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お〜いお茶新俳句大賞 > 第十七回 > 佳作特別賞 その3

第十七回受賞作品
第十七回伊藤園お〜いお茶新俳句大賞 各部門受賞者
英語俳句の部 優秀学校賞
佳作特別賞その3 佳作特別賞その2 佳作特別賞その1
佳作特別賞
都道府県賞 ユニーク賞 後援団体賞 審査員賞
一般の部B(40歳以上) 一般の部A(40歳未満) 高校生の部 中学生の部 小学生の部(幼児含む)
優秀賞
各部門大賞
文部科学大臣奨励賞
佳作特別賞 その3
酉の市おかめの顔も十色かな 東京都 鈴木 雅寿 30
ダイアリー過去の私が背中押す 東京都 塩原 有子 30
真夜中の雪で見知らぬ街となり 東京都 一瀬 達也 30
謎めくや庇の深き夏帽子 東京都 高木 らんる 30
五月雨はアジサイのための水化粧 東京都 高野 正裕 30
高跳びの青年雲の峰を越ゆ 神奈川県 酒井 敦子 30
寒空に泣く子を抱きて暖をとる 神奈川県 石川 晴美 30
教室の景色を変える衣替え 山梨県 加藤 竜一 30
旅立ちの心に舞った紙吹雪 長野県 羽場 敦子 30
雪解けの水にも負けぬねこやなぎ 岐阜県 安田 慎 30
君の夢閉ぢても閉ぢても桜ちる 静岡県 萩原 朝子 30
ガス代でわかる季節の移るさま 愛知県 永山 ひとみ 30
湯たんぽを蹴飛ばし春に気づきけり 愛知県 加藤  純子 30
長風呂となりて聞き入る虫の声 大阪府 橋本 利枝 30
ジャンプして雪山風に抱かれぬ 大阪府 有賀 美紀 30
白酒に酔っているのかヤジロベエ 大阪府 鎌倉 淳 30
寒つばき紅あざやかに開きゆきけり 大阪府 窪田 裕子 30
水底のような小部屋にひとり居り 兵庫県 久保 友美 30
花束に負けない笑顔で卒業す 兵庫県 足立 有希 30
遠ざかる祭りの匂い下駄の音 山口県 甲斐 和雅 30
何もかも知っていそうな今日の月 福岡県 青 みはる 30
衣替え勿体ないと捨て切れず 福岡県 上野 恵理子 30
神様のいたずらですか俄雨 宮崎県 山上 秋恵 30
夏の空洗濯物が胸を張る 埼玉県 谷口 澄恵 31
灯油屋の音色に乗って寒さ来る 埼玉県 岡本 埋美 31
おそろいのコーヒーカップ春隣 埼玉県 藤沢 美由紀 31
流星群咲かせてくれよ恋の花 千葉県 原 由香里 31
弁当の小さな箱に詰める愛 東京都  和子 31
花びらに君の名のせて風を待つ 東京都 北谷 陽一郎 31
鰯雲その尾の先の君の家 東京都 大島 大 31
金箔の月貼りつけし枯木山 神奈川県 竹田 優子 31
ツバメの子くちばしだけが覗いてる 神奈川県 鈴木 優子 31
モノクロの雲雀は過去へ消えました 神奈川県 片山 利奈 31
おめでとう悲し嬉しき三十路かな 愛知県 前嶋 知子 31
シャボン玉あちらこちらと追いまわし 京都府 江角 智枝 31
春風とスカート泳ぐ交差点 京都府 辻 奈津子 31
しゃぼん玉追いかける子を追いかける 和歌山県 伊積 利恵 31
靴紐をきつく結んで新学期 福岡県 佐久間 真紀 31
パパあのね洗濯物が踊ってるよ 大分県 高木 雅貴 31
公園の遊具が子供で満開だ 宮崎県 小野 真由美 31
澄む秋やブッダに似たる医師の顔 鹿児島県 生田 憲一 31
粉雪に桜吹雪を重ね待つ 北海道 安川 砂絵 32
夕焼けをまたいで家に帰ります 茨城県 清水 教代 32
冬枯れの小枝に割られ空パズル 群馬県 星野 文恵 32
よだれかけ風吹く夜の落としもの 千葉県 水岡 美代子 32
早蕨の色いきいきと籠のなか 千葉県 浅井 紀子 32
春風が絡まった髪ほどいてく 東京都 中谷 道子 32
拾う子の手より大きいもみじの葉 東京都 鈴木 菜採 32
年々と忘れたくなる誕生日 東京都 竹内 由夫 32
暗闇を教えてくれた天の川 神奈川県 さいとう 由紀 32
貝を聴く音などしないと知っていて 神奈川県 割栢 寛 32
太陽を皆で待ち伏せ初日の出 京都府 藤田 麗子 32
春風を吸い込みたくて走り出す 大阪府 谷内 孝次 32
ふーふーと氷を溶かす幼き子 兵庫県 三野宮 みゆき 32
離乳食ことこと煮込む梅日和 愛媛県 西原 真樹 32
大根引く祖父の手厚く硬かりし 福岡県 松村 心平 32
ストレスもお茶の香りでふっとばす 熊本県 橋田 和加子 32
春を待つまだ空っぽのランドセル 北海道 横井 宏枝 33
除雪車の到着待ってる家の前 北海道 布施 陽一 33
黄昏にカーテン引いて蝋梅香 北海道 伊藤 万里子 33
ランドセル少し寂しい親離れ 宮城県 菊地 道子 33
温泉のような田んぼや夕霞 福島県 荻野 さより 33
人生はギュッと詰まった玉手箱 茨城県 海東 美紀子 33
ささやかな気くばり送る心の手 栃木県 関田 護 33
煩悩の数に足りない除夜の鐘 埼玉県 長沢 正貴 33
襟足に春風吹いて一年生 埼玉県 木村 幸代 33
マフラーを巻いて家出る風も巻く 埼玉県 本田 寛江 33
福は内ことさら大きく言ってみる 千葉県 宍倉 美恵 33
一人鍋切ないけれど温まる 千葉県 中泉 ゆき 33
雷を連れて帰りし夫かな 東京都 岩本 里美 33
バス降りて春のことばを放す風 東京都 森 将和 33
相槌の上手なひとと春の旅 神奈川県 黒澤 麻生子 33
春日傘ポンと音立て背で咲く 愛知県 杉谷 孝枝 33
しりとりのみの字に詰まり蜜柑むく 京都府 芦田 美幸 33
手袋に指ひとつずつ暖まる 京都府 島村 夕里子 33
香水をこぼした指に蝶とまる 大阪府 西村 美香 33
おはようと笑い朝顔弾けたり 岡山県 松下 直幹 33
菜の花の海を泳いでかくれんぼ 愛媛県 岡村 理江 33
電線に群がるスズメアマデウス 宮崎県 増田 晃 33
寒空にほっと一息暖をとる 宮崎県 岩切 まゆみ 33
夕空の紺と茜の砂時計 茨城県 杉山 裕美子 34
春を待つ虫も草木も我が胸も 茨城県 田山 敏行 34
水田にワルツを奏でるオタマジャクシ 茨城県 佐藤 直子 34
霜柱脚が奏でるドレミかな 栃木県 大塚 樹々 34
北風に負けるな右足左足 埼玉県 山口 幸子 34
午前二時妻でも母でもない自分 埼玉県 久木崎 佳代 34
春風に揺れてうたた寝かごの鳥 東京都 石田 郷子 34
ニート君もう春ですよ動きなさい 東京都 石原 祥一郎 34
朧月あなたと春の底を行く 東京都 福留 伊都 34
ハンカチをかざして見える夏の風 東京都 比嘉 雅 34
秋の日をたっぷり吸い込むつるし柿 神奈川県 田代 美香 34
小遣いをポケットに入れ叩いてみる 神奈川県 吉川 譲二 34
あくびしてピンクににじむ春の山 神奈川県 高橋 雅子 34
降りしきる雪夜に着信母の声 神奈川県 山中 唯志 34
春が来てお花博士になりました 福井県 保木口 雅也 34
産声が春の空気をゆらしけり 長野県 伊藤 あけみ 34
麦わらを飛ばした風とかけくらべ 岐阜県 宗宮 めぐみ 34
春の午後港の猫と鳶の声 静岡県 川井 拓磨 34
