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お〜いお茶新俳句大賞 > 第十六回 > 佳作特別賞 その3

第十六回受賞作品
第十六回伊藤園お〜いお茶新俳句大賞
各部門受賞者
外国語俳句
優秀学校賞
優秀家族賞
佳作特別賞その3 佳作特別賞その2 佳作特別賞その1 佳作特別賞
都道府県賞
ユニーク賞
後援団体賞
審査員賞
一般の部B(40歳以上) 一般の部A(40歳未満) 高校生の部 中学生の部 小学生の部(幼児含む) 優秀賞
各部門大賞
文部科学大臣奨励賞
佳作特別賞
その3

採った蝶放す優しさと寂しさ 京都府 入山 知子 21
靴を買う春の光に誘われて 京都府 宮崎 佳奈 21
初任給握りしめて帰路につく 大阪府 河合 史訓 21
どこででもひとのやさしさふれあえる 大阪府 大岡 弘枝 21
ほろ苦い菜の花ひとくち春が来た 兵庫県 永良 伊都子 21
積雪に喜びつつも遅刻かな 福岡県 生熊 香奈 21
青空が綾取りしている送電線 福岡県 野田 みほ 21
真夜中の周りの音はクラシック 福岡県 山本 よしひろ 21
大空に一筆書きの水平線 福岡県 松尾 美菜子 21
目が覚めて雪の匂いに心浮き 大分県 藤原 香澄 21
この思い蝶々にたくします 沖縄県 西里 綾子 21
靴ずれを我慢しながら初勤務 北海道 横幕 恵里子 22
コスモスが寂しく揺れる廃線路 北海道 鹿又 竜一 22
赤黄色寒くなるほど世界がかわる 宮城県 佐々木 いづみ 22
五年経ち変わらずあたしの片思い 群馬県 島田 夕希 22
帰省して初めて気づく星の雨 埼玉県 中澤 俊介 22
いきあたりバッタリ旅のいいところ 埼玉県 新井 真紀 22
ビー玉をはじいた指が夏に触れ 東京都 井尻 貴子 22
春来るな内定通知よ先に来い 東京都 青木 芙美子 22
隙間風僕のピッコロどこですか 東京都 井岡 慎治 22
並木道落ち葉のシャワー降らせるよ 東京都 小田 裕美香 22
小さな命温かな手で包む 東京都 立石 有貴 22
枯れ葉踏む楽しい音が二人分 神奈川県 関川 裕也 22
雪どけの頃にはきっと夢叶う 新潟県 田村 京介 22
ふきのとう愛くるしさで春いっぱい 長野県 佐藤 友紀 22
弾む胸二段飛ばしで駆け上がる 静岡県 大畑 欣也 22
向こうからオセロみたいに冬の来て 三重県 小川 洋明 22
故郷を出て親の背中が気にかかる 京都府 福間 由香 22
啓蟄や何かありそな靴の底 大阪府 村田 晋子 22
ゴム長と祖父の背を追う栗拾い 大阪府 都築 由美 22
風神の叫びし声か春嵐 兵庫県 赤松 学 22
通り雨見知らぬ誰かと雨宿り 兵庫県 川崎 篤 22
花冷えや添うて小庭の子守歌 兵庫県 田渕 健一郎 22
快音と歓声絶えぬ河川敷 広島県 久保 日向 22
真夜中に爆竹が鳴る初暦 中国 李 静 22
桜舞ういたるところにランドセル 北海道 酒井 綾子 23
ヒーローの真似する子ども日曜日 北海道 飴  雄二 23
葉桜は記憶をたどる鏡です 茨城県 小野 由美子 23
たくさんの絵馬を横目に困る神 埼玉県 小島 由樹子 23
雪降って心が少し若返る 埼玉県 芳賀 裕 23
その日から突然全てが金木犀 千葉県 新谷 裕子 23
あの人と過ごした海の波の音 千葉県 大久保 貴子 23
胡桃割り人形のいる寒い部屋 東京都 大津 貴寛 23
一筋のひかり愛しき冬木立 東京都 平山 陽子 23
坂道を行く我に月おりてくる 東京都 東島 恭子 23
春風が街をピンクに染めていく 東京都 福島 淑江 23
別れ際通り抜けたよ春の風 三重県 木村 誠太 23
満月を瞳に入れて持ち帰る 大阪府 長田 麻世 23
息止めて別人になる試着室 福岡県 堤 多美子 23
冬の窓曇りガラスに書く絵文字 沖縄県 石垣 努 23
猫じゃらし遊んでいるのは私かな 宮城県 千葉 聡子 24
レンタルで違う人生借りてみる 茨城県 山口 智美 24
山肌に可憐な花をのぞみつつ 栃木県 後藤 恵美 24
凛と立つネギに叱られ背を正す 千葉県 三浦 知佳 24
幸せを噛み締めながら米を研ぐ 千葉県 関野 広美 24
夏の海瞳閉じても満ちる青 東京都 繁本 佳予子 24
ヘリコプター遠く見上げる牛の瞳 東京都 わたなべ  ひろみ 24
大根がとても美味しく煮えました 東京都 大戸 真紀 24
お互いに角が取れてく日向ぼこ 神奈川県 川村 祐加 24
春風に揺れるカーテン新生活 三重県 森 弥生 24
白い夜無音の闇を作る雪 滋賀県 山内 英雄 24
海の中月が入浴しています 滋賀県 飯島 里湖 24
走っても立ち止まっても長き道 兵庫県 井上 牧子 24
シャツ脱ぎし背の向こうに碧き海 広島県 佐々木 寿乃 24
オムライス黄色い三日月光ってる 徳島県 山下 るみこ 24
中吉を一番高く固結び 熊本県 冨永 聖代 24
空見上げ両手でキャッチ白い冬 青森県 平野 くらら 25
「お帰り」と声をかけるはオリオン座 千葉県 中村 洋介 25
夕焼けと同じ色した居残り柿 東京都 城山 絵美 25
真っ白な無音の世界に響く息 東京都 吉川 隼史 25
氷メロン草原になる我の舌 神奈川県 岡田 麻子 25
恋椿花を落として愛求め 神奈川県 明田 愛子 25
やってきたやってきたよと山は萌え 愛知県 玉津 沙枝 25
退院の荷物の一ツ金魚ばち 滋賀県 金子 かほり 25
秋ひとつ裏の庇に落ちないか 大阪府 堀 幸太 25
白ねぎを持って背すじもシャンとする 大阪府 長尾 絵里 25
月あかり含みし雪をうさぎにする 広島県 山下 倫実 25
風集めかけよってくるわが子なり 北海道 河合 智子 26
眠れぬ夜冷たい月を抱きしめた 宮城県 阿部 加奈子 26
雪うさぎ夢から夢へ飛び跳ねる 宮城県 仮屋 真弓 26
帰省して独り占めする母の味 埼玉県 臼井 孝治 26
春霞こぶしも入る大あくび 千葉県 野間 章子 26
秋になりイガグリ頭旬な僕 東京都 今野 真理 26
落丁の春を探しにゆくところ 東京都 原 亮 26
震災の後にも同じ雪は降り 東京都 西村 美香 26
たっぷりと寝てもまどろむ春の朝 東京都 加茂 光恵 26
