

實方 成代

62歳

我が息も風でありけり花吹雪

滋賀県

宮地 壽子

62歳

節分の鬼と福とが談笑中

京都府

東 珠生

62歳

台風の行方をマウスでクリックし

兵庫県

竹増 正之

62歳

砂時計無音のままに秋暮れる

岡山県

石原 治

62歳

縄飛びの回る数だけ影も飛び

広島県

黒木 詔子

62歳

紺碧の海引きよせて桜かな

山口県

三野 公子

62歳

早春や一重の波に足ぬらし

大分県

野口 文吾

62歳

見下ろせば日傘が作る花壇かな

宮城県

福田 洋子

63歳

春の雪少女の膝にある尖り

栃木県

松本 カヅ子

63歳

寒いちご大人も欲しき秘密基地

栃木県

渡辺 絹子

63歳

水の星瑞穂の国の水馬

埼玉県

手嶋 美枝子

63歳

雑炊となりて車座解けゆく

千葉県

藤田 富江

63歳

故郷の陽浴びし柿の届きたる

千葉県

武井 成一

63歳

手のうえのとうふ切るとき虎落笛

東京都

石岡 文子

63歳

三代の顔の違いや雛の家

東京都

門 明見

63歳

岬まで走れば追ってくる花野

神奈川県

河西 俊一郎

63歳

ふる里の山河も変り納め旅

神奈川県

梶原 隆

63歳

山茶花の花びら風が数え出す

神奈川県

小泉 輝子

63歳

木登りの少年蝉になっている

長野県

亀山 佐助

63歳

寒月や嬰きて部屋のあたたまる

愛知県

桑山 撫子

63歳

出すことのかなわぬ手紙虫干す

兵庫県

安藤 浄子

63歳

栄転といふ別れあり木の芽晴

兵庫県

野 有希子

63歳

初蝶の微睡のあとの泪かな

熊本県

野田 遊三

63歳

牧千里走りていまだ麦の秋

ブラジル

西 朋子

63歳

戦やめたんぽぽの花咲かそうよ

福島県

大槻 弘

64歳

食パンに絵画のごとくジャムを塗る

茨城県

酒井 忠博

64歳

知恵袋借すほどはなし年用意

茨城県

前西 みどり

64歳

夕立のあがりし空の高きかな

茨城県

塚田 久仁栄

64歳

霜柱歩数を刻む万歩計

埼玉県

荻原 金司

64歳

パソコンでひとり碁を打つ夜寒かな

千葉県

小川 孝

64歳

大蜘蛛の空に居座る孤独かな

神奈川県

樋口 真知子

64歳

こんにゃくの上で休めと針供養

石川県

塩村 啓二

64歳

玄関を磨いて福の神を待つ

山梨県

前田 洋子

64歳

枯菊の己の色を棄て切れず

大阪府

桂 順一

64歳

冬うらら話相手の猫を呼ぶ

大阪府

大西 幸治

64歳

鉛筆のBを増やして春を描く

香川県

猪木原 澄子

64歳

家々の音を消しゆく春の雪

秋田県

池田 郷太郎

65歳

取って置きの切手も貼りぬ寒見舞

千葉県

吉弘 弥生

65歳

出しそびれたハガキのような大落葉

千葉県

宮沢 千咲

65歳

志ん生も小さんも居ない寒の寄席

東京都

佐伯 功

65歳

八方に謝りているすすきかな

東京都

嶋 真佐記

65歳

なまこ壁ぬくめてゐたる冬日かな

東京都

門屋 裕子

65歳

大根の肌の白さを競ひをり

神奈川県

海野 優

65歳

役引きてやたら眠たき二月かな

新潟県

漆間 満子

65歳

窯出しの陶割る音や冬の夕

愛知県

早矢仕 邦夫

65歳

悪口を言っているとき百合匂う

愛知県

谷口 蓮華

65歳

一人立つ縁側広き盆のあと

愛知県

林 紀子

65歳

へび泳ぐ嫌われていること知らず

三重県

中西 英子

65歳

満月やそろりと覗く手水鉢

大阪府

山本 英雄

65歳

春風や口笛ふいてメロンパン

大阪府

石橋 直子

65歳

陽炎に躓きそうな試歩の道

大阪府

太田 勝彦

65歳

千本で空をくすぐる猫じゃらし

大阪府