おりがみをおりて笑顔作りけり 大阪府 泉谷 雅美 34
ありがとう心の雨に傘くれて 兵庫県 原辺 佳代 34
熱風を先頭に来る神輿かな 兵庫県 金地 貴子 34
セミしぐれ風鈴の音と輪唱す 奈良県 平林 靖 34
ため息も加湿器に乗せ潤へり 岡山県 湯原 ひとみ 34
空色を一筆書きの鳩が行く 福岡県 木村 晃久 34
夏来ぬと叫ぶが如し積乱雲 鹿児島県 森田 優子 34
宝物背負っているよなランドセル 福島県 菊地  吉博 35
ポストからチラシあふれる師走かな 埼玉県 篠原 功 35
汚されてもいいと編んでいる白マフラー 埼玉県 濱口 信乃 35
縁側はひなたぼっこの指定席 埼玉県 小林 智恵 35
失恋のポイントカードはないものか 千葉県 安井 正人 35
節分の豆の数だけドラマある 千葉県 坂本 えり奈 35
夫婦愛つがいの鳥よりいと脆し 東京都 鈴木 みのり 35
蜘蛛の糸一番星を織り交ぜり 東京都 天野 ゆり 35
寒い朝必死の走りで自家発電 東京都 近藤 太郎 35
雪だるま待ちくたびれてしゃがみけり 神奈川県 河田 ばうや 35
冬木立母校に夢を確かめる 石川県 冨岡 香矢乃 35
空見上げ涙かくしたぼたん雪 長野県 横山 かおり 35
軒下に音符みたいなつるし柿 岐阜県 加知 美智子 35
雪の壁お茶をすすり春を待つ 岐阜県 長尾 薫 35
関が原古戦場跡曼珠沙華 愛知県 坂本 雅則 35
静けさが雪の気配を連れてくる 三重県 池田 真弓 35
ゆるやかに夏立つ風力発電機 大阪府 大畑 祐子 35
野苺を目当てに庭の来訪者 福岡県 中村 朋美 35
若き日の母の香残る扇子かな 福岡県 末安 真理子 35
君の背を落ち葉の音が遠ざける 群馬県 石塚 達哉 36
鈴蟲に乗っ取られたる鼓膜かな 埼玉県 田村 雄子 36
加湿器の湯気に木漏れ日ぬるく差し 千葉県 古川 友行 36
生きている間はまるいシャボン玉 東京都 字引 章 36
会うたびに料理の腕が上がる彼 東京都 堀渕 文 36
転勤で空を仰ぐ日ふえました 東京都 西川 美智代 36
背泳ぎで空と海とを縫っている 東京都 加藤 幸子 36
花粉舞う昔は春が好きだった 神奈川県 五十嵐 よしえ 36
泣き虫の笑顔を包み山笑ふ 神奈川県 瀬野 寛子 36
幾つもの嘘に優しく雪の降る 新潟県 植木 恭則 36
雑踏の中一人静かに蝶と化す 福井県 奥出 喜代 36
鳴く鳩の姿は見えず梅の花 静岡県 村松 貴惠 36
桃咲いてひらがなのようないちにち 愛知県 齊藤 佐知子 36
少年のあの日と同じカシオペア 京都府 東條 寛之 36
一人暮らし金魚の句ばかり増えていく 大阪府 鮒谷 究 36
彩りも音もぬりこめ銀世界 兵庫県 北野 譲治 36
病室の母に届ける桜餅 兵庫県 福岡 純拓 36
前髪を2p切りて春の顔 愛媛県 白川 友子 36
宅配の芋に沁み入る母の愛 福岡県 平野 智 36
桜餅食べると春がひろがって 宮崎県 黒木 久未子 36
青い服選んで海を着た気分 北海道 奥山 真由美 37
まっさらな今日を吸い込む冬の朝 山形県 高橋 桂子 37
Uターン私を溶かす夕茜 茨城県 野口 きねえ 37
顔洗うばしゃばしゃとかまわずに 茨城県 清水 義一 37
開けた目で呼吸出来そうな澄んだ海 栃木県 野出 恵美子 37
凛として全員起立シクラメン 埼玉県 辻本 智彦 37
マフラーを夜の長さに編んでゆく 千葉県 中川 知美 37
ふぞろいの網目にこめる温かさ 東京都 根岸 美江 37
仏壇に一番先に初詣 東京都 黒田 明人 37
着膨れて大東京のはづれかな 東京都 郡司 慶子 37
波の間の咲く帆に注ぐ陽のひかり 神奈川県 丸山 猛 37
豆まきに遅く帰れば鬼の役 長野県 岡田 孝 37
冬間近米研ぐ水に四季を知る 岐阜県 井戸 やえみ 37
靴箱に母への土産つくし二本 静岡県 図師 千尋 37
氷柱って勇者の剣だねかっこいい 愛知県 太田 和成 37
馬鈴薯の花の素朴さスケッチす 京都府 橋本 貴弘 37
蝶ふたつらせん階段翔るかな 大阪府 橋本 有子 37
雪道に作者不明の雪だるま 大阪府 村上 真一 37
野をかける猫がくすぐり山笑ふ 広島県 石丸 はるみ 37
夜桜と一緒に開く我が心 広島県 ジョセフ セリンジャー 37
外灯に今日も独りの影法師 徳島県 原 敏彦 37
鶏頭やすっくと立てる鬼教師 徳島県 川島 てるよし 37
ただいまのかわりに渡すせみのから 愛媛県 大久保 美香子 37
湯たんぽのお湯わくまでのひとりごと 北海道 布田 美智代 38
春の色探す女の試着室 北海道 鹿又 勉 38
朝食に「野中の薔薇」が聞こえけり 福島県 佐藤 幸雄 38
山椒の葉っぱが踊る春の山 群馬県 嘉村 都子 38
お茶の香に家族が集まる掘りごたつ 群馬県 三浦 咲恵 38
赤黒き宇宙のような林檎かな 埼玉県 野崎 孝幸 38
万華鏡失くした恋のかけら見る 埼玉県 宮野 陽子 38
夏休み少し残して貝ひろう 千葉県 山本 新 38
あめんぼの足で揺れてる青い空 東京都 高徳 浩子 38
冬鳥になってあなたの家探す 東京都 宮本 綾 38
春風に背中をそっと押されたい 東京都 横田 優子 38
赤ちゃんの胎動感じ春を待つ 東京都 西村 晶代 38
冬牡丹雪より白く咲き誇る 神奈川県 佐野 理恵 38
雪だるま理想の体型作ってみる 神奈川県 斎藤 キミコ 38
柚子の木の家に嫁いでジャムを煮る 神奈川県 小泉 三枝 38
サンダルの指の先まで海を見る 新潟県 橋立 英樹 38
軒並みに野沢菜洗う日曜日 長野県 吉池 紫 38
春眠や脳の細胞分解す 愛知県 齊藤 隆 38
絵馬の文字ひらがなばかり牡丹の芽 大阪府 堀脇 恵美子 38
野の花にやさしい風吹く祖母の庭 兵庫県 今村 啓子 38
はらはらと舞うは蝶々か落ち葉かな 兵庫県 柚木 直美 38
沢遊び息子忘れてめくる石 兵庫県 西本 邦宏 38
白木槿母のうすれし座りだこ 山口県 久保 加代子 38
元日の潮の遠鳴り妻と聴く 愛媛県 櫛部 天思 38
勉強より虫が大好き夏帽子 愛媛県 浜田 昭彦 38
ふるさとや等身大の僕がいる 愛媛県 水本 章仁 38
それぞれの家の個性の雪ダルマ 大分県 海金 美穂 38
着陸をためらっている迷い雪 北海道 斉藤 そよ 39
漁り火がゆらゆら踊る夏の海 埼玉県 斉藤 忠勝 39
積雪に雪国育ちがしりもちを 埼玉県 伊東 哲也 39
制服の丈を直して新学期 埼玉県 神岡 衣絵 39
おり姫を少しうらやむ今宵かな 東京都 ヤン 貴子 39
木漏れ日は自然がくれた万華鏡 東京都 中谷  祐子 39
雪かきのついでに一つ雪だるま 神奈川県 飯塚 美和子 39
ゆで卵つるんとむけて夏来る 新潟県 鈴木 靖 39
大の字がくの字にかわる寒い夜 石川県 平山 貴子 39
砂浜をひとりじめする秋の海 愛知県 天野 佳子 39
春風はビニールハウスの音鳴らし 愛知県 片岸 弘年 39
ストーブの給油間隔空いて春 山口県 細川 茂美 39
