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【契約栽培】島根県浜田地区 株式会社 扇原茶園

親子で切り開いた茶畑のお茶を全国に広める

日本海を望む茶畑

『扇原茶園』代表取締役会長 佐々木玲慈さん

『扇原茶園』代表取締役会長 佐々木玲慈さん

日本海に面している島根県の浜田市で営む茶畑は全国的にみても、とても珍しいと思います。『扇原茶園』から海は近くに見えるけど、山間にあるので塩害はありません。

こんな立地ですが、戦後、市の奨励もあって、浜田市にはお茶農家がいっきに増えたそうです。しかし、お茶の樹は、成木に育って収益を得られるようになるまで年数がかかるとあって、1軒、2軒と辞めていきました。そんな中、私の父(創業者 佐々木正人さん)は絶対に諦めず、「睡眠時間は人の半分で充分」という気概で、心血を注ぎこむように開墾していったのです。しかし、島根茶には主要な茶産地のようなブランド力が無いので、県外での販売も難しく、県内でも年々販売量は減少していました。

そんな中、伊藤園との緑茶飲料原料の契約栽培は1998年に始まりました。お付き合いのきっかけは、知り合いの作家の先生がたまたま伊藤園に取材をされたことがあって、そのつながりで「島根に茶農家があって、とても苦労している」という話をしてくださったことです。人とのつながりには本当に感謝しています。

伊藤園の緑茶飲料は、緑茶全体の需要を高めることにつながると思ったので、喜んで契約栽培に参加させていただきました。契約栽培では、基準に適合した茶葉ならば全量買い取ってもらえるので経営が安定し、安心して茶農家を続けることができます。しかし、初めての品質チェックでは伊藤園に驚かれてしまいました。というのも、この畑の土壌はお茶が伝わってきた中国でよくみられる“赤土”に似ていると言われ、茶の生育に適していると思っていたのですが、一番茶も二番茶も今風の緑の濃い水色が出せていなかったのです。

前途多難に思えましたが、伊藤園がこまめに浜田市まで出向き、丁寧に肥料や土づくりのアドバイスをしてくださるので、その期待に応えようという気持ちがわいてきて、頑張ることができました。そのとき、「伊藤園はただの飲料会社ではない。お茶屋が原点で、お茶飲料が主力なのだから、その原料をつくる茶農家の皆さんが頑張ってくれないと成り立たない。一緒に頑張って欲しい! 」と、アドバイスだけでなく、激励までしてくれました。静岡や九州といったお茶どころだけでなく、日本全国の茶農家を変わらずサポートする姿勢に心を打たれたと同時に、「扇原茶園」のお茶が緑茶飲料の一部になって全国で販売されるのだから、さらに品質をあげていこうという責任感も生まれました。

消費者を間近に感じながらのお茶づくり

伊藤園の自動販売機がつくり手のはげみです。

契約当時、伊藤園の自動販売機が1台もなかった浜田市の知り合いなどに声をかけて、設置場所を営業の方に紹介しました。生産の現場と、自動販売機の営業で汗をかいている人が結びつくなんて、伊藤園ならではだと思います。また、自分の茶畑の前にも自動販売機を置いてもらっているので、つくり手として励みになっています。

1994年には敷地内に移設した元小学校の講堂を改装し、交流館としての活用を始めました。そこでは、連休や夏休み時期に、子供向けのお茶をテーマにした体験学習を行い、その一環として、茶摘み体験も行っています。「この茶畑で摘んでいる茶葉が、あの自動販売機で売られている緑茶飲料に使われている」という思いで体験する茶摘みは、食育的な観点からも、とてもためになると好評です。また、原料がここでつくられているという安全性のアピールになると実感しています。ただ単純に納品するのではなく、人々とのつながりを感じながらお茶づくりができることは、つくり手として本当に幸せなことです。

『扇原茶園』代表取締役会長 佐々木玲慈さん

インターネットで気軽に通信販売ができる時代といっても、実際に自分たちのつくったお茶を全国流通させるのは、生産者には非常に難しいことです。だからこそ、緑茶飲料として全国で飲まれていると思うと、大いにやりがいを感じます。伊藤園の皆さんも素晴らしいと驚くような品質のお茶を育てていきたいです。

後継者として意気込みを語る貴裕さん

『扇原茶園』代表取締役社長 佐々木貴裕さん

父と一緒に伊藤園との打ち合わせなどに参加するうち、じわじわと茶農家魂に火がついてきました。品質をもっともっと上げていきたいし、生産量も増やしたいです。そして将来、祖父や父が築いてきたお茶づくりや、伊藤園との関係を、さらに良いものにしていけるように頑張りたいです。

産地情報

所在地

島根県浜田市

農家名

株式会社 扇原茶園

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