谷口 裕治

65歳

この下は平和ですよと虹架かる

山口県

福本 英則

65歳

冬の陽や障子の破れを突き抜ける

茨城県

工藤 要五郎

66歳

退屈な空を励ますしゃぼん玉

茨城県

野口 英二

66歳

受験子の世界全図の海白し

埼玉県

伊藤 千代子

66歳

空襲を逃れて雛の色あせし

埼玉県

小林 紀久夫

66歳

帯締めて母が出掛ける蝉時雨

埼玉県

須賀 正枝

66歳

ほほ染めて雛に齢のなかりけり

埼玉県

大西 定子

66歳

遠足の一個連隊橋渡る

埼玉県

浜田 幹郎

66歳

冬帽子耳遠ければ笑うのみ

千葉県

荒木 敞

66歳

日焼して自分の色となりにけり

東京都

藤田 はるを

66歳

校庭に足跡置いて傘が行く

神奈川県

阿部 文彦

66歳

たんぽぽやよく動く児を撮りきれず

神奈川県

井田 淳子

66歳

降るごとにしがらみ増えし雪の村

新潟県

美濃部 紘三

66歳

初蝶の日本橋より飛び立てり

静岡県

田代 敏子

66歳

綿ぼこり妻の思い出ふわふわと

愛知県

珠結 心

66歳

ブルドーザーたんぽぽひとつ残しけり

愛知県

渡辺 侑子

66歳

裏梅のむしろ艶めく古木かな

大阪府

大庭 みつゑ

66歳

春あけぼの日本に生まれ卵飯

岡山県

永禮 宣子

66歳

遠足の列渡りきる忘れ潮

広島県

泉本 浩子

66歳

竜の玉海より青い夜もある

山口県

河合 知子

66歳

濡れ落葉今朝はベンチの主となり

福岡県

河野 重雄

66歳

残像を捲るがごとき除夜の鐘

福岡県

田 イサオ

66歳

訪日を諦らめ不貞寝の春寒か

ブラジル

三浦 観次

66歳

如月の電車乗り継ぎ海を見に

埼玉県

岩間 和男

67歳

花影を水に映して千の風

埼玉県

竹内 和枝

67歳

村中に放送流れ白鳥来

千葉県

谷川 凉子

67歳

闘病も楽しくもあり日記買ふ

東京都

河田 公枝

67歳

どんど焼き去年の借銭思い出す

東京都

宮崎 

67歳

掬はれて金魚少女の家族たり

神奈川県

小石 喜久子

67歳

スニーカー履いて地球の鼓動聞く

神奈川県

青木 進

67歳

冬帽子目深にかぶり魔女になる

神奈川県

長田 真紀

67歳

マグロ釣る船くぐり行く雪簾

神奈川県

白崎 道忠

67歳

白粥の朝の一口蕾です

福井県

齋藤 一湖

67歳

春うらら犬が顔出す乳母車

愛知県

間瀬 妙子

67歳

春寒し湖にかたむく棚田かな

京都府

森本 正子

67歳

実柘榴に宇宙膨みつつありと

大阪府

小林 祥浩

67歳

月天心都会の隅へ寝に帰る

大阪府

片山 繁樹

67歳

模様替え物足らぬ場に冬薔薇

兵庫県

西田 隆

67歳

夕立が汚れた地球丸洗い

山口県

竹重 登美子

67歳

木の実落つ音に夕日濃くなりぬ

宮城県

菊池 正朝

68歳

ピアニカの指遅れがち春隣

栃木県

大貫 ミヨ

68歳

東京で舞はせてみたき雪女

埼玉県

久世 孝雄

68歳

河豚コース解体新書読むように

千葉県

有薗 哲也

68歳

塩田に杓子転がり雲の峰

東京都

相沢 幹代

68歳

定年の今日より始まる一年生

石川県

羽部 佐代子

68歳

献立を語らひ合ひて芹を摘む

岐阜県

森 敦子

68歳

大寒の水をひきずるあひるかな

静岡県

酒井 瑛弌

68歳

白梅のまことに黒き木肌かな

愛知県

廣瀬 昭和

68歳

白鳥の水脈ひくほどは泳がざり

兵庫県

石井 順惠

68歳

朝顔を咲かせ日本にいる心地

ブラジル

新井 知里

68歳

訛ある野菜売り来る春の泥

北海道

半澤 惠子

69歳

閑古鳥鳴くから急ぐ交差点

青森県