ダム底にもう一つある花の山 愛媛県 斉藤 のぞみ 39
タンポポが各駅停車の風に乗る 愛媛県 田窪 守 39
母からの命の襷つなげたい 高知県 松木 真智 39
夫婦鶏「こけこ」と言えず秋の風 長崎県 山下 研一 39
シャンパンの泡の向こうの万華鏡 東京都 鍵冨 さよ子 40
冬銀河ジョバンニは今どこの駅 東京都 鑓田 久美子 40
子の重みずしりと感じし肩車 東京都 馬場 彰 40
押し花を挟んで恋を封印す 東京都 林 清江 40
介護する部屋の中には春がいる 長野県 松島 吉隆 40
幾たびも子の手を濡らす金魚かな 三重県 坂石 佳音 40
厄年を一気に飲み干す祝い酒 京都府 下山 尚之 40
綿とればたちまち目覚め雛の顔 大阪府 瀬野 則子 40
ジャンプして月のウサギに近い夜 北海道 岩渕 宏之 41
深呼吸私の元気を入れ替える 埼玉県 村田 睦美 41
体操着元気な泥を持ち帰る 千葉県 松本 真由美 41
菜の花の互ひに支へあってをり 東京都 楠田 伸彦 41
走る子を追いかけてゆく花吹雪 東京都 木下 八重 41
猫の目に映る自分をのぞきこむ 静岡県 勝間田 美也 41
ランドセル小さな背中で威張ってる 静岡県 久保田 かをり 41
幸せをこぼさぬように忍び足 静岡県 根本 富士子 41
寝ぶくろにもぐってはしゃぐ夏キャンプ 愛知県 深見 浩巳 41
湯たんぽに昭和の温み戻る夜 愛知県 横井 正幸 41
菜の花や遠くの山を持ち上ぐる 山口県 三宅 照義 41
夕映えの海を眺める猫の影 愛媛県 宇高 幸男 41
おのおのの空を仰ぎて卒業す 東京都 原 春美 42
ススキ原埴輪のように人並ぶ 神奈川県 篠崎 由紀子 42
ペダルふむ足の力で老い感ず 神奈川県 渡辺 高章 42
春風のいたずら心で帽子舞う 岐阜県 水野 絵美 42
手袋のとっておきたい温かさ 大阪府 西中 博幸 42
真っ青な空を吸い込む深呼吸 兵庫県 村田 玲子 42
大寒に孫のホッペをそっと借り 奈良県 寺本 秀明 42
春の日や耳の奥まであたたかし 愛媛県 森田 欣也 42
老夫婦幾度越ゆる冬銀河 福岡県 藤崎 昌一 42
春浅しモデルルームの疑似家族 東京都 中村 みどり 43
母子から母娘の時間紫木蓮 東京都 樋下 佐代子 43
一瞬の隙をついたり春一番 神奈川県 松村 江津子 43
筒を巻くリボンそよがせ卒業す 石川県 水谷 千佳 43
坂の町トランペットが響き冬 長野県 澤 和代 43
廃校と聞かされ訪ねるあの桜 大阪府 内田 昭一 43
風切って冬三日月へシュート打つ 兵庫県 今井 豊 43
片方のピアス失くしたような恋 兵庫県 末盛 ひでみ 43
いくたびか走る想いにカギをかけ 和歌山県 吉田 眞紀子 43
サングラス取れば気弱な男かな 大分県 坂本 智弘 43
リトマス紙愛にもあればいいのにな 栃木県 岩泉 祐子 44
子メダカをからかっている水車 埼玉県 福島 範子 44
故郷の訛りも揺れるローカル線 埼玉県 鈴木 博道 44
幸せはたとえば君が弾くピアノ 愛知県 米田 延子 44
歓声の輪の中にある花火かな 愛知県 黒田 敏彦 44
不意に手をひかれて嬉しまつりの夜 三重県 林 敏子 44
塗り絵ではひとあし早く春の花 大阪府 田中 和代 44
みどりごの掌のひら桜しめりかな 兵庫県 安井 郁子 44
鉛筆の先みなまるく秋の夜 福岡県 和田 洋一郎 44
くしゃみして目玉も脳も裏返る 鹿児島県 中園 淳一郎 44
朝焼けのシャワーを浴びるウォーキング 福島県 小原 俊子 45
えんぴつがマークシートを走る春 群馬県 荻原 恵子 45
つばめの子青空二つに切り開き 埼玉県 小田島 雅子 45
発芽するようにあくびや新生児 埼玉県 有永 克司 45
電磁波の飛びかう空をとんぼゆく 神奈川県 梅澤 律子 45
幼な子のスイカの種で数え歌 神奈川県 鈴木 えりこ 45
野球帽ぶかぶかの子がホームラン 愛知県 市橋 富士美 45
冬将軍をスコップ一丁でむかえ撃つ 愛知県 早川 信子 45
少女らの肌すべり落つ星の砂 大阪府 香川 みどり 45
山暮れて杉より落つる雪礫 宮城県 関澤 こずえ 46
登校の列が乱れる雪の玉 宮城県 阿部 みゆき 46
わが影に添う真昼間の黒揚羽 茨城県 根本 菜穂子 46
紫陽花の花言葉聞く傘の内 東京都 牛村 智子 46
茶柱も躍りだすような阿波踊り 徳島県 道広 智美 46
タケノコは竹になりたい土の中 愛媛県 佐々木 純子 46
何でもない町のなんでもない桜 北海道 網谷 千代子 47
夫には息子のお古がトレンディ 東京都 簾 恵美子 47
着膨れて物分かり良き父となる 東京都 山崎 慶太 47
煩悩も邪念も消える雪おろし 新潟県 土田 哲也 47
転移あり鶴は一声鳴いて立つ 岐阜県 種田 千里 47
さくら咲くその勢いに立ち止まり 滋賀県 平井 真造 47
水たまり天より深き空ありて 兵庫県 中井 正代 47
夕顔の傘をたたんで星をまつ 広島県 岩本 幸久 47
もの言わぬ津軽の海と春を待つ 青森県 橋本 朝 48
春を待ち布団の中で冬眠す 秋田県 永沢 美智子 48
凍蝶の左にばかり曲がりけり 埼玉県 岸田 政明 48
大股で追い越していく春の風 埼玉県 菅野 耕平 48
白梅に呼び止められて立ち止まる 千葉県 日下部 敦世 48
夕桜ふと少年を見失う 神奈川県 三隅 美奈子 48
冬の蝶ふうわり舞って時空超え 石川県 上農 多慶美 48
街路樹の瘤の大小寒に入る 三重県 池田 良雄 48
子守唄孫とばあちゃん雲に乗る 大阪府 依田 宏昭 48
仰ぎみて梅一輪捉えたり 兵庫県 投石 史子 48
青田風乳房に照れる子となりし 東京都 斎藤 三津雄 49
春風の吹き残したり三輪車 東京都 宮原 睦 49
万緑へ大仏の背の窓開く 東京都 神谷 信行 49
ベランダに布団の花咲く五月晴れ 神奈川県 相原 はるみ 49
子の荷物出して山茶花ひとつ舞い 神奈川県 森 由美 49
まはり道して見つけたるげんげ畑 大阪府 内山 光子 49
子の声に殿様ばった空へ跳ぶ 兵庫県 松下 幸子 49
掃除機のでんぐり返る大晦日 兵庫県 唐澤 麻知子 49
天花粉いつかこの子も花嫁に 北海道 坂入 隆人 50
迎え火や十七のまま帰り来る 秋田県 熊谷 光代 50
雨男雷連れて旅行せり 千葉県 長谷川 公二 50
極寒の白を置きたる碁盤かな 東京都 曽根 新五郎 50
小走りに追いかけてきた枯れ葉かな 東京都 丸山 和代 50
いわしさば空をながめし肥ゆる秋 神奈川県 森 久美子 50
ポケットに昨日を残し春の風 愛知県 平 祐次郎 50
夢でしか会えない父になりにけり 愛知県 西村 博明 50
だんじりを桜の下に引き出して 三重県 大恵 宣樹 50
ワンワンと吠える鼻にも雪積もる 大阪府 大西 早江子 50
お辞儀してこんなに貰う夏みかん 大阪府 星野 早苗 50
啓蟄や三十八度五分の熱 大阪府 水津 奈々枝 50
晩柑もごろり無人の販売所 埼玉県 田中 喜玖子 51