浴衣着てしばし少女に戻りけり 東京都 筧 房恵 26
道端の名もない草に励まされ 東京都 多田 啓子 26
会いたくてブルーベリーに願かける 愛知県 中村 まゆみ 26
パレットに夕陽の色を押し込んで 和歌山県 柿原 ゆり 26
横に立つ鏡の母を見下ろせり 徳島県 藪内 敏郎 26
冬空の飛行機雲が息のよう 福岡県 山本 秀和 26
暑い夏涼しいところは犬に聞け 福岡県 田中 徳一 26
夢の中そこは私の花畑 鹿児島県 倉岡 徳博 26
通帳の残高見ながら年を越す 北海道 田中 壯 27
雪解けの氷の中から片方のピアス 北海道 阿部 美香 27
眠る子の頬にこぼるる陽の光 北海道 榎本 絵梨 27
薄氷やためらいがちな恋の文 埼玉県 池田 祐介 27
祖母の手を引いて歩いた春の園 千葉県 鎌形 淳一 27
猫柳とんがり帽子行列す 東京都 木島 利恵 27
はーっくしょぃ妻のくしゃみが派手になり 東京都 加藤 啓人 27
雪の声そうっと聴いて溶けるまで… 東京都 印出 かおる 27
荒れた手をわざと夫に見せてみた 神奈川県 野口 ふみ子 27
電線もわずかに垂れる春の昼 神奈川県 鈴木 恵介 27
霜柱踏み砕く音響く朝 神奈川県 大津 桂子 27
タンポポはどこか初恋のひとに似て 富山県 吉田 悦子 27
打ち水をひらりとかわす金魚売り 京都府 蔵ノ内 由香 27
ピカソより印象的な夕日観て 兵庫県 中村 友子 27
蛍舞うこの川いつか見てみたい 兵庫県 丸田 友子 27
パイ生地の音さくさくと雪のよに 北海道 羽生 香織 28
遠恋の切符買う為ダイエット 茨城県 市村 絵美 28
飛んできたてんとう虫の胸バッジ 埼玉県 佐藤 智昭 28
石蹴りで想い出めぐる散歩道 千葉県 京谷 香倫 28
「黒鳥」という名のダリアを持ち帰る 東京都 松本 朋香 28
貸す本の最後のページに好きと書く 東京都 橘田 賢 28
初雪の扉を開く子等の声 東京都 庄田 宏文 28
さくら咲く一人暮らしの三年目 東京都 国松 加奈 28
帰郷して小さく見えたグラウンド 愛知県 坂倉 充 28
防災の避難経路にふきのとう 三重県 若林 大悟 28
白桃のかほり漂ふ武家屋敷 三重県 中森 友香 28
故郷の家の中まで息白し 京都府 広瀬 美洋子 28
希望詰め背負う息子のランドセル 大阪府 中村 薫 28
夏祭り大きな手を引く小さな手 大阪府 市川 健太郎 28
お父さん静かに家族を支えてる 兵庫県 小谷 夏恵子 28
この街で生きて行こうと決めた夏 岡山県 阿部 加奈子 28
ばあちゃんの曲がった背中に羽根がある 岡山県 川口 麻衣子 28
あけまして・・家族写真にニューフェイス 広島県 村田 美和 28
粉雪が舞い散る中の散歩道 徳島県 川上 正 28
笑い声元気になれる処方箋 鹿児島県 川添 紀代美 28
いるだけでいいといわれて早一年 ドイツ 竹前 有香 28
秋鮭の尽きた命を包む海 北海道 平宮 郁子 29
好きですと逆光だから言えました 宮城県 佐々木 朋子 29
赤い顔ふたつ並べて卵酒 福島県 和久井 知子 29
姿見の向こうで回る水車 千葉県 宮原 明子 29
寂しさをあきらめてみる盆踊り 東京都 渡辺 文子 29
長年の箱入り雛を父飾る 東京都 くぼの ゆみ 29
時間さえあくびする午後春うらら 神奈川県 安達 美和 29
てっぺんはどんな気分ぞ雲の峰 神奈川県 酒井 敦子 29
若草に抱きし吾子の重さかな 石川県 北本 葉子 29
鼻カゼの君にカシミヤティシュー買う 滋賀県 木澤 和枝 29
夜桜のひとひら肩にレジを打つ 大阪府 左古 善嗣 29
生姜湯の熱きを我慢嘘を吹く 兵庫県 岡本 昌子 29
イヌだけが私の話を聞いている 兵庫県 亀山 淳子 29
水澄みて己が邪心を計りけり 兵庫県 高木 らんる 29
カレンダーめくれば子供の誕生日 香川県 川西 繁昌 29
ニット帽キリッと決めて朝の散歩 福岡県 江口 しのぶ 29
髪なでる春風誘う昼下がり 福岡県 篠原 里美 29
貯金してやっと子を産むこのご時世 沖縄県 山城 華 29
びわの実を包む新聞戦の文字 宮城県 菅原 洋子 30
雪だるま車庫の前からどいとくれ 秋田県 佐藤 久則 30
遠足やリュックに足がある如し 茨城県 松崎 景介 30
帰宅した夫の眼鏡で寒さ知る 埼玉県 江原 由美子 30
ちぎり絵の色彩ことこと野菜スープ 東京都 板谷 智宏 30
爪先に春騒ぎだす波打ち場 東京都 姫野 純子 30
木枯らしに襟立たされる並木道 石川県 室木 助樹 30
追伸にほんとうの事ソーダー水 大阪府 武田 亜希子 30
本当は蝶になりたい換気扇 兵庫県 守谷 晶 30
若葉吹き山ひとまわり膨らみぬ 福岡県 中間 知恵 30
凧上げる子供をささえる父の腕 宮城県 相澤 卓 31
友人のことだといって相談し 茨城県 横須賀 真美 31
香水がケンカしている夏のバス 埼玉県 伊沢 令奈 31
雪なめて甘くないねと首傾げ 埼玉県 秋山 真紀子 31
打ち水を撥ねて郷里の商店街 千葉県 渡邉 由美枝 31
お雛さまそっと手に乗せ紅をさす 東京都 倉島 もも 31
夕闇にドキリと甘く金木犀 東京都 樋町 多鶴 31
初デートお好み焼を裏返す 神奈川県 玉川 純司 31
水を吸う息が聞こえる鉢の土 神奈川県 横山 えり子 31
宇宙語を話す弟訳す姉 神奈川県 立川 孝美 31
春の波テトラポットを這い上がる 富山県 小林 千秋 31
海越えて国離れても同じ海 石川県 宮崎 景子 31
空に星海に漁火我に恋 静岡県 村山 礼奈 31
初夏の虹するりとリボンとけて空 愛知県 桜井 真理子 31
終電が二人を別ける春の夜 京都府 前田 美穂 31
春風に吹かれてひらり上着脱ぐ 京都府 服部 貴子 31
目が合った虫と一緒に異空間 大阪府 井上 高志 31
ランドセル少しつぶれて二年生 大阪府 山中 恵子 31
武器捨ててみんなでお茶でもいかがです? 奈良県 丸谷 有加 31
やれ拝め十日恵比寿の笹飾り 奈良県 和田 啓秀 31
星辿る足跡夏の砂浜に 山口県 福田 陽子 31
木の姿仏に戻す仏師の手 埼玉県 今 友子 32
熱燗は睡眠薬と言い聞かす 埼玉県 森下 晋伸 32
初雪は傘をささずに歩きたい 埼玉県 本田 寛江 32