佐々木 民雄

69歳

少年の門出卵が立ちそうな

秋田県

鈴木 栄司

69歳

松笠のからり転げて手毬唄

栃木県

藤井 英子

69歳

腰の笛ぽんと叩いて秋祭

群馬県

荒井 勉

69歳

ビバルディ聞こえる春の小川かな

埼玉県

川島 哲也

69歳

満月や躍り出しそな陶たぬき

富山県

源通 ゆきみ

69歳

運勢の佳き日を待ちて日記買う

富山県

林 武司

69歳

こだまとて独りにあらず夏の山

石川県

前川 久宜

69歳

ふるさとは民話の里や落し文

愛知県

後藤 たず江

69歳

剪定して松の位をとり戻す

京都府

中出 美司子

69歳

困ったな定年ですか冬将軍

大阪府

松本 久美子

69歳

鴬の初音聞きたり六地蔵

徳島県

横山 隆弘

69歳

母の記に遺るは飢餓の章ばかり

北海道

石坂 寿鳳

70歳

小春日の片側だけのバスの客

青森県

境 文子

70歳

竹馬の子を竹馬が跨ぎ行く

茨城県

植木 和昭

70歳

猫が猫舐めているなり一茶の忌

茨城県

中山 秀子

70歳

幼子はひかりの落葉胸に抱き

群馬県

小桑 文秋

70歳

盆梅の色咲き分けし古木かな

群馬県

清水 春代

70歳

ままごとの続きの梅を干しにけり

千葉県

荒井 玲

70歳

三世代ミレーのように種を蒔き

千葉県

松田 まさる

70歳

道草を夕陽が諭す通学路

東京都

工藤 昭一

70歳

風笛や暖炉に寄りし人の垣

神奈川県

石渡 ゑつ子

70歳

寝たきりの母におてだま送る春

神奈川県

幅 修一郎

70歳

試着室水着に罪のなかりけり

京都府

福井 忠男

70歳

夏雲をゆるりと撫でて大風車

大阪府

安井 トヨ子

70歳

北風や故郷の匂いが鼻を突く

兵庫県

井端 宗作

70歳

噴き上ぐる水の高さに風光る

兵庫県

鈴木 純子

70歳

身の上も少し話して新茶売る

福岡県

鹿子生 憲二

70歳

登校の子はまっしぐら鳥帰る

福岡県

太田 正之

70歳

エンピツを丸く削ってあたたかい

北海道

藤谷 忠伸

71歳

冬の鷺今日一日の点を打つ

茨城県

佐竹 嘉子

71歳

大鈴のごろんと動く小春かな

栃木県

青木 洋子

71歳

名前など気にせぬへくそかづらかな

埼玉県

金井 勉

71歳

土筆摘むここが地球のど真中

埼玉県

 氣帝

71歳

白鳥をかぞえて九十九の母よ

千葉県

横山 久子

71歳

がやがやと春を押し出す保育園

東京都

地原 光夫

71歳

春風を入れては背負ふランドセル

東京都

藤原 桂子

71歳

折り紙の角定まらぬ建国記念日

神奈川県

金子 経子

71歳

ひとりごとの煮詰ってゆくおでんかな

静岡県

中川 正男

71歳

冬眠を忘れて蛙正座せり

三重県

中條 道子

71歳

八月を普段の貌して生きている

大阪府

嶋野 智之

71歳

少年のこゑ率きつれて初蝶来

大阪府

平川 忠利

71歳

風の音おどろいてわれ返事する

兵庫県

田村 マツ代

71歳

転びても喝采浴びる運動会

奈良県

久米 朋尚

71歳

春疾風どんとかまえる力石

広島県

安原 敬太郎

71歳

お日様に吊り上げられし雲雀かな

広島県

津田 和敏

71歳

なまはげに成りきって声潰しけり

秋田県

村田 光雄

72歳

近道が遠道となり春の月

栃木県

田野井 一夫

72歳

いつの世も爭い絶えず鵙猛る

群馬県

小此木 フサ

72歳

哀しさよ時の流れの戦ごと

千葉県

貞方 京介

72歳

足裏は淋しきところ明け易し

千葉県

嶺岸 幸子

72歳

団子虫掌に転ろがして子の不思議

岐阜県

山田 綾子

72歳

真鰯や皿に溢れる海の色