霜柱庭を五センチ持ち上げて 埼玉県 仲村 美智子 51
みんなどこかでつながっている月夜かな 埼玉県 足立 利行 51
雨傘をハの字で交わす古都の路地 埼玉県 須田 幸一 51
読みかけのまま本返す十二月 東京都 福泉 祥子 51
隠れんぼするよに母は稲を刈り 東京都 浅野 幹男 51
しろつめの花の幻想母若し 東京都 佐藤 勝美 51
山焼きの炎しづかに捲れ立つ 神奈川県 原田 魚泊 51
縁側にほんわか春が居候 静岡県 河原  厚 51
打水に右往左往の蟻の列 滋賀県 井 千代 51
春の雨ピアノの音色濡れている 大阪府 和田 幸一 51
春うらら積み木のように本を積む 高知県 野村 悦子 51
青天に風を探して迷う凧 鹿児島県 泊 敦 51
回遊魚の君が居て満月燃えている 沖縄県 大城 健 51
治ります医師のひとこと春を呼ぶ 北海道 山谷 吉宏 52
鈴虫や君の弱音が聞こえるよ 東京都 橋本 ナナコ 52
初雪やパントマイムのように降り 東京都 坪内 惠津美 52
梅ひらき心の頬にも紅がさす 東京都 辻 二巳 52
無人駅風とトンボが乗車する 神奈川県 田代 充子 52
鉄棒にきらきらと星春休 静岡県 内藤 雅博 52
海を背に君の輪郭ゆらぐ夏 兵庫県 稲垣 恵利子 52
秋の暮空の広さが寂しくて 広島県 安長 玲子 52
菜の花を束ねし朝の雷雨かな 長崎県 久田 和司 52
赤とんぼ里に別れをつげる今日 青森県 中村 厚子 53
悠然と天をしたがえ凧あがる 青森県 三上 勉 53
鈴蘭のキュッと咲いてる峠道 宮城県 吉田 洋子 53
花曇り身体の機嫌にすぐ負ける 茨城県 池野 孝一 53
ニアミスもひょいとかわして夏燕 東京都 石川 昇 53
鉄棒にぶらさがっている秋思 東京都 大西 敏雄 53
鬼の面脱いで目尻に笑い皺 東京都 篭原 満也 53
恋猫の背中は星を運ぶ鞍 愛知県 三浦 二三子 53
踊り子の電池の切れる炎暑かな 愛知県 津留 芳信 53
美しい過失のように青田の鷺 兵庫県 桑島 哲朗 53
大雪が大雪のまま過疎の村 兵庫県 田村 力 53
作業場をひらりひらりと揚羽蝶 奈良県 田村 靖彦 53
秋風やクレオパトラの鼻の先 福岡県 平嶋 靖弘 53
絵日記に収まりきらぬ夏祭 埼玉県 中村 千久 54
だとしても雪の荒野で待つ気はない 愛知県 田中の 小径 54
紫陽花に由緒正しき今朝の雨 京都府 坂本 澄江 54
七色の夢包み込む春キャベツ 大阪府 松下 桂子 54
蚊帳吊りて昭和の中に入り込む 大阪府 中島 俊樹 54
唐橋を履きてたちたる昼の虹 兵庫県 一木 千尋 54
気持ちだけ出勤したる朝寝かな 愛媛県 渡辺 功 54
落椿またアドレスの一人消し 福岡県 卯野 九月 54
朝顔に夢の続きを聞いてみる 熊本県 稲村 けい子 54
春の星母やさしくてこはかった 北海道 小賀坂 純一 55
馬の耳左右に向きて秋の雲 埼玉県 石原 道明 55
揃わない七草唱え粥とする 千葉県 中村 政江 55
鶯の鳴き渡りたる陣馬山 東京都 山本 津代子 55
爺入歯どすんと落ちて福笑 神奈川県 佐野 利典 55
松茸の今年も話だけの秋 新潟県 小林 悟 55
蝋梅が指し示したる深き碧 京都府 佐竹 孝夫 55
途中下車して芒野の芒になる 大阪府 鈴木 茂雄 55
夢ひとつ入れてふくらむシャボン玉 兵庫県 鈴木 きよえ 55
下校児の声聞き分けむ葱坊主 兵庫県 田 知美 55
しんしんと明日炊かれる豆ねむる 奈良県 伊藤 和子 55
早春や完走の子を母が抱く 広島県 平田 はつみ 55
どこまでも遠灯凍えるオホーツク 福岡県 桂 仁徳 55
何事も無くて宗谷の初日の出 福岡県 和田 一子 55
窓ガラス花びらひとつ受けとめて 宮城県 丸山 れい子 56
太陽の直撃くらうシャボン玉 福島県 井上 明子 56
散りゆける力蓄え寒椿 福島県 小野 ヒロ子 56
冬の海風がちぎれて風になる 茨城県 宮本 四郎 56
この腕に抱えこみたや秋の空 茨城県 鈴木 幸子 56
いつまでも指ねむたくて牡丹の芽 千葉県 高宮 千恵 56
手を伸ばし青い空から柿をもぐ 東京都 原田 つとむ 56
赤布を結びラッセル森の中 東京都 平岡 義章 56
天高し点となりたる鳶の影 神奈川県 成瀬 茂夫 56
反撃のできぬ残暑と思ひけり 大阪府 福島 津根子 56
平穏と日記にしるす百日草 兵庫県 古谷 定代 56
道の駅止まれば春の風が乗る 兵庫県 志茂 哲郎 56
まわしつつ母は海から春日傘 北海道 渡辺 のり子 57
今の世はまるで人情紙風船 埼玉県 佐々木 繁 57
元旦や宿の女将の京ことば 埼玉県 長戸 康孝 57
風が好き先端が好き赤蜻蛉 埼玉県 長谷部 愛子 57
つんつんとバスの窓つく赤とんぼ 埼玉県 内田 秀夫 57
畦の子に大きく投げる泥蓮根 東京都 浅野 文男 57
黒日傘私一人の小さき国 東京都 永井 優子 57
金亀虫身を翻す負の遺産 東京都 福岡 悟 57
よみがへる乙女心や雛飾り 東京都 金成 秀幸 57
人生は曇り時々晴がいい 東京都 畠山 榮子 57
雄鳥の羽根の華やぎ山笑ふ 静岡県 加藤 やえ子 57
窓枠に切り取られたる秋の空 愛知県 雨宮 哲夫 57
点滴のしづくにうつるつららかな 三重県 森川 豊子 57
青りんご太宰治に射抜かれる 大阪府 山本 進 57
赤とんぼ卑弥呼の国を知らないか 大阪府 川西 幸雄 57
立冬やひとの温もり探してる 和歌山県 太田 甲子太郎 57
春の海そろり少女の素足かな 和歌山県 清水 俊広 57
除雪車の音響かせて村暮れる 島根県 椿 節子 57
クーラーにひねもすいたり深海魚 高知県 榎本 夏枝 57
帰省してなまりで挟んで食うおせち 福岡県 池松 達雄 57
クレヨンで咲かす大きなチューリップ 熊本県 三重野 友子 57
一日に四季ある国の衣替え ブラジル 脇山 千寿子 57
雪をかく夫少年になりきって 茨城県 荒牧 佐智 58
十七才ローソク吹き消す唇に紅 埼玉県 柳田 智 58
彗星のちりが届きぬゴビ砂漠 千葉県 稲垣 恵子 58
沈丁花春の音符が流れ出す 東京都 日下 良子 58
人くさき顔して啼けり寒鴉 東京都 中村 良子 58
年月を炊き込む母の栗ご飯 東京都 清水 福子 58
捨てるより始まることの春仕事 神奈川県 佐藤 宮子 58
受験子に触れて火花の散りにけり 新潟県 渡辺 徳治 58
吾のなかに鬼が三匹桃の花 富山県 川上 昭子 58
春暁を破る漁師の力瘤 長野県 中村 和代 58
咳一つはなって出たよ丸い月 愛知県 安 まり子 58
友を待つサイドミラーに冬の雲 三重県 伊藤 壽美子 58
花吹雪見とれていたと遅刻する 大阪府 吉村 久仁雄 58
チューリップのごとき整列一年生 大阪府 羽田野 祥子 58
クリオネに似たる胎児を独り占め 大阪府 福嶋 美子 58
鬼は外の豆が自分に跳ね返り 兵庫県 谷口 野歩子 58
デジタルは金魚の予言かもしれぬ 広島県 河野 洋 58
葱坊主集団下校のまた止まる 愛媛県 吉田 晃 58