「尋ね人」まだ貼紙のある聖夜 東京都 大原 優子 32
風怒り雲の逃げ足速くなる 東京都 河崎 明美 32
寒月やひとりの体温抱きしめる 東京都 安齋 まほみ 32
月の端掴んでみたよ夢の中 東京都 中平 由季 32
終電車日付変更線を行く 神奈川県 雨谷 久美子 32
真っ白な上履きに書く子の名前 神奈川県 管 衣美 32
被災して太く深まる家族の絆 新潟県 高林 直美 32
一本の糸がいのちの烏瓜 長野県 小川 朗子 32
陽だまりに井戸端主婦が移動する 岐阜県 安藤 年彦 32
霜柱トーストみたいと笑い合い 愛知県 朝岡 栄治 32
頬を刺す風に負けるな通学路 愛知県 松井 智子 32
小春日の今なら杖を放せそう 京都府 三好 珠樹 32
北風に負けないように仁王立ち 京都府 徳田 幸絵 32
やませ吹き恋の偏差値下降する 大阪府 真弓 典子 32
夕焼けが足りないところ照らしてる 兵庫県 中野 和行 32
止めた手の箒の先にてんとう虫 福岡県 藤村 恵三子 32
ベランダに連なる布団の日向ぼこ 鹿児島県 内 英里子 32
降る雪にふるさと想い雪をはく 福島県 水野 美穂 33
納豆の糸がお箸と踊る朝 茨城県 野仲 忍 33
細腕で地面を挙げる霜柱 埼玉県 田原 孝幸 33
クリスマス今年は長男加わった 埼玉県 福田 眞也 33
祖母の背と茜の空と子守歌 埼玉県 雨乞 直樹 33
耳ふさげ次の花火も大きいぞ 千葉県 千貫 富美江 33
おじさんも傷付き易いの定年前 東京都 添田 明恵 33
金色の枯葉を泳ぐ鳩の群れ 神奈川県 田代 美香 33
園服のポッケに隠すくぬぎの実 静岡県 荒川 千智 33
子を思ふ母のこころは海の碧 愛知県 都築 育代 33
要領よう出来へん自分がちょっと好き 大阪府 水谷 晶奈 33
茹蛸に座る場所あり魚の市 兵庫県 徳澤 礼子 33
ベランダに当たりて戻る鬼は外 岡山県 湯原 ひとみ 33
今日の日の褒美となりし冬茜 広島県 水野 朗子 33
木漏れ日に光るあなたをぬすみ見て 香川県 島田 圭子 33
月だけを乗せて都会を走るバス 北海道 中村 綾乃 34
野遊びや口笛やつと覚えし子 福島県 益永 涼子 34
停車する度に窓開け春を吸う 群馬県 成清 康徳 34
巻貝の底にさざめく太古の海辺 埼玉県 佐々木 綾子 34
おじぎして大門くぐる青嵐 東京都 保岡 直樹 34
鮟鱇にあくびをされて水族館 東京都 丸山 志保 34
無添加にこだわるくせに煙草すう 東京都 志賀 美保 34
おさげ髪やっと結べた一才春 長野県 小山 訓 34
春風が迷う背中に味方する 愛知県 河原 京子 34
とんとんとん何の音かな母の音 京都府 荒木 幹太 34
信号の青のあたりでカラス鳴く 大阪府 神原 佳代子 34
野の花に気づいた自分が嬉しくて 大阪府 田中 智可江 34
清流のあおに映りし秋の空 熊本県 上野 隆信 34
朗らかに遅刻して来た春の風 宮崎県 山本 芳生 34
着ぶくれて伊勢を読みたる二時間目 沖縄県 知念 教子 34
眠たげなロビンフッドの夏休み 北海道 及川 和弘 35
立ち読みで読書に出会う夏休み 東京都 中村 深由紀 35
雪ふればネコも動かぬ大都会 東京都 軽部 貴博 35
真っ裸にて君に会いたいヒアシンス 東京都 松田 知子 35
冬の朝夫のアダ名はダンゴ虫 東京都 相澤 靖子 35
国産を贈り贈られ香り茸 東京都 亀山 茂子 35
春立つや花のすべてに空あける 愛知県 齊藤 佐知子 35
ノックして春を尋ねたヤマザクラ 大阪府 半田 知子 35
ほっぺたの真っ赤な子等と影遊び 兵庫県 中井 千草 35
田植え横ショートカットが駆け抜ける 兵庫県 田守 正和 35
旅立ちの羽ばたきそうな襟の白 兵庫県 浜端 香里 35
ひな壇を花嫁道具と思うとき 福岡県 茶屋本 崇 35
手作りの雛人形で子の笑顔 北海道 関澤 三貴子 36
月光に磨かれている林檎です 北海道 奥山 真由美 36
悲しみが映ったガラス光ってる 青森県 西村 太良 36
赤とんぼ君も眠れぬ夜はあるか 埼玉県 斎藤 博史 36
古手帳開けば君に包まれて 千葉県 関根 則子 36
母さんの肩を叩きに帰省する 千葉県 富永 恒太郎 36
毛糸玉猫と遊びし母の膝 東京都 臼井 美菜子 36
いつの世も人の営み四季に似て 東京都 松田 真友子 36
ススキの穂風にゆれてる魚釣り 東京都 渡辺 直幸 36
無意識に陽だまり探す冬の朝 東京都 相澤 信之 36
タンポポの小さな笑顔にふりかえる 東京都 天野 一志 36
雪の夜は繭に包まる心地する 神奈川県 滝口 恵子 36
日時計のごとく移動し冬の猫 神奈川県 稲原 成美 36
青空ににっこりおひさまお洗濯 長野県 佐伯 仁子 36
自転車の影おいかける赤とんぼ 静岡県 加藤 由香 36
川の中赤いザリガニ追い駆ける 愛知県 早川 明宏 36
泣き果てて梅一輪が見えてくる 三重県 増井 章子 36
春満月象の赤ちゃん誕生す 兵庫県 西野 久美子 36
さようなら今でも想う夏の恋 兵庫県 月足 浩二 36
やり直ししたくて植えるチューリップ 兵庫県 浜田 総子 36
背伸びして大根たちが見てる空 和歌山県 池田 知子 36
泣きたくてヒグラシの声聞きに行く 福岡県 西村 朋子 36
木枯らしも味方に付ける恋人達 佐賀県 山口 猛 36
正面で大きく笑う赤い月 鹿児島県 立石 英子 36
母が逝くあの夏空を忘れない 北海道 鹿又 勉 37
いわし雲疲れし心撫でていく 福島県 永井 マユミ 37
名月のあかりをしょって影あそび 群馬県  佳子 37
どこを飛ぶきまりなかりし夏燕 埼玉県 小林 薫 37
おままごと露草しぼりお茶どうぞ 千葉県 太田 みち子 37
風光る僕は俯いてばかりいた 千葉県 小川 修 37
ポケットで我子の手袋あたためる 千葉県 北瀬 ゆみ 37
ジャンボ籤五等の当り小正月 千葉県 伊庭 英理子 37
グラス上げシャンパン月に入れてみる 東京都 高徳 浩子 37
しゃぼん玉ほどの速さで助走せり 東京都 大久保 昇 37
除雪して震災の傷も掻き出せり 東京都 山口 麻利 37
かき氷こめかみへ来て騒ぎだす 神奈川県 目代 佳代子 37