愛知県

城後 幸明

72歳

砂が鳴き琴引浜に春きたる

兵庫県

山元 優一郎

72歳

爽という漢字のような女性来る

広島県

藤井 秀昭

72歳

コスモスに海せりあがる無人駅

山口県

森元 輝彦

72歳

うつくしく捌かれてゐる桜鯛

福岡県

大里 義孝

72歳

望郷の念のせ流る銀河かな

ブラジル

新井 均

72歳

バレンタインデーこの頃少しつまらない

北海道

永田 

73歳

極月や化石の如きペルシャ猫

栃木県

石井 ヒロ

73歳

天界といふ街もあり冬銀河

群馬県

松本 ミズ江

73歳

老いの手を優しく包む火鉢かな

埼玉県

佐々木 市子

73歳

鳴き止んで月の真下に恋の猫

千葉県

月岡 千秋

73歳

ありあまる思いを胸に葱刻む

千葉県

森田 艶子

73歳

かたまれば孤独はじける日向ぼこ

東京都

折井 素女

73歳

渾身の力を幹に蝉の殻

神奈川県

安部 英生

73歳

シャボン玉中の赤ン坊よく笑う

三重県

池田 三治郎

73歳

水たまりぼくを見ているぼくがいる

大阪府

田口 栄一

73歳

良きことのありてほゝえむ桃の花

兵庫県

材木 智津子

73歳

摘草のそばに水音走りけり

高知県

近沢 基子

73歳

いつよりか夫より先を夏帽子

熊本県

吉田 喜久子

73歳

旅カバン大志を詰めた春の駅

北海道

藤島 佳行

74歳

鳴き砂を一人占めして秋の海

福島県

鈴木 美昌

74歳

花びらのような朝の日寒卵

栃木県

鶴見 恭子

74歳

寒の水揉みくちゃにして紙を漉く

群馬県

八幡 寒九郎

74歳

幾何が好き解析も好き鉄線花

埼玉県

高橋 千惠子

74歳

子離れの出来ぬ女や亀鳴けり

東京都

宮原 つや子

74歳

雪しまく幻の汽車ひた走る

神奈川県

吉村 勇

74歳

初夢はガラスのような恋をして

神奈川県

野勢 泰弘

74歳

古希を過ぎ一単語となる志

新潟県

阿部 昌彦

74歳

日本が破産する日のチューリップ

富山県

不破 元之

74歳

凧あげてこころ子供に戻りけり

山梨県

宮野 和弘

74歳

ひまわりの種に日なたの匂いして

長野県

新井 幸子

74歳

手の届く周りに雑書冬籠もり

岐阜県

後藤 操

74歳

おもちゃ屋のピノキオ笑ふ春隣

静岡県

伊藤 昭一

74歳

狛犬のふっと吐き出す鬼の豆

静岡県

野口 達雄

74歳

かき餅のすだれの奥や土地訛り

愛知県

牧野 敏子

74歳

山頂で俄句会や風馨る

三重県

寺嶋 洸

74歳

日向ぼこ恋もセピアの色の中

大阪府

三嶋 秀子

74歳

茶ともだち老後の筋書などはなし

広島県

浅田 セツ子

74歳

かくれんぼかくれた所でせみのこえ

山口県

伊藤 ミチエ

74歳

烏瓜昨日の夕陽を留めおり

山口県

見原 昌宏

74歳

砂時計また春愁を反転す

愛媛県

和田 正

74歳

鍬休め蜻蛉に空をゆずりけり

福岡県

石川 八重子

74歳

南十字仰ぐ国に生き茶を点てる

ブラジル

斎藤 早百合

74歳

猛吹雪伏せて顔なき人ばかり

青森県

岩田 秀夫

75歳

縁側に花ござ敷いてちびり酒

福島県

木幡 恭一

75歳

雪吊りの仏塔のごとく靜かなり

栃木県

毛利 繁子

75歳

梅ひらくただそれだけの海がある

東京都

川口 慶子

75歳

かくれんぼ八つ手の花を零しけり

東京都

良知 久枝

75歳

ほころびて上段に移し置く藤の鉢

神奈川県

佐藤 好信

75歳

坂道に名所ありけり寒満月

神奈川県

藤田 春子

75歳

蜻蛉の空に道筋ありにけり

神奈川県

鈴木 信行

75歳

土いじり好きで長生き茄子の花

神奈川県