遠回りさせる菜の花真盛り 福岡県 三吉 誠 58
太陽の匂ひも入れて梅漬けぬ 福岡県 荒川 ミヤ子 58
誘われて蝶も孤独を紛らわす 熊本県 園田 浩 58
日本の五月魚は空に居る 青森県 高杉 和子 59
降る雪に声はりあげてかくれんぼ 茨城県 鈴木 きよ子 59
言い訳の真ん中へんに臍がある 群馬県 芝根 南 59
煙突の煙のみこむ鰯雲 東京都 小林 幸雄 59
点滴を連れて夜長の散歩です 神奈川県 石川  照夫 59
風通るゆるりゆるりと千枚田 高知県 大久保 邦彦 59
夕焼けを吸ってみたいなストローで 福岡県 加藤 秀則 59
鳥引いて沼の大きく横たわる 青森県 稲場 暁子 60
薄氷のほぐるる光ありにけり 福島県 吉田 広 60
平穏のことさら嬉し月見草 茨城県 渡辺 芳枝 60
ががんぼの忘れていった長い脚 茨城県 苅屋田  60
宇宙船くる駅がある麦畑 群馬県 桜井 映夫 60
幼な児の無色透明春の海 千葉県 杉山 紳子 60
雪が降るしばらく子供でいてみよう 東京都 水落 清子 60
盆踊り指の先まで愉快なり 神奈川県 北村 純一 60
島暮らし電車に乗りたい四月かな 新潟県 山本 光枝 60
父の日や舟屋に干さる命綱 富山県 中尾 雅和 60
どこまでも青き空あり名残雪 静岡県 伊達 伸子 60
きのこ狩り笑顔も一緒に籠に入れ 京都府 森本 秀子 60
今胸の真ん中にある寒牡丹 大阪府 小砂見 曙美 60
せがむ子もいない一人の線香花火 広島県 加村 富士子 60
雪衣五百羅漢は静かなり 福岡県 告 房子 60
くうくうと子犬夢みる冬の月 埼玉県 高田 昭子 61
留守電にやさしく語る春の宵 千葉県 福田 柾子 61
氷瀑にレンズを向けて時止める 東京都 武田 克子 61
豪快に秋刀魚焦がして男なり 神奈川県 市川 めぐみ 61
風吹けば発火するかも櫨紅葉 愛知県 田原 智恵子 61
春風や通学船は島に向く 愛知県 津村 由恵 61
玄関に赤い長靴春の雪 滋賀県 野村 八重 61
満開の携帯避けて桜見る 大阪府 藤浪 好昌 61
かけのぼる太棹の音や冬銀河 大阪府 高木 昭子 61
先生の居そうな島の紅葉散る 兵庫県 高橋 雅之 61
夕焼けが熟柿とりこみ秋落ちる 兵庫県 谷森 深 61
おしゃべりがどっと溢れて花の山 山口県 三野 公子 61
鞦韆を揺らせ昔をたぐり寄す 愛媛県 八木 紘子 61
走り根の走り出しそう十二月 福岡県 朝原 弘毅 61
蝉時雨集落こぞり午睡中 北海道 佐藤 正文 62
麦藁帽転がして夏さようなら 北海道 五十嵐 勝 62
麦秋の地平からポコッと郵便車 北海道 粥川 勝彦 62
霜月は律儀に寒さ連れて来る 群馬県 大沢 覚 62
初蝶となるせんせいの丸めがね 東京都 関根 洋子 62
立春やこの嬉しさは何処から 東京都 金子 茂 62
梟を不苦労として集めけり 東京都 横溝 敏江 62
茶柱に今日の幸福見つけたり 神奈川県 中島 美智子 62
春風と気の合いそうな服を買う 神奈川県 河西 みさを 62
指太の手にやわらかき初なすび 岐阜県 田辺 恵美子 62
梅雨に入る三度の飯を戴きて 岐阜県 勝 康治 62
お遍路がスタートだった我が余生 愛知県 加藤 順一 62
香水に追ひ抜かれたり御堂筋 大阪府 橘 永子 62
春寒し定員五名の縄電車 兵庫県 橋本 絹子 62
島めぐる海に夕日の漂よへり 熊本県 溝部 登美男 62
大根の胸まで見せて土の風呂 熊本県 後藤 雅章 62
故郷を遠く離れて昼寝覚め ブラジル 西 朋子 62
少年の鎖骨の窪み終戦日 北海道 西村 山憧 63
のっそりと来て居座れり冬の雲 秋田県 池田 崇 63
黄落を出で黄落に入る郵便夫 栃木県 金田 克子 63
電線の揺れ静まれば町に春 群馬県 石川 邦弘 63
目の前に海立ちあがる小春かな 埼玉県 菱沼 勝之 63
村じゅうの瞳の奥に銀杏ちる 千葉県 山岸 勝子 63
猿山の山まるごとの日向ぼこ 千葉県 小林 正寿 63
呼ばれても誰も動かぬ焚き火かな 東京都 田村 忠美 63
ビル風と凩つよく出会ひけり 神奈川県 海野 優 63
根なし草われも都会の次男坊 京都府 中島 美代子 63
夕焼のへばり付いてる街の川 大阪府 大西 幸治 63
五人来て緞帳上る村芝居 大阪府 池田 良子 63
凍滝の巨大オブジェでありにけり 岡山県 梅田 光憲 63
源氏読む秋の日が好き誕生日 福岡県 井下 一恵 63
老し母一枚一枚拝む年賀状 ブラジル 山下 重子 63
いくたびもふとんをほして子らをまつ 福島県 七海 勇 64
ずしずしと雪置いて行く野菜売り 福島県 川住 ミツヨ 64
人並が少しうれしき春の風邪 福島県 伊藤 孝 64
聴診器外してこわい目が笑う 埼玉県 堀 利男 64
つくしんぼみな還暦のクラス会 神奈川県 山森 美智子 64
行列の中に一人のサングラス 神奈川県 山本 啓介 64
街路樹が聖樹となりて輝けり 神奈川県 藤森 志津 64
隠れ場所さがすザリガニ夏休み 岐阜県 米山 きみ子 64
どの瓶に入れておこうか流れ星 静岡県 野口 清美 64
湯豆腐に踊り跳ねたる花鰹 大阪府 森下 惠子 64
勾玉やまがり具合のあたたかき 大阪府 山本 勝海 64
冬枯れの景色も春待つ準備かな 兵庫県 三原 貞子 64
ゴンドラの急勾配の涼しさよ 徳島県 吉田 裕子 64
青空へ放りかえして雪下ろす 栃木県 長浜 良 65
きっちりと仕事終えたる秋の空 埼玉県 須賀 正枝 65
やはらかに年重ねたし福寿草 千葉県 片山 圭子 65
調理場の腕にしみあり父の日よ 東京都 篠 信子 65
桜よりテニスボールがころげ出る 東京都 藤田 はるを 65
寒怒濤岩一枚を動かせり 富山県 大塚 喜子 65
三面鏡心の奥を写してる 静岡県 遠藤 弘子 65
満月を揺らして見せる植田かな 愛知県 大井 幸子 65
五百羅漢なべて福耳山笑ふ 愛知県 石田 弘子 65
街中の音も飲み込む銀世界 滋賀県 松本 幸子 65
七分咲きとは重さうに紅椿 大阪府 内海 善子 65
絵葉書の中に入りて紅葉狩り 兵庫県 荒木 タミ代 65
薄氷をこはす遊びの一人ぼち 兵庫県 石田 幸紀 65
薄氷や少年馬具を磨きをり 兵庫県 吉藤 美也子 65
水温むゆるりと動く池の鯉 奈良県 村上 和義 65
青邨の歳時記を買ふ春の昼 愛媛県 渡部 美千惠 65
菜の花を少し下さい墓の母へ 宮崎県 松浦 華世 65
さえずりはソプラノバリトン里の森 北海道 小野 誠 66
補聴器で会話が増えて若返る 福島県 吉田 紀子 66
つん読の本が崩れる四月馬鹿 茨城県 早田 維紀子 66
風止んで冬芽のどっと育ちたる 栃木県 吉沢 道也 66
革命の父と呼ばれてサングラス 群馬県 岡田 和夫 66
菜の花と遊んだだけの恋だった 群馬県 門倉 まさる 66
初夢は七福神の船を漕ぎ 埼玉県 守屋 昇 66
ペディキュアを塗り終えしより我の夏 埼玉県 玉国 淑子 66
もし妣に逢えるとしたら蓬原 埼玉県 金子 功 66