保育園慣れて日焼けの子となれり 愛知県 齊藤 隆 37
寒風の海渡り来て酒の蔵 愛知県 鎌田 基子 37
家を出て自由と孤独を手に入れる 愛知県 奈良 紀子 37
水撒きの駄賃がわりの朝トマト 三重県 渡邊 学 37
影ふみでふまれた所痛くなり 広島県 田中 美代香 37
つわぶきや南島の寒入り告げて咲く 沖縄県 比嘉 幸恵 37
揺れている枝の先から春が来る 埼玉県 三友 孝行 38
感情をエイトビートで研ぎすます 埼玉県 飯嶌 直樹 38
洗濯が乾く幸せ冬の風 東京都 畑田 里美 38
手術日のこの平穏や花三分 愛知県 麻生 徹 38
ふり返りまたふり返り母の顔 兵庫県 今井 千明 38
野苺や口に広がる少年期 愛媛県 紙崎 照明 38
北風に紛れて口笛吹いてみる 宮崎県 岡本 けい子 38
蜩の声の重たき一日あり 宮城県 神成 浩美 39
新雪や墨絵の中を舟下る 山形県 中塚 聖子 39
鮮やかな柚子の黄色に箸休め 茨城県 伊藤 茂美 39
ドーナツの穴のむこうの積乱雲 群馬県 関 あゆみ 39
あかぎれの手の平そっと包みこむ 埼玉県 七戸 智惠子 39
空港もややゆっくりと師走前 千葉県 八木 康彦 39
湯たんぽを抱いて心を温める 千葉県 小畑 麻夫 39
厄年や何くれとなく隙間風 千葉県 浮ヶ谷 佳久 39
トラクター後追いをする鳥の群れ 東京都 矢ヶ崎 耕一 39
紅葉手が合掌する先鳥居あり 東京都 田 千佳 39
澄み渡る大空一人今発ちぬ 東京都 菊地 みや子 39
蝶一匹一年生の列乱れ 東京都 庄田 理恵 39
まっすぐにペダル漕ぐシャツ風光る 神奈川県 飯島 幸子 39
老いてなお雪掘る父の背に学ぶ 新潟県 宮尾 俊行 39
ハムスター見て溜め息の月曜日 長野県 佐藤 孝明 39
ヒューヒュルリ首ちぢめろと風の声 静岡県 荊沢 孝之 39
新年がごろんごろんとやって来る 三重県 伊藤 典子 39
流れ行く精霊追った郷里の盆 三重県 平泉 寂村 39
春の地図コンパスを置く太平洋 三重県 坂石 佳音 39
濃紺のネクタイしめて雛を買う 三重県 東條 太郎 39
ひぐらしやこれより女人禁制に 兵庫県 松木 保恵 39
屋根裏の蝙蝠ふいにキィと鳴き 広島県 古賀 木綿子 39
初音聞く鍬を振る手も軽やかに 徳島県 河野 ひとみ 39
風花の生まれし町に殉じけり 徳島県 大堀 英博 39
桜道ひとひら舞い込み栞花 徳島県 高橋 敬子 39
満開の桜を蹴って逆上がり 東京都 木下 八重 40
筍をガバリと噛んで初夏香る 神奈川県 滝口 眞聖 40
水中でバターになるまで歩きます 静岡県 勝間田 美也 40
廃線が私の十代封印す 愛知県 山本 ルミ子 40
イヤリング一つ失くして秋の暮れ 滋賀県 福角 操 40
そこかしこ強き青あり夏近し 京都府 中川 至津江 40
とっておきの春星ひとつ磨きけり 兵庫県 今井 美浦 40
影揺れて異次元開くこの猛暑 宮城県 佐藤 喜久美 41
霜柱踏んで遅れる通学路 福島県 草野 亜津子 41
雪晴れてまぶしきまでの人の影 茨城県 倉原 芳男 41
窓を開けたら星空とつながった 埼玉県 藤野 寛己 41
雪虫に思う故郷の親の顔 神奈川県 中野 正雄 41
雪娘迎え入れたし侘住居 滋賀県 中村 英人 41
まだ誰か隠れていそうな秋の暮 愛媛県 森田 欣也 41
極月のふんわり揺れるカレンダー 福岡県 堂本 直美 41
せんこう花火海辺の風にとられそう 北海道 町田 千尋 42
裏道も近道もなき蟻の道 北海道 鈴木 ゆか 42
手に入れてたちまち飽きてからすうり 群馬県 中野 千秋 42
不運など笑いとばして春は来る 千葉県 郷 淳子 42
蛇穴を出てたっぷりと日を濡らす 千葉県 安藤 千寿子 42
光合成す少年も楡の木も 東京都 中村 みどり 42
枯れ木立何だかひとりになりたくて 東京都 内野 花音 42
大根の抜け穴少しあたたかい 岡山県 薬師寺 多美恵 42
凧揚げて地球まるごと吊り上げる 広島県 坂田 和彦 42
露天湯に日々のくらしの溶け出せり 福岡県 岩永 英雄 42
寒い夜入りたくない風呂ゆずる 熊本県 中村 靖子 42
正月の母の煮物が好きだなあ 鹿児島県 松元 尚美 42
赤とんぼ夕日が羽を通りぬけ 福島県 渡辺 初子 43
富士を背に出初めの法被空を切る 千葉県 小林 純子 43
跳び箱がとべてポカーンと秋の空 千葉県 高橋 正己 43
三月のプリンのような昼寝かな 東京都 浜田 順子 43
雪原まさに白が白である証拠 新潟県 五十嵐 尚己 43
縄跳びの声のうしろで山笑ふ 兵庫県 安井 郁子 43
夏の雲小さいほうはポチだよね 香川県 宮川 洋寿 43
立冬や口にあそんで黒砂糖 北海道 丸山 裕隆 44
大寒の光体として君来る 埼玉県 有永 克司 44
お年玉あてにするなと前おきし 埼玉県 山内 寿岐 44
二年越しの雪踏みしめて初詣 東京都 佐藤 勝 44
幾千の春眠乗せて電車行く 神奈川県 影井 正美 44
ボタン雪ただ一心に降ってをり 富山県 有倉  秀子 44
冬帽子福耳すっぽり包みけり 愛知県 市橋 富士美 44
延着のバスを横切る花吹雪 徳島県 芝山 明義 44
福袋破くばかりに中のぞき 福岡県 小川 ひろみ 44
早春は影絵のようにやって来る 茨城県 根本 菜穂子 45
冬枯れに赤きつぼみの勝気かな 千葉県 村田 桂江 45
クレソンのスープさしだす雪の夜 千葉県 石田 玲子 45
寝入りばな手拍子みたいに蚊を叩き 千葉県 小林 功 45
同窓会会わぬが花という時も 東京都 宮田 淑子 45
背伸びしてむりに刻んだ柱キズ 神奈川県 内田 弘子 45
カワセミが飛べばカメラの連写音 神奈川県 鏑木 恵子 45
梨の香とふるさと運ぶ新聞紙 神奈川県 松本 清美 45
寒卵飲み恋人に昇格す 新潟県 肥田野 由美 45
凹凸の書き順教え新学期 愛知県 内藤 秀子 45
ラケットの風切る音もつめたいね 愛知県 竹内 敦子 45
落ちそうな大きな月にクラクション 兵庫県 金曽 和子 45
冬蜂の死したる脚が脚を抱く 兵庫県 安井 光宏 45
満天をひとり占めして木守柿 広島県 岩本 幸久 45
踏み込んだアクセルの先夕日落ち 山口県 浜田 美智江 45