橋 みさを

75歳

節分の鬼が受けとる菓子袋

静岡県

赤堀 喜郭

75歳

山の辺の里に赤引く彼岸花

愛知県

岩間 絹代

75歳

春風の手もかり押さる車椅子

三重県

中村 とし子

75歳

山青葉どこに立ちても茶の匂

大阪府

赤穂 芳美

75歳

むきだしの山肌青む出開帳

兵庫県

松本 欣子

75歳

モーツアルト蝶になりかけてる私

高知県

窪田 清子

75歳

荒声を波間に沈め鮪追う

北海道

今谷 みつる

76歳

路地裏のへのへのもへじあたたかし

茨城県

八木澤 紳行

76歳

握手するだけのつながり雪女

埼玉県

前田 美智子

76歳

朝顔にあさの勢いをもらひけり

埼玉県

中野 政江

76歳

度忘れは何でしたっけ日向ぼこ

東京都

山本 さち江

76歳

海ほほづき祭の色に染められて

東京都

藤本 修

76歳

流れ藻の彩を深めて春の雨

福井県

姉崎 俊雄

76歳

帰省子に青い空あり水のあり

岐阜県

伊佐治 秀一

76歳

花暦また見直して旅プラン

静岡県

多々良 友彦

76歳

救急のピーポーやまぬ雪の朝

三重県

田中 巧

76歳

囲はれて年を越しゆく海女の舟

三重県

廣 波青

76歳

幾百のわたし飛びたつしゃぼん玉

大阪府

西田 唯士

76歳

点滴を連れて窓辺の遠花火

大阪府

天羽 良野

76歳

無器用に生きて長寿の荷を背負い

大阪府

樋口 嘉一

76歳

この寝言メロン一個で済まされぬ

兵庫県

舟辺 隆雄

76歳

釣り舟の方程式か瀬戸の凪

愛媛県

有光 静夫

76歳

笹舟を浮かせてみたき天の川

埼玉県

山本 典子

77歳

春日和杖の色まで褒められて

埼玉県

辻本 弥枝子

77歳

洗立ての大根ほめて路地通り

埼玉県

木村 梶子

77歳

冥王星掛け違いたる金釦

東京都

田中 隆

77歳

散りてなおよりそふ花の筏かな

東京都

野々山 喜六

77歳

どの顔もみんな似ている祭笛

長野県

遠藤 喜久男

77歳

土筆摘む少女の頃の頬であり

静岡県

野木 貞子

77歳

せんだんの実ばかり残り無人駅

三重県

前川 昭世

77歳

昼寝時蟹がきている厨かな

兵庫県

平井 清子

77歳

灯台の明りはるかや冬岬

島根県

池田 展久

77歳

地球儀を逆さに廻す春愁

徳島県

葉柳 護

77歳

硝子戸を開けて春月抱きけり

埼玉県

富沢 葦生

78歳

この日在る命の重さ鳥曇

埼玉県

北川原 典子

78歳

蛇口より刃物のような冬が来る

埼玉県

利根 美代

78歳

大根畑よりマラソンに手を振れり

神奈川県

岡田 信子

78歳

お日さまを洗ってしまへ水鉄砲

神奈川県

原 尚久

78歳

猫の番すればつぶやく浅蜊かな

愛知県

田口 尹久子

78歳

土びなと菱餅かざり婆々一人

愛知県

牧野 八重子

78歳

我にある季節の慣い青山椒

大阪府

宮川 久子

78歳

見あぐれば白く貼りつく寒の月

山形県

佐藤 栄一

79歳

法話果て三途遠のく竹の春

群馬県

星野 鈴枝

79歳

水仙の色鮮やかに如来像

神奈川県

青木 一男

79歳

百薬の長と言ひつつ温め酒

愛知県

横井 さかゑ

79歳

曇天をぱかりと分かつ猛り百舌鳥

大阪府

菅 範子

79歳

無人駅ひなげしばかり揺れている

奈良県

藤井 敏雄

79歳

蝶の羽化イナバウアーで始まりぬ

広島県

沖本 昭子

79歳

夏祭り露店のまとう昭和かな

大分県

佐藤 操子

79歳

かたつむり百年先を歩いている

沖縄県

棚原 恵教

79歳

子等が来て部屋の隅まで暖かし

北海道

小野寺 梅子

80歳

合格の声飛んで来る勝手口