敬老日杖より低く友来たる 神奈川県 森本 生雄 66
人馬とも流鏑馬終わりて大欠伸 神奈川県 鈴木 義信 66
成層圏見てきた凧をいたわりし 神奈川県 福原 瑛子 66
田植花咲きぬ五角田三角田 神奈川県 吉田 ひろし 66
春風に吹かれて曲がる郵便夫 愛知県 中村 泰郎 66
水門が開き精霊河に出る 三重県 三崎 賢二 66
しばらくは動かぬ寒波詰将棋 三重県 霧道 三明 66
夕立を駆けた子の足砂光る 大阪府 金田 八重子 66
きっとまた野良猫となる猫柳 大阪府 辻 経 66
春寒し研ぎ師のにぎる薄刃 大阪府 藤田 千恵子 66
すれ違ふ人みな美し十六夜 大阪府 左近 清江 66
人声がして紅梅がうるみだす 大阪府 小林 祥浩 66
春風の内緒話を聞いちゃった 兵庫県 大西 治子 66
春泥を遠回りする寺の猫 奈良県 山口 マサ子 66
入道雲スクラム組んで起ちあがる 山口県 西屋 富美子 66
お日さまが好きでたまらぬ福寿草 福岡県 永野 美千代 66
ひとときの雨にこころも横になり 長崎県 多久島 忠 66
遠来の客をもてなす春月夜 大分県 桐井 育枝 66
子が帰り広くなりたる冬座敷 宮城県 野田 孝子 67
春潮や「ふぐ」はめんこい翼持つ 福島県 木田 益夫 67
のどけしや輪ゴムのやうな鯉の口 埼玉県 久世 孝雄 67
挨拶にお茶の手を借り顔つなぎ 千葉県 絹村 幸市 67
短日の切符 ぎ取る改札機 東京都 酒井 努 67
マンモスの瞳の奥の白夜かな 岐阜県 石川 弘之 67
春の顔皺百本の整然と 愛知県 杉本 よ志子 67
網袋噛みて放さぬ浅蜊かな 愛知県 木村 馨 67
皹荒れの右手我が手よ農が好き 三重県 田内 美良子 67
節分に心の鬼は出て行かず 三重県 千葉 千鶴子 67
豆ご飯一二三四おちょぼ口 京都府 松山 歌子 67
大雪の身の丈越へる登校日 大阪府 高橋 一夫 67
お互いのくらしに触れずおでん酒 大阪府 辻岡 洋子 67
べい独楽のかちりと還る少年期 大阪府 岡山 稔 67
菜園にしの字くの字の瓜下る 兵庫県 中井 栄子 67
半襟の白の浮き立つ寒の入り 青森県 工藤 年江 68
便り書く静かな夜の余寒かな 青森県 石戸 キコ 68
虎落笛本日妻は合唱隊 秋田県 土谷 とし雄 68
夕暮れの恋か蛙の声しきり 山形県 加藤 進二 68
留守居して冬の金魚と目を合はす 茨城県 西林 克矩 68
灯台の白さ眩しき春の海 群馬県 荒井 勉 68
一隅に子等の作あり菊花展 埼玉県 豊岡 條 68
落日が道のまんなか通せんぼ 埼玉県 石井 榮治 68
鎌倉の街を抜け来し初つばめ 埼玉県 人見 正 68
粗大ごみという名をもらい冬ごもり 埼玉県 遠井 雨耕 68
背のチャックさっと引上げ炎天へ 埼玉県 山口 みち子 68
鳥帰る空の画用紙はみ出して 千葉県 小池 成功 68
逆光の百万本の猫じやらし 東京都 中村 征子 68
釘打って寒満月を留めにけり 神奈川県 小林 美代子 68
パン食になって正座が下手になり 岐阜県 川上 恭子 68
背中には油断ありけりサングラス 大阪府 徳田 いわお 68
折々の事しのびつつ年の暮 大阪府 中西 小彌太 68
茶柱に昭和がゆれる冬の夜 兵庫県 天野 静鬼 68
不揃ひの苺並びし直売所 岡山県 岩崎 政弘 68
春近し五百羅漢のおどけ顔 広島県 浜本 千恵子 68
かき寄せし雪にシャベルを立てしまま 愛媛県 岩本 義孝 68
春はあけぼの地球が回っているなんて 福岡県 和田 京子 68
みの虫や私も風を待っている 長崎県 久原 恭子 68
好きなだけ凧に糸やる日曜日 北海道 岡本 清 69
ブランコを揺らした頃の鰯雲 岩手県 大和 時男 69
駅出口低空飛行初つばめ 茨城県 斉藤 美智子 69
大根が来るふるさとの土つけて 茨城県 黒田 誠 69
万策の尽きて枯野のちちに問ふ 群馬県 大谷 ユキヨ 69
ラッピング上手が心まで包む 埼玉県 川瀬 伊津子 69
歩くたび霜が噛みつく杖の先 埼玉県 久田 守正 69
しがらみを捨てて山河の冴返る 埼玉県 川崎 洋子 69
天と地のキリトリ線へ水を打つ 千葉県 荒井 玲子 69
妻の留守転がしてみる毛糸玉 千葉県 川瀬 智長 69
ミニトマト熟して朝の仲間入り 東京都 遠藤 幾市 69
小包を開けばそこに姉がいる 東京都 岡部 道子 69
父が子に水鉄砲で仲直り 東京都 宮下 亀彦 69
浮雲の淵は深海秋の空 神奈川県 戸村 達 69
宿浴衣見返り美人のポーズする 神奈川県 田 みどり 69
竹馬で登る富士山初枕 石川県 河西 健二 69
ジーパンの膝に穴あり春を待つ 静岡県 工藤 靖晴 69
春の雲ふわりと蹴って逆上り 愛知県 川瀬 千栄子 69
新米を妻の鑑のやうに炊く 大阪府 鈴木 貞雄 69
花冷や温めあてらる聴診器 北海道 江田 三峰 70
鉛筆で生命線を足している 北海道 田中 実 70
豆飯の豆買ふときにハミングす 岩手県 瀬川 けい子 70
落葉掃く老婆の影がすっと伸び 神奈川県 横澤 龍 70
病歴は無しと嘯く玉子酒 神奈川県 金子 嵩 70
体内の海鳴り枯野へと続く 神奈川県 金子 経子 70
少年の歩幅で夏がやって来る 神奈川県 佐藤 博一 70
会議室に突っ立ってをりボトルの茶 静岡県 山田 満里子 70
雛にも一枚着せたや寒もどり 愛知県 川瀬 光夫 70
孑孑のすでに柔軟体操す 愛知県 松井 勉 70
バス停の寒の陽だまり分け合って 三重県 大倉 正子 70
読み札は芭蕉の一句松の内 京都府 長谷川 美佐子 70
人影も手押し車も寒の入り 大阪府 松尾 タキ 70
古里が匂う日傘をたヽみけり 大阪府 中山 清子 70
深海の色に華やぐ若布汁 奈良県 南 千恵子 70
考えておくと答えてふところ手 広島県 津田 和敏 70
廃屋の昔庄屋に花吹雪 愛媛県 岡 静子 70
生きるとは顔上ぐること春を待つ 福岡県 西山 武彦 70
満月の寝そべっている畳かな 北海道 山陰 進 71
たたかれてすいかの出番決められる 北海道 奈良崎 紀生 71
お茶一杯飲んで碁敵追い詰める 秋田県 佐々木 豊 71
園児等のみな誉められて卒園す 埼玉県 小山 忠治 71
船酔ひのごとコスモスの中にゐる 埼玉県 中村 瞭子 71
生命線までつながってゐる銀河 千葉県 阿部 壽郎 71
春耕の一鍬今年始まれる 千葉県 湯浅 康右 71
すかんぽよ野に置いて来た少年期 千葉県 上村 光 71
絵手紙のどかっと坐る大南瓜 東京都 大内 セツ子 71
雪明り母の匂ひの古納戸 東京都  定 71
加茂川の風吹き抜ける夏座敷 東京都 岩尾 智加子 71
ゆづられた席の温もり冬の旅 岐阜県 高木 民恵 71
毬のよう弾んで双子入学す 大阪府 内藤 恵介 71
障子貼る夫婦の息のあふ日なり 兵庫県 金子 篤成 71
ちょっと触れ焚火の機嫌直しやる 奈良県 岡 文男 71
やませ吹く野にほゝかぶり点在す 和歌山県 増田 耕造 71
星屑がピアノ弾いてる冬宇宙 北海道 山崎 春一 72