主婦となりまずは一束葱を買う 愛媛県 佐伯 輝美 45
湯豆腐の温み分けたし寒き群れ 東京都 横田 真司 46
家族皆どこか似てをりえんど豆 兵庫県 中村 佳津子 46
放課後の机の上に「罪と罰」 奈良県 宮久保 ひとみ 46
日だまりにそっと花咲く浜大根 熊本県 山口 容子 46
雪だるま寒波がぜい肉つけにくる 群馬県 米山 義昭 47
嘆息を袋に入れてポンと割る 埼玉県 武井 ゆかり 47
冬ぬくしいつもの角にいない猫 埼玉県 菅野 耕平 47
土手走る生徒の肩に昇る月 千葉県 毛内 裕子 47
地の震え踏みしめ越後の春へ向く 新潟県 中嶋 賢一 47
雛人形そーっと頬を撫でてみる 長野県 小出 栄子 47
雨の日もスイートピーの花言葉 京都府 今井 康夫 47
弔いは隣り村です月夜茸 大阪府 堀 隆子 47
腕組んで妻と六月ジャズ喫茶 北海道 坂入 隆人 48
一族のあっけらかんと初写真 埼玉県 赤井 摩弥子 48
梅ひとつすべての春を呼んで咲く 千葉県 宍倉 隆成 48
ふるさとへつづく線路のつくし摘む 東京都 菊池 隆 48
いち日をたっぷり生きた髪洗う 大阪府 藤田 素子 48
雪の下いろんな春がかくれんぼ 広島県 沖田 玲子 48
蝉の声水銀柱を上げていく 熊本県 古閑 由美 48
風の中一人で南むいている 群馬県 大塚 貴 49
ふるさとの心も編みて吊し柿 埼玉県 與五澤 明子 49
ちっぽけな人生だけど主役張る 千葉県 三田 恵子 49
さびしくて乗ってみようか春一番 東京都 尾上 恵子 49
廃校に思い残して巣立つ春 東京都 今村 公喜 49
紅梅のふくらみほどの胸のうち 京都府 梅田 郁子 49
しあわせをあげたくて立つ台所 群馬県 渋沢 ゆみ子 50
転送のメールが行き着く平社員 埼玉県 中垣 薫雄 50
古茶いれて話題も佳境にいりにけり 東京都 唐沢 利幸 50
おもたせであだな飛び交ふ小正月 東京都 菅井 幸枝 50
新緑を一人占めしたよな湯呑碗 東京都 山脇 和子 50
霜柱踏めばさくりと返事をし 東京都 広川 登志子 50
病んでなお笑顔の母に歳の暮れ 愛知県 高松 正明 50
逆風の岐路で少年父を越え 広島県 権藤 静江 50
大好きな春をかえせよ花粉症 千葉県 羽田野 佳子 51
犬小屋に猫の寝ている小六月 東京都 福泉 祥子 51
下萌えの地球ひっかく鶏の足 神奈川県 水島 進 51
冬菫ぽかんと空を眺めてる 石川県 久田 あや子 51
わたしには帰りたくなる家がある 静岡県 藤田 悟 51
ベランダで布団と一緒に私干す 兵庫県 新土 香代 51
くやしさをぎゅぎゅっと丸め鬼は外 徳島県 杉本 雅代 51
好きだから何も言えない海鼠です 香川県  憲子 51
菜の花や蝶のフリルに取り巻かれ 千葉県 鈴木 久枝 52
里山で身体の空気を入れ替える 千葉県 松尾 しょう子 52
板チョコの銀色の味終戦日 東京都 大西 敏雄 52
おみくじの百の引出し春を待つ 神奈川県 守屋 典子 52
コスモスの種蒔きて秋を予約せり 静岡県 近藤 一美 52
大根のみずみずしさよ生きている 兵庫県 梅木 照美 52
中年の入口で見る流れ星 広島県 藤井 茂基 52
神木の脇に手相見春深し 北海道 加藤 弘美 53
初氷三ミリほどの寒さかな 千葉県 小田中 準一 53
ぐるぐると朝をかきまぜ納豆を喰う 東京都 阿曽沼 一司 53
星月夜欠伸してゐる深海魚 東京都 布施 喜夫 53
夏の夜を終える儀式のビール注ぐ 岐阜県 金子 秀重 53
雪だるま七難かくして澄ましけり 大阪府 松下 桂子 53
あの子の名砂に残して夕焼ける 大阪府 橋 千代 53
白い杖君を友とし歩く道 兵庫県 大田 陽子 53
汐の香を土産に帰るアサリ掘り 広島県 塩形 美幸 53
オリオン座さえてかたむく竹林 鹿児島県 中馬 寛喜 53
枯野原何処かに春を隠してる 宮城県 尾形 和子 54
初凪の海は仏の顔を持つ 山形県 柏屋 敏秋 54
どんぶりを持ち出してゐる年の豆 東京都 金川 清子 54
万象の影の一つの冬木かな 東京都 鈴木 慶一 54
引っ越しは星に近づく田舎です 東京都 三井田 元江 54
街路樹もブルッと震えて雪落す 愛知県 小磯 千恵 54
夏の波つぎつぎ白き帆となりぬ 大阪府 鈴木 茂雄 54
少年の全身で食ふ西瓜かな 兵庫県 角田 知美 54
脳天をつつと叩いて寒さ入る 兵庫県 鈴木 清恵 54
二重虹町に童話の屋根並び 広島県 平田 はつみ 54
花よりも団子よりもあなたです 熊本県 段下 健一 54
ふる里に想いめぐらす雪俵 山形県 佐藤 治夫 55
春大根もう肥れぬとひしめきぬ 埼玉県 川端 三代子 55
病院の出口でほほえむ雛人形 神奈川県 関口 富郎 55
赤とんぼ巧みに空にとどまりて 神奈川県 成瀬 茂夫 55
薔薇の雨うなだれてもいいんだよ 京都府 犬島 光江 55
ビー玉を沈めて水の青涼し 大阪府 吉田 美子 55
古雛のほかには誰もいない朝 大阪府 橋 茂子 55
思い出はドーナツ盤の針のみぞ 兵庫県 有澤 恵美子 55
図書館の耳たぶ朱い受験生 愛媛県 平岡 たかし 55
老眼鏡掛けて見たいものだけを観る 福岡県 上田 哲次 55
春風に日の斑の水面輝けり 長崎県 西部 稔 55
古井戸の底まで透ける盆の月 沖縄県 渡部 百合子 55
劇場を出て風花の街に散る 茨城県 中沢 みち子 56
底冷えの宿直室の新暦 埼玉県 世羅 陽一郎 56
欠伸して床屋で春を迎えけり 千葉県 鶴岡 満 56
靴下の穴を忘れるほどの春 東京都 浅野 文男 56
学校に秋はこぼれていたりけり 東京都 井上 かつ美 56
夕焼けを追うて石段駆け登る 東京都 原田 つとむ 56
焼芋を人と分けたる甘さかな 東京都 平原 三恵子 56
骨量のしゃんとしてきて鳥帰る 神奈川県 佐野 笑子 56
薫風をしかと掴みぬ試歩の杖 神奈川県 芹沢 美知子 56
桜踏み振り返っては春を往く 愛知県 雨宮 哲夫 56
秋立つや少しだけ髪のばそかな 滋賀県 福井 由隆 56
万緑や骨になるため柩打つ 大阪府 中川 順子 56
夏空をつついておりぬクレーン車 兵庫県 鈴木 トミオ 56
マグマ噴くやういっせいに曼珠沙華 愛媛県 福本 博 56