北海道

須賀 悟

80歳

大空に大波おこす鯉のぼり

埼玉県

小山 圭治

80歳

月やここが節目となる手相

埼玉県

赤尾 茶香

80歳

双眼鏡に百円分の秋惜む

東京都

塩田 清則

80歳

きかん気の眉隠したる夏帽子

神奈川県

中村 百合子

80歳

水仙の色に合わせて背伸びする

長野県

後藤 美智子

80歳

例ふれば父金縷梅に似たるかな

岐阜県

後藤 としお

80歳

和紙で貼る茶箱に新茶香る幸

岐阜県

後藤 キヌエ

80歳

鳶の笛空襲今は無き空に

滋賀県

中村 久雄

80歳

豆飯を炊ける男の離婚歴

大阪府

西村 省吾

80歳

朝霧や小舟ばかりの舟溜り

愛媛県

大西 秋廣

80歳

曼珠沙華少年強き言葉持つ

愛媛県

中川 勝己

80歳

春ショールふわりとまきて試歩に出づ

愛媛県

野本 琉里子

80歳

風が解き点となりゆく花筏

東京都

村田 

81歳

うしろ手に結ぶエプロン時雨くる

京都府

多気 澄子

81歳

一枚の冬枯つつくカラスかな

福岡県

大林 千代子

81歳

青蛙言いたいことがあるらしく

熊本県

八木 孝

81歳

放水の水の背に乗るあきつかな

栃木県

山崎 美祢子

82歳

継ぎ目なき秋天落書したくなる

埼玉県

吉田 牛歩

82歳

じゃんけんのはさみをかりていちごつむ

埼玉県

川村 美恵

82歳

春月やその後沙汰なきかぐや姫

千葉県

加倉井 允子

82歳

ひもじさの昭和遠のく豊の秋

神奈川県

亀井 一三二

82歳

大寒の入日燃えつく佐渡の海

神奈川県

大槻 卓

82歳

編笠の紅緒きりりと風の盆

福井県

浅井 敏子

82歳

積ん読が砦のごとき春炬燵

長野県

駒村 安雄

82歳

青りんご太れ太れと農婦の掌

岐阜県

平川 節雄

82歳

天空のはぐれ鴉や秋のくれ

岐阜県

澤崎 民欣

82歳

少年の無口を手話が解きほぐす

山口県

久村 耕二郎

82歳

リハビリの高くお手玉春の雷

福岡県

山下 雅俊

82歳

対岸の古き住居や冬花火

ブラジル

黒田 貞徳

82歳

流氷が光りと春を牽いて来る

北海道

高橋 行雄

83歳

人生は柱時計の振子かな

神奈川県

倉内 清隆

83歳

野球帽落ち葉のベースにすべり込む

兵庫県

土肥 勝美

83歳

きっぱりと明日切る髪を洗ひけり

埼玉県

木元 惠津子

84歳

ジョギングや有明月に足とられ

広島県

花岡 小夜子

84歳

振向かぬ孫を送りて寒の月

北海道

山田 文子

85歳

初氷人さし指で割れる朝

東京都

峰尾 玉子

85歳

椅子二つ向き合っている春日向

北海道

松岡 光雄

86歳

狐火や信濃に長き塩街道

神奈川県

田畑 房雄

86歳

毛糸編む婦警にもある母の顔

熊本県

野村 怜子

86歳

忘れごと罪負はされて茗荷の子

ブラジル

箕輪 美保子

86歳

立春の朝コロンブス來てほしい

愛知県

金原 

87歳

啓蟄の大地ことりと自転して

東京都

川邊 源一

88歳

凍て解けて水車「コトリ」と水光る

神奈川県

松田 一雄

88歳

不揃いの本音口ぐち旅寝かな

岐阜県

山口 仁八

88歳

丸い腰伸ばす春田の夕日かな

沖縄県

下地 ハル

89歳

目を閉じて浮世を消しぬ日向ぼこ

岐阜県

水野 政子

90歳

木枯しや又三郎が戸を叩く

東京都

佐藤 タネ

91歳

秋の雲日本列島えがきをり

東京都

西井 貞子

93歳

風薫る椰子林中のレストラン

ブラジル

玉井 くに

93歳

高原の一両電車の花野かな

東京都

石本 イト

99歳

着ぶくれて歩幅の自由ままならず

東京都

木下 ミキヱ

103歳