なんでも屋の留守を窺う寒鴉 秋田県 加藤 富子 72
ふらここで天国行きの雲にのる 群馬県 星野 照子 72
強風にすすきの原は阿波おどり 群馬県 小渕 賢一 72
春眠やひきもどされる舟ばかり 埼玉県 伊集院 美佐子 72
たんぽぽのほほほと並ぶお昼どき 埼玉県 内木 伊代 72
叱られて少年壊す雪の裸婦 埼玉県 前田 秀夫 72
綿虫に憑かれてからの自由人 千葉県 佐々木 幸子 72
蟇あるじ顔してあるじ見る 神奈川県 土屋 弘文 72
どですかでんむかし市電の町は春 神奈川県 水口 哲樹 72
遠き日の余韻を載せて賀状来る 神奈川県 関和 啓三 72
土踏まず持ちあげゐたる春の泥 福井県 山内 なるみ 72
叱られて子が兜虫戦はす 岐阜県 天岡 宇津彦 72
校長も一日農夫玉の汗 静岡県 西尾 朝子 72
鉛筆の先の尖りや星冴ゆる 愛知県 中村 実 72
風神の袋破れて春の雪 三重県 池田 三治郎 72
十三夜すこしいびつな樂茶碗 京都府 田 藤治 72
煤払ひ拭き忘れたる月一つ 京都府 大嶋 勝 72
足場組む鳶きびきびと天高し 大阪府 山田 良一 72
海開き太平洋をまぜてやる 大阪府 田口 榮一 72
天の川峰をまたいで海に入る 兵庫県 岡  72
あるだけの靴をならべて冬支度 広島県 松原 英明 72
冬めくや欠航の文字癖のあり 福岡県 谷 まさあき 72
ひたひたとしのび聞える軍靴の音 鹿児島県 寺田 守男 72
土の香の染みて農婦の手の踊り ブラジル 児玉 和代 72
風鈴を妻の佛間へ移しけり 北海道  博 73
くれなゐといふ光持つ寒椿 宮城県 伊深 登志子 73
遠景に連なる嶺や雁の旅 茨城県 関野 重雄 73
だまし絵のように枯れてるさるすべり 埼玉県 塩野 典子 73
雑木林の芽吹の音を聞かんとす 埼玉県 米山 幺子 73
しゃっきりと生きる姿勢の夏帽子 東京都 宮原 つや子 73
葱坊主先生は何処にもいない 東京都 田中 時子 73
老僧の悟り顔なる日向ぼこ 東京都 三浦 白馬 73
紅をさす弁天様や初日の出 神奈川県 桑原 正治 73
語り継ぐべきこと多し木の葉髪 神奈川県 酒井 隆二 73
自販機の側に陣取り鯊日和 静岡県 池田 金司 73
コスモスの押し寄せてゐる休耕田 愛知県 院南 伸次 73
臘梅を仰げば透ける空の青 愛知県 牧野 敏子 73
今もなお考え中というロダン 兵庫県 中川 寿子 73
どの石も頑固を通す野面積 岡山県 加藤 三雄 73
子規庵の糸瓜が夢にぶらりかな 福岡県 和田 彰夫 73
すれ違う手話は短し蟻の道 大分県 飯倉 忠和 73
水温む雛に留守を みけり 宮崎県 安保 亮宏 73
広告の走る電車や鳥曇 北海道 鈴木 雅美 74
大寒や靴の音まで尖りけり 岩手県 福島 清 74
凍蝶が地球を一周して帰る 千葉県 横山 ふゆと 74
ブーメラン太陽周って帰還する 東京都 城取 志郎 74
ブラインドの角度春めく読書室 東京都 平木 康夫 74
金釘の文字あたたかき賀状かな 神奈川県 佐藤 達三 74
尺取虫の追はれてゐたる昼下り 石川県 中村 靖子 74
雨蛙青くなるまで空にらむ 大阪府 伊藤 千家 74
屠蘇の香や古教照心手を合わせ 兵庫県 萩原 陽子 74
一行を添えた賀状の温かみ 兵庫県 宮内 津由子 74
ならのおくやまけふこえて豆ご飯 兵庫県 笠松 定一 74
雪暮れて灯が美しき合掌村 福岡県 中村 重義 74
縄電車保父が先頭草もみじ 福岡県 岩男 ミヨ子 74
茶柱の立つやほのぼの寒の虹 沖縄県 大城 宗清 74
大雪に人相わるくなるばかり 山形県 遠藤 陽子 75
打った球入道雲がキャッチする 茨城県 内田 春男 75
母の日や母に及ばぬことばかり 東京都 坪入 君江 75
花びらの大名行列川を行く 東京都 飯田 洋子 75
啓蟄や第一楽章地に湧きぬ 東京都 鈴木 芳江 75
肩書の取れて器用に落葉掻く 長野県 遠藤 喜久男 75
七福神街へ乗り出す宝船 長野県 青木 三郎 75
ファックスが留守を守りし年の暮 長野県 水内 喜久江 75
耳打ちのような風音春障子 静岡県 長 孝雄 75
渦潮に軽き目眩や老の旅 静岡県 鈴木 行雄 75
編棒のことりと落ちる夜長かな 愛知県 平松 桂 75
眞青な空の絵手紙曼珠沙華 愛知県 酒井 清 75
磐梯山まだ目がさめぬか霧の中 愛知県 堀井 清 75
山々の裾をからげて春霞 三重県 竹内 淑江 75
逆光の窓いっぱいにシクラメン 京都府 泉 藍子 75
立春の卵とにかく立ててみる 大阪府 西田 唯士 75
日時計に何もしない顎をのせ 福岡県 磯村 昌二 75
遠足の色混ぜ合わせ傘の家 宮崎県 竹内 千恵子 75
野遊びの唄声のせて縄電車 北海道 小山 耕昭 76
難聴に下からの手話雪下ろし 山形県 佐藤 佐一 76
日向ぼこ金平糖のお福分け 千葉県 鈴木 滋子 76
猫の耳動かぬ真昼蝌蚪生る 千葉県 小松 澄子 76
太陽の匂いをしょって猫帰える 千葉県 菊原 聖之助 76
ひょうひょうと妻は裏方夏祭 東京都 安野 文男 76
耳鳴りのトーンたがへて虫の宴 東京都 藤崎 嶺雲 76
地球儀をくるりと廻し旅心 東京都 杉浦 和 76
初みくじ晴着の袖に夢かくす 神奈川県 伊藤 悦 76
はふはふと焼芋食べる日曜日 神奈川県 宇佐美 正治 76
臍出しのモードの闊歩風光る 愛知県 野村 宗平 76
勝独楽は宿題帳の上に置く 三重県 濱口 小波 76
厨まで芝火の匂ふ昼餉かな 三重県 八木 良和 76
故里の水湧く野辺に芹を摘む 兵庫県 和田 竹彦 76
それからの話聞きたく火を埋める 青森県 蛯名 登美子 77
木漏れ日や森が温めている童話 茨城県 野口 明子 77
凧に乗せお日さまを引く親子かな 栃木県 藤川 守一 77
浴衣縫ういまだ本物糸切歯 埼玉県 渡邉 渡 77
軽鳧の子を見ている空気丸くなる 千葉県 福島 由紀恵 77
夕焼やまだ忘れ得ぬ大空襲 千葉県 今関 和子 77
風薫る軍手干さるる四つ目垣 東京都 新海 昭男 77
鶴だけは折れる指先原爆忌 東京都 鈴木 綾子 77
わが菜園七坪弱の初嵐 東京都 世古 正秋 77
夕日より真赤な蟹を釣り上ぐる 神奈川県 岡田 信子 77
桑の実を道々取りて登校日 静岡県 川村 順昭 77
天までの距離知りたくて烏瓜 静岡県 遠藤 朝子 77
初釜やまあるく使う寒の水 三重県 池田 すみ子 77
小鳥来るセピア色なるちちとはは 大阪府 宮川 久子 77
逆光の影が手を振る冬茜 大阪府 辻 寿恵子 77
松風の香りが軒を通り過ぎ 兵庫県 田辺 保 77
雨止めば啼かずば損と囀れる ブラジル 関山 玲子 77
目に沁みる新幹線のお茶畑 ブラジル 黒沢 允晴 77
土匂ふ無人の売場の冬大根 福島県 深谷 藤男 78
海広し空なほひろし鰯雲 福島県 木元 昭雄 78
鶴亀を生む初市の飴細工 栃木県 佐藤 利夫 78
空蝉やわれにも欲しき力瘤 群馬県 鈴木 一石 78
ぶり大根氷見の言葉で喰べており 埼玉県 竹澤 達男 78