雪虫があとついてくる山仕事 北海道 三上 公子 57
起床時の声で命の再確認 北海道 佐藤 久美子 57
立春の風に甘味のありにけり 宮城県 関根 通紀 57
定年やしばし緑陰去り難し 群馬県 小柳 雅信 57
雪だるま笑っているのに溶けていく 埼玉県 土谷 百合子 57
春寒や他人のごとき鼻の先 東京都 渡部 一美 57
黒潮を裏返しつつ秋刀魚焼く 東京都 佐久間 博信 57
秋時雨五百羅漢に我の顔 東京都 望月 皓美 57
焼芋の匂いが曲がる路地の角 東京都 與安 佐和子 57
めざし干しシベリア風でゆれている 神奈川県 井上 文二 57
憂きことは胸三寸に土筆煮る 愛知県 加藤 順子 57
遠来の孫去り今朝の戻り梅雨 愛知県 市川 善規 57
二月来る薄荷のような風連れて 愛知県 服部 久仁子 57
バラを抱く妻です僕はカスミ草 大阪府 吉村 久仁雄 57
蝉殻を三個下げたり将の墓 兵庫県 小谷 徹 57
想い出を暖めている雪明かり 山口県 河村 浩朗 57
凛々と光まとひし冬の滝 福岡県 内田 すみ子 57
雪合戦子供の声が好きな雪 青森県 高杉 和子 58
星涼しアラビアンナイトの幕が開く 岩手県 箱崎 幸雄 58
蓮掘りや両手で足をまず抜いて 東京都 宮下 龍巳 58
月弥生ふたつの影の柔らかき 東京都 田辺 隆次 58
なにもかも春まで隠す重い雪 神奈川県 石川 照夫 58
草餅を食べて乳房の柔らかし 長野県 中原 悦美 58
日だまりの木の葉かさりと動き出す 静岡県 小山 定子 58
初恋は未完がよろししゃぼん玉 愛知県 与玖 法破来 58
子らすでに男のにおいねむの花 大阪府 長谷川 千代美 58
山法師実になつかしき甘さあり 大阪府 引田 逸子 58
流氷も浮世も片道切符かな 兵庫県 藤田 雅子 58
人間に会わずに一日冬籠り 山口県 柳谷 志麻子 58
夕焼けや淋しいときは水匂う 埼玉県 西 智恵子 59
青春と言えるかどうか黄水仙 東京都 藤本 都 59
紅葉散る十二単をぬぐように 東京都 須藤 公明 59
麦踏んで地球の未来疑はず 神奈川県 北村 純一 59
横文字が少しは読めて燕来る 神奈川県 細谷 節子 59
屋根雪がドドーンとおちて春が来る 新潟県 青木 しゅう子 59
恋猫の行方不明となりにけり 長野県 佐藤 文子 59
藁塚に上手く隠れて寝てしまふ 愛知県 岩田 あけみ 59
残雪の明りがたより座禅堂 愛知県 鈴木 四朗 59
あれそれで会話している共白髪 三重県 佐藤 とみ子 59
戸締りの要らぬ離島や枇杷熟るる 愛媛県 伊藤 敬文 59
かまきりに挑発されて草を刈る 福岡県 松田 孝夫 59
渋滞の牛馬優先天高し 熊本県 牧野 立身 59
天国の静かさにあり蟻地獄 北海道 鹿又 美智子 60
人影をむっつりと置き枯野原 千葉県 蛭名 節昌 60
鉛筆のタクトに合わす春の歌 千葉県 日吉 茂子 60
毎朝の我流体操枇杷の花 東京都 井戸 春実 60
梅白し女優の鼻の高すぎて 神奈川県 見城 まさ子 60
鮟鱇に睨まれ一歩退けり 愛知県 田原 智恵子 60
米研ぎて妻に夜長の始まりぬ 愛知県 岩田 勇 60
妊りし教師のくさめ春立てり 三重県 橋本 眞佐子 60
貝割菜何だなんだと芽を出しぬ 大阪府 谷口 幸一 60
貝殻で幼子すくう日本海 北海道 鹿又 真一 61
鶯に先を越されし目覚めかな 埼玉県 柴田 仂 61
メランコリーな背中を三日月追いかける 埼玉県 堀口 公子 61
先生は違ふ桜を見てをりぬ 千葉県 秦 孝浩 61
納豆の糸に巻き込む初音かな 千葉県 小林 三寒 61
ピッチャーの仕草になるや福は内 東京都 金子 茂 61
撫子の浴衣懐かし乙女の日 神奈川県 藤山 佐代 61
ピストルが鳴りてプールが沸騰す 静岡県 大石 壮吾 61
つばきより赤き帽子の地蔵さま 静岡県 坂田 吉康 61
炎昼や足の届かぬ三輪車 愛知県 桑山 撫子 61
初つばめ小学校を根城とす 鹿児島県 尾辻 和子 61
行商の老婆の背かごに春薫る 青森県 平野 好 62
雨宿り燕に軒先ちょっと借り 埼玉県 小林 志津子 62
絵のような海見ています黒日傘 埼玉県 高島 達郎 62
菜の花や五〇年目の同窓会 千葉県 野口 義昭 62
福の豆こんなところにありにけり 東京都 荒川 美智子 62
消しゴムの滓をふやして春愁 神奈川県 渡辺 照子 62
子供らと踊りあそびし花の原 長野県 清水 直人 62
白壁に赤きソロバン吊るし柿 静岡県 齊藤 修 62
秋静か鳥の止まりし枝の先 愛知県 余語 典子 62
口唇にそっと春色ひいてみる 兵庫県 田添 サエ子 62
影のびていよよ気の立つ球児かな 北海道 清水 雅之 63
摩周湖の水青ざめて若葉寒 北海道 藤枝 博 63
閑かなる母のふるさと凧あがる 群馬県 峯岸 伸一 63
炉火に灰かぶせて母の今日終る 東京都 川口 年子 63
玉砂利が軋み輝く初日の出 東京都 小山 勇 63
一人では抱えきれない春が来た 神奈川県 佐藤 雅康 63
やはらかに空の近づき桜満つ 神奈川県 中島 成子 63
通せんぼしても虚しや秋終わる 新潟県 山田 悦子 63
病からぬけ出せそうな春の音 愛知県 村上 紀子 63
あるがまま受け入れ卒寿笑顔よし 三重県 岸本 幸子 63
雪降ればこもれる母か茶を送る 山口県 浜田 道子 63
よその子と九九唱へつつ土筆摘む 福岡県 福田 昌子 63
センチより尺が身につく針供養 福岡県 梅野 美智子 63
悩んでる木などはないぞ山若葉 群馬県 小倉 太郎 64
ガラス戸の中をうかがう冬の蝶 埼玉県 根本 一朗 64
秋祭り綿菓子ひとつ買いに出る 千葉県 吉若 佳代子 64
東京は通過する街一葉落つ 千葉県 市川 秀子 64
雪おろし銀山郷を守りけり 東京都 野村 暁男 64
せがまれて孫と公園をはしごする 東京都 福井 晧子 64
山肌をさくらづくしの色に染め 長野県 内川 幸子 64
かくれんぼまだ見えている昼の月 愛知県 北村 久子 64
絵手紙を持ってさがしぬふきのとう 兵庫県 森本 喜美子 64
月見草狐が美女に化けし原 徳島県 安芸 紀子 64
サンマ焼けご飯も炊けて恙なし 北海道 橋 わか子 65
俎板を使わぬ嫁の鮭料理 埼玉県 原沢 かね子 65
