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第十三回受賞作品
各部門受賞者
英語俳句 その3 その2 その1 佳作特別賞 その2 その1 都道府県賞 その2 その1 ユニーク賞 後援団体賞 審査員賞 一般の部B(40歳以上) 一般の部A(40歳未満) 高校生の部 中学生の部 小学生の部(幼児含む) 各部門 大賞 文部科学大臣賞

大賞
小学生の部
  (幼児含む)

なわとびに回されている君の足
長野県 長野市立篠ノ井西小学校 夏目 みな 10歳
■作者より
去年の冬、体育の時間に縄跳びをしていました。その時、友達の1人が二重跳びをしていたのですが、すごく早く回っている縄に合わせて、友達の足も早回しのように早く動いていて、まるで上半身と別々のようでした。そのようすを国語の授業の俳句の時間に思い出して作りました。

■選評
下句で生きた。なわとびが段々と早くなってゆく。その回転に負けずにタイミングよく足を回す。回す人と回されている人との争いになる。ときには真剣に、ときには笑い声を立てながら、そこに呼吸合わせた協調と真剣さと、そして最後には笑い声に変わってゆくのだ。

大賞
中学生の部

学校の匂いがぼくを眠くする
北海道 岩見沢市立清園中学校 矢野 哲基 14歳
■作者より
国語の授業で俳句を作ることになった時、僕にとって、学校の友達との関係や、学校の雰囲気は、とても居心地がよく気持ちよいので、それを俳句にしようと思いました。 「学校の匂い」というのは、学校の雰囲気とか友達との関係を表したもので、「眠い」というのは、自分にとって居心地が良いとか、気持ちが良いという意味で使っています。決して学校にいると眠くなってしまうということではありません。

■選評
学校というところは、さまざまな顔を見せてくれる。教室は、ある時はきびしく、ある時は笑える時間帯もある。校長室のいかめしさ、教員室の本音とたてまえの時間と声の動き、保健室の静けさ、理科実験室の不気味さ、そんな中でときに疲れ眠たくなることもある。緊張と融和の中で妙に眠たくなるのも学校なのだ。

大賞
高校生の部

クロールの息つぎを見て恋終わる
兵庫県 私立賢明女子学院高等学校 前嶋 有紗 16歳
■作者より
学校でできなかった俳句づくりを家で考えていた時、ふと「今は女子高でプールもないけれど小学生の頃にはプールの時間というのがあったな」と思い出した。そして当時、プールの時間に男子のクロールの息つぎを見て友達同士で面白がったことを思い出しました。そこでクロールの息つぎする顔を見てしまったために恋が冷めることもあるのかなぁと思って作りました。

■選評
クロールという泳ぎは呼吸の仕方と足の動きがスピードを生む。おそらく四百メートル位の中距離を泳いでいるのであろう。最初の張り切った顔の表情が、疲れで段々崩れてくる。好きだったひとの息継ぐ顔が歪んでくるのを見て作者の心の中で今まで描いていた好ましい像が崩れてゆくのを感じた。

大賞
一般の部A
  (40歳未満)

糸とんぼというより風に近かりし
北海道札幌市 鶴谷 英俊 25歳
■作者より
よく自転車に乗ることが多いので、風が強いと気になるので風をテーマに作品を作ろうと思いました。風で思い出すのが、すでに他界した父が釣り好きだったこともあり、よく子供の頃、一緒に川へ釣りに行った時のことです。釣りに行くと川原でよく見かけるとんぼが、風と一体になって飛んでいる様子で、特に華奢な糸とんぼなどは一つの風景に溶け込んでおり、まさに風のように見えたことを表現しました。

■選評
実に繊細に対象を見ている。父に連れられてよく釣りに行ったという作者が、川原でよく見かける糸のようにほそい糸蜻蛉のとび方に眼を向けるようになった。風に吹かれながらおぼつかなく飛ぶ糸とんぼは、ときに風次第で吹かれとぶように見える。糸とんぼは、もうとんぼより風と呼ぶ方が近いのではないか、風そのものではないかと思った。すぐれた詩人の眼である。

大賞
一般の部B
  (40歳以上)

木の実踏み石段の数忘れけり
東京都中央区 土屋 昌子 76歳
■作者より
健康のために万歩計をつけていますので、ちょっとした階段があると必ず数を数えるのが癖になっています。姉と近くの山に行った時のこと、最初はおもしろがって石段の数を数えていたのですが、木の実を踏んでしまった時、それに気をとられてしまい何段まで数えたか分からなくなってしまいました。それを句にしたものです。

■選評
山の石段を数えながら登ってゆく。それが健康の日課のようになって数を数えながら登ることにしているのに、丁度木の実の季節で、石段の上に落ちていた木の実を思わず踏んだ。そのとたん、ずうっと数えていた段の数を忘れてしまった。どこにでもあるようで、自然を景に採り込んだおもしろさも俳味の一つ。