主な研究成果

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平成19年

2007年4月5日

レンゴー株式会社との共同で

茶殻を配合した「 お茶入りダンボール 」を開発

茶殻を配合することで紙原料の使用量を削減し、地球温暖化防止に貢献します

日本で初めて緑茶飲料を開発した株式会社伊藤園(社長:本庄八郎 本社:東京都渋谷区)と、日本で初めて段ボールを世に送り出したレンゴー株式会社(社長:大坪清 本社:大阪市北区)は、共同で茶殻(茶飲料残渣)を含水のまま段ボールに有効活用する技術開発に取り組み、茶殻を配合した「お茶入りダンボール」を開発しました。まずは、当社の茶系飲料製品の包装材として、この4月から活用してまいります。これにより、当社茶系飲料製品の製造工程で排出される残渣が、環境に負荷をかけることなく段ボールに姿を変え、当社製品の流通段階にも有効活用されるというリサイクルを実現します。

「お茶入りダンボール」

「お茶入りダンボール」は、飲料製造工程で排出される茶殻を、環境面に配慮して含水のまま使用しています。
従来、飲料工場において排出された茶殻は水分率と温度が高く腐敗しやすいため、有効活用するには事前に茶殻を乾燥させる必要があると考えられてきました。しかし、茶殻を乾燥させるためには石油資源を必要とし、環境に負荷をかけることになります。
そこで当社が開発した、茶殻を含水のまま保存・配合する技術を段ボール製造工程に応用しました。これにより、茶殻を乾燥させることなく、また段ボールの通常製造工程に負荷をかけることなく、段ボールに茶殻を配合させることが可能となりました。

また「お茶入りダンボール」は、段ボールに茶殻を配合することで、紙原料の使用量を削減するという点でも環境にやさしい設計になっています。
「お茶入りダンボール」1枚(※)当たり、当社の緑茶飲料「お~いお茶」500mlPET約2本分に使用される茶殻が配合されます。これにより、紙原料の使用量が削減されますが、段ボールとしての強度は通常のものと変わりがありません。また、「お茶入りダンボール」は、使用後も通常どおり段ボール古紙として何度でもリサイクルが可能です。
(※)1,013mm × 627mmなど(飲料包装材用サイズ)

このようなリサイクルの運用の仕組みを構築するにあたり、それを実現する茶殻の「輸送」面でも環境に配慮しました。
レンゴー(株)が段ボールを輸送する“帰り便”は、これまでは空の状態でした。このたび「お茶入りダンボール」をレンゴー(株)と開発したことで、この“帰り便”を活用し、当社委託飲料工場に立ち寄り、排出された茶殻をレンゴー(株)に輸送します。これは、茶殻の輸送に別途かかるコストや環境負荷を削減することにつながります。

当社ではこれまで、茶殻を地球環境配慮型の工業製品などに有効利用する研究を推進し、茶殻を乾燥させることなく活用する独自の「茶殻リサイクルシステム」を確立しました。一連の取り組みが評価され「茶殻リサイクルシステム」は、環境関連の複数の賞を受賞しています。「茶殻リサイクルシステム」により誕生した「お茶入りダンボール」には、外装に茶殻使用の環境表示や受賞した各賞名を表記する予定です。

外装に茶殻使用の環境表示や受賞した各賞名を表記

【研究開発の背景と経緯】
近年の緑茶飲料をはじめとする茶系飲料の需要増に伴い、製造工程で排出される茶殻(茶飲料残渣)の量は年々増加しています。当社においても、主力緑茶飲料製品である「お~いお茶」の売上増とともに年々原料茶の使用量が増加しており、それに伴って排出される茶殻の量も増加しています(2005年の年間茶殻排出量:39,000トン)。

当社は、「新技術に挑戦する伊藤園」「みんなで環境を考える伊藤園」という経営方針の一環として、茶殻を地球環境配慮型の工業製品などに有効利用する研究を推進しており、茶殻の抗菌効果や消臭効果を利用した茶配合製品(「茶配合ボード」「茶配合樹脂」「茶入りせっこうボード」など)を開発するなど、独自のリサイクル技術「茶殻リサイクルシステム」を確立しています。また、茶配合ボードを用いた「さらり畳」(株式会社北一商店と共同開発)や茶配合樹脂を用いた景観配慮型自動販売機などの応用開発にも取り組んでいます。
一方でレンゴー(株)は、「地球環境の保護を重視すること」「活力あるビジネスを通して、繁栄と夢を実現すること」を念頭に、常にパッケージング・テクノロジーを進化させ、新たな価値を創造しつづけています。

今回、両社の「地球にやさしい製品づくり」という考えが合致し、「お茶入りダンボール」の開発に至りました。段ボールは「リサイクルの優等生」といわれ、古紙を主原料とする環境にやさしい包装資材ですが、「お茶入りダンボール」は茶殻を配合することにより未利用資源を有効利用し、古紙の使用量を削減した「より一層、地球環境に配慮した製品」であると考えています。

【今後の展開】
茶殻は本来、昔から一般家庭において畳掃除や消臭剤などとして利用されてきた馴染み深いものです。しかし現代では、茶殻のもつ消臭性や抗菌性などを活用する意識が薄れ、茶殻は廃棄物であるという認識になりつつあります。当社では、茶配合製品の研究開発に積極的に取り組み、普及させることにより、社会において「茶殻=廃棄物」ではなく、身近な有用資源であるという考えを定着させ、「茶殻=有用資源」という意識付けに役立てたいと考えています。

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