隣りまで掃いて我が家を光らせる 埼玉県 守屋 昇 65
燈台がタクトを振って海明ける 埼玉県 金子 功 65
身ひとつの入退院や返り花 千葉県 志田 明子 65
立春にフランスパンを立てて行く 神奈川県 丸山 幸子 65
凜として昭和八十年の初灯し 神奈川県 白崎 道忠 65
猫の手も孫の手もほし稲を刈る 長野県 神田 輝枝 65
定年日通勤列車に黙礼す 大阪府 坂川 頼幸 65
少年の脱皮を終えし夏果てむ 大阪府 辻 経 65
みずうみに彩にじませて遠花火 兵庫県 松林 和生 65
両足をどさっとなげ出す遍路宿 広島県 井上 佳子 65
宙返りできてまあるい月に会う 青森県 鳴海 賢治 66
土返す老婦の背なや朧月 神奈川県 円城寺 徳男 66
風磨く神のお池の氷面鏡 長野県 伊東 かずみ 66
ひまわりに手の届くまで肩ぐるま 岐阜県 加川 喜泉 66
大振りの木綿豆腐や針供養 静岡県 酒井 瑛弌 66
手さぐりの老母に渡せし茶の温み 三重県 加藤 恵子 66
かりんの実貌のいびつがいとおしい 兵庫県 中井 明日美 66
カトレアの好きと言う子が転校す 青森県 滝内 政子 67
結び目のこじれて解けぬ余寒かな 青森県 三上 滋 67
縄跳びにくぐりて入る必死かな 群馬県 豊嶋 秋生 67
笑栗の一つひとつに空があり 埼玉県 人見 正 67
春の田へ足の指紋を配りをり 埼玉県 高橋 寛 67
すくすくと伸びる野菜を撫でてやる 千葉県 木村 ふみ子 67
春時雨くず湯の中に祖母がいる 神奈川県 落合 多恵子 67
犬小屋の犬の退屈春疾風 静岡県 槫林 澄子 67
あぢさいに百の家族が棲んでいる 愛知県 山田 正治 67
河童忌や手垢のこりし一書あり 滋賀県 西尾 辰之 67
龍田姫ふはりと樹樹の色移る 大阪府 中原 弘 67
あつまればみな派手好み曼珠沙華 和歌山県 辻内 次根 67
満月の中で輝く日本地図 岡山県 戸松 孝雄 67
県境ひょうたん島の草紅葉 愛媛県 山本 弥生 67
水中花根もなく咲いて子は遠し 福岡県 和田 京子 67
洗濯機家族の絆からみ合い 北海道 斎藤 恭子 68
湿原の水の大地に鶴が舞う 北海道 小甲 賢三 68
軽々と風を抱きて竹の秋 茨城県 矢口 やい 68
沖に浮く舟のまぶしき二月かな 茨城県 根本 雪江 68
孫の爪肩にくいこむお馬さん 埼玉県 小笠原 勝弘 68
ハーモニカ吹けば広がるうろこ雲 埼玉県 田熊 允雄 68
孫の手のころがっている春隣 千葉県 横山 久子 68
クーラーを消せば遠くで盆踊り 愛知県 土屋 稔 68
二色の潮にまみれし汲む 京都府 岩井 彬 68
山吹をさけて裏戸の片開 大阪府 福本 敏子 68
子の丈に合わせて飛ばすしゃぼん玉 大阪府 山本 孝子 68
手文庫の中の少女期桜貝 青森県 森越 嘉子 69
コンパスに起点のありて春立てり 神奈川県 貝谷 妙子 69
天の子のちぎり遊びや牡丹雪 神奈川県 加瀬谷 昭子 69
食卓に西瓜ごろんと欠伸する 神奈川県 五十嵐 ヤイ子 69
大仏と目線が合うて桃の花 神奈川県 三浦 豊 69
参ったと平身低頭の余寒かな 神奈川県 佐藤 博一 69
寒菊の色よきことを筆談す 岐阜県 勝川 佳子 69
蛇口洩る一滴二滴寒ゆるむ 静岡県 中川 正男 69
瓜坊のころげ落ちたる神の池 三重県 世古 きみ江 69
七草の厨にあれば土匂ふ 大阪府 松尾 タキ 69
座を立てば水仙の香も立ちあがる 大阪府 嶋野 智之 69
眞向ひに天守閣見ゆ卆業す 愛媛県  あきら 69
捨てがたき手袋片方ばかりなり 宮崎県 義村 良江 69
春立つ日森は樹氷に輝やけり 北海道 藤本 裕子 70
国境の愚を笑う渡り鳥 千葉県 長沼 映夫 70
蓬髪のアインシュタイン日向ぼこ 東京都 松井 青堂 70
あやとりの梯子を貰う花の昼 東京都 山崎 照子 70
獅子舞の噛んで受けとる祝儀かな 神奈川県 上田 久幸 70
風呂蓋の猫と話して長湯せり 岐阜県 千葉 君子 70
真白な漁夫の鉢巻五月来ぬ 三重県 田島 もり 70
今日去ると決めて燕の潔よし 大阪府 井島 正 70
秋風のなかに鍵束ざくと置き 大阪府 永田 愛子 70
万緑の島引き寄せて斜張橋 広島県 橋本 収三 70
町内の生き字引なり生身魂 福岡県 大里 義孝 70
蟻穴を出て旧姓で呼ばれけり 福岡県 宗 康子 70
もう一度リンゴまるごとかじりたい 熊本県 相水 絹枝 70
地球儀を回して誘う夏の旅 山形県 真木 従子 71
お茶淹れて下座の好きな母なりし 福島県 遠藤 恵子 71
人も来ず電話も鳴らず老ひの春 群馬県 赤岩 昌三 71
片栗の咲いて逢いたさつのる夕 千葉県 三浦 章一 71
日の暮れてあと一坪と春田打つ 千葉県 坂本 正夫 71
春寒し晴れたる空に根なし雲 東京都 西川 絹子 71
花みずきパン屋の前の乳母車 東京都 鈴木 史郎 71
パソコンの画面に春を呼びだして 石川県 五十嵐 一雄 71
さっそうと歩いてみたし草萠ゆる 大阪府 岩田 明子 71
コーナーで影にも抜かれ運動会 奈良県 八百野 準平 71
老いし背に戸惑いつつも雪降るる 広島県 本 房枝 71
大の字に寝て若草に抱かるる 山口県 田中 清久 71
通勤の道変えて見る春田かな 福岡県 岡部 英将 71
マスクしてマスクの人を避けて居り 福岡県 進 壽治 71
咳ひとつ残してとおる冬木立 佐賀県 齊藤 慧 71
僕の凧高所恐怖症かもしれぬ 茨城県 島 敬二 72
余生といふ言葉好まず筍むく 栃木県 鶴見 恭子 72
夏の空ミルクを飲んだ色をして 群馬県 木暮 とみ江 72
一条の夕日を貰ひ石蕗の花 千葉県 栃原 久 72
帰省する子の足音に耳澄ます 千葉県 金子 陸郎 72
春風や迷路のような地下を出て 神奈川県 稲垣 千恵子 72
ふるさとを絞り染めして曼珠沙華 神奈川県 浦上 昭一 72
風薫る山のかたちの握り飯 岐阜県 竹中 孝子 72
店先に小豆の匂ふ城下町 岐阜県 東海 百合子 72
マフラーや短き首の西郷どん 愛知県 中島 志朝光 72
補助輪も父の手もなく春を漕ぐ 福岡県 田上 悌三 72
女温泉の昼の親しき落椿 宮崎県 大津 幸奈 72
休日の炬燵の中に討ち死にす 宮崎県 吉原 正見 72