登山口足腰とんとん確かめる 東京都 久我 欣次 78
追いかけて追いかけられて十二月 東京都 針ヶ谷 里三 78
子らがみな眩しくみえる初日の出 愛知県 渡辺 幹 78
冬うらら干物に残る海の色 三重県 三宅 昭三郎 78
雛あられ母の遺影に色添へる 兵庫県 奥本 昭子 78
日向ぼこゆっくり生きてゆくつもり 奈良県 尾崎 順子 78
ぎたての遍路にあげる夏蜜柑 徳島県 三並 文子 78
飛びこんだ力で浮かぶ蛙かな ブラジル 坂本 のぶゑ 78
足るを知る暮ししあはせ朝顔咲き ブラジル 山口 ふみ 78
さくら餅妻にマニキュアらしき艶 北海道 茶木 ひろし 79
花辛夷にはかに動く村百戸 北海道 須賀 悟 79
放牧の馬コ見に行く握り飯 岩手県 新里 山歩 79
激動の昭和を生きて耕せり 茨城県 町井 昌智 79
おみくじをそっと引いたる小正月 茨城県 堀口 澄子 79
園児らの指は手品師衣被 埼玉県 中野 春雄 79
澄む秋の色となるまで拭く眼鏡 埼玉県 古市 絵未 79
こんにゃくのちりちりちりと霜の夜 千葉県 吉羽 多美子 79
踊の輪見て居る手足おどりけり 千葉県 金子 光雄 79
出来不出来ありて寄せ来る春の波 千葉県 石津 一男 79
毛虫にも目立ちがりやの居たりけり 東京都 添野 ひでお 79
スリッパのちらかっている目借どき 東京都 塩田 清則 79
たんぽぽよれんげよ遠きふるさとよ 東京都 浅野 道之進 79
百八ツ煩悩すべて置いて行き 神奈川県 小川 久夫 79
茶の緑春の緑と重なりて 新潟県 由井 豊一 79
フルートを月の明かりに吹く子かな 静岡県 和久田 綾子 79
花丸を貰ふ七十路の初硯 滋賀県 松田 和枝 79
誕生日皺に重ねる薄化粧 福岡県 諸隈 喜美江 79
金婚をひとり祝いし雪の舞 大分県 手嶋 陽子 79
風が出てロシヤへ向う蕗の絮 北海道 山田 外吉 80
台風が声を荒げて街走る 北海道 大和 史郎 80
開店の斜めに貼られ街冴える 北海道 佐藤 京作 80
全山の音閉じ込めて滝凍る 群馬県 栗原 英也 80
安達太良を背に地吹雪の始まりぬ 埼玉県 永瀬 好藏 80
太陽のあっちこっちと青き踏む 埼玉県 森村 桜堂 80
水槽に風ある如し金魚の尾 東京都 村田 暹 80
短日や金平糖の角光る 東京都 窪 蔵六 80
大方は病のことの古日記 長野県 寺沢 節夫 80
生命線夫と見せ合ふ日向ぼこ 岐阜県 橋爪 つや子 80
はたはたや世に忘られし石佛 静岡県 服部 君江 80
日本海二月は暗きままに昏れ 滋賀県 牧野 進 80
花筏ゆらゆら星の子をのせて 香川県 中山 美帆子 80
蝸牛ゆきつく当てのあるごとく 大分県 近藤 忠良 80
旅に出て気さくな気持ちサングラス ブラジル 宮本 英雄 80
風光る水の硬さを水が解き 福島県 冨塚 六郎 81
箸袋話聞きつつ鶴となる 埼玉県 佐藤 美津夫 81
虹の尾につかまって行く童話村 千葉県 茅山 峰子 81
烏瓜自由奔放次男坊 東京都 松宮 昭 81
羽子板や女系家族の歴史あり 東京都 青山 喜代子 81
粉雪の尚しきりなる千代紙屋 東京都 藤原 光子 81
花吹雪くぐり江ノ電現はれる 東京都 木村 一平 81
焙じ茶の匂ふ舗道や夏柳 神奈川県 中島 喜代子 81
八十の眉を引きたす初鏡 神奈川県 河合 清子 81
不覚にも風邪の問屋となりにけり 神奈川県 大橋 義守 81
物忘れ共に笑ひて蜜柑むく 神奈川県 井田 みね 81
唐辛子一糸まとわず吊られけり 富山県 横山 春枝 81
名月に手の届くかと仰ぎ見る 大阪府 田村 治子 81
補聴器がうなる二月の風の声 香川県 小野 貴美子 81
金魚鉢孫は鯨を飼っており 岩手県 小野 ゆたか 82
茶を立つる二の丸稲田一望に 秋田県 小西 良雄 82
梅の花日毎にひらく孫の智慧 埼玉県 木元 恵津子 82
てのひらの器に蕗を摘みにけり 埼玉県 保泉 一生 82
花莚隣は同じ国訛 千葉県 野上 昇 82
良寛の歌碑につまづく冬の蝶 東京都 三枝 綾子 82
色いくつかさねて匂う春の闇 神奈川県 行谷 新水 82
古語辞典机に残し卒業す 愛知県 中村 春草 82
寒晴やかたまってゆくランドセル 岡山県 石井 誠一郎 82
山寺の畳に西瓜かしこまる 埼玉県 秋山 英子 83
山茶花の咲く裏口に水音す 千葉県 北原 ヨシ子 83
車椅子押されて通る蝉しぐれ 東京都 高橋 嘉子 83
よちよちの歩みに疲れ亀鳴けり 神奈川県 秋本 謙一 83
華やかに座敷占められ女正月 神奈川県 沖  83
餅花の灯影に鳴れり古時計 神奈川県 多田 武峰 83
寒がりの母の墓石に雪積る 大阪府 山本 ハルエ 83
雪だるまみんな帰りてしまひけり 岡山県 杉山 繁夫 83
干蛸を踊らせ瀬戸の小春波 広島県 川端 幸子 83
ニトロが舌に溶けてゆく刻小鳥来る 高知県 牧ヶ野 千代 83
樹木医の支えし一樹天 埼玉県 佳 ミキエ 84
素通りは出来ぬ九段の初桜 東京都 高橋 喜三郎 84
五段びな孫らは九九をそらんじる 山梨県 曽根 一二三 84
師のこゑを心耳にとらえ梅月夜 岐阜県 川嶋 千秋 84
谺してそこから雪嶺崩れそう 大阪府 石田 勇 84
炎天の両国橋を渡りけり 山口県 武安 孝子 84
B29の耳鳴り止まぬ敗戦忌 埼玉県 渡辺 謙三 85
夫の背のいよいよ丸く冬に入る 東京都 阪本 澄江 85
巻寿司の端っこが好き紅葉狩 三重県 直村 千恵 85
初日より夕日好みのへそまがり 茨城県 相澤 豊子 86
レジ袋大空駆ける春一番 東京都 武田 亨 86
落葉道行けば地球が呟けり 愛知県 金原  86
風上も風下もなき春の空 滋賀県 高谷 末男 86
夏雲の湧き立つ丘や戦友の墓 兵庫県 百々 和 86
遠雷や男ことばの少女過ぐ 東京都 斉藤 稔 87
初恋も手ぶらの内は未然形 東京都 青木 正七 87
他人事に非ず大根腰曲る 神奈川県 下條 恒彦 87
初鶏の牛十頭を先導す 神奈川県 藤田 和夫 87
啓蟄や家族みんなの布団干す 山梨県 小沢 さと 87
猿酒を天狗が飲んでしまいけり 高知県 中村 時雄 87
とんぼ来て往生際の話など 埼玉県 川嵜 い志 89
梅もぎは嫁に譲りし米寿かな 山梨県 斉藤 とし子 89
胡麻干して貧しき目鼻笑いけり 愛媛県 善家  89
疾く走る女子ランナーに風光る 兵庫県 西川 隼二 90
芋掘りや車椅子隊凱旋す 千葉県 木谷 江月 91
柿二つ墨絵に画き独り哉 神奈川県 古賀 文 92
若者は氷の上の水すまし 神奈川県 大山 正明 92
憩いたる石に一礼遍路行く 大阪府 中西 文子 92
月冴えて寒さ身にしむ今日の霜 広島県 小笠原 聡 92
版画めく裸木刺してる寒い月 愛知県 原田 士朗 93
猫じやらし風のたよりのうそほんと 千葉県 島 仟子 95
どこまでも歩いてみたし星の秋 東京都 深谷 満子 98
杖などはいらずに暮し行く秋ぞ 東京都 永澤 文子 101
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