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第十八回 お〜いお茶新俳句大賞
holiday pebble
whiter on the beach
than back at home
(直訳)行楽地の小石
持ち帰ってみると
浜ではずっと白かった
スイス Vigar Andrew 41歳
休暇先の浜辺で見つけた白く輝く小石。水の作用で滑らかに磨滅し、形も良い。記念に持ち帰って見ると、拾った時の輝きは失せ、平凡な石くれだ。狐に騙されたような、がっかりした経験は誰にも思い当たろう。人の心理を鋭くついて、おかしくもある句。和訳と違って原句の英語は、省略のよく効いた、リズミカルな表現で素晴らしい。
still feeling its way
around the blind bends―
the eyeless river
(直訳)見通しのきかない急カーブを
盲目の川が行く
行く手を感じながら
イギリス DAVID COBB 80歳
hydrangea
not a single petal
the same
(直訳)紫陽花
一つとして花びらは
同じでない
兵庫県 中村 ちさ子 43歳
two cats of mine
fighting in summer
sleeping together in winter
(直訳)うちの二匹の猫
夏は取っ組み合い
冬は身を寄せて眠る
神奈川県 栗原 さやか 14歳
fish
caught in the
net of light
(直訳)魚
光の網に
捕えられ
福岡県 尾上 明日香 16歳
The sky is clear and blue
clouds are swimming all around
just like a pool
(直訳)空は澄んで青い
雲たちが泳ぎまわって
プールのよう
静岡県 佐藤 彩香 13歳
into the dusk
the doe's tail
flees its own white
(直訳)夕闇の中へ
雌鹿は尻の
白さをふり捨てて
アメリカ LeCount David 62歳
rolling thunder
the deeper darkness
of distance
(直訳)とどろく雷鳴
遠くの闇が
深まり
アメリカ Kacian Jim 53歳
a visit
two tiny feathers
on the sill
(直訳)おとずれ
二つの小さな羽毛が
窓敷居に
イスラエル Dikova Tanya 54歳
high tip of the pine
a warbler swivels its head
vista to vista
(直訳)松の梢で
鳴鳥が首を回す
あち見こち見し
オーストラリア Young Quendryth 71歳
《 星野恒彦選 》
skull tingling
in a sleeping bag
beneath the stars
(直訳)星空の下
寝袋にいて
頭蓋がうずく
台湾 Pfleuger,Jr. Paul 36歳
満天の星の下、寝袋に入って眠ろうとする。が、頭蓋がひりひりと疼いて眠れない。寒気のせいなどではなく、あまりに見事な星空の影響なのだと想像させられ、暗示性に優れた句。
《 フィリップD.ジトウィッツ選 》
Silence rustles
as the moonlight drips
on yellow leaves.
(直訳)靜けさがゆらぐ
黄葉の上に
月光がしたたるとき
セルビア Milenko Cirovic 57歳
この俳句は自然が生き生きと我々によみがえってくるようだ。通常一緒には使わないであろう言葉 (silence と rustles、moonlight と drips) をあえて使用することで、生命力を感じさせ、自然界の動画的イメージを深めている。
《 国際俳句交流協会選 》
just enough moon
for this firefly to land
on my finger
(直訳)この蛍が
私の指にとまるのに
ちょうどよい月明かり
アメリカ Beary Roberta 52歳