抱きつけと言われて哀し介護の湯 栃木県 吉田 鐵四郎 73
冬昴氷河は青く眠りたる 東京都 井上 敬子 73
空探し深きところに雲光る 神奈川県 奥谷 英夫 73
水中花門限のない少女いる 神奈川県 須佐 はじむ 73
白銀の輝く尾根に歌ひびく 京都府 佐倉 冨男 73
あどけなき児の歯の白き磯遊び 兵庫県 上村 要子 73
どやどやと戻りて開く冷蔵庫 香川県 田村 道明 73
利休忌や点前の杓の指の艶 香川県 田中 千鶴子 73
福耳の祖母の歩巾で初詣 福岡県 則行 範子 73
地の奥の鼓動に覚めし芽吹かな ブラジル 清水 照子 73
鳥の眼で樹海を渡るロープウェー 北海道 背戸田 ふみ 74
大根の大地跳び出す力かな 北海道 西明 英男 74
おろせども雪卸せども丈の嵩 福島県 長谷川 敏雄 74
絵手紙のような南瓜に育ちけり 埼玉県 中野 政江 74
鳥の眼のやや険しくて風二月 埼玉県 前田 美智子 74
英字紙と水母漂ふ岸にをり 東京都 藤本 修 74
寒月や熊が寝返りうつ時間 新潟県 飯塚 不二男 74
冷奴いくつに切れど同じ顔 長野県 水内 喜久江 74
寝ころんでラジオ相談聞く日和 静岡県 多々良 友彦 74
携帯を持てば死後まで呼び出され 三重県 伊藤 貞義 74
奥比叡咲かせて終る花便り 大阪府 岸川 敦子 74
少年は合掌とかず初天神 千葉県 辻川 和人 75
遠泳のしんがり努めし日も遙か 東京都 鬼武 法子 75
しゃぼん玉乗ってゆきたい次の世へ 神奈川県 細畠 壽美子 75
門跡は有髪におはす小町の忌 静岡県 杉山 ひでこ 75
砂時計零れて梅雨の音になる 広島県 清水 凡平 75
大工来て先づ雪掻を始めけり 宮城県 矢崎 卓 76
煮大根芯まで古希になっている 埼玉県 奥山 雷火 76
如月や絵馬札に聴く風のこゑ 東京都 長嶺 定夫 76
冬薔薇人の氣配のなき館 東京都 原 武史 76
種採って朝顔日記終りけり 東京都 高橋 久子 76
どんぐりが弾む生き抜けるよきっと 東京都 世古 正秋 76
朝堀りの筍ごろり無人店 愛知県 鈴木 章 76
今日一日感謝で生きるズルもする 京都府 泉 宏明 76
刃物屋をすっとよこぎる秋の風 熊本県 岡村 美智子 76
一村に血縁の濃き鶏頭花 大分県 紀田 昭鳳 76
針穴に糸は通らず秋暮るる 大分県 豊田 辰幸 76
わいわいと家族で大根洗い干す 栃木県 田島 キミ 77
麦秋の父の仕事着塩の地図 群馬県 小菅 利夫 77
地球儀をくるくる廻し他國の冬 埼玉県 山本 典子 77
哲学の坂と名づけて落葉踏む 東京都 大野 鶴子 77
春きざす絵筆洗へば水光る 東京都 戸倉 華子 77
竹林に見え隠れして胡蝶舞う 東京都 日向 美知子 77
コスモスや女工哀史の峠道 東京都 鈴木 日出子 77
夏祭り御輿に勝る肩車 神奈川県 伊藤 保壽 77
観覧車空から春をもらひけり 神奈川県 加藤 一雄 77
モンゴルを望む長城青き踏む 長野県 宮井 武彦 77
若水の凍えしひびき汲みにけり 静岡県 遠藤 龍三郎 77
母の日に母の母あり健やかに 広島県 門田 三代子 77
宵の空まだ薄墨の春の富士 広島県 中野 久子 77
師碑の有る里への道を恵方とす 福岡県 廣戸 すずえ 77
満月のうしろに住みし美少年 埼玉県 白井 春子 78
月明の機関車がばがば水を呑む 滋賀県 中阪 賢秀 78
現し世のひとり歩きや茄子の花 埼玉県 筒井 伊豫 79
独り碁に小猫の欠伸うつりけり 埼玉県 河合 良一 79
人生も編みなおしたいと毛糸解く 東京都 田村 さく 79
源平記読めば鎌倉しぐれけり 神奈川県 山口 晩夏 79
合併の村から町へ雪解川 岐阜県 挾土 ゆた子 79
回想がごろりごろりん芋ぐるま 熊本県 八木 孝 79
待つことも待たるることもなき案山子 北海道 鹿又 松次郎 80
棒針で光編み込む冬帽子 群馬県 小菅 初枝 80
塵払ふ小学図鑑小鳥來る 埼玉県 飯田 正也 80
初鏡八十路の紅をさっとひく 埼玉県 清水 きよ美 80
柿を食ふ貌すさまじきひとりなり 千葉県 池嶋 茂 80
春一番老ひの背中を押してくる 東京都 島崎 五 80
春一番花粉と共に来て憎し 三重県 松井 喜四郎 80
ひとつづつ消えゆく過去やしゃぼん玉 大阪府 福島 律江 80
大川瀬ダムを包みて梅の花 兵庫県 秋田 安穂 80
春雪に朱の鳥居のはなやげり 広島県 大久保 喜久子 80
滴りといふ水美しき流れあり 北海道 横山 利光 81
大雪野一列無言修行僧 北海道 高橋 ゆきを 81
アメリカの人も交じへて芋煮会 栃木県 伏木 トミ 81
水匂ふ青田の中の帰り道 東京都 今井 金次 81
シャワー浴ぶ長子眩しく卒業す 岐阜県 後藤 智子 81
アカペラの校歌が胸打つクラス会 栃木県 瀬尾 マチ 82
マフラーの好みシックな帰省の子 東京都 酒井 重雄 82
信濃路の吾は旅人木の実落つ 滋賀県 桑原 里江 82
哲学の顔してかまきり肥えられず 兵庫県 竹島 清歩 82
山鳩の含み啼きして冬に入る 群馬県 宮下 美代 83
噛まれても笑う西瓜の大歯形 愛知県 松山 一郎 83
ほうほうと障子にたまる鳩の声 広島県 安冨 松枝 83
余生とは手持ち無沙汰となる孤独 山形県 佐藤 守 84
粽しっかり抱いた「やまびこ」自由席 埼玉県 渡辺 謙三 84
梅一輪針塚濡らす小糠雨 三重県 植山 昇 84
着ぶくれていまなほ身元保證人 北海道 小林 アヤ子 85
手鏡の化粧くずるる大西日 東京都 諸戸 美恵子 85
寒椿ひとりで咲いてひとり散る 長野県 大嶋 一義 85
星流れ神話に遠きバター塗る ブラジル 浦旗 都家子 85
難聴の拍手音もなく冴ゆる 北海道 藤田 和夫 86
春雨や遺影を撫でて客帰る 北海道 楠本 たけし 86
茶を啜り今日一日の幕が開く 東京都 高橋 左駄 86
土間の灯がふっと消されて夜業終ゆ 富山県 中村 正一 86
起伏なきわが晩年の日記果つ ブラジル 高橋 幸太郎 86
春愁や村中の音みな和む 宮城県 中川 トミ 87
向日葵の私語とどかずにふと笑ふ 岐阜県 水野 政子 89
白鷺が降りて絵となる鮎の川 東京都 小名 露子 90
万緑にまぎれてしまひそうな寺 千葉県 南條 勝子 91